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私は鳥になれる
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カランカラン。ドアを開けるといつもの鈴の音が美容院に響き渡る。身体も心も重い私はカウンターに行ってのろのろと会員カードを出した。
「午後の二時にカットを予約していた山田です」
「ああ、はい! 山田さんですね。おかけになってお待ちください」
コートをカウンターのお姉さんに預けてもらい、荷物をロッカーに入れて椅子に腰をかける。目に付いた雑誌を手に取って流し読みしながら肩につくぐらい長くなった髪をいじる。髪をいじるのはクセではなく単純に鬱陶しいからだ。
私は髪にあまりこだわりはない。保湿が保たれていて見苦しくない程度に髪がボサボサしていなければそれでいい。パーマや髪を染めるのは興味ない。巻いても邪魔なだけだし、髪を染める理由もない。おばあちゃんとかおじいちゃんならともかく、私は若者だ。若い内に染めたがる理由が分からん。あと、髪を伸ばすのも鬱陶しい。手入れが大変だし前が見えにくいし重いしでめんどくさいのだ。髪を結べばいいだろと思う人もいるが、後頭部が重くて後ろに倒れそうになる。結び跡がついて髪をほぐして乾かすのに時間がかかるのだ。なので、私は髪が伸びて邪魔になったらいつもの美容院にカットの予約を入れる。理由はいたってシンプル。さっぱりしたいからだ。
「菜摘ちゃ~ん」
「あ、はーい」
指名したおばちゃんに私はワンテンポ遅れて返事をし、椅子から立ち上がる。首にタオルをつけられて髪を洗うリクライニングに腰をかけるとガクッと身体が後ろに傾いた。
シャワーの音が聞こえる。この音に私はいつも背筋をぞくぞくと粟立てる。生理的な反応と、これからの自分ーー髪がカットされる私を想像したことへの興奮で。高圧のシャワーで髪を濡らされるとくすぐったいのやら気持ち良いのやらで思わず身体を震わせてしまう。もっと気持ちいいのはここからだ。シャンプーが髪にかけられる。わしわしと力強いけど荒くない手つきで泡立てられる。汚れと言う汚れが落ちていくような、凝りという凝りがほぐされていくような感覚が気持ちよくて、思わず銭湯に入った時のじじむさい声が出そうになった。
「かゆいところはありませんか~」
「左の、後ろ、らへんが……むずむず、します」
こそばしくて返事がノロノロになりながらなんとかお願いすると、おばちゃんの黄金の手が左後頭部をかいた。
「ん~~ここ?」
「あっ……そ、そこ、とても、気持ち、いいです……」
絶妙な力加減でこすられると身も心もふにゃふにゃに溶ける。マッサージされてる時の犬や猫って多分こんな気分なんだろうなあ。シャワーの音とともに泡が流れ落ちる音が聞こえる。これで準備は終わった。次はカットだ。リクライニングから下りて、鏡の前の椅子に座るとビニール製の前掛けをかけられた。
「髪はカットやけど、どのように切る?」
「えっと……そうですね」
鏡を見る。前髪をセンター分けしているから見えやすいけど下ろしたら前が見えなくなる。フェイスラインを覆う横髪のせいで肌がかゆい。後ろはとても重い。見ているだけで憂鬱になる。
「後ろは襟足ぎりぎり。サイドは耳が見えるぐらい。前髪は額が見えるぐらいばっさりと。あと、後ろが重いのでボリュームを減らしてください」
「随分大胆やねえ~」
「来月で大学生なんで大学デビューに思いっきりやってほしいんです」
「おお~そうか~もうそんな年か~早いわ~」
ゆるゆると喋りながら長い髪をパレットでいくつか纏められる。ハサミが髪に触れる。バサッと切れる音がする。カットの始まりだ。
「大学どこに行くん?」
「芸大、大阪の方の芸大。私、文芸なんです」
