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「大阪府警発表」
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「大阪府警発表」
11月15日、UCWW大会が終わって5日後の金曜日の昼、稀世が太田と直と一緒に向日葵寿司でランチを食べていると坂井から太田に電話が入った。大阪府警で「セオドア・ルメイ・エンタープライズ闇スポーツ賭博事件」についての記者会見が開催されることになったとの報告だった。
「記者会見は11月18日月曜日の午後2時からや。せやから17日の夜の地上波テレビニュースが終わったらネタは小出しにしていってくれてかまへんからな。
今回もお前と安さん達のおかげで一気にスピード解決に結びついたわ。ありがとな!
安月給の俺からは大した「礼」はしてやられへんから、がっつり稼いでくれや!
事前に記者会見内容はこっそり教えといたるから、「メディアクリエイト」で最大限効果が出るように進めたってくれな。」
坂井からの電話が終わると、太田は食べかけの寿司下駄を横によけるとノートパソコンと付箋メモがたくさん貼りつけられた大学ノートを取り出した。
「太田さん、何があったんですか?今の電話って坂井さんからですよね。ルメイ達の起訴が決まったんですか?」
稀世は急いで寿司下駄に残った握りを頬張りながら、バッグから手帳を取り出すと、今朝の打ち合わせ内容を復習した。
稀世がメモを読み返している間に、パソコンを立ち上げ太田は稀世と三朗に言った。
「あぁ、3日後の月曜午後2時に記者会見やとさ。思ったより早い展開やったな。まあ、それも大将と稀世ちゃんのおかげやな。
あの時、大将が稀世ちゃんを止めてくれてへんかったら、ルメイは稀世ちゃんの振り下ろしたパイプ椅子で良くて頭蓋骨陥没の重症。下手すりゃ「あの世行き」やったんやからな。そしたら、今回の事件の真相は未だに闇の中やったんや…。
まあ、あの喧騒の中、稀世ちゃんも大将の「稀世さんダメです!」の声を聴いて、瞬時にパイプ椅子の軌道を変えて、耳にかすらせての威嚇で済ませて、ルメイは「しょんべん」…、おっと、飲食店で失礼。「お小水」漏らして、失神させてくれたおかげで「大捕り物」にならんと「銃刀法違反容疑」で即逮捕できたんやからな。
俺の言う事は聞けへんのに、大将の言う事は素直に聞くのは、やっぱり「愛」なんかなぁ。カラカラカラ。」
軽い冗談を入れながら太田は三朗にも感謝の意を伝えた。
直も、稀世と三朗に声をかけビールを飲みながら笑った
「そんなやり取りがあの時リング周辺であったんや。まあ、誰も死なんでよかったわな。稀世ちゃんの「さいきょう」技を喰らったら、ゴジラも一撃やからな。カラカラカラ。」
三朗は太田に気を遣い、「もうランチタイムも終わりですから奥の座敷を使ってください。」と勧めて、「あがり」のおかわりを入れ直した。
「大将、悪いな。予想以上に大阪府警は早く動きよったみたいやねん。まあ、そこは稀世ちゃんがルメイに書いた「いつか「本物」のプロレスを見てくださいね。その為にも、「罪」は認めて早く社会復帰してください。」って手紙で、速攻「完落ち」したらしいわ。
まあ、日本の警察でもFBIの手法を参考に国際犯罪に限っては「裏々」で「証人保護プログラム」ができたって話やから、旨いことやりよったんとちゃうか?
