お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する

大福金

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本編 燦聖教編

何だ⁈

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『そんでこのオーガキングの名前は何なん?』

ベヒィが名前が何だと俺に聞いてくる。
名前……⁈そう言えばまだ付けて無いな。

「まだ名前付けてないや」

『そーなん?早よ付けたげて!その方が呼びやすいやんな?』

『そうジャイ!カッコ良いやつ頼むジャイ!』

ーー名をくれるのか?……俺に⁈……嬉しい。すんっ

『またぁ!直ぐ泣くんやから!キラと一緒やな』

『…オデと一緒…?仲間…』

カッコ良い名前ったって……俺はセンスが無いんだぞ!そんな簡単に良い名前なんて浮かばないよ!

んんと…
オーガキング……オオ…キング…
ん~……決めた!

オーガキング!お前の名前は『オウ』だ!

ーー俺の名前は『オウ』嬉しい……

眩い光が辺りを包む……。

【オーガキング特別種】
名前  オウ
種族  鬼人族
ランク    S
年齢  855
性別  ナシ
レベル 451
攻撃力 67541
魔力  14520
体力  75140
幸運   1250

スキル 豪腕怪力 錬金術

主  ティーゴ


「へっ?テイム?」

『ああ……何だこの全てが満たされていく心地良さ……これがテイム……。
今からはティーゴが俺の主殿あるじどの何だな……嬉しい。幸せだ』

「オーガキング!お前Sランクだったのか!」

『俺はオウだ!オーガキングの中でも特別種と言う個体らしい』

特別種……なるほどなオーガキングにもSランクがいるのか。
知らなかった。

「オウ?いきなりテイムしちゃったけど良いのか?」

『うん。嬉しい……主殿ヨロシク』

『オーちゃんか!良えやん!呼びやすいし!ヨロシクな?』

『オーちゃん!仲良くしようジャイ』
『仲間の証にオーちゃんに特別なダンスを教えるコブ』

『オーちゃんヨロシクな!俺は二号だ!』

何故か皆がベヒィのマネしてオーちゃんって呼んでるけど『オウ』だからな?
まぁ……確かにオーちゃんって呼び易いけどな。

『ほな、オーちゃん行こうか?皆を紹介するよ!』
『そうジャイ』
『ククッ楽しそうだな』

ベヒィ達がオーちゃんを連れて家に歩いて行った。

早くも仲良しだな!

さてと……俺はパール達の所に戻るか。

ガチャ!

異空間の扉を開け皆の所に戻る。

……⁈へっ?誰も居ないぞ?
この広間から移動したのか?

俺は領主達が出て来た方の扉を開け、奥に進み皆を探す事にした。

「パール?銀太?居ないのか?」

長い廊下の横には無数に扉があり、俺は皆が何処に居るか分からないので、扉をいちいち開けて確認して行く。

何なんだ、この部屋の数は!

ガチャ!

目の前には鎖に繋がれた……異形化した姿の獣人?がいた。
隷属の首輪を付け、額には禍々しい黒い魔石が埋め込まれている。
獣人の片目は潰れてない……。

「何だ!人族よ!俺に何を仕様がな?俺はお前達に屈服などしない!
殺すならさっさと殺せ!
こんな姿にして……何が楽しい?
俺はお前達の言う事など!絶対に……絶対に聞かない!……グハッ」

獣人は真っ赤な血を吐いた。


「おっおい!大丈夫か?俺が直してやるからな!」

急いで獣人にリザレクトを放つ。

「なっ?これは……?俺の体が……」

「どうだ?苦しく無くなっただろ?鎖も外してやるからな?」

   《ウインドカッター》


俺は風魔法を使い獣人族を縛っていた鎖を砕く。

「はっ……なっ?」

獣人は自分に何が起こったのか理解出来ずに呆然と立っている。

「その額に埋め込まれた魔石も治してやるからな?」

慈愛の手で魔石を浄化しようと近寄ると、獣人が抵抗しようと殴りかかって来た。

「なっ何なんだ!お前は?俺を回復して……鎖を切って…何がしたいんだ?」

「何って……お前痛いの我慢してるんだろ?俺が全て楽にしてやるからな?安心しろ!」

「痛いのを……?俺の?」

「そうだ!今まで良く我慢したな?お前は凄いよ」

俺は獣人の額を撫でた。
魔石から黒い煙が上がり……綺麗な紫色になった。

「い……痛くない?ああ!ありがとうございます!天使様!」

そう言うと獣人は俺に跪いた。

「ちょっ!辞めてくれ!俺は人族だ!天使じゃない!」

「死ぬのを待つだけだった俺を回復し、心も取り戻せた!貴方は天使様です!」

獣人は跪いたまま興奮気味に話す。

「分かったから!……で、何でお前はこんな事になったんだ?」

「俺はローテンブルクの街に住む獣人達のリーダーだった」

「お前が獣人族をまとめていたのか!」

「獣人達の中では一番強い者がリーダーとなる。俺は強かったから……。
俺達はローデンブルグの街で人族と仲良く付き合っていた。
だが……ある日、燦聖教を名のる奴らが現れ、この首輪を仲間に付け捕まえて行った。
俺も抵抗したが……魔法攻撃には勝てず弱った所に首輪を付けられた」

助けた獣人達が言っていた話しと同じだな。コイツは獣人達のリーダーなのか。

「俺は強いからと魔石を額に埋め込まれた。それからだ!
やりたくないのに、体が勝手に動く……殺したくない人族を殺める道具に俺はなった」

何て酷い事を!魔獣だけでは足りず……獣人にまで魔石を埋め込む何て……本当に燦聖教の奴らは屑だ!

「もう大丈夫だからな?魔石はもう浄化した!その首輪も俺の仲間が取ってくれるからな。安心しろ!」

俺は獣人の頭を撫でた。

「……ありがとう」

獣人は俯いたまま俺にお礼を言った。

ーー……して!

「ん?今何か声がしなかったか?」

「殺して……っと聞こえた」

「なっ?」

「聞こえた場所分かる!俺に付いて来て!」

「分かった……ちょっ?待ってくれ!」

俺はアライグマの姿に変化した。
変化するの忘れてた。思い出して良かったぜ!

「タヌ…「アライグマだ!」

獣人がタヌキって言おうとしたのを被せ気味に遮る。
何で毎回皆タヌキって言うんだ?アライグマにしか見えないだろ?

俺は獣人の肩に乗り、声がした方に走って行き大きな扉を開けると……。

「なっ⁈」

これは⁈
目の前には真っ二つに切り裂かれた。領主と司祭。
パール達の横に倒れている獣人族の女性。

一体何があったんだ?
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