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ヴィルヘルニア帝国
街を探索
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城下街に入ると、一番賑わっている大通りの所で俺たちを降ろしてくれた。今から街を案内してくれるとキャロが息巻いていた。乗ってきた馬車はというと、馭者の人が馬車置き場に停めにいった。
「じゃあまずは美味しい食べ物屋さんに行きますか!」
「おおっ、何が名物なんだ?」
そう質問すると、キャロの鼻がぷくっと膨らむ。ククッ得意げに自慢する時の琥珀みたいだ。
「ふふふ。それは、ラーメンです!」
「えっ、ラーメンがあるのか?」
まじか! この世界でラーメンが食べられるとは思ってなかったぜ。
「ええっ、乱道様はラーメンを知ってるんですか!? 獣人国でしか食べられないのに……」
まさか俺が知ってると思わなかったんだろう。思ってた返事と違って少し残念そうだ。
「いや……まぁ。ちょっとな? さっ、早くそのラーメンを食いにいこぜ!」
俺はそうい言いながらキャロの肩をポンポンと軽く叩く。少し納得してないようだが、キャロは「こっちです」と俺たちを誘導してくれた。
「ここが獣人国で大人気のラーメン店です」
「ここが……」
案内されたラーメン店の店構えは洋食屋みたいな雰囲気だった。さすがにそこまで前の世界と同じってわけにはいかないか。昔ながらのザ・ラーメン屋ってのをつい期待しちまってた。
「ささ、中に入りましょう!」
『ここにはウンマイケーキはあるでち?』
「けーち!」
『ほう……ここがラーメン店ですか』
琥珀はラーメンの意味を理解してないのか、ケーキを食べようと思っているみたいだな。
ラーメン屋にケーキは置いてねーぞ? 琥珀に釣られて稲荷までケーキの口になってるみたいだし。
みんなで店内に入ると、想像をはるかに超えたファンシーな見た目の店内。なんだろう、パンケーキとか売ってるような女が好きな内装。
正直……居心地が悪りぃ。
さっさとラーメン食べて店を出たい。
「僕のおすすめはチャーシューラーメンです」
「おう、じゃあそれを!」
『ワレはいちごショート!』
『ん! しょと』
「はぁ? 何言ってんだ? ここはラーメン屋だぞ? そんなの売ってねーだろ」
俺が何をってるんだと言わんばかりに呆れた目で琥珀を見ると。
『あれを見るでち! いちごショートって書いてあるでち!』
琥珀は得意げに壁に貼られた紙を指差す。そこには前の世界でよく見たいちごのショートケーキそっくりな写真が貼られていた。
ラーメン屋でショートケーキとか……まじ?
というわけで、俺と我路はキャロおすすめラーメン。琥珀と稲荷はいちごショートを注文した。
数分もすると……熱々のラーメンが運ばれてきた。どんぶりの横にフォークが添えられている。
なるほどな。フォークで食べるのか。
まぁさすがに箸はないわな。
俺は我路お手製の箸を取り出した。
どれどれ……まずはスープから。
「……ゴクッ!? うんまっ! 濃厚でいてあっさり、これは豚骨スープか?」
「ふっふふ! でしょでしょ?」
俺の反応をキャロが嬉しそうに見ている。
スープが美味いならこの肉厚チャーシューも期待大だな。
厚めに切られたチャーシューを一口で頬張る。
「ンおおおっ! とろっとろだな! 口の中でとろける。美味いぜ」
仕上げに麺を一気に流し込む……!?
「はぁ!? なんだよこれ!?」
「何ってメンですよ?」
麺を箸でつまみ持ち上げる俺を不思議そうに見るキャロ。
イヤイヤイヤ、ラーメンの麺はこうじゃない!
だってこの麺、長くて俺の小指ほどの長さしかないし、少し太い。
そうそう、刀削麺みたいな感じ。
確かにこれも美味いだけどな?
違うんだよ!
俺は麺を啜りたいの!
よし決めた! ラーメンの麺俺が作ってやるぜ!
