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「聞き込み取材」
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「聞き込み取材」
翌日から稀世と凜のコンビによる聞き込み取材が始まった。金将本社に突撃する前に少しでも情報を得ようと、近隣の「金将」店舗をめぐりながら店長に聞き込みをかけることにしたが、多くの若い店長は事件のことすら知らないという現実に直面した。
7件目に訪問したベテラン店長からは昭和からバブル後期までの「イケイケ時代」の逸話を聞くも、事件の話になると「本社のOKもらってもらわんとな…。」とその後のインタビューを断られたり、「もう、あの頃のことは忘れたわ。」とはぐらかされ、なかなか事件の真相には迫らない。
「この辺で一番のベテランで事件当時の情報に詳しくて、話好きの店長ってどの店ですか?」
凜が質問を投げかけると、「俺から聞いたって言うなよ。」と念を押された上で、3人の府内FC店の店長を紹介してもらった。
ローラー作戦から特定店長攻撃に方針を変更して、狙い撃ち突撃をかけるために2人は電車に乗り込んだ。最初の店は50代の店長だった。幸い、女子プロレスファンだという店長は稀世の事を知っていて、話を聞く耳は持ってくれた。(ここは逃したらあかんやろ。ちょっとずるい手やけど…)
「良かったら、地上波テレビの大阪の食べ歩きの番組なんかも作ってるんで、ご協力していただけたらそちらで「バック」させてもらいますから、是非ともお話を聞かせてください。」
と稀世は基本に戻りメディアクリエイトの事業や自己紹介で話を切り出し、バーター取引を申し出た。
昼のピークを過ぎた午後1時40分、納品業者用の応接室に稀世と凜は通された。
「お姉ちゃん達、金将の歴史については知ってると思うねんけど、創業者であった初代の麻紀社長が亡くなって、2代目社長は「ある意味」で「金将」をバックアップしてた超大手「ビールメーカー」系列の社長に代わったんやけど、一族経営の役員会の中ではやりにくかったんやろな…。
すぐに、麻紀社長の息子兄弟が代表権を持った社長と経理部長に就任して、1994年6月からはやりたい放題や…本業以外にもちょっかい出し始めてよ…。」
と知りたかった情報を初めて聞くことができた。
「あの頃を考えたら、今の「5代目」体制はええでなぁ。やっぱり「一族経営」は2代目からおかしくなるってなもんや。まあ、「3代目」兄弟の時は「店舗視察」すら来たこともあれへん。来るのは「営業本部長」や当時「副社長」やった4代目の小西元社長くらいや。
うちはFCやから、直営店の店長と比べたら本部の顔色を伺う必要はあれへんけど、4代目の小西社長はわしらの顔も覚えてくれてて、よう話し相手になってくれたし、わしらの意見も取り上げてくれた。ただ、「佐藤一族」が付き合ってたやつが「悪すぎ」たわなぁ…。まさかあんなことになってしまうとはわしらも思わへんかったわ…。」
一旦話を区切ると、「ここからは、「オフレコ」やぞ。あくまで独り言として聞いてくれな。」と目を合わさずに約10分、今まで知り得なかったことを話し始めた。
「貴重なお話をありがとうございました。今度は「お店」の紹介で来れるよう私も頑張りますんで、その時はよろしくお願いしますね。」
と稀世が凜と共に頭を下げ、最後に店の入り口で稀世とツーショットで記念写真を撮り「店のSNSに「キャンディー稀世」が来てくれましたー!」ってアップさせてもらうわな!」と上機嫌で見送られ、約20分のヒヤリング取材は終わった。
店を離れると凜が手帳を見直しながら稀世に言った。
「前の店長が紹介してくれた3人の店長ってみんなフランチャイズのお店ですよね。やっぱり、直営とFCって店長の意識も違うんですね。後の2人は、今の店長が電話してくれてるんで「飛び込み」じゃなく「アポあり」なんで「門前払い」が無いっていうだけでも気が楽ですよね。
私、あと5件「門前払い」が続いてたら挫けてしまうところでしたよ。でも、それが7件目で「掠った」店長から紹介してもらった、今の「核心」を語ってくれる店長は稀世姉さんのことを知ってる「女子プロレスファン」ってやっぱり「持ってる女」は違いますよねー!やっぱりスクープをゲットするには「強運」も必要なんですね!」
ヒアリング内容より、飛び込み取材拒否の恐怖や紹介アポイントのありがたさについて延々と語る凜の言葉とは別に、稀世の頭の中には先ほどの店長が「オフレコ」と言って残したいくつかのエピソードに繰り返し出て来た具体的な名前に意識が向いていた。
(あとの2人でそこの部分がさらに肉付けできるといいんやけど…。)と思いながら取材のはしごを続けた。
稀世たちが帰った後、更に電話を入れ直してくれていたようで次の店長は30分、3人目の店長は「夕方忙しくなるまでなら…。」と言いながら、夕方5時半までみっちり1時間付き合ってくれた。
その2人からも同じ名前の男が何度も出て来たことで、稀世の頭の中の暗闇に微かな明かりが灯ったような気がして今後の取材の進展に希望を抱いたが、その「灯」は間もなく消える事になるとは稀世は思いもしなかった。