髪を櫛で梳かされてしゃきしゃきと小刻みに切られる。パレットを外されて櫛で梳かされて引っ張られてまたパレットで纏められる。その繰り返しだけで眠気が来た。
「文芸? なんか小説でも書くんか?」
「……うん。小説とか、いっぱい、書く」
「そうかー 菜摘ちゃんは小説家になりたいん?」
「…………」
答えないとあかんのに眠くて舌が動かねえ。いっつもこうだ。おばちゃんや別の人を相手しているおじさんに髪を切られるといっつも眠くなる。眠らないようにしても髪を触られただけで眠気スイッチが入る。あの人たちの手にはお客さんを眠らせるナニカがあるんじゃないか? と一時期は疑ったが、実はそうではない。眠くなるのは単純に頭皮のツボを刺激されているからだ。それだけでなく、髪をあったかい湯で濡らされてじんわりと温まったところにわしわしと髪を洗われてポカポカと温まったところにツボを刺激されてふにゃふにゃに骨抜きにされるのだ。そこに丁度いい力加減で髪を引っ張られて梳かされる。マッサージで眠くなるときがあるだろう? あれと同じ原理だ。あまりに気持ちよすぎて最早美容師ではなく髪のマッサージ師と名乗ればいいのではないかと思う。まあ、あながち間違いじゃないけど。
「菜摘ちゃん! 頭!」
「……はっ! す、すみません……あ、えっと、小説家、というか、書くお仕事に就きたいな、と」
「そうかい。無理せずほどほどに頑張りや。徹夜も過ぎれば身体に毒やで」
「はい……おっしゃる通りです」
ファンデーションで目の下の隈を誤魔化したのに見抜かれた。三徹がばれたことが恥ずかしいと思ったのは一瞬で、おばちゃんの言葉に恥ずかしさが吹っ飛んだ。
「なんで徹夜しとったん?」
「ん……あ、大学で、上手く……成功する方法とか、調べてて……あと、は、小説とかいろいろ」
なんとか答えるが、眠くて首が上下に動いてしまう。瞼はもうとっくに閉じている。眠気の崖っぷちにギリギリしがみついている状態だ。勘違いしないで欲しいが、私は相手が誰でも眠くなるわけではない。相手が一回りも二回りも年が離れている人なら眠くなるが、年の近いお兄さんお姉さんだと眠くならないのだ。恐らく年の近い人が相手だと身体が無意識に緊張してリラックスできないのだと思う。そのため、美容院に行くときは大抵おばちゃんかおじさんを指名する。
「こわくて、こわくて、不安やねん……友達、できるかなとか、しっかりやってけるかなとか、自分の意見、ちゃんと言えるかなって、思うと……」
「眠られへん?」
首を下に動かす。イエスという意味だ。頭の上におばちゃんの手が私の頭をぽんぽん叩く。お母さんの手や。
「なら、いっぱい寝とき。なに、大丈夫や。N田さんはよう頑張ってる。むっちゃしっかりしとる。頑張りすぎて疲れたやろ。今は休んどき、な?」
ぽろっと涙がこぼれる。家が貧乏で奨学金取ってて大学生だから甘えちゃいけないって自制していたけど、おばちゃんの優しさに我慢の糸がふわっと切れた。寝たら首が動いて邪魔になるのに休んでいいと言うおばちゃんに甘えて私は頷いた。
--身体が揺れる。名前を呼ばれたような気がして「はい!」と返事をした。
「あ、あれ? 髪の毛、スースーするような……」
さっきまであんなに重たかった髪が今では軽く、胸のつっかえも取れて息がしやすい。じっとりまとわりついていた眠気もさっぱり消えていた。
「菜摘ちゃんのリクエスト通り、思いっきり切ってみたけど、どう?」と、おばちゃんが後ろを鏡でかざした。
目の前の鏡と後ろの鏡に映る今の髪型を見る。後ろは襟足が見えるかどうかの長さで切られている。前髪と横髪はおでこと耳が見えるぐらい短い。髪全体がスカスカしている。やんちゃな男の子っぽい髪型。まるで別人みたいだ。
「これが、私?」と、ため息がこぼれる。いい意味のため息だ。
「えーーと、菜摘ちゃん?」
おばちゃんに名前を呼ばれて肩を跳ねた。そうだ。ウットリしていないで感想言わないと。
「すっごいスッキリしたわ! 身体も心も軽なった!
