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最強! 最高! さあ、逝こう!!
5話 治らないとイケないモノ
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「すみません、私が至らぬせいで……いらぬ不信感を与えてしまったようですね。本当に、すみません」
「そうよ! 何が不満なのよ? アタイは別にいいけど……」
素っ気ない俺の態度に女子、二人が詰め寄ってきた。
不満だらけなのは当然だ。俺たちのしてきた事は、冒険者としての自分を乏す行為だ。
こんな方法では……いつまでも、やっていけるはずもない。心身ともに疲れ果て朽ちてゆくのみだ。
この際だから、全部ぶちまけてやる……。俺の想い丈、すべてを!
「俺は……俺は! 今のパーティー活動にウンザリしているんだ! こんなのやり方は間違っている! 確かに他の冒険者を墓地に送れば相手のランキングに応じて、ポイントは入手できる。魔物を狩るよりも遥かに稼げる、それは分かる。けれど、俺は普通の冒険がしたいんだ!! こんな後ろめたい環境化でなく、冒険に胸をワクワクさせながら、皆と一緒に魔物討伐やトレジャーハントをしたいんだ。そんな、当たり前のことを望まず、何が冒険者だ!!」
「帰れ! ケツの青い糞虫が! 何が普通に冒険したいだ。お前は、この移動型ダンジョン星団船を舐めているだろう!? ここに出てくる魔物は上層に向かえば向かうほど凶悪になってくる。それこそ、三ケタ代の冒険者が複数人いても歯が立たないぐらいの強敵だ。お前のようなゴミ屑にどうこうできるほど、甘くないんだ! 死にたくなければ、今までどおり僕たちの言いなりなっていればいいんだよ!!」
賢者サトランが切れた。
思えば、彼は一度だって俺のことを認めようとしなかった。
顔を合わせる度に、「使えないから帰れ」と倦怠期の彼氏みたいな言葉をはく。
彼にとって俺は、必要性のない人間なんだ……そう思い、ガチで帰ろうとすると、輪をかけて激怒する。
男のツンデレはメンド―だ。
よく、小学校の時に好きな相手に冷たい態度を取ってしまうあれだ!
そう、結論づけるとSAN値が激増した。
「チョイと、乱暴な言い方はお止め! ケンカの原因は分からないケド、二人ともケンカの後は仲直りだよ~。そら、婆特製ジャアントホッパーの甘辛煮をお食べ~」
「いらんわ!! イナゴ感覚で何でもかんでも煮るなよ――!!」
すべての過程を置き去りにした発言とともに、ワカモトさんが乱入してきた。
どうやら、俺とサトランが喧嘩していると勘違いしているようだ。
「ああ、アレ! リーダーが一方的にこじらせているんです」などとは口が裂けてもいえない。
言った瞬間、奴はスキルブックを開いて、しょっぱい魔法を連発してくる。
そう、今のよう……にぃぃぃ――!?
開かれたページから、雷光の球が飛び出しサトランの右手に宿る。
バチバチと電撃を放出し、構える姿は久しぶりだ。
最近は低ランク冒険者ばかり、狙っていたからリーダーの職は追剥だとばかり思っていた。
にしても……雷光の規模が徐々に増幅しているような気のせいか?
「全部、口から出てんだよ、魚野郎! そのパクパク開く口を永久に閉ざしてやる!!」
――気のせいではなかった。思ったことを無意識で口にしてしまう呪いが発動している。
こうなると収拾がつかない、最悪セメタリ―に送りも覚悟しなければならない。
「ま、じかよ……いいぜ、撃ってみろ! できるものならばなぁ、オープンブック!!」
ワレニ秘策アリ。
俺はスキルブックから秘蔵のコレクションを取り出した。
現物をみるなりサトランは激しく動じている。
「お、お前! そいつは卑怯だぞ!!」
「おやおや、卑猥の間違いじゃないのですかな? サトランさん」
目の前でかかげるのは、一冊の写真集。
こうなるケースを見越して以前から対サトラン戦を想定し用意したもの、それは――――
JKアイドル、小鳩ササのグラビア本だ!