先月の拘置所内での「容疑者死亡」の事件がええように「前例」になったんやろな。」
とパソコン作業をしながら、三朗だけでなく、稀世と直にも聞こえるように概要を説明した。
そこからの3日間は修羅場だった。太田は家に帰ることなく3日間「メディアクリエイト」の事務所に泊まり、1日3時間以下の仮眠で地上波向け、ネット向け、出版関連事業者向けの動画編集とレポートと資料作成に追われた。
稀世も番組制作班のサポートに追われ、土日返上で働いた。さすがに仮眠室で寝ることは無かったが、自宅マンションに戻るとシャワーを浴び、コンビニで買った弁当を食べると「寝落ち」する毎日だった。
そして迎えた11月18日、三朗はランチタイムを1時で完全に切り上げ、その後、店を「メディアクリエイト」の社員と、ニコニコ商店街関係者の貸し切りにしてくれた。
多くの関係者が集まる中、壁掛けテレビでかけられている昼のワイドショー番組のMCは昨晩からメディアクリエイトが各マスコミ社に売り込んだスクープを朝のテレビニュースから各局一並びで放送している。
実名は出されていないものの大物政治家の名前を臭わす情報に多くのコメンテーターが反応し、少ない情報の中「推測」、「憶測」を含めたコメントを並べている。
「まあ、テレビのコメンテーターなんかこんなもんやな。自分の足で取材してるわけやないから、太田はんの撒いた「エサ」に誘われて、思いっきり無意識のうちに誘導されとるもんな。カラカラカラ。」
と既にビールを飲み始めた直が小ばかにして笑うと、稀世が画面に映し出された大阪府警の記者会見会場に切り替わった画面を指さして皆に声をかけた。
「あっ、もう記者会見始まるみたいですよ!」
皆がテレビ画面に集中すると、フラッシュが多数瞬く記者会見場に入ってくる坂井の姿が確認できた。
府警の広報担当者がマイクを握り、会見開始を前に注意事項を述べ始めた。
「ただいまより、アメリカ籍のブックメーカー「セオドア・ルメイ・エンタープライズ社」の日本の広域指定暴力団「山田組」、「住山会」等との「闇賭博」、「不正スポーツ賭博」提携事業及び、10月19日大阪府警門真署内での拘留中の容疑者死亡事件」についての記者会見を行わせていただきます。
会見後30分の質疑応答時間を設けておりますので、ご質問のある方は所属及び氏名と併せて1社1名で1分以内の質問とさせていただきます。では、会見を開始させていただきます。」
広報担当者が着席しマイクをスタンドにはめ直すと、担当主任刑事の坂井がマイクを握った。
最初に、10月19日門真署内で起こった「ハッキングによるデジタルデータ流出事件」の容疑者が取り調べ後の拘留時に署内で死亡した事件について語られた。資産家情報のビッグデータをサーバー管理会社から抜き出したハッカーの死亡原因は自身による服毒死であったことが最初に語られた。
事件後、マスコミからは警察署内に紛れ込んだ何某らの関係者による毒殺が疑われたが、府警からの公式見解では本人が持ち込んでいた持病の内服薬と言っていたものの中に「毒物」の付着物が残っていたと発表された。
問題は死因ではなく、ハッキングの依頼元だった。容疑者にハッキングを依頼したものが大規模「反社」の関連会社と言うことが、容疑者の使用していたパソコンや通信機器の履歴で発覚した事が伝えられた。
容疑者は|いわゆる「闇スポーツ賭博」常習者で、「反社」の系列闇金融に多額の借金があり、その返済担保としてハッキング業務を強要されたことが自宅から発見された家族あての遺書的な手紙に綴られていたことが発表された。
その手紙の中に「依頼元について警察で証言をすれば家族に危害が及ぶ旨が記載されていたことが付け加えられ、事前に用意された毒物の入手先については捜査中とのことだった。
この事件に関する報告の最後に、この「反社」が「セオドア・ルメイ・エンタープライズ社」と深い関係があったことが説明され、話は切り変わった。
「セオドア・ルメイ・エンタープライズ社」の日本の「反社」への「投げかけ」としては、スポーツ賭博を合法とするアメリカの州内に海外サーバーとデータベースを置き、複数の「闇スポーツ賭博」のサイトを日本語、複数の中国語、韓国語他、希望の外国語でのサイト制作まで請け負い、「反社」の役目は見込み顧客を集めるだけという「反社」にとってホスピタリティーの高い、サービスであることが坂井の口から語られた。
