お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する

大福金

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本編 燦聖教編

パールの怒り

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『ただいまー!可愛い服買って来たよー』

『ついでに美味そうな甘味もな?』

洋服を買いに行った三号とスバルが帰って来た。
甘味は頼んでないがな?


『何?甘味じゃと!我にも寄越すのだ!はよう!』

銀太はスバルの所に走って行った。


『はい!どーぞ。服着せてあげて?』

三号がアレクに服を渡す。

「ふぇっ?オオッ俺が?いやっ……そんなっそれは……」

アレクが真っ赤な顔してモジモジし出しだした。

『何恥ずかしがってんのよ?恋人同士でしょ?』

「そっ…それはそうなのだが……ゴニョ…まだ裸は見た事が無い……」

アレクはもう……全身真っ赤だ。体から湯気が出てる。

『もう、じゃティーゴが着せる?』

三号が急に無茶振りして来た!

「はっ?なっ?何で俺が!」
「そそっそうだ!俺も見た事ないのに何でティーゴが先なんだよ!」

『はぁ……っ分かった!私が着せるわ?これで良い?』

三号は呆れる様な表情をした後、俺達の前で、体を包んでいたカーテンを取った。

「「ちょっ!俺に見えない所で着せてくれ!」」

俺はパールを抱えて急いで部屋から出た。

「どーしたのじゃ?ティーゴ?何で部屋を出るんじゃ?」
「どーしてもだ!女の子の裸は無闇矢鱈に見るもんじゃないの!」
「ほう……紳士じゃのう」

アレクも後を付いて来たのか、部屋から出てきた。

あははは
「アレクお前!真っ赤だぞ!体から湯気出てるし……」

「うるさいよ!俺とシファは清い付き合いなんだ!ティーゴだって赤いぞ顔!」

「なっ……!」

「楽しそうじゃの」



⭐︎★⭐︎★⭐︎★⭐︎


目を覚ましたシファさんは、この状況が理解出来ずにパニックになりかけた。

シファさんは眠る病気にかかり、二年ほど眠っていたと言う事にした。
その病気を治してもらう為にアレクがシファさんを連れシャウエンに来て、先程三号に病を治して貰い、やっと目が覚めたんだと話した。

シファさんは涙を流し、何度も何度も三号にお礼を言っていた。

燦聖教の事やこの二年間で獣人達に何が起こったのか……アレクがゆっくりと話していた。
それを時折り涙ぐみながらシファさんは真剣に聞いていた。

まだ二人の話しは長くなりそうだな。

「ティーゴよ?ファラサールに今すぐ王城に行くから王に合わせろと、魔法鳥で連絡するのじゃ!」

「ええ⁉︎今すぐ?」

「そうじゃ!彼奴らを連れて転移する。
ワシは久しぶりこんなに怒っておる!
王の近衛兵がこの街にこれるのは急いでも一週間はかかる。そんなの待っとれん!」

「パール……」

その気持ちは俺も同じだ。急いでファラサールさんに手紙を送った。

「じゃあ行くかの!」

「まだ返事帰って来てないよ?」

「行くって知らせたんじゃから良いんじゃ!」

分かったよ!

「皆?パールと出かけてくる!直ぐに帰って来るからな?ちょっとだけ待っててくれ」

『モグッ…主?何処にいくのだ?』


「王城にアイツらを連れて行って来るよ!あっそうだ!待ってる間これ食べててくれ!」

俺は作り置きしていた。豪華肉バーグサンドを出した。

『やったー!小腹が空いてたのよね!』

『豪華肉バーグ!肉汁がほとばしる美味いヤツだ!』

「後でアレクさん達にも分けてくれよ?」

『『『はーい』』』

「ティーゴ!何しておる早くいくのじゃ!」

せっかちな大賢者様だよ。



⭐︎★⭐︎★⭐︎★



ここは前に一度来た事がある場所……王様との謁見の間だ!この場所は緊張するなぁ。

「あれっ?パール……人化したのか?」

「大事な話をするのに、猫の姿では説得力がないからのう」


俺達が裸の男を連れ、突然謁見の間に現れたので、気付いた衛兵が走って来た。
それを片っ端からパールが魔法で眠らせて行く。

謁見の間入り口から俺達の周りには衛兵の山が出来ていた。

やばく無いかこの状況……どう見たって暴漢じゃないか?


