78 / 164
やり直しの人生 ソフィア十三歳魔法学園編
第百三十話 話し合い
しおりを挟む「ソフィア? 説明もなしに連れ出してごめんね?」
アイザック様は眉尻をさげ申し訳なさそうに私をじっと見つめる。
あの後、アイザック様達のお部屋に招待され、私達はここで夕食をとる事となった。
「美味しい料理を沢山用意して貰ってるから、ねっ? 機嫌直してくれないかい?」
ジーニアス様は、私のテーブルの前に色々な料理を並べてくれる
。
私はアイザック様やジーニアス様に対して怒ってなどいない。
あのええと……ルルーチン嬢に対して怒っているだけで……言いたい事を言わせて貰えなかった事に対しては、どうして? っと思ったけど。
「あの……私は怒ってないです」
そう言うとアイザック様とジーニアス様はパアッと花が咲いた様に笑った。
「本当に? 怒ってないんだね? 僕はソフィアに嫌われたら生きていけないから……良かった」
アイザック様は、私の目を切なそうに見つめると、生きていけないと言う。
幼少期に私がご飯を食べさせてあげたりしてたから? そんな事思うのかな? 大袈裟だよアイザック様は。
「あの……怒ってはいないんですが一つ気になる事があって」
「気になる事?」
「はい。どうしてぺぺルーチン令嬢と話をしていたあの時、逃げる様にレストランを出て行かないとダメだったんですか?」
私は、シャルロッテに対して謝罪させる事が出来なかったのが、本当に悔しかった。
だからこそ何でそんな事をしなくちゃいけなかったのか、理由が知りたい。
「そうだよね。その事をちゃんとソフィアに話さないとだよね。ええと少し話が長くなるんだけど、僕はこの街について調べる様に言われていてね」
「えっ……? この街を?」
「そうなんだ。国王様が治世を知る良い機会だからと、自分でどのような問題が起こっているのか、確認してみろって言われててね」
「えっこの街に問題が?」
「うん。カチャ街というか、この街に関わっている貴族に一番問題があるって、先に調べが上がっていて……」
「……貴族に問題が?」
貴族に問題があるって事は、さっきのぺぺーチン令嬢も何か関係してるとか?!
アイザック様は頭を上下させて頷くと。
「うん。実はあの時辺境の村に魔獣か押し寄せなければ、この街の潜入調査をする予定だったんだ」
そうか……私と一緒に辺境の村に来てしまったから、調査が途中のままだったのね。
だからアイザック様は、この街に入る時に王子としてではなく、商人として入ったんだ。
でも服装は商人だけど、そのムダにキラキラしたオーラは健在ですけどね。全く隠しきれてませんよ?
「アイザック様の言いたい事が分かりました。レストランでお会いした。ペリーチン令嬢の前で目立つ事はしちゃダメだったんですよね。なのに……私。カッとなってしまってすみません」
「いやいやっ! ソフィアが謝る事なんて何もないんだから! 悪いのは街に入る時ソフィアに、何も伝え無かった僕が悪いんだ。それとプルーチン伯爵令嬢だね」
あっプルーチンだった。
ぐるぅぅぅぅ~
どうでもいいからと、名前をずっと間違えてたなと思った次の瞬間、私のお腹の音色が盛大な音楽を部屋中に鳴り響びかせた。
「あわ……!?」
またなの? 最近の食いしん坊なこのお腹はどうなってるの。
うう……恥ずかしい。
恥ずかしさの余り、みんなの顔が見れなくて俯いていると、アイザック様は何も気にしてない様子で、優しく笑い食事を進めてきた。
「ソフィア? 先ずは食事を済ませてから、後でゆっくりみんなで詳しく話し合いをしよう。だから今は美味しい食事を食べよう」
「……はい」
この後、お腹いっぱいになった私は、そのままこの部屋でうたた寝してしまい、話し合いが出来なかったんだけども……なんだかすみません。
109
お気に入りに追加
11,663
あなたにおすすめの小説
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。