悪役令嬢アルビダ様を幼少期に改心させたらメッチャ良い子になりました。

大福金

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秘密にして下さいね

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わたくし、あのう……ちょっと変わった鑑定スキルを持っていまして。

「変わった鑑定スキル?」
「はい。人の鑑定もできるのです。そこに体調の変化などが出ます」
「えっ、ちょっと待ってくれ!? アルビダ嬢を疑うわけじゃないが、人を鑑定できるなんて聞いたことがない。ましてや君は、スキル選定の儀をまだ受けてないですよね?」

 アルビタの話を聞いたジェイデンが驚き慌てる。
 それはそうだろう。いきなり鑑定スキルを持っていると言われ、はいそうですか。と信じる方がおかしい。
 原因不明の病気を急に分かったと言われて、信用できる訳がない。
 アルビタはどうしたら信じてもらえるのか考えた。

 これは実際に見て信じて頂くしかないですわ。

「ジェイデン様、信じて頂くために貴方を鑑定させていただきますね。それで違えば、諦めます」

 アルビダに自分を鑑定させてくれと言われ戸惑うが、もし……アルビダの話していたことが本当ならと、一縷の望みが捨て切れずジェイデンはアルビダの要求を飲んだ。

「……分かった。僕のことを鑑定してみて」
「はい!」

ここでミスすれば全てが終わる。
信用してもらえるように全力で向かうのよ。

鑑定
——————————————————————

名前 ジェイデン・リンドール
年齢 十一歳
体調 寝不足
魔力 ★★★★
スキル 闇魔法♢♢♢
    治癒魔法♢←new
好感度 ♡♡

———————————————————————

 なるほど……体調は寝不足。

 これをクリックしてさらに深く読み取る。

———————————————————————

※症状 三日間ほどまともに寝ていない。妹の事が心配で寝れない。
※薬  妹の病が治る事。

なるほど、睡眠不足の原因は妹ジュリア様の病気ですね。

———ん? このスキルのnewっていうのは何かしら?

アルビダは気になり【new】の文字に軽く触れる。

——————————————————————

※新しく取得したスキルの事を表す。スキルは稀に後天的に得る事がある。

——————————————————————


新しく得たスキル! 後天的にスキルを得る事ができるなんて、これは知られていない情報ですね。

———そうですわ! 

後天的があるなら、先天的があってもおかしくない! わたくしのこの鑑定スキルは先天的・・・に得た、生まれ持ったスキルということにしましょう。
ふふふ。我ながらいいアイデアですわ。

「鑑定できました。鑑定で見えたのは、ジェイデン様の体調が寝不足なこと、ここ三日程まともに眠れていない」
「なるほどね。でもそれくらいのことなら、目の下のクマだったり、メイド達からの情報でどうにかなりますね」

 ジェイデンはそれくらいの情報では信用できないと言った表情で、少し残念そうに微笑む。

「情報はそれだけではありませんわ。ジェイデン様のスキルは闇魔法」
「それも父親から聞けばわかる情報ですね?」
「さらに新しく得た・・スキル治癒魔法を、最近後天的に授かりましたね」
「……………え!?」

 闇魔法までは普通に話していたジェイデンだが、アルビダから治癒魔法の話をされ、驚き固まる。

「それは……お父様と、司祭様しか知らない情報なのに! どどっ、どうしてそれを君が知ってるんだ!?」

 冷静沈着なジェイデンが、声を荒げて驚いている。

「ですから、鑑定で調べて分かったのですわ」
「……鑑定で……そうか……なるほど」

 ジェイデンはブツブツと独り言を言っていたかと思うと、アルビダの事を真剣な目で見つめた。

「アルビダ嬢、さっきは試すような事をして申し訳ない。君の鑑定は本物だ、どうか妹のためにその力を貸してくれませんか?」

 ジェイデンは目に涙を溜め、アルビダに懇願するのだった。
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