転生前のサトランが重度のドルオタだったのは、周知の事実だ。
特に彼女、ササちゃんに対する熱の入れようはハンパない。
喉から手が出るほどに欲しいグラビアを前にサトランはたじろいでいた。
試しに、写真集を上下左右に動かしてみると、猫のように視線で追っている。
「どうした? ん? 欲しいのか、これが!? まさか、ゴミ屑ごときが持っている本が必要だなんてことはないよねぇ~?」
「……デタラメなんだよ!! ありえないだろっ……別世界の書籍を持ち出してくるなんて、貴様のスキルブックはどうなっているんだ。ルール違反だろっ!!」
どうなっているのか? そう聞かれても困る。
そういう仕様なのだから、俺が責められる覚えはない。
「スキルブックというのは、スキル能力を書に封じたモノで、この世界特有のアーティファクトです。どういう種類のスキルを習得するのは所持者によってマチマチなのは、サトラン様もご理解なされてますよね?」
駄々こねるリーダーにみかねた聖女が会話にわって入ってきた。
このような魔法具の説明は、知識豊富な聖女様に説明してもらったほうが、手っ取り早い。
「それは知っている。シャルターナ、僕はコイツが、この世界に存在していない書物を所有しているのが、納得できないんだ」
「ただ、グラビアがうらやましいだけだろ。なぁ? ムッツリスケベ」
「はあああーん!? 万年最下位の落ちこぼれのお前がそれを言うのか!?」
女体大好きサトランの切実なる叫びが、反響しながらダンジョンの闇の中へと吸い込まれてゆく。
人を落ちこぼれと蔑むが、穴に落ちる時よりも、填まった時のほうがダメージはデカい。
そう、便座カバーを下ろすのを忘れ、便器と一体となった、あの時のように……。
ガラリッ! と瓦礫の崩れた音が耳をかすめた。
「何か、気配がする! アンタら、戦闘準備しておきな!!」
盗賊リンが、ダガーナイフ片手に身構えた。
「そうよ! 何が不満なのよ? アタイは別にいいけど……」
素っ気ない俺の態度に女子、二人が詰め寄ってきた。
不満だらけなのは当然だ。俺たちのしてきた事は、冒険者としての自分を乏す行為だ。
こんな方法では……いつまでも、やっていけるはずもない。心身ともに疲れ果て朽ちてゆくのみだ。
この際だから、全部ぶちまけてやる……。俺の想い丈、すべてを!
「俺は……俺は! 今のパーティー活動にウンザリしているんだ! こんなのやり方は間違っている! 確かに他の冒険者を墓地に送れば相手のランキングに応じて、ポイントは入手できる。魔物を狩るよりも遥かに稼げる、それは分かる。けれど、俺は普通の冒険がしたいんだ!! こんな後ろめたい環境化でなく、冒険に胸をワクワクさせながら、皆と一緒に魔物討伐やトレジャーハントをしたいんだ。そんな、当たり前のことを望まず、何が冒険者だ!!」
「帰れ! ケツの青い糞虫が! 何が普通に冒険したいだ。お前は、この移動型ダンジョン星団船を舐めているだろう!? ここに出てくる魔物は上層に向かえば向かうほど凶悪になってくる。それこそ、三ケタ代の冒険者が複数人いても歯が立たないぐらいの強敵だ。お前のようなゴミ屑にどうこうできるほど、甘くないんだ! 死にたくなければ、今までどおり僕たちの言いなりなっていればいいんだよ!!」
賢者サトランが切れた。
思えば、彼は一度だって俺のことを認めようとしなかった。
顔を合わせる度に、「使えないから帰れ」と倦怠期の彼氏みたいな言葉をはく。
彼にとって俺は、必要性のない人間なんだ……そう思い、ガチで帰ろうとすると、輪をかけて激怒する。
男のツンデレはメンド―だ。
よく、小学校の時に好きな相手に冷たい態度を取ってしまうあれだ!
