『刺青のヒーロー~元女子プロレスラー新人記者「安稀世」のスクープ日誌VOL.2』

M‐赤井翼

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「元女子レスラー記者 安稀世」

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「元女子レスラー記者 安稀世」

 令和6年7月1日午後5時、京阪電車の京橋駅ホームは多くの帰宅客や帰社客でにぎわっている。例年7月中旬まで続く「梅雨」が明けてはいないものの、ここ5日間雨は降っていないため傘を持つ者は殆どいない。
 京都の「出町柳」行き普通電車を待つ、ほぼ駅中央のホームドアの最前列には、黄色い帽子にランドセルを背負った私立の小学生たちが行儀よく並んでいる。(あー、5時半からの会議に間に合うやろか?もうぎりぎりの時間やなぁ…。遅れたらデスクにまた怒られてしまう…。)と、その子供たちの後ろで時計を気にしてそわそわしている筋肉質の両腕にビジネスバッグを持った、肩幅が広く、大きな胸が前に飛び出たノースリーブのサマーセーターにジーンズ姿の黒髪ショートカットで童顔の若い女が並んでいる。
ホームに「まもなく、普通出町柳行きが到着いたします。」のコールがかかった瞬間、女の後ろにいたスーツ姿の男が、女と小学生の子供たちを押し倒し、ホームドアを飛び越えて線路上に飛び降りた。女の視界にホームで横倒しになった小学生たちとホームの向こうに入ってきた普通電車のヘッドランプが見えてきた。
「きゃーっ!」、「自殺や!」、「誰か、駅員に連絡して!」
騒然となったホームで女はサッと小学生たちを飛び越えると、ホームドアに手をつくと、パルクールの「サイドフリップ」ジャンプのように、横回転を加えながらホームに飛び出した。ホームに残った客たちがそれぞれに叫んだ。
「早くして!」、「女も飛び降りたぞ!」、「非常停止ボタン押せ!」

 女は前方1回側方2回転の後、線路に着地した。ホーム入り口方向から急ブレーキ音を響かせ先頭車両が近づいてくるのが見えた。ホームに飛び降りた際、足をくじいたのか、線路に横たわる男の襟を右手でつかむと、力ずくで男を引っ張り上げて立たせると、ジャンプ一番で飛び上がり左腕でホームドア上部をつかみ、両足をホームの上面角に乗せた。
 先頭車両は20メートル手前まで迫っている。今のまま電車が入ってくると男も女も電車にはねられるのは確実だ。運転席の男がブレーキレバーを一番手前まで引き、ホームドアに左手一本でぶら下がり、両足をホーム上端面にかけた女とホームの端に右手一本で引き起こされている男に視線を向けひきつった顔をしているのが女の視界に入った。
「でりゃぁぁぁぁ!」
右手一本でホーム下の線路からホーム面まで一気に引き上げると、柔道の「内股」の要領で男の股間に右足を差し込むと左足と左腕を軸に身体を半回転捻ると男の身体は弧を描きホームドアの中に放り込まれた。電車は目前10メートルまで近づいている。女も走り高跳びの「ベリーロール」の要領で、ホームドアを飛び越えようと体を捻った。

電車が乗降口を通過すると同時に、女のパンプスが宙に飛んだ。ホーム後列の人には女が電車にはねられたかのように見え、悲鳴が上がった。が、そのコンマ数秒後、前列からは大きな拍手が起こった。
ホーム最前列であおむけに倒れたスーツ姿の男の上に身体の上下を逆にして大きく息を切らせた片足裸足の女の身体がうつぶせに重なっている。3秒後、電車は止まりホームドアが開き、電車のドアも開いた。事情を知る由もない降車客が、ホームの乗降口に重なってる男女を見て
「ゲロゲロ!何、ホームで「シックスナイン」してんの!」、「こんなとこでいちゃついて邪魔やで!」
とホームドア前で重なる女と男に吐き捨てた。
 はたと女は立ち上がり「ちゃうんです!ちゃうんです!」と片方裸足のまま言い訳をした。ホームの奥から駅員が駆けつけてくるのが見えた。