種目は、日本で人気スポーツである「野球」、「サッカー」、「大相撲」に始まり、資産家層に人気のある「海外ゴルフ」、日本国内の「女子ゴルフ」もメイン商品として取り上げられていた。
他にも「天候」、「気温」や「株価」や「円レート」等、万人に分かりやすいものも「賭け」の対象として準備されていたという。
その「賭け」のシステムは、単純な「勝ち負け」や「アップ・オア・ダウン」という「二者択一」や「三者択一」という単純なものは「誘い水」であり、「プッシュアップ式」と呼ばれる「短い時間での判断を要する」システムが多く用意されていた。
「高い還元率」を売りにする「択一」方式で顧客を囲い込み、資金力のあるものには「オンライン」や電話での「直接会話」による、「より」ギャンブル性の高いシステムに導くノウハウマニュアルやオプションで「好きなスポーツ」や「資産状況」、「家族構成」等のビッグデータを加工したものの提供もサービスに含まれていた。
基本的に表立っては「運営元」はアメリカの複数の州で公認されている「セオドア・ルメイ・エンタープライズ社」が「大元」となっているが、その実態は「イリノイ・アウトフィット」というアメリカの新興マフィアが背景にあることが、「ルメイ社」のCEOの「セオドア・ルメイ」から語られた旨も発表された。
今回、大阪で開催された「UCWW」の女子プロレスの大会は、「反社」に対する「新規収益企画実績を見せる為のデモンストレーションであり、最終的には4日目の「賭け」は成立しなかったものの、日本国内だけでも参加者は数万人となり、決勝戦のみの売り上げでも数十億円にのぼるであろう予測があることが発表された。
なお、3日目までの賭けに対する「勝ち馬券」に対する報酬は既に還元されているものの、4日目の「ベット金」のプール分についてはルメイ逮捕の1時間後には、海外にある口座の残高はゼロとなり凍結されたことが述べられた。
「ルメイ」は、取り調べに協力的であり、この先も日本の「反社」との関係等、引き続き調べを進めていく方針であることが追加された。
最後に具体名を上げることは無かったが、国内における「違法スポーツ賭博」、「闇デジタルカジノ」の運営システムの制作会社に国内の与野党の国会議員、関西の地方議員の関係者が関与している可能性を示し、
「今後は大阪カジノ開業問題も含めまして「デジタルカジノ」に関する取り締まり方針等は警視庁と連携して進めていきたいと思います。本日の会見は以上です。」
と言い終わると坂井はマイクを置き、約45分の会見は幕を閉じた。
広報係が立ち上がり、再びマイクを持つと質疑応答の受付を始めた。
「はい、ではただいまから質疑応答に入りたいと思います。質問のある方は挙手願います。はい、3列目の白いジャケットの女性の方どうぞ。」
的を得てるもの、的外れなもの「玉石混合」のマスコミの質疑応答が始まると、直がテレビのボリュームを下げた。それまで手帳に一生懸命メモを取っていた稀世が驚きの声を上げた。
「ぎょへー、単なるプロレスの大会での「賭け」って話やなかったんやな。
てっきり私は大会での「反則行為」の数々がこの会見で公表されると思ってたのに、全然違ったな、ぎゃふん!
それにしても、4日目に賭けた人は掛け金取り上げられて配当金を受け取られへんかったんや。よおさんの人が泣いてるんやろなぁ…。
まあ、私と粋華は決勝進出の時点で「2位以上」確定で「1000万円」は先払いでもらえてたから良かったんやな。
まあ、ここにいてはる皆さんも直さんが「4日目は賭けに参加すんなよ!」って言うてくれてなかったら、みんな「全滅」してたかも知れへんかったんや…。」
「おまけ」
これ書いてるのは、10月26日朝4時40分です。
さっきまで「最終話 「エピローグ ダメ!絶対!」の書き直しをしてました。
ここのところ、連載中にエンディングの書き直しが続いてますねー!
以前にも書きましたが「2パターン」提出してたんですけど、
「最終日の決勝戦までかけ続けたJKコンビは「破産」し、他のみんなは決勝の賭けは参加せず「ほくほく」という「ハイブリッド」なエンディング」になります。
(思いっきりネタバレ!また怒られちゃうかな?)
