異世界もふもふ召喚士〜俺はポンコツらしいので白虎と幼狐、イケおじ達と共にスローライフがしたいです〜

大福金

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ヴィルヘルニア帝国

幻獣族について

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 琥珀のおかげで封印が解けたので、俺とキャロは種族についての本を必死に探す。

「とりあえず、種族や生態などが書かれている文献はこんなもんですかね? おっと!?」
「おいっ!? 大丈夫か? 本を持ちすぎだよ。前が見えてねーじゃねーか」
「えへへ。大丈夫です」

 キャロは自分の頭が見えなくなるくらいの本を運んで来て、テーブルの上に積み上げていく。

 王族しか入れないこの場所は豪華なテーブルとソファーが置いてあり、そこでゆっくりと本を読めるようなっていた。

「さっ、幻獣族について調べましょう。僕も稲荷ちゃんのことが少しでも分かれば嬉しいです」
「ありがとなキャロ」
『我はちょっと休憩するでち』

 俺とキャロが必死に本を読んでいる横で、琥珀はアイテムボックスからケーキとお茶を取り出し、優雅にテータイムを始める。いいご身分で。

『らんどーちゃま! このケーキうんまいでち。ぐふふ……当たりでちね』
「へぇーソレハナニヨリデ」

 ったく。まぁ琥珀のおかげで封印されていた本が読めるのだから、文句は言うまい。

 ……しかし。

 探せど探せど、どの本にも幻獣族については詳しいことは記されていない。

「幻獣族について少しは触れているんですが、詳しく書かれている文献がないですね」
「だよなぁ……ここまで厳重に封印されてるから、何か手掛かりみたいなのがあるのかと思ったんだけどな」

 次はこの本にしてみるか。

 俺は一番古そうな本を手に取る。
 
「ゲホッ!」

 本を開くと埃がまう。

「これはかなり古い古代書ですね。乱道様は古代文字も読めるのですね!」
「古代文字!!?」
 
 キャロはそういうが、俺には今まで見ていた本と文字は何ら変わりがなく見える。これもチート能力的なやつなのかもな。

 ええと……幻獣族……幻獣族っと。

 ———あった!

「キャロ! 見つけたぜ」
「ええっ、見つけたんですか!」
「おう。見てくれ」
「わぁ……文字は読めませんが、挿絵が描かれているので何となく雰囲気はわかります!」

 綺麗な挿絵には八種類の幻獣族が描かれていて、一つは稲荷と同じ狐。そして、鷹、虎、鼠、狼、獅子、鰐、白熊が描かれていた。

 正確にはみたい・・・な感じで、俺が知っている動物たちの見た目とは少し違う。稲荷の尻尾が九尾あるようにな。
 大人になると幻獣に変身することができ、真の力を発揮することができる。
 だが、その横にはどんな力があるのかは未知だと書かれていた。
 そうか……能力について知りたかったんだがな。

 大人になると幻獣に変身できるってことはだ。

 稲荷はまだ子供で、幻獣に変身することはできないはず!
 なのに初めて出会った時は、幻獣の姿だった。
 稲荷を連れ戻しにに来たあの変な奴らに無理やり変身させられてたんだ! だからあんなに苦しんでたんだ。
 アイツら……今度会った時はタダじゃおかねぇからな。

 この古代書に書かれている内容を読むと、太古昔は獣人王国に幻獣族も一緒に暮らしていたが、その凄い力を利用し世界征服をしようと考えた王が現れ、自分たちの力をそんな事に使いたくないと、急に消息を絶った。
 
 いつの時代にも嫌なことを考える奴ってのはいるんだな。

 それでっと? 
 俺は続きを読んでいく。

 幻獣族は元始の森、始まりの森とも言われその森のどこかで、ヒッソリと暮らしている。
 元始の森に探しに行くも幻獣族の姿を見たものはいない。

「なぁキャロ! 元始の森って知ってるか?」
「もちろん。この世界は元始の森から始まったと言われているくらいなんですよ! 獣人国から北に向かって馬車で走って一週間で着く感じですかね」

 一週間か、そこまで遠い距離でもないな。
 ……行ってみるのもありだな。

 なんて考えていたら、閉めていたドアがガチャリと開いた音がしたかと思うと。
 ドカドカと足音と共に、、三人の男たちが俺たちの前に歩いてきた。

「なんだ、鍵が開いているから誰かいると思ったら、キャロがいたのか!」
「……おっ、お兄様」

 元気だったキャロの耳が下に下がった。お兄様って言ってたし、兄妹だよな?

 なんだその態度は? 男たちもキャロを見下しているように見ているし。

 ーー嫌な感じがするな。
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