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孤島の花嫁
69話 ハンティング対決
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「どうしたんだい? ポメオ」
明らかに、挙動不審になる俺にヨミコが気づいた。
動じている自覚はある、でなけりゃ腕クロスからの手ブラで「ツタンカーメン!」なんて一発芸をやるワケがない。
まさか、知り合いがいなそうな俺の今の姿を、知り合いに見られてしまうとは……。
ゲシュタルト崩壊もヨロシクだ!
「人前で裸体をさらけ出すなんて、ふしだらですね。もとから、貴方はそうでしたが……やはり、テイムされていないとこうも駄目になるとは、嘆かわしいばかりです」
シャルが、わけもワカメに悲観し始めた。
感情の起伏が激しく、不安定なのは前からだが……ひどくなってなーい?
「待て待て! ブルマンだってブルマ一丁だろうに! どうして俺が変質者扱いされないといけないんだ?」
「ブルマン? はいっ、野猿たちのことですね! 野生動物に衣類など必要ありませんよ。けれど、ロビー君はペット! そう私のペットたるもの世間体という物を気にして下さらないと!!」
「う~ん、納得。できるわけねぇだろうが! んな、アホな理屈が通ってたまるかよ」
知らない内に、俺はシャルの中でペットに位置づけされていた。
身勝手な言い分なんぞ、到底受け入れられず突っぱねてやった。
俺と言う壁を崩すには、どうやら時期尚早だったよだな、出直してこいや!
「ところで、アンタが花嫁かい? 何やら、うちの息子と知り合いのようだけど、説明してくれないかねぇ~」
独り粋がる俺を差し置いてオカンが、話を進めていた。
クロスケを始め他のボリネシアンズも話題は花嫁、お前は空気嫁と言わんばかりの様子で談笑している。
なんてことだろう。そこにはアットホームな雰囲気が生まれつつあった。
「以前、一緒にダンジョン探索をしたことがありまして――――」
嘘はついていないが、俺たちの関係をどうにか誤魔化そうとしている。
シャルの返答に「これで、良いのかと?」問いただしたいが、他の連中がいる手前、それも叶わない。
「ところで、ボリネシアンの皆さん。そこの彼はポメオ君ではありませんよ?」
おいおいおいおいおおい、シャルターナさん!?
突発的なカミングアウトに、場の空気が一気に重くなった。
クロスケは目を丸くし、ヨミコは旦那を睨みつけていた。
「シャルターナとかいったね? その話、本当かい?」
「ええっ、私は聖職者なもので嘘はつけないんですぅ~、すみません」
終始、笑顔に徹するシャルターナに陰りが見えたのは、その時だった。
今まで、感じたことのない感覚に全身、鳥肌がたった。
『マイトよ。主も気づいたか? あのエロ担当の女から、魔王の気配がするぞ』
「はい?」
『分かっておるのだろう。あの者の変化を』
いつの間にか、スキルブックを手で抱えていた。
どうやら、他の魔王の気配で目覚めたようだ。
本からササブリの声が聞こえた。
なるべく、周囲に気取られないように俺は小声で話しかける。
「魔王つってもよう、また戦闘になるのはゴメンだぞ。お前はともかく、俺は一人では勝てる見込みがない」
『そんなもの、どうでも良いわ! それよりもだ、セグウェイ! セグウェイがあるではないか!? どうして、我に黙っておったのだ!?』
「そういや、言っていたな。あれ、本気だったのか?」
『モチのロンじゃぁ! セグウェイがあれば我も無駄に宙を飛ばなくて済むぞ!! これは世紀の大発見じゃぁ』
このセカイに世紀という概念はねぇだろうと、指摘しようと思ったが機嫌を損ねかねないので止めた。
にしても、シャルの変化か? パッとみだけでは以前よりゴージャスな装いになった以外には、何ら変わりないようにしか映らない。
だからこそ、この胸の奥から沸き起こる不安は一体……。
そっかぁ、俺がポメオじゃないことがバレたんだ。
「族長さん、提案があります。マトリッツォとボリネシアン、どちらが先にあの偽物を仕留められるのか? 勝負といきませんか?」
「ほう、なかなか面白い。乗ったのナラ! 我らの親心につけこんだペテン師を抹消してやる。ワシらが勝ったら、息子の嫁として嫁いでまらうぞ!」
「構いません。私が勝ったらマトリッツォに従属して下さいませ」
勝手に盛り上がりだした隙をついて忍び脚で、その場を離れようとした。
見つかるまで三秒とも持たなかった。
「あ―――!! アイツ、逃げ出したぞ」
ヨガの達人みたいのが、口から火を噴くように騒ぎ出した。
これだから、伝令係という奴は女にもってないんだ……多分。
「地の利は我らにあり、皆の衆ゆくぞぉ――――!」
無駄に団結心だけは高い、ボリランことボリネシアンランサーたちが出動した。
明らかに、挙動不審になる俺にヨミコが気づいた。
動じている自覚はある、でなけりゃ腕クロスからの手ブラで「ツタンカーメン!」なんて一発芸をやるワケがない。
まさか、知り合いがいなそうな俺の今の姿を、知り合いに見られてしまうとは……。
ゲシュタルト崩壊もヨロシクだ!
