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本編 燦聖教編

家族達の再会

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ガランとしていた一階の広間は牢屋に囚われていた子供達で賑わっていた。

かなり広い筈の一階広間も、八百人以上いる子供達が集まればまあまあの密集状態だな。でもまだスペースはある。

子供達は銀太やパールが回復魔法をかけてくれたおかげもあって痩せてはいるが、肌艶は良く元気に走り回っている子供もいる。
牢屋で見た時とは別人だ。

皆お腹空いてるだろうしなぁ……。教会の子達と同じでいきなり肉祭りは胃がビックリしちゃうよな。
この人数のスープか……大きな寸胴鍋が沢山必要だな。
オーちゃんに作ってもらうか。

「なぁパール?俺は異空間に戻って、オーちゃんに大きな寸胴鍋を作って貰って来るよ。その次いでに野菜も収穫してくるよ」

「分かったのじゃ。ここにおる子供達の事は任せるのじゃ」

肉はまだまだ沢山あるけど、野菜はこの人数を満足させる量はちょっと足りない。
今朝収穫したばかりだから、慈愛の水で野菜を成長させて収穫しなくちゃ。

異空間の扉を開け、オーちゃんのお店に走る。

主殿あるじどのどうした?そんなに慌てて』

「ローデンブルグの街でな?多くの子供達が牢屋に入れられてて……子供達は皆お腹すかせてるんだよ」

『ぐっ燦聖教は同じ人族にまでその様な事をするんだな』

オーちゃんは少し悲しそうな表情をし顔をしかめめる。

「そうなんだ。だから俺は子供達に栄養満点スープを作ってあげたくて、オーちゃんに大きな寸胴鍋を作ってもらいたいんだ!」

俺は寸胴鍋の大きさを身振り手振りでオーちゃんに伝える。

「分かったよ。任せてくれ」

オーちゃんが鍋を作ってる間に俺は野菜の収穫……。

野菜畑に行くと多くの獣人達が野菜の手入れをしていた。新たな苗も植えてくれている。

俺は慈愛の水をかけて再び野菜を実らせて行く。

「ティーゴ様お手伝いしましょうか?」

獣人達が何人か手伝いに来てくれた。

「ありがとう」

『ティーゴ様、オイラもお手伝いしまキュよ♪』

俺達の様子をこっそり見ていたキュウタも、収穫を手伝ってくれるみたいだ。

「キュウタありがとうな助かるよ」

俺はキュウタの頭を撫でた。

『キュッフ♪』

獣人達やキュウタのおかげで、あっと言う間に沢山の野菜が収穫出来た。

オーちゃんに頼んでいた寸胴鍋も完成したので、さっそく外にある調理場でスープ作りに取りかかる。
肉や野菜を細かく刻んでコトコト煮込む。
今回も慈愛の水でスープを作って見た。


「よっし!スープ完成だ!後はコピー料理で増やしてっと」

急いで皆の所に戻らないと!

「あっそうだ!スープ鍋一つ置いとくから皆で食べてねー!」

「「「「「「ありがとうございます」」」」」」

『美味そうっキュ』


⭐︎★⭐︎★⭐︎★⭐︎


俺は異空間の扉を開けパール達の所に戻ると⁈

「わっ⁉︎何だこの人達は⁈」

一階広間は人でひしめき合っていた。

「アレクが街の大人達を集めて来たのじゃ。皆家族と会え喜んでおる……良かったのう。すんっ」

なるほど……よく見たら皆、涙を流し抱き合って喜んでいる。
子供達も幸せそうだ、良かったなぁ……。

「ティーゴはスープ完成したのか?」

「バッチリだ!」

俺はスープをアイテムボックスから出し机の上に並べて行く。今度の寸胴鍋は教会のよりデカイサイズだ。

スープの美味しそうな匂いが広間に広がる……

ゴクリッ

突然……唾を飲み込む音が聞こえそうな程に静まり返った。

かと思うと……皆が鍋に向かって押し寄せて来る!

「すっスープを貰えるのか⁉︎」「この美味そうなスープは金がいるのか?」「美味ししょー!」「しゅうぷたべたい」

「皆さん!落ち着いて下さい。スープは沢山ありますから順番に並んで下さい」

街の人達はスープの前に綺麗に並んだ。
ギルマスのセイラさんもスープを配るのを手伝ってくれた。

「美味しいスープをありがとうございます」
「子供達を助けてくれてっ……ううっ……ありがとうござっ…ふうっ」

スープに並んでいる街の人達が泣きながらお礼を言ってくれる。

「港ではカラアゲありがとうなっ……すんっそれにっむっ娘を助けてぐれでっ……ありがとう!」

「港で寝てて目が覚めると……コイツがカラアゲ食べながら、神様がこの街を救いに来たって言うんだよ?
本当かっ……?何言ってんだって皆で話してたら……本当にっ本当子供が……戻ってくるなんでっ神様っありがとうございます!ううっ」

「わっ!神様じゃないからな!そんな大声で言わないでくれ」


港でパールが眠らせた兵士さん達も皆、子供と再会出来たんだな……良かった。


「ふぅーっ配り終えたかな?俺達もスープ飲むか」

街の人達全てにスープを配り終えたので、俺達も一息ついた。

「ふぅーっこのスープ肉がホロホロと口の中で溶けていくのじゃ!ゴクンッ……美味い」

『スウプ美味いのだ。でも我は肉も食べたいのだ』

銀太がスープだけでは物足りないと言い出した。その気持ちは分かるが、今はこの場所で肉の匂いは凶器だ。

「肉は後でいいーーっぱい食わしてやるから今はスープで我慢してくれっな?」

『むぅ……』

俺が銀太の頭をヨシヨシと撫でてた時


シュンッ‼︎


『ただいまーって⁉︎何だコイツらは?』

『何かの祭りか?』
『凄い人数ね……』
『あっ!美味そうなスープ飲んでるっす!アッシも飲みたい!』

突然スバルと一号、二号、三号が転移して来た。
全員……艶っつやの顔してやがる。一体何と戦ってきたんだ?



⭐︎★⭐︎★⭐︎★⭐︎


『なるほど!コイツらは燦聖教が牢屋に閉じ込めてたのか……良くこの人数助かったなぁ』

スバルが良かったなと空を飛び街の人達の様子を見ている。

『今からはどーするんだ?』

二号はこの先どうするかが気になるようだ。

「今から貴族の屋敷に突入するつもりじゃ!」

『何⁉︎もちろん俺も行くぜー!』
『私も手伝うわよ?』

『では、俺は壊れた家を修理してるよ』
『それじゃアッシは二号を手伝うっす』

さすが二号、街の壊れた家や瓦礫などが気になったみたいだ。


スバル達も帰って来た。皆で貴族の屋敷に突入だ!

ジャイジャイ♪ジャイコブ♪ジャイジャイジャイコブ♪
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