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やり直しの人生 ソフィア十三歳魔法学園編
第百八十七話 闇の妖精
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——……フィア
ん? 誰か呼んだ?
———ソフィア。やっと繋がった。
私の周りをクルクルと回る黒い光?
あれ? 私……さっきまで過去の映像の中にいたのに……あれ? 何もない?
創造神様と会った時の場所の様だ。真っ白な空間
———僕をちゃんと見て?
え?
私の顔の前に漆黒の髪色に、深い深い藍色の瞳をした……小さな子供?
じゃないな。シルフィみたいな翼が背中にある。ってことは妖精? かな? がプカプカと浮かんでいた。
「……ええと妖精?」
———や~っと僕を見てくれたね。僕は闇の妖精ルーン。ソフィアに過去の映像を見せたのは僕さ。
「ルーンが? 私に過去の映像を? どうして!?」
とっても怖い映像だった。残忍で凶悪。
———ソフィア? 冷静に落ち着いてね? 良いかい? ソフィアの意識だけを僕の世界に連れて来たんだ。闇の魔法を使ってね。そうしないといけなかったから。
「そうしないといけなかった? 私の意識だけを?」
ルーンはなぜそんな事を言うのだろう?
私の意識だけって事は肉体はどこにあるの?
———良いかい? ソフィアの肉体は、まだあの球体の中に閉じ込められているんだよ。
「えっ!?」
———そして球体に集められた増悪の闇に、飲み込まれそうになっている。
「私が!?」
———そうなんだ。だから全て飲み込まれる前に意識だけを僕がここに連れてきた。
そんな……じゃあ。私は元の体に戻ったらどうなるの!? 私は増悪の闇に取り込まれてしまうの!?
みんなを助けるって決めたのに! そんなの嫌だっ!
———ソフィア! 落ち着いて。そんなんじゃみんなを助けられないよ?
本当だ私が取り乱してどうするの。落ち着けソフィア。
こんな時は深呼吸よ。スゥー……ハァー……。
「それでルーン? 私は元の体に戻ったらどうなるの?」
———もしかしたら、増悪の闇に取り込まれるかも知れない。でも。強い意志で跳ね除ける事ができたら! あの球体から出られるから。その為に僕はソフィアに過去の映像を見せたんだから。僕は増悪の闇に打ち勝つと信じてる。
「分かった! 私は絶対に勝つ。過去の増悪になんか負けない」
———さすがソフィアだ。もう時間がないんだよ。見て。
そう言ってみんなの事を見せてくれたはいいが。
「みんな!! どうしてぇ!」
シャルロッテが作った結界が解かれ、死霊系魔物にみんなが襲われている。
それを最前線で、アイザック様、ジーニアス様、アレス様、ファーブル様、ジャスパー様がみんなを守るように戦っている。
結界を張っていたシャルロッテは!?
「!! 」
ダイアナが真っ青な顔で、ピクリとも動かないシャルロッテを抱きしめている。
ずっと一人で結界を張っていたから、魔力が枯渇しちゃったんじゃ。
「いやだぁぁぁ!」
———ソフィア! 落ち着いて! 君がしっかりしないと、誰がこの状況を救えるの!?
ルーンが私の鼻先をパチンと叩く。
「あ……ごめっ。そうだね。私がしっかりしないとだね。せっかくルーンが増悪の闇に取り込まれないように、ここに連れてきてくれたのに。私……絶対に勝つ」
———さすがソフィアだ。じゃあ元の体に戻すよ?
「うん!」
見ると球体は黒い瘴気の様なもののせいで初めの三倍の大きさにまで膨れ上がっている。
今からあの場に戻るのかと思うと、想像するだけでゾッとするが。
絶対に勝つんだから。そして全員死なせない、助ける。
次の瞬間。私は闇の中にいた。
———ソフィア。僕を探して。
★★★
本日12時に、コミカライズの二話目が更新されます♡
アイザックの登場です♪
ぜひ読んで見て下さいね。
私も今から楽しみです。
【追記】
残念ですが2話目の更新は延期になりました。コミカライズを楽しみに待ってくれていた読者様には、大変申し訳ありません。再開まで私と一緒にワクワク待って頂けると有り難いです♡
ちなみに今日からエールって機能が追加されたようですね。皆様の熱いエールお待ちしてます。
…………正直に言いいます。してくれると本当、泣くほど嬉しいです。
ん? 誰か呼んだ?
