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第三十八話:覚醒
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真っ暗で何も見えない。
俺は気を失ったのか・・
確か・・俺は、戦闘中だったはずだ。
ここは何処だ?
誰かが俺を呼んでいる声がする。
(ユ・・さ・・おき・・)
何度も何度も。
最初は良く聞き取れなかったが、次第に聞き取れるようになってきた。
(ユウさん、起きて下さい!)
はっ!と目を開ける。
「お兄ちゃん!」
目の前には、涙でくしゃくしゃになった顔のユイがいた。
まだ思考が回復していないが、すぐに声をかける。
「大丈夫だユイ、心配ないから」
クーガーが光った瞬間、俺はユイを庇いながら石壁を可能な限り張りまくっていた。
いくつ張ったのかは覚えていない。
しかし周りを見るとほぼ全てが見るも無残に朽ち果てている。
「奴は?」
「クロが倒しちゃった・・」
「えっ・・」
ユイに隠れて視界に入らなかったが、少し離れたところに後ろを向いたクロがいた。
その背には、黒い羽のような物が見える。
俺は立ち上がり、ユイの頭を撫でた後に、クロの元へと駆け寄る。
「クロ、大丈夫か?」
暫く待つが、反応がない。
名前:「クロ」
レベル:42
種族:魔族
弱点属性:なし
スキル:怪音波Lv4、速度増強Lv4、シャドウボールLv2、スラッシュLv3、レーザービームLv2
確認したが、特に異常は見られない。
俺の問い掛けに答えたのはクロではなく、セリアだった。
(恐らく、覚醒してしまったのかもしれません)
(覚醒?)
クロは元々魔族だ。生まれたばかりの赤子と言ってもいいかもしれない。
最初は、子犬の姿をしていたが、今は成長して人族の風貌となっている。
そして、今目の前にいるクロは、羽が生えて、露出している肌に何やら模様のようなものが見える。
魔族固有の姿だ。
セリアの覚醒というのは、魔族の本質である、破壊衝動に駆られているかもしれないというのだ。
しかし、俺とは主従契約を交わしているので、俺に対しては襲ってくる事はないだろうと補足している。
認めるかよ。
そんなの信じたくないぞ。
今まで一緒にここまで旅をして来たんだ。
今更、仲違(なかたが)いして離れ離れなんて別れは認めないぞ。
俺はクロの正面に周り、表情を確認する。
いつものクールな表情は変わりないのだが、俺の事が見えていないのかボーッとしている。
「クロ!」
今度は少し大きめの声で呼び掛ける。
「ユ・・ウ・・」
今度は弱々しく反応があった。
俺は、ひとまず問い掛けに答えてくれた事に安堵する。
「クロ、大丈夫か?どこも怪我してないか?」
すると、次の瞬間、クロの眼から涙が溢れてきたのだ。
しかし、依然として表情は変わっていない。
「どうした?大丈夫なのか?」
再び弱々しい声でクロが喋り出す。
「クロは魔族です。本当のやるべき事を思い出した」
「やるべき事?」
「クロのやるべき事は魔王様の復活と同族以外の虐殺です」
「な!?」
俺は物分かりは割と良い方だと自負しているつもりだ。
恐らく覚醒したクロは、自身の体内に流れている魔族の血と遺伝子のような何かが、受け継がれてきた魔族としての役割のようなものが頭に入ってきて、クロ自身の自我と葛藤してるのだ。
「でも、なぜだか涙が出てくる」
ボロボロと大粒の涙を流している。
「今言ったこと、クロは本当にそれが、やりたい事なのか?」
首を横に振る。
