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やり直しの人生 ソフィア十三歳魔法学園編

閑話 シルビア・グラードン

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 sideグラードン王女。

 婚約解消したくない!? アイザック様がそう言った?!

 いやいやいやいやおかしいのよ! 本来ならアイザック様は屑のソフィアを毛嫌いしているのに。

 ゲームでは屑ソフィアがアイザック様に一目惚れし、何度も婚約を望むも全て却下され、悪に手を染めて行くのに。

 本当にどうなっているのかしら。アイザック様に魅了の魔道具でも使って洗脳でもしてるんじゃないのだろうか? あれって確か平民ヒロインの隠しアイテムだったわよね、確か。

 でもそんな感じでも全くないし……はぁ。ならなんであんなにソフィアに夢中なのよ。おかしい。

 さらには、平民ヒロインであるシャルロッテに至っては、全くアイザック様との好感度が上がってなさそうだし。と言うか興味無さそう。
 なんならソフィアとの好感度を、上げようとしているように見える。意味が分からない。

 まぁ良いわ。この世界がゲームの世界と酷似している事は間違いない訳だし。

 私がアイザック様との好感度を、上げていけば良いだけの話。あーっ……ゲームみたいに好感度ゲージが見えたら分かりやすいのになぁ。

 今日は、初めての魔法訓練授業が始まる日。
 クククッ魔力数値が低いソフィアは、この授業で全く良い所が見せれずに、癇癪をおこして怒りまくって、場をシラケさせる。これはソフィアが嫌われるイベントでもあるのよね。

 本来なら私も脇役だから、見せれる魔力なんてないのだけれど、ふふふ。前世の記憶を思い出してから私は、魔法数値を上げる訓練を密かにしていたのよね。

 今の私はゲームのグラードン王女とは違うんだから!

 この魔法訓練で目立つのはシャルロッテではなくて私よ!

 いざ魔法訓練がスタートすると、初めて見たのだけれどファーブル様もイケメンね。アイザック様の次にだけど。

「ああっ! さすがアイザック様ですわ。ファーブル様に劣らぬ魔力」

 おおっと見とれちゃったわ。
 私の事に注目してもらわなくっちゃ!

「おおっすごいっ」
「グラードン王女にこんな実力があったなんて」

 訓練の成果を見せつけると皆が私を賞賛してくれる。

 あははっ気分が良いわ。もっと私のことを褒め称えてくれて良いのよ?

 アイザック様? どう? 私のこと見直した?

 チラリとアイザック様を見ると……。

「はぁぁぁぁぁっ!?」

「「「ヒィッ!?」」」

「あっ失礼? なんでもございませんのよ?  おほほっ」

 思わず声を荒らげて周りをビックリさせちゃったたじゃない! なんでアイザック様は私を見ていないのよ? ソフィアにベッタリ何の話をコソコソとしているわけ?

 まぁ精々この後道化師になって下さいね? 私はソフィアを更に煽る事にした。

「私なんて……そんなたいした実力もないのに。きっとソフィア様ならもっと凄い結果を出すでしょうに、なんか先にこんな結果を出してしまって……」

 ふふふ、どう? これでさらに周りがソフィアに期待しているわ。この期待を華麗に裏切ってくれるんでしょ? なんたって的にさえ届く事が出来ないんだもんね?

 ワクワクしながらソフィアの魔法練習を見ていると……!?

「えっ…………!?」

 魔道具の的全て壊しちゃっ……!?

「はぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 魔力数値が少ないソフィアはどこに!?
 あれじゃ化け物なみの魔力じゃない!? ってか化け物。
 それにあの魔法は何?! あんな凄い魔法ゲームで出て来なかったけど!?

 これじゃ私の方が道化師じゃない! ソフィアのせいでさっきの私の見せた実力ヤツみんな綺麗サッパリ忘れちゃってるよね?
 
 ちょっと待ってよぉ! 私の華麗なるデビューがぁぁぁぁっ

 ここで目立つために必死に訓練頑張ったのにっ。

 私の努力を返しなさいよ。ぐぬぬ。



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