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魔王討伐編

大賢者カスパール魔王討伐の旅合間にパンを焼く

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「もう少し歩くと広場があるからそこで休憩するかの?」

「はい!結構歩いたので足がもうガクガクで…」
「なんじゃ?エルフは体力がないのう」

「カスパール様は元気ですね。」

「これくらい平気じゃ!」

『主~お腹が空いた!』



「ふむ此処で休憩するかの。」

カスパール達は森の開けた場所で休憩を取る事にした。カスパールは魔物に邪魔されたくないのでこっそりと結界魔法を周りに張った。

『主~何作るんだ?』

カスパールはスバル達が見守る中、魔法で調理台を作る。

「王様のパンを焼こうと思っての!直ぐ出来て美味いからのう!」

『やったー!大好物のやつ!』
ファッサファサ
「こりゃ!スバル!翼をバタバタするでない!火が消えるじゃろ!」
『ヘヘッ…』


この様子を見ていたエルフのファラサールと戦士のカイトは只々驚くばかり…

「いきなりキッチンが出来たんだけど…」
「カスパール様は全てが規格外すぎだ」


パンケーキの焼ける甘い匂いが周りに漂う…

「焼けたのじゃ!」

『『『『ヤッター!』』』』

『俺からだ!』
『何よ!私が一番頑張ったんだから私が先!』
『何言ってんだ。あっしが一番!一号だけに!』
『関係ねーわ!』

「沢山焼いておるから喧嘩するでない!」

『『『『はーい』』』』

甘くて良い匂いが漂う中、ファラサールとカイトそれにシンは携帯食の肉と冷えたパンを食べていた…

ボリッボリ…

「はぁ…カスパール様の飯テロが辛い…」 

ボリッガリッ…

「はぁ…焼きたてのパンケーキの良い匂いが…」

ゴクリッ…

ファラサールとカイトは羨ましそうにカスパールを見つめている


「お主らも食べるか?」

「良いんですか?」
エルフのファラサールはカスパールからの提案に飛び付く。

「沢山あるからの!ワシの王様のパンは格別美味いんじゃ。」

「やったー!頂きます!」

アムッ
「あわっ…口の中でトロける…はぁ何て美味しいんだ王様のパン」

ゴクリッ…
「俺も貰って良いっすか?」

「もちろんじゃ。」

パクッ
「「美味い」」

「ワシのパンは世界一じゃからの!」

ふうむ…久しぶりにスバル達以外に飯を作ってやったが皆が美味そうに食べる所を見るのは良いもんじゃの。

「おい!そこのお前は食べんのか?」

カスパールが勇者シンにも声をかける。
「…そんな庶民が食うやつなんていらねーよ」


『カスパール様に偉そうに!今度は消してやろうかしら!』
『三号!カスパール様に人に向けて魔法を使ってはダメと言われただろ?』
『だって…アイツムカつく』
『まぁそれは俺も同じ気持ちだが。』

『まぁアイツから俺達に何かして来た時は容赦しねーけどな。ククッ』
『二号…結局アンタも同じじゃないのよ!』

「…また三号さん達が物騒な話してない?」
「聞かなかった事にしよう…」

ファラサールとカイトは自分達が巻き込まれない様耳に蓋をしパンケーキを頬張っていた。


二号と三号が物騒な話をしてるとはつゆ知らずカスパールは一人ニコニコと嬉しそうだ。

「大勢で食べる飯も美味いもんじゃの…」
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