心では、やりたくないと思っていても、頭が、身体が言う事を聞かないのだろう。
今も自我を保っていないと、俺たちを襲ってしまいそうに葛藤しているようにも見える。
そして、とんでもない事を俺に告げる。
「クロを殺して」
「バカ!何言ってるんだ!そんなのー」
「そんなの出来るわけないよ!!」
俺が言おうとしていた事を先にユイが告げる。
「自我を保っているうちに・・早く殺して・・」
何とかして、クロを魔族としての呪縛から救い出せる方法はないのか。
俺が自問自答していると、
「信じてあげるしかありません」
セリアが出て来て、俺の肩に座っている。
「君が信じてあげなくて、どうするの!」
今度は、ノアが出て来て、俺の頬に手を当てている。
・・・。
「そうだよな、俺が諦めたらクロだって諦めちゃうよな」
俺は、両手で自身の頬を思いっきり叩き、気合いを入れた。
「クロ!聞いてくれ!」
クロは、自我を抑え込むのに必死なのだろう、顔を苦痛に歪めながらも俺の目を見ている。
クロの両肩に手を置き、見つめ合う。
「俺は、これからもお前と一緒に旅がしたい!お前は、違うのか?」
クロは、既に喋れないのか、口には出さずに、首を横に振る。
「よしっ!だったら、お前の苦しみを俺に分けてくれ!魔族の覚醒だかなんだか知らないが一緒にそれを乗り越えるぞ!」
俺はクロを強く抱きしめた。
その事にクロは、安心したのか、苦しみを我慢して込めていた力を少しずつ解放していく。
尚も苦痛に顔を歪めながらもハッキリと答えていた。
「ユウやユイ・・一緒に・・居たい・・」
「良く言った!」
俺の中に、何かが入ってこようとする。
「グッ!・・意識が持っていかれそうだ」
そうか、これが魔族の覚醒・・いや呪縛なんだな。
''浄化を取得しました''
何かを獲得したようだが、考えている暇はない!
クロは、呪縛からの抵抗で尚も苦しんでいる。
俺は祈るように取得した浄化をクロに使用する。
「浄化!」
唱えた瞬間、俺たち2人が優しい光に包まれていく。
白くて暖かい、まるでぬるま湯にでも浸かっているように心地いい。
俺を襲っていた呪縛が段々と和らいでいくのが実感出来た。
最初は苦しんでいたクロも、次第に穏やかな表情へと変わっていく。
「成功・・したのか?」
「はい、そのようです」
ユイが俺に抱きついてきた。
「クロ、大丈夫だよね?」
ステータスを確認したが、特に変わった様子もない。
「ああ、クロは良く頑張ったぞ。もう大丈夫だ」
落ち着くまで、その場に留まる事にした。
そういえば、討伐任務でここに来ていた事を忘れていたな。
クロがとどめを刺してくれたって聞いたが、ああ、あの残骸がそうか。
すぐ近くに骨の山が出来ていた。
骨の中に何やら光るリングが見える。
名前:骸骨王の指輪
説明:骸骨族の王たる者が持つべき指輪
相場:金貨????枚
希少度:★★★★★★
またこのパターンか・・。
俺は指輪コレクターでも何でもないんだけどね。
確かに倒した相手は、骸骨族の王の称号を持っていたな。
しかし、精霊王の指輪のように絶対服従のような説明はないな。
取り敢えずストレージの奥の方にしまっておくことにする。
俺達は、水上都市の龍宮城まで戻って来ていた。
もちろん徒歩ではない。ワープして来たんだけどね。
クロも眠ったままだったので、早く安静にしてやりたかったのだ。
長への報告は明日で良いだろう。
ユイには、ああは言ったが、実際の所、俺もクロの事が心配で、その日は一日中様子を見ていた。