おおきに!」
勢いよく頭を下げると頭の上に温かい感触があった。位置からしておばちゃんの手だ。頭を上げるとおばちゃんが「そうかい、良かったねえ」と、笑って頭を撫でてくれた。私は照れくさくて「えへへっ」と、小さく笑った。
「山田さん」と、名前を呼ばれる。カウンターのお姉さんに。椅子から降りてカウンターに向かう。カット代二千円プラスシャンプー代千円(計三千円)を払って店を出る。外の風が顔や髪を吹き抜けて気持ちいい。来る前よりも羽が生えたように身軽で目も冴えて視界がクリアだった。今だったら眩しい空も飛べそうなぐらい。
「午後の二時にカットを予約していた山田です」
「ああ、はい! 山田さんですね。おかけになってお待ちください」
コートをカウンターのお姉さんに預けてもらい、荷物をロッカーに入れて椅子に腰をかける。目に付いた雑誌を手に取って流し読みしながら肩につくぐらい長くなった髪をいじる。髪をいじるのはクセではなく単純に鬱陶しいからだ。
私は髪にあまりこだわりはない。保湿が保たれていて見苦しくない程度に髪がボサボサしていなければそれでいい。パーマや髪を染めるのは興味ない。巻いても邪魔なだけだし、髪を染める理由もない。おばあちゃんとかおじいちゃんならともかく、私は若者だ。若い内に染めたがる理由が分からん。あと、髪を伸ばすのも鬱陶しい。手入れが大変だし前が見えにくいし重いしでめんどくさいのだ。髪を結べばいいだろと思う人もいるが、後頭部が重くて後ろに倒れそうになる。結び跡がついて髪をほぐして乾かすのに時間がかかるのだ。なので、私は髪が伸びて邪魔になったらいつもの美容院にカットの予約を入れる。理由はいたってシンプル。さっぱりしたいからだ。
「菜摘ちゃ~ん」
「あ、はーい」
指名したおばちゃんに私はワンテンポ遅れて返事をし、椅子から立ち上がる。首にタオルをつけられて髪を洗うリクライニングに腰をかけるとガクッと身体が後ろに傾いた。
シャワーの音が聞こえる。この音に私はいつも背筋をぞくぞくと粟立てる。生理的な反応と、これからの自分ーー髪がカットされる私を想像したことへの興奮で。高圧のシャワーで髪を濡らされるとくすぐったいのやら気持ち良いのやらで思わず身体を震わせてしまう。もっと気持ちいいのはここからだ。シャンプーが髪にかけられる。わしわしと力強いけど荒くない手つきで泡立てられる。汚れと言う汚れが落ちていくような、凝りという凝りがほぐされていくような感覚が気持ちよくて、思わず銭湯に入った時のじじむさい声が出そうになった。
「かゆいところはありませんか~」
「左の、後ろ、らへんが……むずむず、します」
こそばしくて返事がノロノロになりながらなんとかお願いすると、おばちゃんの黄金の手が左後頭部をかいた。
「ん~~ここ?」
「あっ……そ、そこ、とても、気持ち、いいです……」
絶妙な力加減でこすられると身も心もふにゃふにゃに溶ける。マッサージされてる時の犬や猫って多分こんな気分なんだろうなあ。シャワーの音とともに泡が流れ落ちる音が聞こえる。これで準備は終わった。次はカットだ。リクライニングから下りて、鏡の前の椅子に座るとビニール製の前掛けをかけられた。
「髪はカットやけど、どのように切る?」
「えっと……そうですね」
鏡を見る。前髪をセンター分けしているから見えやすいけど下ろしたら前が見えなくなる。フェイスラインを覆う横髪のせいで肌がかゆい。後ろはとても重い。見ているだけで憂鬱になる。
「後ろは襟足ぎりぎり。サイドは耳が見えるぐらい。前髪は額が見えるぐらいばっさりと。あと、後ろが重いのでボリュームを減らしてください」
「随分大胆やねえ~」
「来月で大学生なんで大学デビューに思いっきりやってほしいんです」
「おお~そうか~もうそんな年か~早いわ~」
ゆるゆると喋りながら長い髪をパレットでいくつか纏められる。ハサミが髪に触れる。バサッと切れる音がする。カットの始まりだ。
「大学どこに行くん?」
「芸大、大阪の方の芸大。私、文芸なんです」
髪を櫛で梳かされてしゃきしゃきと小刻みに切られる。パレットを外されて櫛で梳かされて引っ張られてまたパレットで纏められる。その繰り返しだけで眠気が来た。
「文芸? なんか小説でも書くんか?」
「……うん。小説とか、いっぱい、書く」
「そうかー 菜摘ちゃんは小説家になりたいん?」
「…………」
