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第4話(閑話回)「憑依した副島の1年半の予定とは①」
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第4話(閑話回)「憑依した副島の1年半の予定とは①」
劇団ニコニコは公演前のシナリオの読み合わせに入っていた。脚本家「音玄万沙のデビュー作となる「お節介な幽霊に憑依された女の子の事件簿」は、監督の緒狩斗好哉に手を入れられ、劇団員に合わせたキャラクターづけとストーリーに若干の修正はあったものの、ほぼ80%は万沙のオリジナルで採用された。
もちろん劇団のみんなには内緒であるが、今作品が万沙自身と現在も「絶賛憑依中」の副島大の「浮遊霊」であることは監督の緒狩斗にだけはそれとなく伝えてある。
オカルト好きの緒狩斗は、万沙の「告白」に非常に興味を持ち、読み合わせ開始前に個室居酒屋に誘ったのだった。
「是非とも、副島さんと話させて欲しいんやけど読み合わせの後、軽く飲みにいけへんか?」
緒狩斗の誘いに万沙を無視して、副島が勝手に了承の返事をした。
「よろしいで!わしも監督さんとは一度ゆっくり話して見たかったしな。今後の万沙ちゃんのこともあるから是非ともご一緒させてもらいたいですわ。高い酒や高い飯は必要あれへんから…、でも、日本酒飲み放題の店やったら嬉しいですわな。万沙ちゃん、ちょっと身体貸し切りにしてもろてええよな。」
店に入ると、万沙が事の経緯を改めて説明した。突拍子もない話であったが、緒狩斗は万沙が事故を起こしたとき、病院に付き添っていたので万沙の「不可思議」な言動を思い出し納得をした。
「ちなみに音玄はもともと「霊感」の持ち主やったんか?事故の後、「幽体離脱」して怖くなかったんか?「死神」に「浮遊霊」って普通の女の子やったらビビってしまうやろ?」
との質問に、万沙は自分の言葉として返事をした。
「「霊感」は今でも「副島のおっちゃん」以外にはナッシングです。改めて、思い起こしたらもう無茶苦茶でしたよね。でも、あの時は、私のせいで「副島のおっちゃん」を殺してしもたっていう「引け目」が全面的にあったんで、死神さんが言う「1年半」の「身体一時使用貸借契約」を受け入れるしかあれへんかったんですよ。」
緒狩斗は興味深げにメモを取っている。
「副島さん、音玄のせいで「突然死」することになって「怒り」の感情はあれへんかったんですか?」
と緒狩斗が副島に問いかけると、熱燗をくいっと飲み干し笑いながら言った。
「せやな。「不安」や「怒り」よりも「興味」が勝ってしもたんやなぁ。「霊」は三次元世界の物理法則を受けへんって思ってたから、時空を自由に移動できるんやったら楽しいかなってな。カラカラカラ。
小学1年生で「ノストラダムスの大予言」と「UFO」と「つちのこ」にはまって、小学5年から45年「ムー」読んできたから、「死後の世界」や「霊の世界」に対する免疫はあったんやとは思うけどな。
まあ、「空間」移動は「自由」やけど、「時」は越えられへんかったんは残念やったな。木内鶴彦先生みたいに、「人類の創世期」や「本能寺の変」も見られたらよかったんやけど、貴重な経験させてもろてるんやから、そこまで贅沢いうたら罰があたってまうでな。そういう意味では万沙ちゃんに「感謝」せなあかんわな。」
「ふーん、副島さんは「達観」してはりますよね。私やったら、きっと取り乱してると思いますよ。ちなみに憑依契約の「1年半」って言うのはなんか根拠のある「期間」なんですか?」
の質問に副島は熱燗のおかわりを頼み、付き出しのイカの塩辛をつまみながら答えた。
「せやな。今、いろいろと絡んでる「仕事」…、いや「趣味」みたいなもんかな。「大阪万博」を見てから「あの世」に行きたいってことと、「万博」も含めて「大阪盛り上げ」の企画にいろいろ絡んでたからそのゴールが1年半後って言うところやねん。」
(あぁ、そういえば、私もおっちゃんが「1年半」の間に何をするんかって言うのを聞いたことあれへんかったよな。「金城事務所」の仕事以外になんかをしてるってことなんかな?)と万沙も興味を持った。
