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ルチア十六歳、魔法学園編
★ 蜜月最後の日
しおりを挟む『ルチィ……』
チュッ。
シェラ様の優しいキスがまぶたに落ちてきた。
「……んっ! ふぁっ」
どうやらシェラ様と繋がったまま寝ていたみたいだ。どこが繋がっていたって? それは……。
だけどすぐ、独り言など考えれなくなる。
再びシェラ様が与えてくる快楽で私の脳は考えを停止する。
「やぁっ……だめっ。そんなに動いたらぁっ」
グチュグチュっといやらしい音が部屋に響く。
「あっそこはぁっ……」
シェラ様が一番敏感な部分を指で触れる。
次の瞬間ぷっくりと膨らんだ花芽を弾いた。
「やぁぁっ……」
あまりの刺激にすぐに果ててしまう。
『ルチィは可愛いのう』
果てた私の頭に、シェラ様は愛おしそうに口付けする。私が何度か意識を手放した後。
『ルチィっ……はっ……はぁ。我も達しそうだ』
「シェラ様ぁ……一緒に…」
『くっ……』
シェラ様の愛液が体の中に流れてくる。私の中はシェラ様で満たされていく、この瞬間が一番気持ち良い……また私は気を失ってしまった。
★ ★ ★
目が覚めると、シェラ様に腕枕されぎゅっと抱きしめられていた。
ふと顔を上げると、シェラ様がくしゃりと目を細め私を見ている。
『蜜月も今日で最後だ。もっとずっとルチィを味わいたかったのう』
そう言ってシェラ様は、何度も何度も体中にキスを落とす……。
「やぁっ……そこはダメェ」
シェラ様が一番恥ずかしい場所に顔を埋めると、舌先は直ぐに私の敏感な場所を探し当てる。
「ひあっ」
シェラ様の舌がいやらしい音を立てながら、花芽を舐める。
『ルチィ? 気持ち良いのであろ? 美味い蜜が溢れてきておる』
「そんなっ事……言わなっいでっ」
私が恥ずかしがるのを楽しむように、シェラ様は蜜壺に舌を入れ蜜を舐めとる。
「やぁっ……んっ」
自分でもちゃんと見た事がない場所を舐められるなんて、恥ずかしいのに……気持ち良くて……こんな感情は知らない。
蜜月は気持ち良すぎて、何度も気を失った。
気持ち良すぎて気を失う事があるって初めて知った。
そして番は美味しいの意味も、たっぷり分かってしまった。
シェラ様の蜜が美味しい……♡
『湯船に浸かろうか……』
シェラ様は私を抱き上げ一緒に湯船に入る……。
ここでもシェラ様が私の体を全て隈なく洗ってくれる。
この部屋に入ってから、シェラ様は私に何もさせてくれない。
このままだと私は、何も出来ない子になりそうだ。
「んっふっ……シェラ様。そこは自分で洗うから…ぁっ」
『我が全てしてあげたいのだ。ルチィ?良いであろ?』
こうして今日も、私はシェラ様にトロトロに蕩けさせられる……。
目が覚めると、シェラ様がやんわりと心地よい速度で、頭を撫でてくれていた。
その瞳は私を愛おしそうに見る……。
キュウゥ……っと胸が苦しい。
いっぱい恥ずかしい事を蜜月でしたのに、未だになれない。
毎回くるしい……。
『寂しいがもうこの部屋を出なければならぬ……』
シェラ様が少しションボリしながら、服を着せてくれた。
この後シェラ様に抱っこされ、蜜月の部屋を後にした。
この部屋での時間は、一ヵ月とは思えない程に長く濃密な時間だった……。
『寂しいの……もうルチィを独占出来ぬのか…』
ぷぷっ、部屋を出てからシェラ様はそればっかりだ。
何百年も生きて来たシェラ様からしたら、あの部屋での一ヵ月なんて一瞬なのかな。
子供のように少し駄々をこねるシェラ様に抱っこされながら、自分の部屋に帰って来た。
部屋に入ると白ちゃんに黒ちゃん、それと小さくなったウリ坊が丸くなって寝ていた。
一ヵ月会わなかっただけなのに、もう何年もずっと会ってないような不思議な感覚。
私を見つけた三匹は、飛び起き私の前に走って来る!
ーールチィーっやっと魔力がちゃんと感じとれた。
ーー本当だよ! シェラばっかり独占しやがって!
ーーオイラだってルチィ魔力をいっぱい食べたいのだ!
三匹は文句をプリプリ言いながらも、私に撫でてと我先に擦り寄ってくる。
どうやら蜜月の部屋は、魔力も閉じ込めてしまうらしく。
この一ヵ月の間三匹は、わずかに漏れる魔力で凌いでいたのだとか……何かゴメンね。
私は三匹を纏めて抱きしめて、交互にヨシヨシっと体中をこれでもかと撫でた。
その間三匹が、シッポをずっとプリプリしてて可愛いかった……
ーーシェラは一ヵ月独占してたんだから! 当分は俺達のルチィだからな!
ーーそうそう! シェラはおあずけだ! わかったな!
白ちゃんと黒ちゃんが、キッとシェラ様を睨む。
『ぐっくぬう……それだけは勘弁してほしいのう』
ーーダメなのだ! ルチィはオイラのなのだ!
今度はウリ坊が私の胸に顔をつけてスリスリし、シェラ様を挑発している。
『なっ何をしておるのだ! ダメじゃ!』
ーー嫌だねーっだ!
白ちゃんが私の顔をペロッと舐める
『はうぅ……顔を舐めるのは許さぬ!』
ーーお前の許可何か知らねーよっ!
今度は黒ちゃんまで頬をペロッと舐めて来た。
『ふっ! ふぬぅ! ルチィは我のだ!』
白ちゃん達は、一ヵ月の間私の魔力がちゃんと貰えなかった腹いせに、どうやらシェラ様に八つ当たりし、鬱憤をはらしているもよう。
シェラ様はと言うと、マンガ見たいに頭から湯気を出してプンプン怒ってる。
「アハッ……アハハハハッ!」
『ルチィ! 笑い事ではないのだ! さぁ我の所に来るのだ!』
ーーシェラの所になんか行かないよーっだ!
私の膝の上に居座る黒ちゃんがべぇーっと舌をだす。
『ふっふぬう!!!』
「アハハハハッ」
いつもと変わらない皆とのやりとり。
何だかホッとした。
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