嫌われ者の【白豚令嬢】の巻き戻り。二度目の人生は失敗しませんわ!

大福金

文字の大きさ
上 下
97 / 164
やり直しの人生 ソフィア十三歳魔法学園編

第百四十九話 孤児院

しおりを挟む

「あわっ!」

 どーなってるの? お屋敷の外に出たら、イヤシデアール侯爵がいたお屋敷全体がキラキラと眩しい程に輝いている。

「うわっ? 何だこれっ屋敷がキラキラしてない?」
「もはや別の建物だよね。これは」
「綺麗ですね」

 アイザック様達も、光輝くお屋敷を不思議そうにマジマジと見ている。
 お父様は額に手をやり頭を横に振っている? あれ? あの仕草は、私が何かやらかした時に良くするやつ……んん? またやらかした?

「ええと……だね。この建物の原因は、フィアたんがイヤシデアール侯爵に使った魔法のせいだね」
「えっ……私の?」

 私……建物をキラキラにする魔法なんて使ってませんよ?

「フィアたんはさ? 侯爵の部屋で何かキラキラする謎の魔法使っただろ?」
「キラキラ……あっ! はい」
「その光がね漏れて屋敷全体がこんな事になってるんだと思うよ?」
「あわっ……」

 そんなに広範囲でなんて思って無かったんだけどな。いっぱいとか願ったからかな?

「さすがソフィア様ですね」

 シャルロッテ? そんな尊敬した目で私を見ないで? これは後でお父様からたっぷりと叱られる案件だから。

「相変わらずソフィアは規格外だな」
「はははっ本当にな」

 くうっ楽しそうに笑ってくれちゃって、こっちはいつお父様の雷が落ちてくるかと、ヒヤヒヤしてるのに。

「色々と言いたい事は有るんだがね? 私はこの後直ぐ、この事を陛下に報告しに行かないといけない。また明日の朝に戻ってくるから、この続きは明日だね」

 おおっ良かったぁ。明日になったらきっともう忘れてるわね。くふふっ

「ソフィア? 無茶しないようにね?」

 お父様は私の頭を優しく撫で、アイザック様に何か伝え終わると、忙しそうに王都へと戻って行った。

「私たちはどうする?」
「んん? そうだね。街をのんびり探索する? この前は一緒に行けなかったし」

 私の腰に手を回し、至近距離で話しかけてくるアイザック様。距離が近いですよ? さすがに恥ずかしいのでするりと逃れる。

「あっそうだわ。まだ沢山ビックボアの肉があるの! 孤児院に寄付しに行きたい」

「わぁ! さすがソフィア様。賛成ですわ!」

 シャルロッテかが可愛いくピョンピョンと飛び跳ね賛同してくれる。可愛いいなぁ。

 「いいんじゃない? 貴重な食料だものね。喜んで貰えるよ」

「僕はフィアとのデートが良かったけど、まぁ仕方ないね。行こうか孤児院に」



★★★



 街の人に孤児院の場所を聞くと、かなり町外れにある様だ。なんだろう、歩いて行く程に建物が老朽化している。街道なんて穴ぼこだらけで、こんなんじゃ馬車なんて走れっこない。

「ソフィア……どうやらあれが孤児院のようだぞ」

 ジーニアス様が辛そうに指差してくれた建物の周りに、痩せ細り虚ろな目をした子供たちが座っていた。

「これが?」

 これが孤児院だって?! 壊れた元教会らしき建物だよ? 屋根だって穴が空いてるし、こんな状況酷すぎる。これも全てカッツアゲの仕業よね。許せないんだから!


しおりを挟む
感想 848

あなたにおすすめの小説

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

側妃は捨てられましたので

なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」 現王、ランドルフが呟いた言葉。 周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。 ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。 別の女性を正妃として迎え入れた。 裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。 あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。 だが、彼を止める事は誰にも出来ず。 廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。 王妃として教育を受けて、側妃にされ 廃妃となった彼女。 その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。 実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。 それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。 屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。 ただコソコソと身を隠すつまりはない。 私を軽んじて。 捨てた彼らに自身の価値を示すため。 捨てられたのは、どちらか……。 後悔するのはどちらかを示すために。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~

つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。 政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。 他サイトにも公開中。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。