お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する

大福金

文字の大きさ
上 下
87 / 315
本編 燦聖教編

ダラァー侯爵

しおりを挟む


俺達は奴隷商を引き連れ、貴族の屋敷を周り、売られた獣人族を全て異空間に連れて来る事が出来た……。

ふう……疲れた。肉体的にじゃ無くて精神的にだ!
この街の貴族は腐ってる。
ほとんどの獣人達が、心が闇堕ちするレベルの酷い仕打ちを受けていた。
中には獣人達自ら「貴族の屋敷に残りたい」と言う場合もあったけどな。

シャウエンの貴族街で見つけた獣人族は全員で百五十六人。
その内十ニ人は貴族の屋敷に残ったので、異空間へ連れて来た獣人達は百四十四人となった。

これだけの数の獣人族が奴隷として貴族に売られ、殆どの獣人達は酷い仕打ちを受け、幸せを見つけた獣人はたったの十二人だった。

獣人達を【ジャバネイル王国】に連れて行くのか、違う国が良いのかはまだ獣人達と話していないから分からないが、関わったからには最後まで面倒見るつもりだ!

異空間に連れて来たが、心が壊れまだ笑えていない獣人も多数いる。
どうにか心の傷を癒やしてあげれたらな……良いんだが。

とりあえず街をめちゃくちゃにした燦聖教の奴等と領主がいる【燦聖塔】に乗り込みだ!

異空間の扉を開けシャウエンの街に出ると銀太が転移して来た。

「銀太!何処に行ってたんだよ!」

『美味そうな甘味の店があっての?見ておったら知らぬ人族がご馳走してくれたのだ!
皆にもお土産もあるのだ!』

『おおー!何か高そうな甘味だな?』
『本当ねー綺麗ね。花見たいだわ』
「ワシにも寄越すのじゃ!」

銀太のお土産にスバル達が群がる。

貴族の屋敷を巡っていたら、突然銀太の奴いなくなったんだよな。
心配だが、転移魔法で直ぐ帰って来るだろうと思い。
獣人族の奴隷を優先したんだが、甘味を貰ってた何て!
そんな優しい貴族がいたのか?こんなに沢山のお土産までくれる?
後で御礼言わなくて大丈夫かな?


⭐︎★⭐︎★⭐︎★⭐︎

銀太side

ティーゴ達が獣人族の奴隷を貴族から解放し、異空間に連れて行きと走り回っていた時。
銀太は貴族御用達の高級菓子店の前に立っていた……。

「うう……匂いに釣られ来て見れば……美味そうなのだ!ティーゴに頼んで後で買いにくるのだ」

キキィー!

突然急ブレーキをし一台の馬車が銀太の前で止まった。
馬車からは質の良い服を来た男性が慌てて降りて来た。

「きっ君!」

『何だ?我を呼んだのか?』

「そうだ!ここで何をしてるんだ?」
(馬車からチラリと見た時も綺麗だと思ったが、近くで見ると別格だ!今まで見たどの獣人よりも美しい……しかも隷属の首輪を付けていないと言う事はまだ誰の奴隷でも無い)

「我はこの甘味を見ておったのだ!美味そうなのだ」

「甘味が欲しいのか?なら私が買ってやろう」

『良いのか?お前良いやつなのだ!』

「お前って……」
(口がなってないな。まぁ良い首輪を付けてタップリ躾けてやれば……)

コソッ
「おいっ隷属の首輪は?」

「屋敷に取りに戻らないと」

「急いでとって来い!私はこの店に獣人を引きつけておく」

「はっ!」

執事の男性は銀太達が店内に入ると同時に馬車を走らせた。

「さぁ?中に入って食べよう」

『やったのだー!』

『美味いのだ!これも……アムッ』

「美味しいですか?良かったですね」
(しかし良く食べるな……良くこんなにも腹に入るもんだな。)

『我はこの甘味持って帰りたいのだ!』

「ええ?こんなに食べたのに?まだ食べれるのか!」

『ではもういいのだ!我は帰る』

「あっちょ!」
(まだ執事が隷属の首輪を持って来てないのに!帰られてたまるか!)

「好きなだけ選ぶと良い!」

『本当か?お前良い奴だな!』

銀太はニコニコと甘味を選んでいる。

カラン♪

「ダラァー侯爵様!お待たせしました!はっはぁ」

執事の男性が貴族をダラァー侯爵と呼んだ。
この貴族の男性はダラァー侯爵だった。

「遅い!危うく逃げられる所だった!」
(でもこれで……あの綺麗な獣人を好きな様に出来るグフフッ)

「今は菓子を選ぶのに夢中だ!早く首輪をつけよ!」

執事の男性と法衣を羽織った男性が銀太の背後に周り首輪を付けようとする。
法衣を羽織った男性は何か呪文を唱えている。

ガチャン!