ユイも心配だったのか、途中まで俺に付き添うが、夜は俺の隣でスヤスヤと眠っていた。
次の日の朝になり、クロが目を覚ましたのだ。
「ユウ、おはよ」
いつものクロだ。
意外な程アッサリした言葉に逆にホッとする。
「もう、大丈夫なんだよな?」
「はい、心配かけてごめん」
俺はクロの頭をなでなでする。
ユイに感化されてか、クロも頭なでなでが好きなのだ。
「ユウのおかげ。感謝してる」
「クロが諦めずに頑張ったからだよ」
しかし、覚醒は完全に治った訳ではないらしい。
背中に生えていた羽や肌に浮かび上がっていた模様もキレイサッパリ無くなっていた。
俺は、討伐の報告も兼ねて、城を訪れていた。
クロは、まだ安静にしていた方が良いので、ユイと一緒に留守番を任せてある。
長のベルグドさんと娘のサナに何度も何度もお礼をされてしまった。
是非とも、この都市に永住して頂いて、貴族の称号を与えたいと言ってくれていた。
まぁ、全て断ったけどね。
ずっとこの地にいれる訳もないしね。
せめても報奨金か何かお礼がしたいと言うので、俺は、そのお金を使って今回亡くなった方への遺族への報奨金や討伐に参加した方へ分配して欲しい旨を伝えた。
別に謙虚な訳ではない。
正直お金を貰ってもしょうがないのだ。既に使い切れないくらい持っているのだから。
その後、サナに自室へ呼ばれた俺は、いつもの世間話をしていた。
「本当に無事で良かったです。心配で夜も眠れませんでした」
他の人ならば、それは言い過ぎだろうと思うのだが、サナに限っては、本当の事だろう。
「心配を掛けてごめんな。この通り、ピンピンしてるから」
「やっぱり、ユウ様は強いんですね」
「様?」
「あ、様って呼ばせて下さい!ダメでしょうか・・?」
上目遣いで問い掛けてくるので、渋々OKしたのだが、サナみたいな可愛い子にそんな頼み方されては、正直断れるはずもない。
俺は、近々この都市を出ようと思っている事を告げた。
十分に長居してしまったしね。
結局、ここでも元の世界に帰る為の手掛かりを見つける事は出来なかった。
サナは凄く悲しそうな表情をしていたが、旅人に別れはつきものなので、了承してもらった。
俺は気を失ったのか・・
確か・・俺は、戦闘中だったはずだ。
ここは何処だ?
誰かが俺を呼んでいる声がする。
(ユ・・さ・・おき・・)
何度も何度も。
最初は良く聞き取れなかったが、次第に聞き取れるようになってきた。
(ユウさん、起きて下さい!)
はっ!と目を開ける。
「お兄ちゃん!」
目の前には、涙でくしゃくしゃになった顔のユイがいた。
まだ思考が回復していないが、すぐに声をかける。
「大丈夫だユイ、心配ないから」
クーガーが光った瞬間、俺はユイを庇いながら石壁を可能な限り張りまくっていた。
いくつ張ったのかは覚えていない。
しかし周りを見るとほぼ全てが見るも無残に朽ち果てている。
「奴は?」
「クロが倒しちゃった・・」
「えっ・・」
ユイに隠れて視界に入らなかったが、少し離れたところに後ろを向いたクロがいた。
その背には、黒い羽のような物が見える。
俺は立ち上がり、ユイの頭を撫でた後に、クロの元へと駆け寄る。
「クロ、大丈夫か?」
暫く待つが、反応がない。
名前:「クロ」
レベル:42
種族:魔族
弱点属性:なし
スキル:怪音波Lv4、速度増強Lv4、シャドウボールLv2、スラッシュLv3、レーザービームLv2
確認したが、特に異常は見られない。
俺の問い掛けに答えたのはクロではなく、セリアだった。
(恐らく、覚醒してしまったのかもしれません)
(覚醒?)