副島の話は数十年前に飛んだ。20代後半でそれまで勤めていた会社を退職し、多種の仕事に携わる「フリーのコンサルタント」のようなものをしてきたという。
そこで知り合ったのが、「金城司法書士事務所」の先代所長で「もりかどネット」という「守口市」、「門真市」を盛り上げていく若手事業主や市民グループに参加したことで「大阪愛」に火が付いたという。
「大阪人(※かつては「大坂」)」のパワーを恐れた、「徳川幕府」や戦後の「GHQ」により、「不当」に大阪は差別されてきたという「共通認識」に基づくメンバーで構成された秘密結社「いつか大阪を日本の首都にする会」での活動が始まったのは、副島が27歳の時だった。
まず最初に「東海道は五十七次」運動を始めたというところで万沙が「えっ、中学、高校で「五十三次」って習ったけど、ちゃうの?」と言葉を挟むと
「そこが「徳川家」の「こすい」ところやねん。家康が1614年の「大坂冬の陣」、1615年の「大坂夏の陣」で死にかけたことで、2代目将軍の「秀忠」に「大坂人だけは調子に乗らせたらいかんぞ。どんな手を使ってでも、「大坂」が「江戸」を越えることは無いようにするんだぞ。」って言い残して死によったもんやから、その後260年間は大阪は「商人の街」なんて言われ方を日本中に広められてしもたんや!くっそー、おいちゃんが実体を伴って「タイムリープ」できたら家康なんかしばき倒して「関ケ原」も「冬の陣」も「西軍」を勝たせたったのになぁ…。」
副島がうなると万沙が突っ込んだ。
「ん、大阪は「商人の街」でええんとちゃうの?」
「今日のおまけ」
「閑話」という事で今日から3日間は「好き勝手」書かせていただいています。
「大阪人」以外は全く面白くないかもしれませんので先に謝っておきます。
ごめんなさい(。-人-。) ゴメンネ。
さて、今日のイラストは、「なっち」さん推しの緒狩斗監督から!
カッコよく「バーボングラス」を持たせたかったんですけど再現できず!
ざーんーねーんー!
そして、おっちゃんが憑依した万沙ちゃんは居酒屋では「胡坐」(笑)。
こっちも「お調子」&「おちょこ」は生成できず。
AI君は日本酒も飲まない(笑)。
(※ビアジョッキの「空中浮遊」付き(笑)!)
では、あと2日、「大阪ネタ」ですみません!
(。-人-。)
劇団ニコニコは公演前のシナリオの読み合わせに入っていた。脚本家「音玄万沙のデビュー作となる「お節介な幽霊に憑依された女の子の事件簿」は、監督の緒狩斗好哉に手を入れられ、劇団員に合わせたキャラクターづけとストーリーに若干の修正はあったものの、ほぼ80%は万沙のオリジナルで採用された。
もちろん劇団のみんなには内緒であるが、今作品が万沙自身と現在も「絶賛憑依中」の副島大の「浮遊霊」であることは監督の緒狩斗にだけはそれとなく伝えてある。
オカルト好きの緒狩斗は、万沙の「告白」に非常に興味を持ち、読み合わせ開始前に個室居酒屋に誘ったのだった。
「是非とも、副島さんと話させて欲しいんやけど読み合わせの後、軽く飲みにいけへんか?」
緒狩斗の誘いに万沙を無視して、副島が勝手に了承の返事をした。
「よろしいで!わしも監督さんとは一度ゆっくり話して見たかったしな。今後の万沙ちゃんのこともあるから是非ともご一緒させてもらいたいですわ。高い酒や高い飯は必要あれへんから…、でも、日本酒飲み放題の店やったら嬉しいですわな。万沙ちゃん、ちょっと身体貸し切りにしてもろてええよな。」
店に入ると、万沙が事の経緯を改めて説明した。突拍子もない話であったが、緒狩斗は万沙が事故を起こしたとき、病院に付き添っていたので万沙の「不可思議」な言動を思い出し納得をした。
「ちなみに音玄はもともと「霊感」の持ち主やったんか?事故の後、「幽体離脱」して怖くなかったんか?「死神」に「浮遊霊」って普通の女の子やったらビビってしまうやろ?」
との質問に、万沙は自分の言葉として返事をした。
「「霊感」は今でも「副島のおっちゃん」以外にはナッシングです。改めて、思い起こしたらもう無茶苦茶でしたよね。でも、あの時は、私のせいで「副島のおっちゃん」を殺してしもたっていう「引け目」が全面的にあったんで、死神さんが言う「1年半」の「身体一時使用貸借契約」を受け入れるしかあれへんかったんですよ。」
