上 下
6 / 12

魅了魔法

しおりを挟む

『良く聞いてね?
アリスティアを陥れた、その女は魅了魔法を使ってアリスティアの周りの人達を操っていたんだと思う』

「操って?」
『そうだ!』

『周りの態度が急変し過ぎだ。思い当たる節はない?』

!!!

確かに、私は皆との関係は悪く無かった。
弟のロイだって私の事を慕ってくれていたはずなのに、急に汚物を見る様な目で私を見てくる様になって……。悲しかった。

レイモンド皇子とだって、愛し合う事はなかったけどお互いを敬い尊重しあえる関係だったと思う……。

『アリスティア?思い当たる節があるんだね?』
「……はい」
色々と思い出す度に疑問が出て胸が苦しい。

『ふぅむ。許せないね。』

直ぐにアリスティアを連れて竜人国に帰るつもりだったけど、可愛い我番に酷い仕打ちをした女にはお仕置きが必要だね。

クスッ

ジェイデン様がいたずらっ子みたいに笑う。

『アリスティア、俺はちょっとだけフィルメルン王国に行く予定が出来た』

「えっ!?何で……⁉︎」

どうしてジェイデン様が私を追放した国に……⁉︎

『俺の大事なアリスティアに酷い事をした奴等に、少しだけ意地悪しようかなと思ってな。』

「そんなっ!もう良いんです!終わった事だし。」

『ダメだよ?俺が少しでも遅れていればアリスティアは魔獣に殺されていたかも知れないんだ……絶対に許せぬ』

『ちょっとだけ行って来るからね。アリスティアは此処で待っててね?』



『ルミエール!至急フィルメルン王国に連絡を入れろ!!』
「了解致しました。では準備して参ります。」

『ククッ急な申し入れに慌てるだろうな……』

ジェイデン様が悪い顔して笑ってる。。いったい何をする気?


「急ではありますが明日フィルメルン王国に行く手筈が完了致しました。」

えっ?もう?
早くない?
執事のルミエールさんは仕事の出来る男だわ。

ククッ
『明日が楽しみだな……』

ジェイデン様?どんな意地悪を考えてるの。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

隣国の王子に求愛されているところへ実妹と自称婚約者が現れて茶番が始まりました

歌龍吟伶
恋愛
伯爵令嬢リアラは、国王主催のパーティーに参加していた。 招かれていた隣国の王子に求愛され戸惑っていると、実妹と侯爵令息が純白の衣装に身を包み現れ「リアラ!お前との婚約を破棄してルリナと結婚する!」「残念でしたわねお姉様!」と言い出したのだ。 国王含めて唖然とする会場で始まった茶番劇。 「…ええと、貴方と婚約した覚えがないのですが?」

【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、癒されるより、癒したい?

白雨 音
恋愛
何でも欲しがる双子の妹エリアーヌ、次の狙いは姉フルールの婚約者。 今まで全て盗られてきたが、「婚約者だけは渡せない!」と立ち向かったフルール。 だが、気付けばいつもの如く妹に陥れられ、悪役に仕立て上げられ、婚約者は妹に心を移していた。 婚約破棄され、倒れてしまったフルールに、思い掛けず救いの手が差し伸べられた。 フルールに力を貸してくれるというテオフィル。彼もまた、悲しみを抱いていた___ (※転生ものではありません) 《完結しました》

婚約破棄したら食べられました(物理)

かぜかおる
恋愛
人族のリサは竜種のアレンに出会った時からいい匂いがするから食べたいと言われ続けている。 婚約者もいるから無理と言い続けるも、アレンもしつこく食べたいと言ってくる。 そんな日々が日常と化していたある日 リサは婚約者から婚約破棄を突きつけられる グロは無し

【完結】運命の番? この世界に白馬の王子様はいないようなので、退場させていただきます。

美杉。節約令嬢、書籍化進行中
恋愛
 断罪シーンの立ち位置で、自分が転生者のヒロインだと自覚したアンジュ。しかし、アンジュには目的があった。それは自分の叔母である現王妃を救い出すこと。  番というものがあるこの世界で、政略結婚の末に現国王の番の影に追いやられた叔母。白い結婚のまま王宮で肩身の狭い思いをした後に、毒殺未遂をさててしまう。  そんな叔母を救うためには、国王の王弟殿下であるアレン様に近づきその力を借りること。しかし目的があって近づいたアンジュをアレンは運命の番として見染める。  ただ殿下には国王と同じく、公爵令嬢のティナという婚約者がいた。ティナは王妃となるために教育を受け、ただ殿下を素直に愛してきた。  その殿下を番という立場の者に、すんなりと盗られてしまう。その悔しさからアンジュへのいじめが始まった。  そして自分をいじめたために断罪されるティナを見た時、アンジュの中で考えが変わる。  国王と同じことを繰り返そうとする王弟殿下。殿下にとって自分が番であっても関係ない。少なくともアンジュにとってアレンは、前世で夢見た白馬の王子様ではなかったから……。  ティナの手を引き、アンジュはヒロインからの退場を宣言する。 「殿下にとって私は運命の番でも、私にとっては運命ではなかったみたいです」

