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本編 燦聖教編
プロジェクトA
しおりを挟む『さぁ主様これを履くジャイ♪』
『まずはこの車輪に慣れないとコブ♪』
俺は異空間にあるジャイコブ用に作ったステージ上にいる。何をしてるかって?俺にも分かんないよ、ただ一つ言える事は、俺にとって良くない事が始まろうとしてるってのは分かる。
「なぁ……ハク、ロウ。俺もコレ履かなきゃダメか?」
俺は車輪を持ち上げハクとロウに見せる。
その言葉を聞いたハクはふかふかの尻尾をペタンッと下におろし、悲しそうな目をしてティーゴを見る。
『ぬうっ主様は我らと踊るのが嫌ジャイか……!?』
ハクとロウは先程までの自信に満ち溢れた様子とは打って変わり、その姿は今にも泣きそうにも見える。
『我ら主様とのステージを楽しみにしてるコブのに……主様は我らが嫌コブか……』
ロウがティーゴに自分達が嫌なんじゃないかと震えながら質問する。
「えっ!?違っそんな意味じゃなくてっ!俺が居たらステージの邪魔かなって」
ちょっと待ってくれ?俺はハクとロウにそんな顔をさせたい訳じゃなくて……っ!
『邪魔な訳ないジャイ!主様が必要ジャイ』
「あっそっそうか……なら」
『なら?良いコブよね?』
ハクとロウがずいっとティーゴに詰め寄る。
「あっ……うっうん」
その勢いにティーゴは頷く。
『よっし主様、うんって言ったジャイ男に二言は無いジャイ!さぁ一緒に頑張るジャイ!』
ジャイ♪ジャイ♪ジャイコブ♪ジャイジャイジャイコブ♪
ハクとロウはいつもの陽気で軽快なダンスを踊りだす。
あっあれ?さっきの泣きそうだった姿は何処へ?
ご機嫌じゃないかっ!
余りの態度の変わりようにポカンと固まるティーゴ。
それを見たハクは何かを察し、慌て少し落ち込んでる風の演技を始める。
その一通りを見てティーゴはやっと気付くのだった。
「なっ……ハクッ!ロウッ!騙したなっ」
『なっ……何の事だ~か分から~ないジャイ♪』
『我らは主様が踊るって言葉聞いたコブ♪約束コブ♪』
くそっやられたっ!次はどんな悲しそうな顔したって言う事聞いてやらないからな!
『さぁブーツにこの車輪を付けるジャイ♪』
ハクとロウは車輪が四つ付いた靴をすでに履いていた。
もう履き慣れたのか余裕で滑る様に移動している。上手いもんだな。
この車輪は靴に取り付ける事が出来るのか……ハクとロウが履いてるヤツは靴と車輪がくっ付いている。
凄いな良く考えられてる。あの短時間で良く作れたもんだよ。
多分オーちゃんに我が儘言って作って貰ったんだろうけど。
『主様?出来たジャイ?』
ハクが出来たか?と聞いてくるので「おうっ」っと返事をし立ち上がろうとすると……っ!
「あわっ!?ちょっなっ?」
立とうとするも足が勝手に滑り出し、まともに立つ事さえ出来ないティーゴ。
「なっ何だコレ?!あやっ股がっさけるっ!」
両足が勝手に逆方向へと滑り、ティーゴの足は股裂状態だ。
これに耐えられる筈もなく尻餅をつくティーゴ。
「いっいてっ……何だよこれっ!立てねーじゃねーかっ。はぁっ股が裂けるかと思った」
そんなティーゴの姿を
こっそりと一部始終傍観している者達がいた。
『ぷっくっくっ……何やってるんだよっティーゴの旦那っ!』
『あはははっ股が裂けるって!』
『ブッッ』
スバルと三号とパールである。
パールに至っては余程面白かったのか、肩を震わせ声も出ない様子。
それに気付いたティーゴは、恥ずかしさの余り真っ赤になってしまった。
「お前らっ!くそっ何しに来たんだよっ」
『なにって?……ぷっくくっ。ティッティーゴの旦那をっしっしんぱっいっあはははっ』
『そうよっぷはっあはっ』
スバルと三号は笑いが止まらずまともに話す事が出来ない、パールに至ってはまだ一言も発せずに口を押さえプルプルと体を震わせていた。
そこに現れたハクとロウ。
『主様?遊んでる場合じゃないジャイ』
『残り時間はもう二時間も無いコブよ?』
「えっ……?いやっその」
ハクとロウ?何か顔が怖いよ?
『これはプロジェクトA始動ジャイ』
『ほう……アレをやるコブか』
ハクとロウはティーゴを両側に周り込み脇を持つと引き摺るようにステージ奥の部屋へと連れて行った。
ちょっと待って!プロジェクトAって何をするんだよっ
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