そう、結論づけるとSAN値が激増した。
「チョイと、乱暴な言い方はお止め! ケンカの原因は分からないケド、二人ともケンカの後は仲直りだよ~。そら、婆特製ジャアントホッパーの甘辛煮をお食べ~」
「いらんわ!! イナゴ感覚で何でもかんでも煮るなよ――!!」
すべての過程を置き去りにした発言とともに、ワカモトさんが乱入してきた。
どうやら、俺とサトランが喧嘩していると勘違いしているようだ。
「ああ、アレ! リーダーが一方的にこじらせているんです」などとは口が裂けてもいえない。
言った瞬間、奴はスキルブックを開いて、しょっぱい魔法を連発してくる。
そう、今のよう……にぃぃぃ――!?
開かれたページから、雷光の球が飛び出しサトランの右手に宿る。
バチバチと電撃を放出し、構える姿は久しぶりだ。
最近は低ランク冒険者ばかり、狙っていたからリーダーの職は追剥だとばかり思っていた。
にしても……雷光の規模が徐々に増幅しているような気のせいか?
「全部、口から出てんだよ、魚野郎! そのパクパク開く口を永久に閉ざしてやる!!」
――気のせいではなかった。思ったことを無意識で口にしてしまう呪いが発動している。
こうなると収拾がつかない、最悪セメタリ―に送りも覚悟しなければならない。
「ま、じかよ……いいぜ、撃ってみろ! できるものならばなぁ、オープンブック!!」
ワレニ秘策アリ。
俺はスキルブックから秘蔵のコレクションを取り出した。
現物をみるなりサトランは激しく動じている。
「お、お前! そいつは卑怯だぞ!!」
「おやおや、卑猥の間違いじゃないのですかな? サトランさん」
目の前でかかげるのは、一冊の写真集。
こうなるケースを見越して以前から対サトラン戦を想定し用意したもの、それは――――
JKアイドル、小鳩ササのグラビア本だ!
転生前のサトランが重度のドルオタだったのは、周知の事実だ。
特に彼女、ササちゃんに対する熱の入れようはハンパない。
喉から手が出るほどに欲しいグラビアを前にサトランはたじろいでいた。
試しに、写真集を上下左右に動かしてみると、猫のように視線で追っている。
「どうした? ん? 欲しいのか、これが!? まさか、ゴミ屑ごときが持っている本が必要だなんてことはないよねぇ~?」
「……デタラメなんだよ!! ありえないだろっ……別世界の書籍を持ち出してくるなんて、貴様のスキルブックはどうなっているんだ。ルール違反だろっ!!」
どうなっているのか? そう聞かれても困る。
そういう仕様なのだから、俺が責められる覚えはない。
「スキルブックというのは、スキル能力を書に封じたモノで、この世界特有のアーティファクトです。どういう種類のスキルを習得するのは所持者によってマチマチなのは、サトラン様もご理解なされてますよね?」
駄々こねるリーダーにみかねた聖女が会話にわって入ってきた。
このような魔法具の説明は、知識豊富な聖女様に説明してもらったほうが、手っ取り早い。
「それは知っている。シャルターナ、僕はコイツが、この世界に存在していない書物を所有しているのが、納得できないんだ」
「ただ、グラビアがうらやましいだけだろ。なぁ? ムッツリスケベ」
「はあああーん!? 万年最下位の落ちこぼれのお前がそれを言うのか!?」
女体大好きサトランの切実なる叫びが、反響しながらダンジョンの闇の中へと吸い込まれてゆく。
人を落ちこぼれと蔑むが、穴に落ちる時よりも、填まった時のほうがダメージはデカい。
そう、便座カバーを下ろすのを忘れ、便器と一体となった、あの時のように……。
ガラリッ! と瓦礫の崩れた音が耳をかすめた。
「何か、気配がする! アンタら、戦闘準備しておきな!!」
盗賊リンが、ダガーナイフ片手に身構えた。
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