「人前で裸体をさらけ出すなんて、ふしだらですね。もとから、貴方はそうでしたが……やはり、テイムされていないとこうも駄目になるとは、嘆かわしいばかりです」
シャルが、わけもワカメに悲観し始めた。
感情の起伏が激しく、不安定なのは前からだが……ひどくなってなーい?
「待て待て! ブルマンだってブルマ一丁だろうに! どうして俺が変質者扱いされないといけないんだ?」
「ブルマン? はいっ、野猿たちのことですね! 野生動物に衣類など必要ありませんよ。けれど、ロビー君はペット! そう私のペットたるもの世間体という物を気にして下さらないと!!」
「う~ん、納得。できるわけねぇだろうが! んな、アホな理屈が通ってたまるかよ」
知らない内に、俺はシャルの中でペットに位置づけされていた。
身勝手な言い分なんぞ、到底受け入れられず突っぱねてやった。
俺と言う壁を崩すには、どうやら時期尚早だったよだな、出直してこいや!
「ところで、アンタが花嫁かい? 何やら、うちの息子と知り合いのようだけど、説明してくれないかねぇ~」
独り粋がる俺を差し置いてオカンが、話を進めていた。
クロスケを始め他のボリネシアンズも話題は花嫁、お前は空気嫁と言わんばかりの様子で談笑している。
なんてことだろう。そこにはアットホームな雰囲気が生まれつつあった。
「以前、一緒にダンジョン探索をしたことがありまして――――」
嘘はついていないが、俺たちの関係をどうにか誤魔化そうとしている。
シャルの返答に「これで、良いのかと?」問いただしたいが、他の連中がいる手前、それも叶わない。
「ところで、ボリネシアンの皆さん。そこの彼はポメオ君ではありませんよ?」
おいおいおいおいおおい、シャルターナさん!?
突発的なカミングアウトに、場の空気が一気に重くなった。
クロスケは目を丸くし、ヨミコは旦那を睨みつけていた。
「シャルターナとかいったね? その話、本当かい?」
「ええっ、私は聖職者なもので嘘はつけないんですぅ~、すみません」
終始、笑顔に徹するシャルターナに陰りが見えたのは、その時だった。
今まで、感じたことのない感覚に全身、鳥肌がたった。
『マイトよ。主も気づいたか? あのエロ担当の女から、魔王の気配がするぞ』
「はい?」
『分かっておるのだろう。あの者の変化を』
いつの間にか、スキルブックを手で抱えていた。
どうやら、他の魔王の気配で目覚めたようだ。
本からササブリの声が聞こえた。
なるべく、周囲に気取られないように俺は小声で話しかける。
「魔王つってもよう、また戦闘になるのはゴメンだぞ。お前はともかく、俺は一人では勝てる見込みがない」
『そんなもの、どうでも良いわ! それよりもだ、セグウェイ! セグウェイがあるではないか!? どうして、我に黙っておったのだ!?』
「そういや、言っていたな。あれ、本気だったのか?」
『モチのロンじゃぁ! セグウェイがあれば我も無駄に宙を飛ばなくて済むぞ!! これは世紀の大発見じゃぁ』
このセカイに世紀という概念はねぇだろうと、指摘しようと思ったが機嫌を損ねかねないので止めた。
にしても、シャルの変化か? パッとみだけでは以前よりゴージャスな装いになった以外には、何ら変わりないようにしか映らない。
だからこそ、この胸の奥から沸き起こる不安は一体……。
そっかぁ、俺がポメオじゃないことがバレたんだ。
「族長さん、提案があります。マトリッツォとボリネシアン、どちらが先にあの偽物を仕留められるのか? 勝負といきませんか?」
「ほう、なかなか面白い。乗ったのナラ! 我らの親心につけこんだペテン師を抹消してやる。ワシらが勝ったら、息子の嫁として嫁いでまらうぞ!」
「構いません。私が勝ったらマトリッツォに従属して下さいませ」
勝手に盛り上がりだした隙をついて忍び脚で、その場を離れようとした。
見つかるまで三秒とも持たなかった。
「あ―――!! アイツ、逃げ出したぞ」
ヨガの達人みたいのが、口から火を噴くように騒ぎ出した。
これだから、伝令係という奴は女にもってないんだ……多分。
「地の利は我らにあり、皆の衆ゆくぞぉ――――!」
無駄に団結心だけは高い、ボリランことボリネシアンランサーたちが出動した。
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