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本編 燦聖教編
獣人族の願い
しおりを挟む「シファ!お前っ……生きて……!」
「父さん!」
「姉ちゃん!」
先に助けたライオン獣人のグレンさんはシファさんのお父さんだった。
ライオン獣人の子供も弟だったのか……シファさん達は抱き合って喜んでる。
その姿を見たアレクが自分の事の様に泣いていた。
船にいた大人獣人を連れて来た事で先に助けていた子供達と涙の再開を果たしている。
コレは家族用の家も必要かもな!
「ティーゴ!手伝って!獣人達が焼いても焼いても肉食べるから!追い付かないの!」
三号が大きな肉塊を両手に持ち走って来た。
「そんなに?」
「そうなの!」
そりゃそうだよな。皆まともなご飯食べてないからお腹空いてるよな!
「分かったよ!ジャンジャン焼くぞー!」
パパン♪パァーッン♪
「ん?どしたリンリン?」
『美味しい竹ノコ沢山取れたから焼いて欲しいんだって』
三号が通訳してくれた。
「そうなのか?」
パアアンっ!
そうだと頭を上下に振る。
この前に作った竹ノコご飯も美味かったしなぁ……焼き竹ノコか……。
ピコン!
オススメ
竹ノコのバターショーユ焼き
竹ノコのテンプラ
何その美味そうなの!
ピコン!
竹ノコを茹で【ベヒィ特製バター】で竹ノコを焼き、仕上げにショーユを回しかけ完成!
ピコン!
ニューハウン名物海の出し汁【コンブ】と【ショーユ】を入れた煮汁に竹ノコを入れ茹でる。
後は卵と小麦粉と水を混ぜた液を竹ノコに付けて揚げる
液に塩と酢を少しだけ入れるとなお良い。
塩で食べるのがオススメ
どっちも絶対に美味い料理だ!
それと、竹ノコご飯も作るかな。
「リンリン?竹ノコはまだまだあるか?」
ンパン!
任せてとリンリンはドンッと胸を叩いた。
まずは竹ノコご飯の準備をしながら竹ノコも茹でる。
竹ノコ茹で上がって来たかな?
次はこれに出汁を入れて味付けしてっと。煮込んでいく。
釜に竹ノコ、米、出汁を入れて炊く。
炊き上がりを待ってる間に一番気になってたやつ!
二号が作ってくれた大きな焼き台の上にフライパンを置きバターを流し入れる……。
そこに大きめに切った竹ノコを入れて焼く……!バターの焦げる良い匂いが!
仕上げにショーユを回し入れ……
ジュワーッ!
「はうっ!何この食欲をそそる香り!焦がしバターと焦がしショーユのハーモニーだ!」
興奮してスバルみたいな事言ってしまった……。
もう我慢でしない!
パクッ!
「ーー!んーっ‼︎」
んまっ!焦がしバターショーユ……最強だよ。
淡白な味の竹ノコにまた合う!
「ティーゴ!何じゃこの美味そうな匂いは!ワシにも寄越すのじゃ!」
『主~!たまらぬ匂いが!何だコレは!』
食いしん坊のパールと銀太が匂いにつられて焼き台に走って来た。
「これはな?新作竹ノコのバターショーユ焼きだ!」
「バターショーユ焼きじゃと?……ゴクリッ」
パクッ
「‼︎なっ……この香ばしさ……クセになる美味さ!おかわりじゃ」
『美味いのだ!バタショユ香ばしくって!おかわりなのだ!』
「ちょっ……待ってくれよ?」
俺は慌ててコピー料理で増やしパールと銀太に渡す。
「はいどうぞ!」
おっ?竹ノコご飯も炊き上がったみたいだな。
今日は獣人達に竹ノコ料理を振る舞うか!
残すはテンプラだな!
まずは小麦粉、卵、塩、酢、水を混ぜ合わせる。
そこに出汁で煮た竹ノコを潜らせ揚げるだけ。
おお!カラアゲとはまた違った感じで美味そうだ!
どれ?味見。
サクッ
「んまっ!これも美味い!」
シンプルな味付けなのに……深い味わい。食感も堪らない
『そんなに美味いのか?どれ?俺にも食わせろ!』
サクッ
『はわっ!何て歯応えだ!サクサクが止まらない!
やばい……これは何かの罠かも知れないぞ?美味すぎてやめられない!』
スバルよ……何の罠だよ!ただの竹ノコのテンプラだ!
『…美味し…オデ…竹ノコ…好き…』
キュッキュウ♪キュウッフ♪
キラとキューも美味そうに食べてるな。
竹ノコのテンプラは衣のサクッとした食感が堪らない!
竹ノコ最高だ!
これは竹ノコをいっぱい掘ってくれたリンリンに感謝だな。
気が付くと俺の焼き台の周りには、匂いに釣られた沢山の獣人達が集まっていた。
「獣人達ー!いっぱいあるからな?食べていいぞ!」
ーー美味い!竹ノコー初めて食べたー幸せの味ーこの楽園は幸せしかないーはぁ美味いー料理が全て美味しいー
獣人達は竹ノコ料理をウットリと幸せな顔をして食べている。
クスクスッ
獣人達も竹ノコ気に入ってくれたみたいだな。
ん?
アレクのやつ!まだ料理も食べずにあんな所で一人……泣いてるのか?
「おい?アレク……お前また泣いて……ほら?肉食べな?」
アレクは色々と思い出してたら……涙が止まらなくなってらしい。余程辛かったんだな。
燦聖教め!絶対に許さないからな!
「うんまー⁉︎何だこの肉?」
「んん?ワイバーンとかオークキングとかだな?」
ブッッ!
「何だよ汚いなー!」
「ごめっ……ビックリしてさっ」
「さ?あっちで皆と一緒に食べようぜ?」
「おう!」
⭐︎★⭐︎★⭐︎★⭐︎
あー美味かった……。
肉も美味かったけど今日は竹ノコの勝利だな。
「ーーん?どした?」
俺がニヤニヤと寛いでいたら……獣人達が集まって来た。
何⁈まだお腹空いてんのか?
「ティーゴ!獣人族を代表して言わせてくれ!俺達を助けてくれてありがとう」
獣人達が一斉に深々とお辞儀をした。
「アレク!お礼はいっぱい貰ったから!もういいよ!」
「それで……恥を忍んでお願いしたい。俺達獣人の住む場所が見つかるまでこの楽園で住まわせて欲しい!」
「なっそんな事!当たり前だろ!お前達を適当な場所に置いていくかよ!もちろんそのつもりだ!」
「本当に……いいのか?神々が住まうこの楽園に俺達普通の獣人などが一緒に暮らしても……」
何だよ!神々が住まう楽園って!楽園からさらに進化してるじゃねーか!
「あのな?ここはお前達が思う楽園とかじゃねーぞ?
それでも良いならいつまでも居てくれてオッケーだ!」
ーーワァァー!ありがとうございますー神様ー天使様ーありがとうございますー
「ありがとうティーゴ!」
アレクは泣きながら俺を抱きしめた。
……この心が傷付いた獣人達を幸せにしてあげたいと、俺は心の底から思った。
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