異世界もふもふ召喚士〜俺はポンコツらしいので白虎と幼狐、イケおじ達と共にスローライフがしたいです〜

大福金

文字の大きさ
上 下
9 / 77
エスメラルダ帝国

下民紋

しおりを挟む

 ん? あれ? 俺って魔力なしって言われなかったか?

 だがステータス画面を見ると、俺の魔力数値は既に上限値MAXだ。
 魔力 SSS/SSS   ってことはだな? もう最高ランクまで上がってるってことだろ?
 何で俺は魔力なしってバカにされたんだ?

「なぁ琥珀? 楽しそうに踊ってる所悪りぃんだが、俺って魔力なしなのか?」
『ぬっ? らんどーちゃまがでちか?』

 琥珀は踊りを止め俺をジッと見つめる。

『そうでちね? ヤバいくらいありまちね。ワレもビックリでちよ』

 ヤバいくらいって、やっぱ魔力あるんじゃん。

「でもさ? 俺この国の奴らに魔力測定されて、計測不可能って出てさ? めっちゃバカにされたんだぜ?」

『ああ、そりゃそうでちよ。魔力測定器ごときで、らんどーちゃまの凄い数値は測れないでち。計れてもせいぜいAレベルまででちよ? ワレはこの世界に、Sレベルはいないと思うでち』

 ああなるほどな。そう言うことか、計測不可能ってのは無くて計れないじゃなくて、あり過ぎてってことか。

 Sレベルがいねーから……!?

「えええええっ!?」

『急に変な声だしてどうしたんだでち?』

「いやさ? Sレベルがいねーってさっき琥珀は言ってたけど、俺SSSレベル何だが?!」

 琥珀が今更何を? とでも言いたげに両肩を軽く上げて首を傾げる。何だその小馬鹿にしたジェスチャーは?

『あのでちね? らんどーちゃまの数値は異常なんでちよ。まさしくチート能力ってやつでち! 理解したでちか?』

「おっ、おん……」

 琥珀に上から言われ、なんか変に喜んで恥ずかしいんだが。

「ん?」

 扉の奥が騒がしくなってきた。宴が終わって人が出てくるんじゃ?
 出てきた奴らにまたなんか嫌味を言われても嫌だし場所を移動するか。

「琥珀ここはちょっと落ち着かないし、どこかに人気のない場所に移動しようぜ」
『そう言うことならわワレに任せるでち! 気配探査サーチで良い場所を探すでち』
「うわっ!?」

 琥珀のまんまる目が、懐中電灯のようにピカっと光り出した。その姿はもう……目立って仕方ない。

 勘弁してくれ!

「ちょ!? 琥珀さん? ありがたいんだが、今は大丈夫だ」
『ふぇ? せっかくワレの力をらんどーちゃまに見せつけたかったんでちが…….』

 俺は琥珀を急いで抱き上げ、人のいなさそうな所へとダッシュした。
 何故なら、今すぐにでも扉が開き中から人がワラワラと出て来そうな気配がしたから。

『らんどーちゃま? そんな慌てなくっても』
「良いんだよ! 俺はこの世界の奴らと顔を合わせたくないの」

 そうだ! 俺が召喚された場所に戻ろう。もう夜中っぽいし、誰もいないだろう。
 俺は琥珀を抱えて、召喚された場所へと走って行った。


★★★


『これはまた広い場所でちね?』

 琥珀が楽しそうに広いホールでクルクルと回っている。

 掃除に来ていた三人のおっさん達は、どうやら掃除が終わったのか、広いホールには誰もいなかった。

「ふぅー! ひとまず安心だな」

 電気がどこにあるのか分からねーが、明るくって安心したぜ。
 誰もいないホールが煌々と明るいなんて、日本なら無駄遣いだーって言われそうだな。

『む? らんどーちゃま? この歪で気持ち悪い紋は何でち?』

 ホールで遊ぶのを満喫したのか、俺の所に戻ってきた琥珀がぷにぷにの肉球で下民紋に触れる。

「ああ……これか? この国の奴らに勝手に入れられた紋だ。下民紋だとよ、これがある限り爺さん達には逆らえないんだ。クソッ」

 バカにされたことを思い出し、思わず床を殴りつける。
 そんな俺を琥珀は何故かニヤニヤしながら見ている。

『ふふふ。やっとワレの力を見せる時がきたでち! その下民紋ワレならちょちょいって消せるでち!』

「え? マジで?」

『うんでち!』

 琥珀はドヤァ~っと効果音がついてるかの如く踏ん反り返った。
しおりを挟む
感想 15

あなたにおすすめの小説

【完結】おじいちゃんは元勇者

三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話… 親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。 エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…

ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

勇者PTを追放されたので獣娘たちに乗り換えて楽しく生きる

まったりー
ファンタジー
勇者を支援する為に召喚され、5年の間ユニークスキル【カードダス】で支援して来た主人公は、突然の冤罪を受け勇者PTを追放されてしまいました。 そんな主人公は、ギルドで出会った獣人のPTと仲良くなり、彼女たちの為にスキルを使う事を決め、獣人たちが暮らしやすい場所を作る為に奮闘する物語です。

聖女の私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。

重田いの
ファンタジー
聖女である私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。 あのお、私はともかくお父さんがいなくなるのは国としてマズイと思うのですが……。 よくある聖女追放ものです。

【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】  スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。  帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。  しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。  自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。   ※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。 ※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。 〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜 ・クリス(男・エルフ・570歳)   チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが…… ・アキラ(男・人間・29歳)  杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が…… ・ジャック(男・人間・34歳)  怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが…… ・ランラン(女・人間・25歳)  優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は…… ・シエナ(女・人間・28歳)  絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草

ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)  10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。  親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。  同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……── ※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました! ※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※ ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げています。

無限初回ログインボーナスを貰い続けて三年 ~辺境伯となり辺境領地生活~

桜井正宗
ファンタジー
 元恋人に騙され、捨てられたケイオス帝国出身の少年・アビスは絶望していた。資産を奪われ、何もかも失ったからだ。  仕方なく、冒険者を志すが道半ばで死にかける。そこで大聖女のローザと出会う。幼少の頃、彼女から『無限初回ログインボーナス』を授かっていた事実が発覚。アビスは、三年間もの間に多くのログインボーナスを受け取っていた。今まで気づかず生活を送っていたのだ。  気づけばSSS級の武具アイテムであふれかえっていた。最強となったアビスは、アイテムの受け取りを拒絶――!?

処理中です...