クロは元々魔族だ。生まれたばかりの赤子と言ってもいいかもしれない。
最初は、子犬の姿をしていたが、今は成長して人族の風貌となっている。
そして、今目の前にいるクロは、羽が生えて、露出している肌に何やら模様のようなものが見える。
魔族固有の姿だ。
セリアの覚醒というのは、魔族の本質である、破壊衝動に駆られているかもしれないというのだ。
しかし、俺とは主従契約を交わしているので、俺に対しては襲ってくる事はないだろうと補足している。
認めるかよ。
そんなの信じたくないぞ。
今まで一緒にここまで旅をして来たんだ。
今更、仲違(なかたが)いして離れ離れなんて別れは認めないぞ。
俺はクロの正面に周り、表情を確認する。
いつものクールな表情は変わりないのだが、俺の事が見えていないのかボーッとしている。
「クロ!」
今度は少し大きめの声で呼び掛ける。
「ユ・・ウ・・」
今度は弱々しく反応があった。
俺は、ひとまず問い掛けに答えてくれた事に安堵する。
「クロ、大丈夫か?どこも怪我してないか?」
すると、次の瞬間、クロの眼から涙が溢れてきたのだ。
しかし、依然として表情は変わっていない。
「どうした?大丈夫なのか?」
再び弱々しい声でクロが喋り出す。
「クロは魔族です。本当のやるべき事を思い出した」
「やるべき事?」
「クロのやるべき事は魔王様の復活と同族以外の虐殺です」
「な!?」
俺は物分かりは割と良い方だと自負しているつもりだ。
恐らく覚醒したクロは、自身の体内に流れている魔族の血と遺伝子のような何かが、受け継がれてきた魔族としての役割のようなものが頭に入ってきて、クロ自身の自我と葛藤してるのだ。
「でも、なぜだか涙が出てくる」
ボロボロと大粒の涙を流している。
「今言ったこと、クロは本当にそれが、やりたい事なのか?」
首を横に振る。
心では、やりたくないと思っていても、頭が、身体が言う事を聞かないのだろう。
今も自我を保っていないと、俺たちを襲ってしまいそうに葛藤しているようにも見える。
そして、とんでもない事を俺に告げる。
「クロを殺して」
「バカ!何言ってるんだ!そんなのー」
「そんなの出来るわけないよ!!」
俺が言おうとしていた事を先にユイが告げる。
「自我を保っているうちに・・早く殺して・・」
何とかして、クロを魔族としての呪縛から救い出せる方法はないのか。
俺が自問自答していると、
「信じてあげるしかありません」
セリアが出て来て、俺の肩に座っている。
「君が信じてあげなくて、どうするの!」
今度は、ノアが出て来て、俺の頬に手を当てている。
・・・。
「そうだよな、俺が諦めたらクロだって諦めちゃうよな」
俺は、両手で自身の頬を思いっきり叩き、気合いを入れた。
「クロ!聞いてくれ!」
クロは、自我を抑え込むのに必死なのだろう、顔を苦痛に歪めながらも俺の目を見ている。
クロの両肩に手を置き、見つめ合う。
「俺は、これからもお前と一緒に旅がしたい!お前は、違うのか?」
クロは、既に喋れないのか、口には出さずに、首を横に振る。
「よしっ!だったら、お前の苦しみを俺に分けてくれ!魔族の覚醒だかなんだか知らないが一緒にそれを乗り越えるぞ!」
俺はクロを強く抱きしめた。
その事にクロは、安心したのか、苦しみを我慢して込めていた力を少しずつ解放していく。
尚も苦痛に顔を歪めながらもハッキリと答えていた。
「ユウやユイ・・一緒に・・居たい・・」
「良く言った!」
俺の中に、何かが入ってこようとする。
「グッ!・・意識が持っていかれそうだ」
そうか、これが魔族の覚醒・・いや呪縛なんだな。
''浄化を取得しました''
何かを獲得したようだが、考えている暇はない!