答えないとあかんのに眠くて舌が動かねえ。いっつもこうだ。おばちゃんや別の人を相手しているおじさんに髪を切られるといっつも眠くなる。眠らないようにしても髪を触られただけで眠気スイッチが入る。あの人たちの手にはお客さんを眠らせるナニカがあるんじゃないか? と一時期は疑ったが、実はそうではない。眠くなるのは単純に頭皮のツボを刺激されているからだ。それだけでなく、髪をあったかい湯で濡らされてじんわりと温まったところにわしわしと髪を洗われてポカポカと温まったところにツボを刺激されてふにゃふにゃに骨抜きにされるのだ。そこに丁度いい力加減で髪を引っ張られて梳かされる。マッサージで眠くなるときがあるだろう? あれと同じ原理だ。あまりに気持ちよすぎて最早美容師ではなく髪のマッサージ師と名乗ればいいのではないかと思う。まあ、あながち間違いじゃないけど。
「菜摘ちゃん! 頭!」
「……はっ! す、すみません……あ、えっと、小説家、というか、書くお仕事に就きたいな、と」
「そうかい。無理せずほどほどに頑張りや。徹夜も過ぎれば身体に毒やで」
「はい……おっしゃる通りです」
ファンデーションで目の下の隈を誤魔化したのに見抜かれた。三徹がばれたことが恥ずかしいと思ったのは一瞬で、おばちゃんの言葉に恥ずかしさが吹っ飛んだ。
「なんで徹夜しとったん?」
「ん……あ、大学で、上手く……成功する方法とか、調べてて……あと、は、小説とかいろいろ」
なんとか答えるが、眠くて首が上下に動いてしまう。瞼はもうとっくに閉じている。眠気の崖っぷちにギリギリしがみついている状態だ。勘違いしないで欲しいが、私は相手が誰でも眠くなるわけではない。相手が一回りも二回りも年が離れている人なら眠くなるが、年の近いお兄さんお姉さんだと眠くならないのだ。恐らく年の近い人が相手だと身体が無意識に緊張してリラックスできないのだと思う。そのため、美容院に行くときは大抵おばちゃんかおじさんを指名する。
「こわくて、こわくて、不安やねん……友達、できるかなとか、しっかりやってけるかなとか、自分の意見、ちゃんと言えるかなって、思うと……」
「眠られへん?」
首を下に動かす。イエスという意味だ。頭の上におばちゃんの手が私の頭をぽんぽん叩く。お母さんの手や。
「なら、いっぱい寝とき。なに、大丈夫や。N田さんはよう頑張ってる。むっちゃしっかりしとる。頑張りすぎて疲れたやろ。今は休んどき、な?」
ぽろっと涙がこぼれる。家が貧乏で奨学金取ってて大学生だから甘えちゃいけないって自制していたけど、おばちゃんの優しさに我慢の糸がふわっと切れた。寝たら首が動いて邪魔になるのに休んでいいと言うおばちゃんに甘えて私は頷いた。
--身体が揺れる。名前を呼ばれたような気がして「はい!」と返事をした。
「あ、あれ? 髪の毛、スースーするような……」
さっきまであんなに重たかった髪が今では軽く、胸のつっかえも取れて息がしやすい。じっとりまとわりついていた眠気もさっぱり消えていた。
「菜摘ちゃんのリクエスト通り、思いっきり切ってみたけど、どう?」と、おばちゃんが後ろを鏡でかざした。
目の前の鏡と後ろの鏡に映る今の髪型を見る。後ろは襟足が見えるかどうかの長さで切られている。前髪と横髪はおでこと耳が見えるぐらい短い。髪全体がスカスカしている。やんちゃな男の子っぽい髪型。まるで別人みたいだ。
「これが、私?」と、ため息がこぼれる。いい意味のため息だ。
「えーーと、菜摘ちゃん?」
おばちゃんに名前を呼ばれて肩を跳ねた。そうだ。ウットリしていないで感想言わないと。
「すっごいスッキリしたわ! 身体も心も軽なった!
おおきに!」
勢いよく頭を下げると頭の上に温かい感触があった。位置からしておばちゃんの手だ。頭を上げるとおばちゃんが「そうかい、良かったねえ」と、笑って頭を撫でてくれた。私は照れくさくて「えへへっ」と、小さく笑った。
「山田さん」と、名前を呼ばれる。カウンターのお姉さんに。椅子から降りてカウンターに向かう。カット代二千円プラスシャンプー代千円(計三千円)を払って店を出る。外の風が顔や髪を吹き抜けて気持ちいい。来る前よりも羽が生えたように身軽で目も冴えて視界がクリアだった。今だったら眩しい空も飛べそうなぐらい。
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