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やり直しの人生 ソフィア十三歳魔法学園編

第百十二話 私にどうしろと?

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「ねぇっ! 精霊王様! いったい何処に向かってるの?」

ーーまぁ……もうすぐ着く!

「もうすぐって……」

 ソフィアは、精霊王から何も教えられずにノームの背中に乗せられたにも関わらず、当の精霊王は何処に行くのか行き先を全く教えてくれない。
さすがに不安になったソフィアが、質問するも返って来た返事は先程のなんとも言えない答え。

本当に……今から行く場所がキィ村の水が枯れた答えなの?

ソフィアは精霊王を疑う訳ではないが、少し不安になっていた。

それほどにノームが走っている場所は草木も枯れた何も無い山道を走っていた。


ノームに乗って山道を二十分ほど走ると急に止まった。

「わっぷ! ふぇ?」

 突然急ブレーキしたもんだから、ソフィアは掴まっていたノームの首元に顔をぶつけた。

ーーこの場所じゃ。何か気持ち悪い禍々しいオーラを感じたのは。

「気持ち悪い?」

 ソフィアはノームから降りて周りを見渡す。

ーーそうじゃ! 自然に出来た物ではなく人工的に作られた何か……の気配がプンプンする。


 人工的に作られた何か? それが村の水が枯れた原因だって言うの? でも誰が何の為にそんな事をしたって言うの?

 ソフィアが眉を顰め意味が分からないって顔をしていると、精霊王が少し困った顔をして笑い話を続けた。

ーーここはの? 本来なら沢山の木々が生い茂っていた山じゃった。それが……今ではこんな有り様じゃ。

 精霊王は少し寂しそうに周りを見渡した。

「ここは……もとは岩山じゃなかったの?」

ーーそうじゃ。

 ソフィアがそう思うのもおかしくない。
 それ程にこの山には、岩と砂利それに枯れた土しかなく、あとは僅かな草しか生えていなかった。

ーー本来はの? ここはキィ村の名前となった『キィの実』がなる木が生い茂っていた。キィの森じゃったんじゃ。

 キィの実ですって? キィの実は赤くて丸い実で、形は前世で言うリンゴに似てるのよね。味はマンゴーみたいで最高に美味しいの。
 私はこのキィの実が大好きで、子供の頃はメイドのリリにお願いしてよく買って来て貰ったのよね。ふふ。
 キィの実はこの世界で初めて知った大好きな果実の一つ。

 その木が生えてたって? この場所に?

 よく見たら枯れた木々が倒れている。この枯れた木がキィの木? だって言うの?

ーーやはり……ソフィアよ! これを見ろ。

 精霊王様が何かを見つけたらしく、ノームに乗ったまま私に手招きをする。

 近寄ると禍々しい気を放った。真っ黒で大きな石が地中に埋まっていた。その大きさは私の身長よりも大きくて、直径二メートルはある。

ーーこの場所はの? もとは泉があった場所のようじゃ。枯れてしまって今は全く分からんがの。

「泉?」

 この黒い塊のせいで泉が枯れたの? それで森も枯れて……その周りの土地まで枯れたって言うの? しかもこの黒いのは人工的に作られたって精霊王様は言っていた。誰が何の為にこんな事をしたって言うの?

意味が分からない……。

ーーさてとじゃ? ここにソフィアを連れて来たのはの? この訳の分からん黒い石をどうにかして貰おうと思っての?

「ふぇ?」

何ですって?
また精霊王様は爆弾発言してない? 私に何をさせるって?!

ーー我ならこんなのチョチョイのチョイじゃがの? 我は人族の理には手を出したらいかんからの?
ここでソフィアの出番と言う訳じゃよ! ちゃんと場所を教えてやる我は優しいであろ?

 精霊王がどうだ? と言わんばかりにソフィアを見る。

 ドヤァーッと効果音が聞こえるほどに……。

 いやいやいや精霊王様? してやった顔してるけどね? 確かに原因は分かりましたよ? でもね? この黒い石を私にどーしろと言うんですか?
 肝心のそこを教えてくれないとダメじゃない? ちゃんと教えてくれるんでしょうね?

「…………はぁ。この石を私にどうしろと?」

ーーんん? じゃからこの石をチョチョイのチョイと浄化するんじゃよ。

 ちょーーっ?! 何を言ってるの? そのチョチョイのチョイの部分の説明をしてください!






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