嫌われ者の【白豚令嬢】の巻き戻り。二度目の人生は失敗しませんわ!

大福金

文字の大きさ
上 下
134 / 164
やり直しの人生 ソフィア十三歳魔法学園編

第百八十二話 ダンジョン研修スタート!

しおりを挟む
「みんなー! ちゃんとグループで集まっているかい。A~Fグループのリーダーはメンバーが揃っているか点呼をとって僕に報告にきてくれるかい?」

 ソウ先生が珍しく声を張り上げ皆に声かけしている。いつもより空気がピリピリしているのが分かる。
 なぜなら今日は、待ちに待ったダンジョン研修の日。
 あっという間に一週間が経ってしまった。

 私たちは今ダンジョン入り口に集合し、先生から説明を受けている最中。

 巻き戻る前と同じなら、ダンジョン研修はクラス全員で行動を共にする。
 魔物が現れると、各グループが交代で魔獣を討伐していく。
 この時、よほどのことがない限りは他のチームは手助けはせず、討伐しているグループを見守っている。もし何かあれば先生が助けてくれる。

 グループは5~6人で作られて、A、B、C、D、E 、Fの六グループ。
 グループの構成は、それぞれ好きなように作っていい。だから友達同士だったり、ちゃんと編成を考えて作っているグループとバラバラだ。
 巻き戻る前のソフィアは、このグループを作るときにアイザック様と同じグループになりたくて、色々と悪巧みを計画するもことごとく失敗。
 終いにはこのダンジョンで魔獣にアイリーンを襲わせとうと画策する始末。
 まぁ全て失敗に終わったんだけれど……。おバカだったから。

 今回のダンジョン研修はアイリーンもいないし、グループも以前と変わっている。
 だって私とアイザック様が同じグループだから。
 メンバーは私、アイザック様、ジーニアス様、シャルロッテ、ダイアナの五人がAグループ。
 ダイアナとシャルロッテは、本来なら別々のグループだったはず。だってクズソフィアの記憶にこの可愛い二人の記憶が全くないから。

 そこに、以前はいなかったアレス様、ファーブル様、ジャスパー様が見守り役として行動を共にする。
 なんだろう……だからなのか変に胸騒ぎがしてしまう。
 これは気のせいだと思うのだけど。

「じゃあダンジョンに入っていくね。みんなは僕たちの後をついてきてね」

 ソウ先生とジャスパー様たちが先頭を歩きダンジョンに入っていく。

「うわぁ……」

 なんだろう前世の鍾乳洞みたいな景色。それが広くなった感じかな。
 私がダンジョン内部に感動していると、「スライムが現れたね。まずは僕たちが見本を見せるので見ていてくださいね」ソウ先生がそう言って、ジャスパー様、アレス様、ファーブル様を引き連れスライムという魔獣を囲む。
 スライムって初めて見たけど……なんだろう。水饅頭みたいな見た目でなんだか少し可愛い。

「いいですか? スライムに物理攻撃をするときは、中央に透けて見える核を壊さない限り何度も復活します。こんな時はアレス君のように剣で核を一撃で壊すか、ファーブル君のように魔法で倒すかどちらかになります」

 ソウ先生がそう言うと、アレス様とファーブル様が簡単に見本を見せる。

「「「「わぁぁぁぁぁぁ———————!!」」」」

 それを見たクラスメート達から大歓声が巻き起こる。

 本当にすごい。
 一瞬でソウ先生が言うように倒してしまった二人。

「さぁ。次は皆さんの番ですよ」

 ソウ先生がニコリと微笑んだ。
 私たちの、ダンジョン研修がスタートした。


しおりを挟む
感想 848

あなたにおすすめの小説

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました

[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・

青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。 婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。 「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」 妹の言葉を肯定する家族達。 そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。 ※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】 今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。 「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」 そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。 そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。 けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。 その真意を知った時、私は―。 ※暫く鬱展開が続きます ※他サイトでも投稿中

〖完結〗愛人が離婚しろと乗り込んで来たのですが、私達はもう離婚していますよ?

藍川みいな
恋愛
「ライナス様と離婚して、とっととこの邸から出て行ってよっ!」 愛人が乗り込んで来たのは、これで何人目でしょう? 私はもう離婚していますし、この邸はお父様のものですから、決してライナス様のものにはなりません。 離婚の理由は、ライナス様が私を一度も抱くことがなかったからなのですが、不能だと思っていたライナス様は愛人を何人も作っていました。 そして親友だと思っていたマリーまで、ライナス様の愛人でした。 愛人を何人も作っていたくせに、やり直したいとか……頭がおかしいのですか? 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全8話で完結になります。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。