緒狩斗は興味深げにメモを取っている。
「副島さん、音玄のせいで「突然死」することになって「怒り」の感情はあれへんかったんですか?」
と緒狩斗が副島に問いかけると、熱燗をくいっと飲み干し笑いながら言った。
「せやな。「不安」や「怒り」よりも「興味」が勝ってしもたんやなぁ。「霊」は三次元世界の物理法則を受けへんって思ってたから、時空を自由に移動できるんやったら楽しいかなってな。カラカラカラ。
小学1年生で「ノストラダムスの大予言」と「UFO」と「つちのこ」にはまって、小学5年から45年「ムー」読んできたから、「死後の世界」や「霊の世界」に対する免疫はあったんやとは思うけどな。
まあ、「空間」移動は「自由」やけど、「時」は越えられへんかったんは残念やったな。木内鶴彦先生みたいに、「人類の創世期」や「本能寺の変」も見られたらよかったんやけど、貴重な経験させてもろてるんやから、そこまで贅沢いうたら罰があたってまうでな。そういう意味では万沙ちゃんに「感謝」せなあかんわな。」
「ふーん、副島さんは「達観」してはりますよね。私やったら、きっと取り乱してると思いますよ。ちなみに憑依契約の「1年半」って言うのはなんか根拠のある「期間」なんですか?」
の質問に副島は熱燗のおかわりを頼み、付き出しのイカの塩辛をつまみながら答えた。
「せやな。今、いろいろと絡んでる「仕事」…、いや「趣味」みたいなもんかな。「大阪万博」を見てから「あの世」に行きたいってことと、「万博」も含めて「大阪盛り上げ」の企画にいろいろ絡んでたからそのゴールが1年半後って言うところやねん。」
(あぁ、そういえば、私もおっちゃんが「1年半」の間に何をするんかって言うのを聞いたことあれへんかったよな。「金城事務所」の仕事以外になんかをしてるってことなんかな?)と万沙も興味を持った。
副島の話は数十年前に飛んだ。20代後半でそれまで勤めていた会社を退職し、多種の仕事に携わる「フリーのコンサルタント」のようなものをしてきたという。
そこで知り合ったのが、「金城司法書士事務所」の先代所長で「もりかどネット」という「守口市」、「門真市」を盛り上げていく若手事業主や市民グループに参加したことで「大阪愛」に火が付いたという。
「大阪人(※かつては「大坂」)」のパワーを恐れた、「徳川幕府」や戦後の「GHQ」により、「不当」に大阪は差別されてきたという「共通認識」に基づくメンバーで構成された秘密結社「いつか大阪を日本の首都にする会」での活動が始まったのは、副島が27歳の時だった。
まず最初に「東海道は五十七次」運動を始めたというところで万沙が「えっ、中学、高校で「五十三次」って習ったけど、ちゃうの?」と言葉を挟むと
「そこが「徳川家」の「こすい」ところやねん。家康が1614年の「大坂冬の陣」、1615年の「大坂夏の陣」で死にかけたことで、2代目将軍の「秀忠」に「大坂人だけは調子に乗らせたらいかんぞ。どんな手を使ってでも、「大坂」が「江戸」を越えることは無いようにするんだぞ。」って言い残して死によったもんやから、その後260年間は大阪は「商人の街」なんて言われ方を日本中に広められてしもたんや!くっそー、おいちゃんが実体を伴って「タイムリープ」できたら家康なんかしばき倒して「関ケ原」も「冬の陣」も「西軍」を勝たせたったのになぁ…。」
副島がうなると万沙が突っ込んだ。
「ん、大阪は「商人の街」でええんとちゃうの?」
「今日のおまけ」
「閑話」という事で今日から3日間は「好き勝手」書かせていただいています。
「大阪人」以外は全く面白くないかもしれませんので先に謝っておきます。
ごめんなさい(。-人-。) ゴメンネ。
さて、今日のイラストは、「なっち」さん推しの緒狩斗監督から!
カッコよく「バーボングラス」を持たせたかったんですけど再現できず!
ざーんーねーんー!
そして、おっちゃんが憑依した万沙ちゃんは居酒屋では「胡坐」(笑)。
こっちも「お調子」&「おちょこ」は生成できず。
AI君は日本酒も飲まない(笑)。
(※ビアジョッキの「空中浮遊」付き(笑)!)
では、あと2日、「大阪ネタ」ですみません!
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