———ソフィア。やっと繋がった。
私の周りをクルクルと回る黒い光?
あれ? 私……さっきまで過去の映像の中にいたのに……あれ? 何もない?
創造神様と会った時の場所の様だ。真っ白な空間
———僕をちゃんと見て?
え?
私の顔の前に漆黒の髪色に、深い深い藍色の瞳をした……小さな子供?
じゃないな。シルフィみたいな翼が背中にある。ってことは妖精? かな? がプカプカと浮かんでいた。
「……ええと妖精?」
———や~っと僕を見てくれたね。僕は闇の妖精ルーン。ソフィアに過去の映像を見せたのは僕さ。
「ルーンが? 私に過去の映像を? どうして!?」
とっても怖い映像だった。残忍で凶悪。
———ソフィア? 冷静に落ち着いてね? 良いかい? ソフィアの意識だけを僕の世界に連れて来たんだ。闇の魔法を使ってね。そうしないといけなかったから。
「そうしないといけなかった? 私の意識だけを?」
ルーンはなぜそんな事を言うのだろう?
私の意識だけって事は肉体はどこにあるの?
———良いかい? ソフィアの肉体は、まだあの球体の中に閉じ込められているんだよ。
「えっ!?」
———そして球体に集められた増悪の闇に、飲み込まれそうになっている。
「私が!?」
———そうなんだ。だから全て飲み込まれる前に意識だけを僕がここに連れてきた。
そんな……じゃあ。私は元の体に戻ったらどうなるの!? 私は増悪の闇に取り込まれてしまうの!?
みんなを助けるって決めたのに! そんなの嫌だっ!
———ソフィア! 落ち着いて。そんなんじゃみんなを助けられないよ?
本当だ私が取り乱してどうするの。落ち着けソフィア。
こんな時は深呼吸よ。スゥー……ハァー……。
「それでルーン? 私は元の体に戻ったらどうなるの?」
———もしかしたら、増悪の闇に取り込まれるかも知れない。でも。強い意志で跳ね除ける事ができたら! あの球体から出られるから。その為に僕はソフィアに過去の映像を見せたんだから。僕は増悪の闇に打ち勝つと信じてる。
「分かった! 私は絶対に勝つ。過去の増悪になんか負けない」
———さすがソフィアだ。もう時間がないんだよ。見て。
そう言ってみんなの事を見せてくれたはいいが。
「みんな!! どうしてぇ!」
シャルロッテが作った結界が解かれ、死霊系魔物にみんなが襲われている。
それを最前線で、アイザック様、ジーニアス様、アレス様、ファーブル様、ジャスパー様がみんなを守るように戦っている。
結界を張っていたシャルロッテは!?
「!! 」
ダイアナが真っ青な顔で、ピクリとも動かないシャルロッテを抱きしめている。
ずっと一人で結界を張っていたから、魔力が枯渇しちゃったんじゃ。
「いやだぁぁぁ!」
———ソフィア! 落ち着いて! 君がしっかりしないと、誰がこの状況を救えるの!?
ルーンが私の鼻先をパチンと叩く。
「あ……ごめっ。そうだね。私がしっかりしないとだね。せっかくルーンが増悪の闇に取り込まれないように、ここに連れてきてくれたのに。私……絶対に勝つ」
———さすがソフィアだ。じゃあ元の体に戻すよ?
「うん!」
見ると球体は黒い瘴気の様なもののせいで初めの三倍の大きさにまで膨れ上がっている。
今からあの場に戻るのかと思うと、想像するだけでゾッとするが。
絶対に勝つんだから。そして全員死なせない、助ける。
次の瞬間。私は闇の中にいた。
———ソフィア。僕を探して。
★★★
本日12時に、コミカライズの二話目が更新されます♡
アイザックの登場です♪
ぜひ読んで見て下さいね。
私も今から楽しみです。
【追記】
残念ですが2話目の更新は延期になりました。コミカライズを楽しみに待ってくれていた読者様には、大変申し訳ありません。再開まで私と一緒にワクワク待って頂けると有り難いです♡
ちなみに今日からエールって機能が追加されたようですね。皆様の熱いエールお待ちしてます。
…………正直に言いいます。してくれると本当、泣くほど嬉しいです。
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