クロは、呪縛からの抵抗で尚も苦しんでいる。
俺は祈るように取得した浄化をクロに使用する。
「浄化!」
唱えた瞬間、俺たち2人が優しい光に包まれていく。
白くて暖かい、まるでぬるま湯にでも浸かっているように心地いい。
俺を襲っていた呪縛が段々と和らいでいくのが実感出来た。
最初は苦しんでいたクロも、次第に穏やかな表情へと変わっていく。
「成功・・したのか?」
「はい、そのようです」
ユイが俺に抱きついてきた。
「クロ、大丈夫だよね?」
ステータスを確認したが、特に変わった様子もない。
「ああ、クロは良く頑張ったぞ。もう大丈夫だ」
落ち着くまで、その場に留まる事にした。
そういえば、討伐任務でここに来ていた事を忘れていたな。
クロがとどめを刺してくれたって聞いたが、ああ、あの残骸がそうか。
すぐ近くに骨の山が出来ていた。
骨の中に何やら光るリングが見える。
名前:骸骨王の指輪
説明:骸骨族の王たる者が持つべき指輪
相場:金貨????枚
希少度:★★★★★★
またこのパターンか・・。
俺は指輪コレクターでも何でもないんだけどね。
確かに倒した相手は、骸骨族の王の称号を持っていたな。
しかし、精霊王の指輪のように絶対服従のような説明はないな。
取り敢えずストレージの奥の方にしまっておくことにする。
俺達は、水上都市の龍宮城まで戻って来ていた。
もちろん徒歩ではない。ワープして来たんだけどね。
クロも眠ったままだったので、早く安静にしてやりたかったのだ。
長への報告は明日で良いだろう。
ユイには、ああは言ったが、実際の所、俺もクロの事が心配で、その日は一日中様子を見ていた。
ユイも心配だったのか、途中まで俺に付き添うが、夜は俺の隣でスヤスヤと眠っていた。
次の日の朝になり、クロが目を覚ましたのだ。
「ユウ、おはよ」
いつものクロだ。
意外な程アッサリした言葉に逆にホッとする。
「もう、大丈夫なんだよな?」
「はい、心配かけてごめん」
俺はクロの頭をなでなでする。
ユイに感化されてか、クロも頭なでなでが好きなのだ。
「ユウのおかげ。感謝してる」
「クロが諦めずに頑張ったからだよ」
しかし、覚醒は完全に治った訳ではないらしい。
背中に生えていた羽や肌に浮かび上がっていた模様もキレイサッパリ無くなっていた。
俺は、討伐の報告も兼ねて、城を訪れていた。
クロは、まだ安静にしていた方が良いので、ユイと一緒に留守番を任せてある。
長のベルグドさんと娘のサナに何度も何度もお礼をされてしまった。
是非とも、この都市に永住して頂いて、貴族の称号を与えたいと言ってくれていた。
まぁ、全て断ったけどね。
ずっとこの地にいれる訳もないしね。
せめても報奨金か何かお礼がしたいと言うので、俺は、そのお金を使って今回亡くなった方への遺族への報奨金や討伐に参加した方へ分配して欲しい旨を伝えた。
別に謙虚な訳ではない。
正直お金を貰ってもしょうがないのだ。既に使い切れないくらい持っているのだから。
その後、サナに自室へ呼ばれた俺は、いつもの世間話をしていた。
「本当に無事で良かったです。心配で夜も眠れませんでした」
他の人ならば、それは言い過ぎだろうと思うのだが、サナに限っては、本当の事だろう。
「心配を掛けてごめんな。この通り、ピンピンしてるから」
「やっぱり、ユウ様は強いんですね」
「様?」
「あ、様って呼ばせて下さい!ダメでしょうか・・?」
上目遣いで問い掛けてくるので、渋々OKしたのだが、サナみたいな可愛い子にそんな頼み方されては、正直断れるはずもない。
俺は、近々この都市を出ようと思っている事を告げた。
十分に長居してしまったしね。
結局、ここでも元の世界に帰る為の手掛かりを見つける事は出来なかった。
サナは凄く悲しそうな表情をしていたが、旅人に別れはつきものなので、了承してもらった。
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