 女が視線を外した瞬間、下にいた男が立ちあがり、片足を引きずりながら人混みを押しのけて逃げようとした。再び、最前列にいた小学生たちがスーツの男に跳ね飛ばされた。「きゃー!」、「痛い!」小学生の叫びを耳にした女は
「ごるぁ!1度までならず2度までも子供達に何すんねん!さらに、お前がはねられて「ぐっちゃんぐっちゃん」のミンチになっとったら、この子らに一生の「トラウマ」を残す所やったんやぞ!」
と逃げる男の後ろ襟をつかむと、男が「そんなもん知るかい!俺はもう死ぬんや!」と振り向きざまに女に殴りかかった。
 女は男のパンチをいともたやすくパーリングでかわすと「「お痛」する奴にはお仕置きや!」と左腕で男の右腕をつかむと手前に引き寄せ、鍛えられた右腕の肘でオカダ・カズチカ張りの変形ラリアットである「レインメーカー」を男の喉元にぶち込んだ。男はその場で空中270度回転し、うつ伏せでホームに倒れ込み泡を吐いた。男の周りにはスーツのポケットから飛び出たのか名刺入れと「民自党 森小路雄太事務所 秘書 関目大介」と書かれた名刺が数枚落ちているのが女の目に入った。
 周りの乗車客が女に拍手を送る中、「まもなく発車します。安全にかつ急いでご乗車ください。」の通常コールで客たちは次々に車両に乗り込んでいった。

 そこに駆け付けた駅員達は女が男を「レインメーカー」で倒すシーンしか見ていないため、女を取り押さえ男の状況を気遣った。
「おい何すんねん!私はなんも悪いことしてへんねや!こいつが子供らをぶっ飛ばすわ、ホームに飛び降りるわ、再度子供を吹っ飛ばして、私に殴りかかってきたんや!捕まえるならそいつやろ!」
と女は叫ぶが、男は口から泡を吹き、気を失ったままであるし、女の行動を正当化する証言できる現場を見ていた乗車客は全て車両に乗り込んでしまっていた。
 出町柳行きの普通電車は何事も無かったように出発し、3人の駅員に取り押さえられた女の前に、警察官がやってきて女の顔を覗き込んだ。
「あれ?あんた、見たことあるなぁ?確か、ニコニコプロレスの「安稀世やす・きよ」とちゃうの?プロレスラーが素人相手に喧嘩したらあかんで。ええおっさんをぶっ飛ばしてしもて…。「痴漢」でもされたんか?まあ、そのおっぱい目の前にしたら揉みたくなってしまうわな。何があったんか知らんけどこれも仕事やから、ちょっと交番までご一緒してもらおうか?」
 稀世が警察官に連れて行かれそうになると、先ほどの電車を最前列で待っていた小学生の子供達が先程の普通電車に乗らず
「このお姉ちゃんは悪くないよ。このおじさんが電車が来てるのに線路に飛び降りたんを助けてあげはったんやで。最初にパンチ出したんはおじさんやで。お姉ちゃんは、やられたからやり返しただけやねんで!」
と庇ってくれたが、警察官は子供の言葉に取り合わず意識を取り戻した男も連れて夕方の駅の人込みをかき分けてホームの出口に向かった。

 交番に着くと男は奥の部屋に通された。交番の窓から見える事務デスクの前に座らされて若い警察官に問われた。
「じゃあ、調書取るわな。最初に名前は?職場も教えてくれるか?」
安稀世やす・きよです。今はメディアクリエイトっていう報道制作会社の記者です。」
稀世はバッグから名刺を取り出し、警察官に渡すと「一本だけ会社に電話入れさせてもらっていいですか?会議の予定が入ってるんですよ…。」と断りを入れ、スマホを取り出した!
「稀世ちゃん!また遅刻か!みんな待ってんねんぞ、いったいどこにおるねん!」
 スマホから向かいの席の警察官にも聞こえるようなデスクの太田敏夫おおた・としおの怒鳴り声が響いた。
「すんません…。京橋駅でトラブルがあって…。言い訳は帰った後でさせてもらいます…。ところでデスク、「関目大介」って名前になんか覚えありませんか?」
と小声で話すと、あきれた感じの太田の声がスマホから響いた。
「稀世ちゃん、それでも記者かいな?「週刊文秋」がすっぱ抜いた「民自党のパーティー券販売の裏金作り」で叩かれてる地元の大物代議士「森小路雄太」の第一秘書やないかい。「週刊文秋」だけでなく、テレビのワイドショーや報道番組でもしょっちゅう名前があがってるやろ!
民自党最大派閥の3年前に奈良での選挙遊説の応援中にテロの凶弾に倒れた千林大三の「懐刀」で現在の民自党副幹事長で派閥の千林グループの「金庫番」って言われる森小路雄太の秘書で代議士に内緒で「裏金作り」をしてた張本人やないか。ところで関目大介がどないかしたんか?」
警察官が「早よ、終わってや…。」というので稀世は、スマホのマイク部を手で覆って「私、その人の「自殺」を止めたんかもしれへんのです。詳しくはまた…。」とだけ言い、通話終了のボタンをタップした。