隷属の首輪を銀太の首に付けた……が!
付けた瞬間首輪は粉々に砕け散った。

「「「はぁぁーー!?何故だ?!」」」

ダラァー侯爵と執事と法衣を来た術師は綺麗にハモった。
皆同じ様に口を大きくあんぐりと開け、瞳は飛び出さんばかりに見開いていた。

「おおっおい!不良品を持って来るな!早く違う物をつけろ!」

慌てて執事と術師が隷属の首輪をつけようとするも、またも粉々に砕けちる。


『ふむ!甘味のお土産はこれくらいで良いかのう!では我は帰るのだ!ありがとうなのだ!』

銀太はお礼を言うと、転移魔法を使い姿を消した。

いきなり銀太が消えたのでダラァー侯爵達はパニックに。

「何だ⁉︎何がおこったんだ?消えたぞ!見たよな?お前達!」

「みっ見ました!」

「あれはもしや人では無い何かなのでは?」

「人では無い何かとは……では何だと言うのだ!」

「それは……」

ダラァー侯爵は自分達に何が起こったのか理解出来ないまま、悔しそうに菓子店を去った。


消えた銀色の獣人(フェンリル銀太)とダラァー侯爵はこの数時間後にまた再開する事となるのだが……。
しおりを挟む
感想 1,510

あなたにおすすめの小説

スライムばかり食べてた俺は、今日から少し優雅な冒険者生活を始めます。

いけお
ファンタジー
人違いで異世界に飛ばされてしまった佐藤 始(さとう はじめ)は、女神システィナからとりあえず悪い物を食べて死ななければ大丈夫だろうと【丈夫な胃袋】と【共通言語】を与えられ放り出されてしまう。 出身地不明で一銭も持たずに現れた彼を怪しんだ村の住人達は簡単な仕事の紹介すら断る有様で餓死が目の前に迫った時、始は空腹のあまり右手で掴んだ物を思わず口に入れてしまった。 「何だこれ?結構美味いぞ」 知らずに食べていた物は何とスライム、弱って死ぬ寸前だった始を捕食しようと集まっていたのだった。食べられると分かった瞬間スライム達がごちそうに早代わり、始のスライムを食べる生活が始まった。 それから数年後、農作物を荒らすスライムを食べて退治してくれる始をいつの間にか村人達は受け入れていた。しかし、この頃になると始は普通のスライムだけの食生活に飽きてしまい誰も口にしない様な物まで陰でこっそり食べていた・・・。数え切れない程のスライムを胃袋に収めてきたそんなある日の事、彼は食べたスライム達からとんでもない能力を幾つも手に入れていた事に気が付いた。 始はこの力を活かす為に町に移住すると、悪徳領主や商人達が不当に得た金品を奪う冒険者生活を始めるのだった・・・。 仕事中の空いている時間に物語を考えているので、更新は不定期です。また、感想や質問にも出来る限り答えるつもりでいますが回答出来ない場合も有ります。多少の強引な設定や進行も有るかもしれませんが、そこは笑って許してください。 この作品は 小説家になろう ツギクル でも投稿しております。

もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」 授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。 途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。 ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。 駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。 しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。 毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。 翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。 使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった! 一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。 その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。 この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。 次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。 悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。 ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった! <第一部:疫病編> 一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24 二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29 三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31 四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4 五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8 六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11 七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18

【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~

柊彼方
ファンタジー
「一族から出ていけ!」「お前は忌み子だ! 俺たちの子じゃない!」  テイマーのエリート一族に生まれた俺は一族の中で最弱だった。  この一族は十二歳になると獣と契約を交わさないといけない。  誰にも期待されていなかった俺は自分で獣を見つけて契約を交わすことに成功した。  しかし、一族のみんなに見せるとそれは『獣』ではなく『魔物』だった。  その瞬間俺は全ての関係を失い、一族、そして村から追放され、野原に捨てられてしまう。  だが、急な展開過ぎて追いつけなくなった俺は最初は夢だと思って行動することに。 「やっと来たか勇者! …………ん、子供?」 「貴方がマオウさんですね! これからお世話になります!」  これは魔物、魔族、そして魔王と一緒に暮らし、いずれ世界最強のテイマー、冒険者として名をとどろかせる俺の物語 2月28日HOTランキング9位! 3月1日HOTランキング6位! 本当にありがとうございます!

聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったため、異世界でふわふわパンを焼こうと思います!

伊桜らな
ファンタジー
家業パン屋さんで働くメルは、パンが大好き。 いきなり聖女召喚の儀やらで異世界に呼ばれちゃったのに「いらない」と言われて追い出されてしまう。どうすればいいか分からなかったとき、公爵家当主に拾われ公爵家にお世話になる。 衣食住は確保できたって思ったのに、パンが美味しくないしめちゃくちゃ硬い!! パン好きなメルは、厨房を使いふわふわパン作りを始める。  *表紙画は月兎なつめ様に描いて頂きました。*  ー(*)のマークはRシーンがあります。ー  少しだけ展開を変えました。申し訳ありません。  ホットランキング 1位(2021.10.17)  ファンタジーランキング1位(2021.10.17)  小説ランキング 1位(2021.10.17)  ありがとうございます。読んでくださる皆様に感謝です。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……

karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います

登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」 「え? いいんですか?」  聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。  聖女となった者が皇太子の妻となる。  そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。  皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。  私の一番嫌いなタイプだった。  ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。  そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。  やった!   これで最悪な責務から解放された!  隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。  そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。

異世界に飛ばされたら守護霊として八百万の神々も何故か付いてきた。

いけお
ファンタジー
仕事からの帰宅途中に突如足元に出来た穴に落ちて目が覚めるとそこは異世界でした。 元の世界に戻れないと言うので諦めて細々と身の丈に合った生活をして過ごそうと思っていたのに心配性な方々が守護霊として付いてきた所為で静かな暮らしになりそうもありません。 登場してくる神の性格などでツッコミや苦情等出るかと思いますが、こんな神様達が居たっていいじゃないかと大目に見てください。 追記 小説家になろう  ツギクル  でも投稿しております。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。