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本編 燦聖教編

シャウエンのその後

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おっ?ファラサールさんから魔法鳥が来た!

どれどれ?

ピラッ

「こんにちはー!ティーゴ君。
シャウエンの街も大分元の街に戻って来たよ。

とりあえず報告するね。
シャウエンの街はセロデバスコの領主様デニール侯爵の領地になったよ。
今デニール侯爵が僕と一緒にシャウエンの街に来てくれてね。復興に向けて頑張ってくれてるよ。

(おおっ!デニール侯爵がそれは頼りになるな)

シャウエンの街にあった貴族街は廃止。街の貴族八割が検挙されたからね。
燦聖塔は取り壊し。

(燦聖塔には良い思い出がない。取り壊して正解だな)

検挙された貴族達は皆、爵位剥奪後は一生鉱山労働。
今まで何も仕事してない貴族達からしたら鉱山労働は辛いだろうね。
もちろん少しでもサボると鞭打ちが待ってるよ。
これで少しでも平民の気持ちや奴隷にされた子達の気持ちが、分かってくれると良いんだけどね。

(獣人奴隷はもっと酷い目にあったからな!どんなに辛いかその身を持って味わうと良いんだ!)

シャウエンの元領主アホン・ダラァー侯爵と燦聖教のバッカ・ダナ司祭は表向きの名目上は亡くなった事になったよ。

二人の面倒は王家の暗部が一生見る事になった。
今も暗部が可愛いがってくれてるんじゃないかな?
暗部に男好きの奴も居てね?痛がる姿を見ると興奮する変態なんだけど……おっと刺激が強すぎるね。
まぁ暗部の何人かが日替わりで面倒を見てくれるらしいよ。

シャウエン街の事は安心してね。

また連絡します

ファラサール 」

最後の暗部……何するかは考えないようにしよう!だって怖い!
アイツらは自業自得だよな!

ファラサールさんの手紙パールにも見せないと。
シャウエン街の今後の事、気にしてたからな。

パールと二号は早速獣人達用の温泉を作ってくれている。

俺は急いで獣人達の集落に走って行く。

「パール!ファラサールさんから手紙」

「ふうむ?どれどれ見せるのじゃ!」

パールが手紙に夢中になってる間に、俺は二号に銭湯を案内して貰う。

『もう殆ど完成したよ!広さもこれくらいが丁度いいだろ』

「もう?これを?流石だな」

木で作られたシンプルだけど風情のある建物。セロデバスコの湯屋と雰囲気が少し似ているなぁ。

「このデザインって倭の国の銭湯か?」

『良く気付いたな?そうだよ。これは小さな大衆銭湯を真似して作ったんだ』

「そうか……何だか落ち着くな」

『ふふ……そうか?』

二号と話をしながら中も見て回る。
銭湯の入り口は同じで、中のお風呂場が男湯と女湯に分かれている。
外から中は見えない作りだ。

ほんの数分でこれだけの建物を作ってしまう二号……天才だな。

今ある露天風呂は外から丸見えだからな。人口も増えたし……作りを改良した方が良いかもだな。

手紙を熟読したパールが俺達の所に走って来た。

「デニールがシャウエンの街を管理してくれるんじゃの!これで安心じゃのう」

安心したのかパールの顔はニコニコしている。
猫なんだけど、何となく表情が、分かるんだよな。嬉しい時とか怒ってる時とか。

「そうなんだよ!復興も進んでるみたいで安心したよ。
ところで……後どれくらいで隣国ジャバネイルに付くんだ?」

俺とパールは船の操縦席に向かう……パールは航路の魔石に魔力を通す……。

「ふうむ……一番近い街ローテンブルクまであと二日って所かのう……」

「まだ二日もかかるのか!早く行きたい」

「その気持ちはワシも同じじゃ!じゃがどうする事もできん。船のスピードも最速じゃしの?」

「ゴメン……分かってるんだけどな」

「まぁ着いたらお仕置きタイムで忙しくなるんじゃ!今くらいはゆっくり落ちつこうの?」

「……うん。そうだよな」

ローテンブルクの街はアレク達が住んで居た街……燦聖教により一体どんな街に変わってしまったんだろう。
まだ街に隠れ潜んで捕まっていない獣人達も居るかもしれない。
全ての獣人達を救うのは無理かも知れないでも救える獣人達ら皆助けてあげたい。

後二日か……。

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