悪役令嬢に仕立て上げられたので領地に引きこもります(長編版)

下菊みこと
恋愛
ギフトを駆使して領地経営! 小説家になろう様でも投稿しています。

婚約破棄された令嬢は変人公爵に嫁がされる ~新婚生活を嘲笑いにきた? 夫がかわゆすぎて今それどころじゃないんですが!!

杓子ねこ
恋愛
侯爵令嬢テオドシーネは、王太子の婚約者として花嫁修業に励んできた。 しかしその努力が裏目に出てしまい、王太子ピエトロに浮気され、浮気相手への嫌がらせを理由に婚約破棄された挙句、変人と名高いクイア公爵のもとへ嫁がされることに。 対面した当主シエルフィリードは馬のかぶりものをして、噂どおりの奇人……と思ったら、馬の下から出てきたのは超絶美少年? でもあなたかなり年上のはずですよね? 年下にしか見えませんが? どうして涙ぐんでるんですか? え、王太子殿下が新婚生活を嘲笑いにきた? 公爵様がかわゆすぎていまそれどころじゃないんですが!! 恋を知らなかった生真面目令嬢がきゅんきゅんしながら引きこもり公爵を育成するお話です。 本編11話+番外編。 ※「小説家になろう」でも掲載しています。

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

シナリオではヒロインと第一王子が引っ付くことになっているので、脇役の私はーー。

ちょこ
恋愛
婚約者はヒロインさんであるアリスを溺愛しているようです。 そもそもなぜゲームの悪役令嬢である私を婚約破棄したかというと、その原因はヒロインさんにあるようです。 詳しくは知りませんが、殿下たちの会話を盗み聞きした結果、そのように解釈できました。 では私がヒロインさんへ嫌がらせをしなければいいのではないでしょうか? ですが、彼女は事あるごとに私に噛みついてきています。 出会いがしらに「ちょっと顔がいいからって調子に乗るな」と怒鳴ったり、私への悪口を書いた紙をばら撒いていたりします。 当然ながらすべて回収、処分しております。 しかも彼女は自分が嫌がらせを受けていると吹聴して回っているようで、私への悪評はとどまるところを知りません。 まったく……困ったものですわ。 「アリス様っ」 私が登校していると、ヒロインさんが駆け寄ってきます。 「おはようございます」と私は挨拶をしましたが、彼女は私に恨みがましい視線を向けます。 「何の用ですか?」 「あんたって本当に性格悪いのね」 「意味が分かりませんわ」 何を根拠に私が性格が悪いと言っているのでしょうか。 「あんた、殿下たちに色目を使っているって本当なの?」 「色目も何も、私は王太子妃を目指しています。王太子殿下と親しくなるのは当然のことですわ」 「そんなものは愛じゃないわ! 男の愛っていうのはね、もっと情熱的なものなのよ!」 彼女の言葉に対して私は心の底から思います。 ……何を言っているのでしょう? 「それはあなたの妄想でしょう?」 「違うわ! 本当はあんただって分かっているんでしょ!? 好きな人に振り向いて欲しくて意地悪をする。それが女の子なの! それを愛っていうのよ!」 「違いますわ」 「っ……!」 私は彼女を見つめます。 「あなたは人を愛するという言葉の意味をはき違えていますわ」 「……違うもん……あたしは間違ってないもん……」 ヒロインさんは涙を流し、走り去っていきました。 まったく……面倒な人だこと。 そんな面倒な人とは反対に、もう一人の攻略対象であるフレッド殿下は私にとても優しくしてくれます。 今日も学園への通学路を歩いていると、フレッド殿下が私を見つけて駆け寄ってきます。 「おはようアリス」 「おはようございます殿下」 フレッド殿下は私に手を伸ばします。 「学園までエスコートするよ」 「ありがとうございますわ」 私は彼の手を取り歩き出します。 こんな普通の女の子の日常を疑似体験できるなんて夢にも思いませんでしたわ。 このままずっと続けばいいのですが……どうやらそうはいかないみたいですわ。 私はある女子生徒を見ました。 彼女は私と目が合うと、逃げるように走り去ってしまいました。

処理中です...