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心絵マシテ

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孤島の花嫁

67話 マッチング18

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 白々しい夢芝居に付き合わされて、猛り狂いそうだった。
 特に、あのポメオに許嫁がいたなどとは、笑止千万!
「アッハハハ、アハハハァ!!」と笑いながらも石ころ片手に、俺は大木に藁人形を打ち付けていた。
 ポメオから一度も申告を受けていなかったから、俺のショックアブソーバーがへし折れそうだ。
 このままでは、ブレンダの存在意義がなくなってしまうではないか!

 ――――そう悩んだもの、式の準備が整うまでの間。
 よくよく考えてみれば、式を挙げるのは奴ではなくイッツ、ミーだ。
 式に幻魔王子を呼べないのは、非常に残念だが……某出版を解雇されて以降、奴の消息は掴めていない。
 まぁ、気にしても仕方のないことだ。奴を見つけるのは街中でホタルを探すのと同じぐらいに厳しい。
 それよりも、せっかく人生の晴れ舞台を迎えるわけだ。ここはゾーンに入っておくべきではないのだろうか?
 なんせ、この俺も、ついにNTR勢に入るわけだ……。
 マイトNTR、なんか連邦のモビルスーツみたいだ。

 さすが、南国というだけあって、色とりどりの新鮮なフルーツの盛り合わせを始めに、得体の知れない動物の丸焼きや獲れたてピチピチの魚を使用した海鮮料理の数々が、これでも喰らえといわんばかりに運ばれてきた。
 どれも、一皿、数百円程度では決して手が出せない大皿の一品ばかりだ。

 気のせいか、段取りが良過ぎる……もしかして、式自体は前から決まっていたということなのだろうか?
 それで新郎が不在で困っていたところに丁度、俺を発見したとか……あると思います!
 そう、かつての日本の光景、無造作におかれた水の入ったペットボトルの数ぐらいありすぎて困る。

 一般には、猫避けと言われていたが実は効果がなく、また使用目的も異なる。
 あれらは、人為的な光の護封――――

「そろそろ、マトリッツォから花嫁がくるぞ!!」
 ダ〇シムみたいなのが、叫びながら走ってきた。
 そこはテレポートじゃないんだと落胆していると、村の大門が開いた。
 両開きの木製の扉は火計を受けたら、よく燃えそうだ。
 んな、事を思いながら棒立ちになっていると、海パ……ブルマを装着した屈強なる戦士たちが神輿みこしのようなモノを担いで推参してきた。

 神輿の周りは垂れ幕で覆われている。
 容姿こそは、確認できないが中に誰かが入っているようだ。
 にしても……かたや腰ミノ、かたやブルマとは、式を始める前から狂気が先行している。
 野盗のブルマ一丁なんて、拝みたくもない。
 異常を通り越して犯罪の臭いしかしない。

 自分たちの理想に素直なことは結構だが、ボリネシアンの女性陣の反応がヤバイ。
 ブルマンを一目見た彼女たちの視線に感情という物は一切、感じられない。
 そのまま中指を立てそうなほど、嫌悪の対象としてブルマンズを見ている。

「よく来たナラ。して、族長のブリオの姿が見えんのラ?」

「此度の和平、本来ならば我らには不要なモノだ。しかし、コチラにも事情がある……本日、ここまでやってきたのは新族長、たっての願いである。貴様らボリネシアンは地に伏せ感謝するがよい!!」

 のっけから、穏やかな空気にはなりそうもなかった。
 高圧的なブルマンの態度は、ボリネシアンたちの反感を買うことになった。
 いや、むしろ……ブルマンたちが、ここを攻め落とすのなら、不用心に敵対勢力である自分たちを招き入れてしまった今が狙い時だ。

「オカン、コイツら何かにつけて交渉を決裂させるつもりだ! 易い挑発に乗っては駄目だ」

「ポメオ? 分かっているよ、ここはマムに任せておきな」

 ヨミコがスッと右腕を天に向け上げた。
 すると、集落の周辺に潜んでいた弓兵が続々と姿を現わし、ブルマンたちを包囲するカタチになった。

「これぞ、包囲殲滅の布陣。まさか、アホ面こいて私たちがオマエたちを集落にいれたとでも? 罠にかかったのはオマエたちの方だよ。族長の命が惜しかったら、大人しく我らの言うことを聞きな!!」

「クククッ、ハッハハハアアア! ボリネシアンたちよ、してやったりとでも思ったのか!? こちらには、ふぅああああああああああああ――――!!!」

 調子に乗ったブルマンの一人が仰け反るよう高笑いしていた。
 彼の腰が逝ったのは、その最中でのことだった――――

 人を呪えば穴二つ失う。
 人を笑えば、足二本増える。
 どんなに鍛え上げられた肉体でも、ぎっくり腰には勝てない。

 仲間の失態に他のブルマンズは、肩を震わせ笑いをこらえていた。
 彼らに上下関係があるのかは、分からないが遠慮はしているようだ。
 それでも、生まれたての小鹿のように脚を震わせる男の姿に感動を覚える者は誰もいなかった。 
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