衛兵の山をかき分けファラサールさんと王様それに宰相のギールーさんが走って来た。

王様走らせちゃったよ……
チラリとパールを見ると気にしてない見たいだな。

「こっこれは⁉︎皆眠っている?」

王様達は眠っている衛兵を不思議そうにみている。

「気にするで無い!此奴らは魔法で眠らせておるだけじゃ!用が済めば元に戻してやる」

「これだけの人を眠らせるなんて……そんな事が出来るのか⁉︎」

ファラサールさんはパールを不思議そうに見た。そして横に居た俺と目が合う。

「ティーゴ君!
流石に急過ぎるよ!
たまたまシャウエンの報告などを王様にしていたから……僕が王城に居たけど……」

「すみません……」

俺は申し訳無いとばかりに頭を下げる。

「遅いのじゃ!ワシは大分待ったのじゃ」

パールは国王様の前なのに、ふんぞり返って文句を言う。

パパ…パールさん?何言ってるの?不敬罪とかになるよ?

「おぬしが国王か?今の王の名は何じゃったかのう?」

「王に向かって先程から……!その様な態度!不敬であるぞ!」

宰相のギールーさんがパールの喋り方や態度が不敬だと怒る。
そりゃそうだよな……俺も思うよ。

「お主とは話しておらん!黙っておれ!」

パールは何かの魔法でギールーさんの口を塞いだ。

「‼︎」

突然喋れなくなったギールーさんは驚きモゴモゴしている。


「あの~……ティーゴ君?この方は?」
「なんじゃ?ファラサールよ一緒に魔王討伐にも行ったのにワシを忘れたのか?」

「魔王討伐?貴方と行った覚えは……」
「ああ……今世ではなかったの。前世でじゃの?」

「ーー前世?そんな……でもまさか……この話し方は……」

「仕方ないのう……」

パールは圧倒的な魔力を解放した。

「これでワシが誰か分かるか?ファラサールよ!」

「貴方様は……!カッ……カスパール様です!」

ファラサールさんはそう言うと泣き崩れてしまった。


「大賢者カスパール様!」

王様までがパールの前で跪いた。
王様が跪いたのでギールーさんも直ぐに跪いた。

俺も慌てて跪いた。立っているのはパールだけだ。
国王様を跪かせているこの状況を見た人ビックリするだろうな。

「大賢者カスパール様!お会い出来て光栄です。私はこの国の王アレクシス・ヴァンシュタインです」

「今世ではパールじゃ」

「大賢者パール様」

「それでじゃ……?ワシが急いで此処に来た訳はの?
彼奴らを一刻も早く連れて来て、お主に裁いてもらう為じゃ」

パールがダナ司祭とダラァー侯爵を見る。

「あそこに居る裸の男性達ですか?」

「そうじゃ!左の男が燦聖教の司祭じゃ!街を占領しシャウエンに奴隷を持ち込んだ元凶じゃ!その隣が領主じゃ!司祭と組んで好き放題しておった!」

「アイツらが……何て事を……!」

その後もあの二人が獣人達にどんなに酷い事をしたのか、パールは国王達に話した。

「血の通った人のする事じゃない!」

国王は驚き軽蔑の眼差しでダナ司祭達を見る。

「司祭は隣国ジャバネイル王国の者じゃ!この国の法で裁かんでも良い!」

「それでは……」

「王国直属の暗部があるんじゃろ?」

「そんな事まで知っているのですね。暗部に任せろと?」

「そうじゃ。人を痛めつけるのが趣味の変態が揃っておろう?」

「そうですね。死んだ方がマシだと思うでしょうね」

パールと国王様?何の話してるんだ暗部って何?

「パール……暗部って?」

「拷問などで懲らしめたり尋問したりするのが大好きな奴らの集まりじゃ」

ヒィ!何その怖い集団!

「パール様!その言い方はちょっと……!」

「何じゃ?間違っておらんがの?」
「いやっはは……」

「特に司祭の方は獣人を痛めつけて、強姦する様な変態じゃ!」

「なるほど……自分も同じ事されて見たら良いんですよね?」

王様とパールの会話が怖い。

「ではの?頼んだのじゃ!」

「あっ!カスパール様!」

ファラサールさんが泣きながらパールの袖を掴む。

「ファラサールよ?そんな顔するで無い。お主は今世のワシとも一緒に旅しておるぞ?」

「へっ?」

「ワシの名前はパールじゃ!ティーゴの仲間にそんな名前のヤツがおらんかったか?」

「あっ!」

「ではの?此奴らの処分は頼んだのじゃ」

パールと俺は皆の所に転移した。
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