その瞬間、「パン!」と奥の部屋で銃声が響いた。驚いた稀世の前の若い警察官も拳銃を抜き奥の部屋に飛び込んだ。ドアの隙間から、先ほどのスーツの男が警官ともみ合っているのが見えた。男の両手には警察官の腰のベルトのホルスターから伸びた縄の先に黒い鉄の塊が見える。銃に詳しくない稀世の目から見ても明らかに1990年代中盤に製造は終了したものの、現在も使用され続けている回転式けん銃リボルバーのニューナンブM60であることは明らかだった。男はニューナンブの銃口を咥えると引き金に指をかけた。警官が両手で引き抜こうとした瞬間、二度目の発砲音は交番内に響いた。男の頬から鮮血が噴き出した。男が「死なせてくれ!」と叫んでいるところを見ると、銃弾は後頭部に抜けることなく、頬を貫いたようだった。

若い警察官も加わり3人での乱闘となった。男は拳銃を手放さず、自分の胸にあてて更に引き金を引いた。年配の警官が拳銃に繋がる縄を思い切り引いた。「パン!」、「パン!」と更に2度の発砲音が響いた。床のコンクリートから紫煙が立ち上る。若い警察官は怯んで足が前に出ない。スーツの男の蹴りが年配の警察官の腹に入り、体が離れた。
「やめろ!関目さん!」
の年配警察官の言葉を無視して頬から血を吹き出したままの男は再び銃口を深く咥えて引き金に指をかけた。
 二人の警察官は(もう間に合わない!)と目をつぶった瞬間、電光石火のスピードで部屋に飛び込んだ稀世のキックが関目の腕を弾き、5発目の弾丸は大きな音と共に壁に小さな穴をあけた。
 頬から血を垂れ流す男は舌を出し上下の歯で噛み切ろうとした。しかし、瞬時に稀世はスマホケースを関目の口に放り込み、舌を噛み切れないようにしたうえで、背後に回り込みバックを取った稀世は「裸締め」と呼ばれるプロレス技の「スリーパーホールド」で関目の頸動脈を締め付けた。10秒待たずに「関目」と呼ばれる男の意識は刈り取られた。
 
 そこに、半袖カッターシャツにスラックスの二人の刑事が飛び込んできた。稀世と顔なじみのベテラン敏腕刑事の「坂井三郎さかい・さぶろう」とペアの若手刑事の「載田龍二さいだ・りゅうじ」だった。
「今の銃声は一体なんや!」の坂井の叫びの後「あれ?安さんですよね?この状況は…?もしかして殺しちゃいました?」
と坂井の後ろの載田が稀世に気がついて問いかけた。
「い、いや、私が悪いんとちゃうんですよ!この人が何度も死のうとするんで、ちょっと意識を刈り取らせてもらっただけで、殺したわけじゃないですから…。」
と両手を振って殺人を否定した。
 稀世の両手のホールドが解かれ関目の首はだらりとうなだれ、緩んだ口から関目の歯形がくっきりとついた稀世の折り畳み式のスマホケースが床に落ちた。稀世は立ち上がり、拾い上げたスマホケースのカバーを開くとスマホのガラスにひびが入っていた。稀世がとっさに男の口に差し込んだケース入りのスマホにより「舌噛みきり自殺」は避けられたのだが、稀世の意識は全く他にむいていた。
「あぁ、この間、機種替えしたばっかりやのに…。破損保証つけとけばよかったなぁ…。くすん。」

 坂井は年配の警察官から事情を聴くと、気を失っている関目にタオルをくるくると細長く丸めた「猿ぐつわ」をかまし、後ろ手に手錠をかけると古い折り畳み式のガラケーでどこかに電話をかけた。約3分の電話が終わり、稀世にむかって
「安さんからも少しお話を伺いましょうか…。」
と言われ、稀世は坂井に手を合わせてお願いした。
「はい、わかりました。できましたら、坂井さんから「会議の遅刻の理由」をうちの太田にしてもらえると助かります。」






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