お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する

大福金

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本編 燦聖教編

ティーゴの特訓

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『ちょっと大事な用があるジャイ』
『異空間に行って来るコブ』

ハクとロウは何やら忙しそうに異空間に戻って行った。

何だ?帰ってジャイコブ達と相談するのかな?
アイツら一体この広いステージで何をする気何だ?

パールが燦聖教スターセブンに渡した魔道具があるから、俺達は別にステージで魅了解除の歌を歌わなくて良い訳だし……。

もしかして!ただこのステージで踊りたいだけじゃ?!
アイツらならありうる、そのステージに巻き込まれない様にしないと。

ステージに座り心地良い風を浴びていたら、銀太がそっと右横に座った。
両手を俺の右手にギュッ巻き付けて、俺をじっと見る銀太。
いつもは艶のある美しい被毛に、俺が体を埋め包まれる方だからこの体制は新鮮だ。
少し妹のリムを思い出す。

「どうしたんだ?何か言いたげだな?」

『主は奴隷や酷い目にあった魔獣達を、助けてあげたいのであろ?』

「そりゃそうさっ。全員は流石に無理だって理解してるけど、助けてあげられる人達は……っ」

『あの中心からアレク達と同じ匂いをいっぱい感じるのだ』

そう言って銀太は、貴族の屋敷が集まっているであろう街の中心地を指さした。

「いっぱい感じるのか?」

『うむ。弱っている気も多数あるのだ』

「そんなっ!直ぐに助けてあげないとっ」

俺はスクッと立ち上がり、急いで貴族達の屋敷に向かおうとした。

「銀太教えてくれっ!」

その様子の異変に気付いたスバルが飛んで来た。

『ティーゴの旦那っ!どうしたんだよ。そんなに慌てて何処に行く気だよ?』

「貴族の屋敷に獣人奴隷達が多数いるって、そんで弱ってる獣人達も居るって聞いて、いてもたってもいられなくって俺……」

どうしても、残虐な酷い扱いを受けていた獣人達を思い出し胸が苦しくなるんだ。

『分かるけど……ティーゴと銀太二人じゃ手に負えない人数がいそうだぜ?上から飛んで屋敷を見たけど、ざっくりみても貴族の屋敷は百以上あったぞ?それを一軒一軒見て周るとなると……』

「そっそんなに屋敷があるか……!?」

それじゃ中々助けられないじゃないかっ!どうしたら良いんだ?!

すると……。

出してあった異空間の扉からいつもの軽快なリズムが聞こえて来た。

ジャイ♪ジャイ♪ジャイ♪ジャイ♪ジャイ♪ジャイ♪ジャイ♪ジャイ♪ジャイ♪ジャイ♪ジャイ♪ジャイ♪ジャイ♪

「なっ……!?」

扉からジャイコブウルフ達が美しい列を成し、シンクロした美しい足取りでどんどん出て来る。

ジャイ♪ジャーイ♪

『全員~止まれっジャイ♪』

異空間に居た全てのジャイコブウルフ達が出て来た。総勢二百匹以上いるから歩くだけなのに大迫力だ。

『主様!さぁステージの準備は完成ジャイ!』

『一緒に熱いダンスを踊るコブ!』

そう言ってローラーが付いた靴を俺に渡して来た。
ちょっと待ってくれ!異空間の用事ってまさかこの靴を作るために?!
でも今はそれ所じゃない。

「ハク、ロウ!ステージで踊りたい気持ちは分かるけど……俺、貴族の屋敷に捕まってる獣人達を助けたい」

するとハクは前足の指を一本立て横に振った。

『チッチッチッ。主様そんな事は全てお見通しジャイ♪我らがステージで貴族達を魅了している間にこのジャイコブ部隊が屋敷に忍び込み獣人達を連れて来るジャイ♪』

『弱っている獣人達はアイツらが運んでくれるコブ』

ロウがそう言うとバイコーン達が扉から出て来た。

「すっ凄い……こんな先の事まで考えて計画バッチリじゃないか!」

『これもパール様と考えたジャイ♪』
『そうコブ』

なっ……逃げる様にジャイコブ達の所に行ったんじゃなかったのか、はぁ本当パールには頭が上がらない。
まだまだ俺は手の平で転がされているな。

『と言う訳ジャイ♪』

『さぁ?頑張って練習コブ♪』

「へぁ?!」

ビックリし過ぎて変な声が出た。何で俺がこの謎の靴を履いて練習するんだ?!
別に俺要らないだろ?ハクとロウで充分すぎるほどカッコイイじゃないか!

「何で俺まで?」

「ぷぷっ」

「んっ?」

その時ハクの後ろに居たパールと目が合った。
その姿は口元に手を当て必死に笑いを堪えている。

「パールっ!また面白がって」

『さぁ行くジャイ♪』

『時間は余りないコブ♪』

ハクとロウに連れて行かれるティーゴ。

「ちょっと待ってくれよっ!俺別に要らないよな?」

そんな姿をパールは肩をフルフルと震わせながら見て居た。
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