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二章、後編 聖地の落とし物
44話 希望の轍
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ダイニングとリビングに挟まるカタチで、二階への階段が設置されていた。
向って時計周りにコの字となっている階段を早速上がる。
二階にが上がると丁度、家屋北側の端に出るようになっている。
そこから南に向かって渡り廊下が一直線に通っていた。
廊下の左右には、いくつかの個室が見える。
扉の数だけ数えると左手に三部屋、右手に二部屋となっていた。
因みに廊下の突き当りはトイレになっている。
「ここが、以前に私が使用していた部屋です。他の部屋と同様ベッドぐらいしか残っていませんが」
右側手前の部屋が、ソフィーの部屋だったそうだ。一応、すべての部屋をチェックしてみた。
彼女の証言どおり、部屋にモノと呼べるモノは残っていそうにない。
「やはり、祖母は誰かに誘拐されたのでは……」
ソフィーがまた良からぬ、妄想し始めた。
病弱な老人を誘拐するのは、犯人にとってもリスキーだと説明したが、浮かない顔をしている。
奴隷商人なら、子供や若者をさらうことも考えられるが……そもそも、ここは外からの人通りがないに等しい。
こんな遺跡の中に集落があると誰も気づきはしない。
「ところでキィーナ、どうして私が二階を見たいと言ったのか、わかるかな?」
キィーナが現状をどれだけ把握できているのか? 確かめてみた。
これから探偵の卵を目指す彼女だ。実際に推理をするように促して、なるべく経験を積ませておきたい。
実のところ、子供ならではの思考や感性にも期待している。
大人が見過ごすことにしっかりと目を向けている、子供の感受性は決してバカにはできない。
さすがにムズ過ぎた……キィーナがしきり唸り、考え込んでしまった。
答えが返ってくるまで、しばし待つこととなった。
それでも彼女は真剣に考え答えをひねり出した。
「う~ん、部屋の中でおばあちゃんが、かくれんぼしているから? だから、どこにどの部屋があるのか知りたかった……とか?」
「惜しい、着眼点は悪くないけど、どうしてかくれんぼをしているのか? 考えないとね」
「ムッ、ディは分かるの?」
「そうね。その辺りをこれから説明するよ」
向って時計周りにコの字となっている階段を早速上がる。
二階にが上がると丁度、家屋北側の端に出るようになっている。
そこから南に向かって渡り廊下が一直線に通っていた。
廊下の左右には、いくつかの個室が見える。
扉の数だけ数えると左手に三部屋、右手に二部屋となっていた。
因みに廊下の突き当りはトイレになっている。
「ここが、以前に私が使用していた部屋です。他の部屋と同様ベッドぐらいしか残っていませんが」
右側手前の部屋が、ソフィーの部屋だったそうだ。一応、すべての部屋をチェックしてみた。
彼女の証言どおり、部屋にモノと呼べるモノは残っていそうにない。
「やはり、祖母は誰かに誘拐されたのでは……」
ソフィーがまた良からぬ、妄想し始めた。
病弱な老人を誘拐するのは、犯人にとってもリスキーだと説明したが、浮かない顔をしている。
奴隷商人なら、子供や若者をさらうことも考えられるが……そもそも、ここは外からの人通りがないに等しい。
こんな遺跡の中に集落があると誰も気づきはしない。
「ところでキィーナ、どうして私が二階を見たいと言ったのか、わかるかな?」
キィーナが現状をどれだけ把握できているのか? 確かめてみた。
これから探偵の卵を目指す彼女だ。実際に推理をするように促して、なるべく経験を積ませておきたい。
実のところ、子供ならではの思考や感性にも期待している。
大人が見過ごすことにしっかりと目を向けている、子供の感受性は決してバカにはできない。
さすがにムズ過ぎた……キィーナがしきり唸り、考え込んでしまった。
答えが返ってくるまで、しばし待つこととなった。
それでも彼女は真剣に考え答えをひねり出した。
「う~ん、部屋の中でおばあちゃんが、かくれんぼしているから? だから、どこにどの部屋があるのか知りたかった……とか?」
「惜しい、着眼点は悪くないけど、どうしてかくれんぼをしているのか? 考えないとね」
「ムッ、ディは分かるの?」
「そうね。その辺りをこれから説明するよ」
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