「おまけ」
翌日から稀世と凜のコンビによる聞き込み取材が始まった。金将本社に突撃する前に少しでも情報を得ようと、近隣の「金将」店舗をめぐりながら店長に聞き込みをかけることにしたが、多くの若い店長は事件のことすら知らないという現実に直面した。
7件目に訪問したベテラン店長からは昭和からバブル後期までの「イケイケ時代」の逸話を聞くも、事件の話になると「本社のOKもらってもらわんとな…。」とその後のインタビューを断られたり、「もう、あの頃のことは忘れたわ。」とはぐらかされ、なかなか事件の真相には迫らない。
「この辺で一番のベテランで事件当時の情報に詳しくて、話好きの店長ってどの店ですか?」
凜が質問を投げかけると、「俺から聞いたって言うなよ。」と念を押された上で、3人の府内FC店の店長を紹介してもらった。
ローラー作戦から特定店長攻撃に方針を変更して、狙い撃ち突撃をかけるために2人は電車に乗り込んだ。最初の店は50代の店長だった。幸い、女子プロレスファンだという店長は稀世の事を知っていて、話を聞く耳は持ってくれた。(ここは逃したらあかんやろ。ちょっとずるい手やけど…)
「良かったら、地上波テレビの大阪の食べ歩きの番組なんかも作ってるんで、ご協力していただけたらそちらで「バック」させてもらいますから、是非ともお話を聞かせてください。」
と稀世は基本に戻りメディアクリエイトの事業や自己紹介で話を切り出し、バーター取引を申し出た。
昼のピークを過ぎた午後1時40分、納品業者用の応接室に稀世と凜は通された。
「お姉ちゃん達、金将の歴史については知ってると思うねんけど、創業者であった初代の麻紀社長が亡くなって、2代目社長は「ある意味」で「金将」をバックアップしてた超大手「ビールメーカー」系列の社長に代わったんやけど、一族経営の役員会の中ではやりにくかったんやろな…。
すぐに、麻紀社長の息子兄弟が代表権を持った社長と経理部長に就任して、1994年6月からはやりたい放題や…本業以外にもちょっかい出し始めてよ…。」
と知りたかった情報を初めて聞くことができた。
「あの頃を考えたら、今の「5代目」体制はええでなぁ。やっぱり「一族経営」は2代目からおかしくなるってなもんや。まあ、「3代目」兄弟の時は「店舗視察」すら来たこともあれへん。来るのは「営業本部長」や当時「副社長」やった4代目の小西元社長くらいや。
うちはFCやから、直営店の店長と比べたら本部の顔色を伺う必要はあれへんけど、4代目の小西社長はわしらの顔も覚えてくれてて、よう話し相手になってくれたし、わしらの意見も取り上げてくれた。ただ、「佐藤一族」が付き合ってたやつが「悪すぎ」たわなぁ…。まさかあんなことになってしまうとはわしらも思わへんかったわ…。」
一旦話を区切ると、「ここからは、「オフレコ」やぞ。あくまで独り言として聞いてくれな。」と目を合わさずに約10分、今まで知り得なかったことを話し始めた。
「貴重なお話をありがとうございました。今度は「お店」の紹介で来れるよう私も頑張りますんで、その時はよろしくお願いしますね。」
と稀世が凜と共に頭を下げ、最後に店の入り口で稀世とツーショットで記念写真を撮り「店のSNSに「キャンディー稀世」が来てくれましたー!」ってアップさせてもらうわな!」と上機嫌で見送られ、約20分のヒヤリング取材は終わった。
店を離れると凜が手帳を見直しながら稀世に言った。
「前の店長が紹介してくれた3人の店長ってみんなフランチャイズのお店ですよね。やっぱり、直営とFCって店長の意識も違うんですね。後の2人は、今の店長が電話してくれてるんで「飛び込み」じゃなく「アポあり」なんで「門前払い」が無いっていうだけでも気が楽ですよね。
私、あと5件「門前払い」が続いてたら挫けてしまうところでしたよ。でも、それが7件目で「掠った」店長から紹介してもらった、今の「核心」を語ってくれる店長は稀世姉さんのことを知ってる「女子プロレスファン」ってやっぱり「持ってる女」は違いますよねー!やっぱりスクープをゲットするには「強運」も必要なんですね!」
ヒアリング内容より、飛び込み取材拒否の恐怖や紹介アポイントのありがたさについて延々と語る凜の言葉とは別に、稀世の頭の中には先ほどの店長が「オフレコ」と言って残したいくつかのエピソードに繰り返し出て来た具体的な名前に意識が向いていた。
(あとの2人でそこの部分がさらに肉付けできるといいんやけど…。)と思いながら取材のはしごを続けた。
稀世たちが帰った後、更に電話を入れ直してくれていたようで次の店長は30分、3人目の店長は「夕方忙しくなるまでなら…。」と言いながら、夕方5時半までみっちり1時間付き合ってくれた。
その2人からも同じ名前の男が何度も出て来たことで、稀世の頭の中の暗闇に微かな明かりが灯ったような気がして今後の取材の進展に希望を抱いたが、その「灯」は間もなく消える事になるとは稀世は思いもしなかった。
「おまけ」
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