問答無用!でランキングブレイカー!! ースキル、グラビアこそ最強最高ですー

心絵マシテ

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最強! 最高! さあ、逝こう!!

2話 怪しい仲間たち

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 聖女の考案した「狩れると思った!? 残念でしたぁ~、狩れるのはオマエだYO!」は、ふざけたネーミングセンスとは裏腹に回転効率の良い作戦だった。
 実際、コイツらはこの方法でかなりのポイントを稼いできた。

「ラッキー! コイツ、調理のスキルブック持っている。グゼン、欲しいっしょ?」
 女盗賊が本を片手にはしゃいでいる。
 
 スキルブックとは何か? と聞かれても正直、困る。
 その疑問は、赤ちゃんになる前のお前は、どうやって生存競争を勝ち抜いたのか? と問われるぐらい難しい。
 ただ、簡潔に述べるのなら、このセカイの者が、生まれ持って授かる一人一冊だけのエコパワー。
 お得なという意味では、エコな得体の知れない不気味な能力を書物として具現化したモノ。
 無くしてはいけない、大事な宝物。考えるのではなく股間で感じるモノ。
 それが、スキルブックだ。

「有り難い。ランキングポイントも結構、貯まったし当面は安泰だな、グハハハッ!」
 グゼンと呼ばれた戦士はご満悦といった感じで笑っていた。
 コイツは料理が得意で、調理系のスキルを集めている。
 スキルブックも物によっては、他者のスキルを得ることが可能だ。

 ポイントも戦利品も、すべてアイツらのモノになるから、俺には関係がない。
「マイトに譲渡しても加点されないから意味がないよな?」と敬遠されるだけだ。

 その後も作戦は、面白いように上手くハマッていた。
 おびき寄せては奪う、それの繰り返し。すべて順調だった。
 このまま、各々がランキングを上げしていけば、俺達に敵はいなくなるんじゃないかと、天狗になっていた。

 しかし、事はいつまでも上手くはいかない。
 他の冒険者たちも馬鹿ではない。
 ハンター狩りのパーティーがいるという噂はすぐに広まっていった。
 調子が良かったのも、ほんの数週間だけだった……。
 単独で行動する冒険者が減ってきた上、対策もしっかり練られ取り逃がす回数も増えていった。
 次第に雲行きが怪しくなってくる。
 それに乗じ、パーティーメンバーから焦りと苛立ちの色が見え始めた。


 いつしか、計画は破綻していた……。

 ナニをどう間違えたのか? 奴らは仲間同士で対立していた。
 仲間の中に俺はふくまれていないはずだが、巻き込まれてはいた。
 俺の本当の仲間はブレンダとブレンディ、そしてエステートだけだ。
 三人とも、存在はしないが気の良い奴らだ……設定上は。
 
 勝手に、いがみ合うパーティーメンバー、下手をしたら一触即発の雰囲気だ。 
 粗暴な連中の都合で、人生終了するなんてごめんだ。
 こんな、俺でも叶えたい夢がある。
 トップランカー、そうランカー1位になるのが俺の願いだ。
 
 年間を通して、トップの座を防衛すれば、願いを一つだけ叶えられるという……。
 眉唾物の話のように聞こえるが……俺にはどうしても会いたい人がいる。
 たとえ他者に無謀だと叩かれ、弱者とののしられても、求めて止まない。
 ランキングカーストの底辺だとしても、諦めきれないのだから!!
 せめて……夢をみるぐらいは自由であるべきだ。

「ねぇ、アンタさぁ? アタイたちについて来るんでしょっ!? どうでもいいけど……」

 クセのある赤毛の女盗賊が四半世紀前の口ぶりで、俺を勧誘してきた。

「すみませんが、今なんと? ロビー君は、私たちともに覇業を成し遂げるのです!」

 人の名前すらろくに覚えられないロリ顔の聖女が、ぐいぐいとヒトの腕を引っ張ってくる。
 ときおり、触れる柔らかなパイの好感触に我を失いかける。
 負けじと女盗賊も押しつけてくる。
 侘び寂びを感じるが、これもこれで―――――

「ゼハァ、ゼハァ、危うかった……」これぞ、ハニートラップだ!
 俺でなければ容易く、二人のどちらかに籠絡ろうらくされていた。

 バラバラになったコイツらは、俺の所有権をめぐって争い始めた。
 人生のモテ気、到来! などと……喜んではいられない。
 パーティーは真っ二つに分裂した。

 女盗賊と賢者のリーダー。
 ポンコツ聖女と心のリーダーとぬかす占い師の婆さん。

 リーダーが二人いる時点で、パーティー崩壊は確定しているも同然。
 両チームのメンバーがいがみ合う中、真っ先に武器を手にしたのは他のだれでもない。
 独り、パーティー編成からあぶれた哀しきアラフォー世代の戦士だった。
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