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第1章 ゲームの世界
第2話 「魔物」
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どのくらい歩いただろうか…。
額に汗が滲み、疲れが色濃く出てくる。
ステータス欄には持ち物無し、と書かれていたが、実際のところボロッボロの服だけは着ている。18歳未満がプレイ出来なくなるからだ。
だが今回はそれが裏目に出て、もうベッタベタのベッタベタで気持ちが悪い。
もう秋を越して冬に入っているのに、いつまで夏気分なのだろう。
いいように言えば、このゲームならいつでも夏気分を味わえて良いなぁ、だろうか?
「暑い…暑…ん?アレは…。」
ここまでずっと道なりに進んできたが、いっさいの生命を感じられなかった。
だが、おそらく前方に見えるのは…スライム?だろう。
初の生物(?)だ。
せっかくなので観察してみようと、じんまり見つめる。
「…………………………。」
全く動いていない。
かつてこんなにも微動だにしないスライムが存在しだろうか。
「…あ、そっか。このゲームバグってるのか。忘れてた。」
無駄に顔を縦に振って納得した僕は、初の戦闘を行ってみることにした。
ソロ~リソロ~リと忍び寄る…必要もなかったことに気付いて普通に歩を進める。
「…当たったら戦いになるのかな…。」
石を投げてもお前本当にスライムか?というくらいコツッ、コツッ、っと音を立てて足下に帰ってくる。
試しに指先で触れてみる。
…うん。スライムだ。
「…やっぱバグだな。運営に報告しよう。」
誰も聞いてやしないのに、そんなことを独り言いながら来た道を戻ろうと歩く。
すると、な~んということでしょう。
ズバァッ!
さっきまで『ただの岩です。』と言わんばかりのたたずまいだったスライムが、目にも止まらぬ速さで道を塞いでくるではありませんか。
「…!…?!…?…!?」
何と言うか、絶句の一言に尽きる。
しかしそれだけに止まらず、いきなり急接近してきた。
「…な!ゴブゥ!」
スライムの突進は見事僕の腹部に命中した。
僕に2ダメージ!
「な…なんなんだ…。」
そう言いながら後退りする僕。
光速で背後を取るスライム。
「…な!ゴブゥ!」
いろいろ省略するが2ダメージ!
「くっ…よく分からないけど、ここは一時戦略的撤退だ!」
そんな一回言ってみたかったセリフを吐き捨ててガチの全力疾走!
依然状況は飲み込めない!
立ちはだかるスライム!いやなんでだよ!!
「…な!ゴブゥ!」
(略)2ダメージ!
「え、待って…これ詰んでるじゃん。どうするんだよ…。」
…縛りプレイなんてするんじゃなかった。
額に汗が滲み、疲れが色濃く出てくる。
ステータス欄には持ち物無し、と書かれていたが、実際のところボロッボロの服だけは着ている。18歳未満がプレイ出来なくなるからだ。
だが今回はそれが裏目に出て、もうベッタベタのベッタベタで気持ちが悪い。
もう秋を越して冬に入っているのに、いつまで夏気分なのだろう。
いいように言えば、このゲームならいつでも夏気分を味わえて良いなぁ、だろうか?
「暑い…暑…ん?アレは…。」
ここまでずっと道なりに進んできたが、いっさいの生命を感じられなかった。
だが、おそらく前方に見えるのは…スライム?だろう。
初の生物(?)だ。
せっかくなので観察してみようと、じんまり見つめる。
「…………………………。」
全く動いていない。
かつてこんなにも微動だにしないスライムが存在しだろうか。
「…あ、そっか。このゲームバグってるのか。忘れてた。」
無駄に顔を縦に振って納得した僕は、初の戦闘を行ってみることにした。
ソロ~リソロ~リと忍び寄る…必要もなかったことに気付いて普通に歩を進める。
「…当たったら戦いになるのかな…。」
石を投げてもお前本当にスライムか?というくらいコツッ、コツッ、っと音を立てて足下に帰ってくる。
試しに指先で触れてみる。
…うん。スライムだ。
「…やっぱバグだな。運営に報告しよう。」
誰も聞いてやしないのに、そんなことを独り言いながら来た道を戻ろうと歩く。
すると、な~んということでしょう。
ズバァッ!
さっきまで『ただの岩です。』と言わんばかりのたたずまいだったスライムが、目にも止まらぬ速さで道を塞いでくるではありませんか。
「…!…?!…?…!?」
何と言うか、絶句の一言に尽きる。
しかしそれだけに止まらず、いきなり急接近してきた。
「…な!ゴブゥ!」
スライムの突進は見事僕の腹部に命中した。
僕に2ダメージ!
「な…なんなんだ…。」
そう言いながら後退りする僕。
光速で背後を取るスライム。
「…な!ゴブゥ!」
いろいろ省略するが2ダメージ!
「くっ…よく分からないけど、ここは一時戦略的撤退だ!」
そんな一回言ってみたかったセリフを吐き捨ててガチの全力疾走!
依然状況は飲み込めない!
立ちはだかるスライム!いやなんでだよ!!
「…な!ゴブゥ!」
(略)2ダメージ!
「え、待って…これ詰んでるじゃん。どうするんだよ…。」
…縛りプレイなんてするんじゃなかった。
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