1.5人目のアルナ

「コピーを失敗したコピーロボットに、意味はあるのだろうか」

――僕は、目の前に立つアンドロイドを見て
  そう思わずにいられなかった――

雨森聡一郎は、耐久年数間近になったAIアンドロイド 「アルナ」 と一緒にいたいために、
製造メーカーに依頼して、記憶や性格全てを別のアンドロイドに完全移植する事を決めた。

しかし、想定外の事態が発生して、望まぬ結果を招いてしまう。

「聡一郎さん、私はずっとそばにいます。ですから、聡一郎さんもずっと私のそばにいてくださいね」

移植前のアルナの言葉を胸に、変わってしまったアルナを見た聡一郎は……

――これは、アンドロイドが日常生活に普及しはじめた世界の
  とある男と有機型AIアンドロイドの、ささやかな話である――
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