俺はそう強く心に決め、ラーメン屋を後にした。
この後は冒険者ギルドと生産者ギルドに連れて行ってくれるらしい。
ここでやっと俺の身分証が作れる。
ハァ~身分証を作るまでに、こんなに時間を費やすとは思わなかったぜ。
「じゃあまずは美味しい食べ物屋さんに行きますか!」
「おおっ、何が名物なんだ?」
そう質問すると、キャロの鼻がぷくっと膨らむ。ククッ得意げに自慢する時の琥珀みたいだ。
「ふふふ。それは、ラーメンです!」
「えっ、ラーメンがあるのか?」
まじか! この世界でラーメンが食べられるとは思ってなかったぜ。
「ええっ、乱道様はラーメンを知ってるんですか!? 獣人国でしか食べられないのに……」
まさか俺が知ってると思わなかったんだろう。思ってた返事と違って少し残念そうだ。
「いや……まぁ。ちょっとな? さっ、早くそのラーメンを食いにいこぜ!」
俺はそうい言いながらキャロの肩をポンポンと軽く叩く。少し納得してないようだが、キャロは「こっちです」と俺たちを誘導してくれた。
「ここが獣人国で大人気のラーメン店です」
「ここが……」
案内されたラーメン店の店構えは洋食屋みたいな雰囲気だった。さすがにそこまで前の世界と同じってわけにはいかないか。昔ながらのザ・ラーメン屋ってのをつい期待しちまってた。
「ささ、中に入りましょう!」
『ここにはウンマイケーキはあるでち?』
「けーち!」
『ほう……ここがラーメン店ですか』
琥珀はラーメンの意味を理解してないのか、ケーキを食べようと思っているみたいだな。
ラーメン屋にケーキは置いてねーぞ? 琥珀に釣られて稲荷までケーキの口になってるみたいだし。
みんなで店内に入ると、想像をはるかに超えたファンシーな見た目の店内。なんだろう、パンケーキとか売ってるような女が好きな内装。
正直……居心地が悪りぃ。
さっさとラーメン食べて店を出たい。
「僕のおすすめはチャーシューラーメンです」
「おう、じゃあそれを!」
『ワレはいちごショート!』
『ん! しょと』
「はぁ? 何言ってんだ? ここはラーメン屋だぞ? そんなの売ってねーだろ」
俺が何をってるんだと言わんばかりに呆れた目で琥珀を見ると。
『あれを見るでち! いちごショートって書いてあるでち!』
琥珀は得意げに壁に貼られた紙を指差す。そこには前の世界でよく見たいちごのショートケーキそっくりな写真が貼られていた。
ラーメン屋でショートケーキとか……まじ?
というわけで、俺と我路はキャロおすすめラーメン。琥珀と稲荷はいちごショートを注文した。
数分もすると……熱々のラーメンが運ばれてきた。どんぶりの横にフォークが添えられている。
なるほどな。フォークで食べるのか。
まぁさすがに箸はないわな。
俺は我路お手製の箸を取り出した。
どれどれ……まずはスープから。
「……ゴクッ!? うんまっ! 濃厚でいてあっさり、これは豚骨スープか?」
「ふっふふ! でしょでしょ?」
俺の反応をキャロが嬉しそうに見ている。
スープが美味いならこの肉厚チャーシューも期待大だな。
厚めに切られたチャーシューを一口で頬張る。
「ンおおおっ! とろっとろだな! 口の中でとろける。美味いぜ」
仕上げに麺を一気に流し込む……!?
「はぁ!? なんだよこれ!?」
「何ってメンですよ?」
麺を箸でつまみ持ち上げる俺を不思議そうに見るキャロ。
イヤイヤイヤ、ラーメンの麺はこうじゃない!
だってこの麺、長くて俺の小指ほどの長さしかないし、少し太い。
そうそう、刀削麺みたいな感じ。
確かにこれも美味いだけどな?
違うんだよ!
俺は麺を啜りたいの!
よし決めた! ラーメンの麺俺が作ってやるぜ!
俺はそう強く心に決め、ラーメン屋を後にした。
この後は冒険者ギルドと生産者ギルドに連れて行ってくれるらしい。
ここでやっと俺の身分証が作れる。
ハァ~身分証を作るまでに、こんなに時間を費やすとは思わなかったぜ。
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