128 / 164
やり直しの人生 ソフィア十三歳魔法学園編
第百七十七話 さてどうするの?
しおりを挟む
グラードン王女をアイザック様、ジーニアス様、ファーブル様、ソウ先生達がグルっと囲いみんなが代わる代わる問いただしている。
だけどグラードン王女は何も返事を返さず、ダンマリを通しているんだけど……。
「グラードン王女? 黙っていても無駄だよ? どう足掻いたって、僕らの糾弾は終わらないから。まぁどうやっても許すつもりまないけどね? だって僕のフィアを傷付けようとした罪は重い」
「え? アイザック様?」
最後の方が聞き取れなかったのか、シルビア様が思わず声を上げる。
確かに最後の方は早口で聞き取れなかったけれど。
「何度も言ったけど、僕の名前を呼ぶことを許した覚えはないよ?」
「ひっ!」
アイザック様の氷の槍が突き刺さる。まぁ氷の槍のような眼差しってことなんだけど。
それを見たシルビア様は震え上がる。
何回も注意されているんだから、言わなきゃいいのに。
「で? 何も言わないなら、嘘発見の魔道具があるのでその前で話してもらうまで」
「へっ? 嘘発見器!? そんなのがあるの!?」
口角だけ少しあげたジーニアス様が、そう言って片方だけのメガネを人差し指でクイっと上げた。
「色々と問題ある方が多いのでね? 試行錯誤を繰り返し研究してね? 去年完成したんだよ」
「そ……そんなっ」
ジーニアス様の言葉に足元から崩れるように座り込んだシルビア王女。
「じゃ行こうか? このままこうしていても時間の無駄なのでね」
アイザック様が右手を上げた。
「ふぇ?! いいっ行くって!?」
どこからともなく現れた騎士団の人がシルビア様を立たせる。
「ちょっ!? ちょっと!? 私は王女なのよ? 気安く様らないで!」
シルビア王女が叫ぶ中、騎士団の人達によって容赦なくどこかへと連れていかれる。
その後をアイザック様たちが後をついて行く。
「じゃ? 僕たちは大事な用があるので失礼するね?」
アイザック様がそう言って右手をヒラヒラとさせた後、騎士団の後をついて行く。
「僕はこの後も授業があるので、お願いしますね」
「僕もここに残るわ~」
ソウ先生とファーブル様がアイザック様に深くお辞儀をする。
「大丈夫ですよ。後は僕らに任せてください」
そう言ってアイザック様とジーニアス様が、騎士団と一緒にシルビア王女を連れて魔法練習場を去っていった。
「なんだか嵐のようでしたね」
「……ですね」
私の横でシャルロッテとダイアナが、なんとも言えないような顔で話していた。
うん。その気持ち同感。
ほんと何がしたかったんだろう。
少しだけアイリーンと似ているなぁなんて思ったり。
★★★
【12月27日】本日12時からアルファポリス様にて、コミカライズがスタートします。
漫画家様のお力により素晴らしい作品に仕上がっております。
すごく楽しい上がりになっていますので、ぜひ読んでみてくださいね。
だけどグラードン王女は何も返事を返さず、ダンマリを通しているんだけど……。
「グラードン王女? 黙っていても無駄だよ? どう足掻いたって、僕らの糾弾は終わらないから。まぁどうやっても許すつもりまないけどね? だって僕のフィアを傷付けようとした罪は重い」
「え? アイザック様?」
最後の方が聞き取れなかったのか、シルビア様が思わず声を上げる。
確かに最後の方は早口で聞き取れなかったけれど。
「何度も言ったけど、僕の名前を呼ぶことを許した覚えはないよ?」
「ひっ!」
アイザック様の氷の槍が突き刺さる。まぁ氷の槍のような眼差しってことなんだけど。
それを見たシルビア様は震え上がる。
何回も注意されているんだから、言わなきゃいいのに。
「で? 何も言わないなら、嘘発見の魔道具があるのでその前で話してもらうまで」
「へっ? 嘘発見器!? そんなのがあるの!?」
口角だけ少しあげたジーニアス様が、そう言って片方だけのメガネを人差し指でクイっと上げた。
「色々と問題ある方が多いのでね? 試行錯誤を繰り返し研究してね? 去年完成したんだよ」
「そ……そんなっ」
ジーニアス様の言葉に足元から崩れるように座り込んだシルビア王女。
「じゃ行こうか? このままこうしていても時間の無駄なのでね」
アイザック様が右手を上げた。
「ふぇ?! いいっ行くって!?」
どこからともなく現れた騎士団の人がシルビア様を立たせる。
「ちょっ!? ちょっと!? 私は王女なのよ? 気安く様らないで!」
シルビア王女が叫ぶ中、騎士団の人達によって容赦なくどこかへと連れていかれる。
その後をアイザック様たちが後をついて行く。
「じゃ? 僕たちは大事な用があるので失礼するね?」
アイザック様がそう言って右手をヒラヒラとさせた後、騎士団の後をついて行く。
「僕はこの後も授業があるので、お願いしますね」
「僕もここに残るわ~」
ソウ先生とファーブル様がアイザック様に深くお辞儀をする。
「大丈夫ですよ。後は僕らに任せてください」
そう言ってアイザック様とジーニアス様が、騎士団と一緒にシルビア王女を連れて魔法練習場を去っていった。
「なんだか嵐のようでしたね」
「……ですね」
私の横でシャルロッテとダイアナが、なんとも言えないような顔で話していた。
うん。その気持ち同感。
ほんと何がしたかったんだろう。
少しだけアイリーンと似ているなぁなんて思ったり。
★★★
【12月27日】本日12時からアルファポリス様にて、コミカライズがスタートします。
漫画家様のお力により素晴らしい作品に仕上がっております。
すごく楽しい上がりになっていますので、ぜひ読んでみてくださいね。
144
お気に入りに追加
11,656
あなたにおすすめの小説
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつまりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。