まあ、「旧ドク」の皆さんには「安定」の「なっちゃん落とし(※今回は陽菜ちゃんもね(笑)!)」です。
まあ、JKが博打しちゃだめですよね!
あと、公開下げちゃった、「NEW稀世ちゃん③」始まる前の「スポーツ賭博解説」と皆さんからの「情報」ですが再公開の希望がそこそこありましたので、「あとがきのようなもの」の後で、修正を加えてアップしますね。
さて、今日のイラストは「坂井刑事」のニーズは「なっち」さんくらいしかないと思うので、大会期間中に上手に生成できずにアップできなかった「粋華」ちゃんのリンコスイラストです!
なかなか「セパレート」の「リンコス」が出なくてかなり苦労しました!
「巨乳派」の男性読者様、こんなところでよろしかったでしょうか(笑)?
では、ラストまでよーろーひーこー!
(⋈◍>◡<◍)。✧♡
11月15日、UCWW大会が終わって5日後の金曜日の昼、稀世が太田と直と一緒に向日葵寿司でランチを食べていると坂井から太田に電話が入った。大阪府警で「セオドア・ルメイ・エンタープライズ闇スポーツ賭博事件」についての記者会見が開催されることになったとの報告だった。
「記者会見は11月18日月曜日の午後2時からや。せやから17日の夜の地上波テレビニュースが終わったらネタは小出しにしていってくれてかまへんからな。
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事前に記者会見内容はこっそり教えといたるから、「メディアクリエイト」で最大限効果が出るように進めたってくれな。」
坂井からの電話が終わると、太田は食べかけの寿司下駄を横によけるとノートパソコンと付箋メモがたくさん貼りつけられた大学ノートを取り出した。
「太田さん、何があったんですか?今の電話って坂井さんからですよね。ルメイ達の起訴が決まったんですか?」
稀世は急いで寿司下駄に残った握りを頬張りながら、バッグから手帳を取り出すと、今朝の打ち合わせ内容を復習した。
稀世がメモを読み返している間に、パソコンを立ち上げ太田は稀世と三朗に言った。
「あぁ、3日後の月曜午後2時に記者会見やとさ。思ったより早い展開やったな。まあ、それも大将と稀世ちゃんのおかげやな。
あの時、大将が稀世ちゃんを止めてくれてへんかったら、ルメイは稀世ちゃんの振り下ろしたパイプ椅子で良くて頭蓋骨陥没の重症。下手すりゃ「あの世行き」やったんやからな。そしたら、今回の事件の真相は未だに闇の中やったんや…。
まあ、あの喧騒の中、稀世ちゃんも大将の「稀世さんダメです!」の声を聴いて、瞬時にパイプ椅子の軌道を変えて、耳にかすらせての威嚇で済ませて、ルメイは「しょんべん」…、おっと、飲食店で失礼。「お小水」漏らして、失神させてくれたおかげで「大捕り物」にならんと「銃刀法違反容疑」で即逮捕できたんやからな。
俺の言う事は聞けへんのに、大将の言う事は素直に聞くのは、やっぱり「愛」なんかなぁ。カラカラカラ。」
軽い冗談を入れながら太田は三朗にも感謝の意を伝えた。
直も、稀世と三朗に声をかけビールを飲みながら笑った
「そんなやり取りがあの時リング周辺であったんや。まあ、誰も死なんでよかったわな。稀世ちゃんの「さいきょう」技を喰らったら、ゴジラも一撃やからな。カラカラカラ。」
三朗は太田に気を遣い、「もうランチタイムも終わりですから奥の座敷を使ってください。」と勧めて、「あがり」のおかわりを入れ直した。
「大将、悪いな。予想以上に大阪府警は早く動きよったみたいやねん。まあ、そこは稀世ちゃんがルメイに書いた「いつか「本物」のプロレスを見てくださいね。その為にも、「罪」は認めて早く社会復帰してください。」って手紙で、速攻「完落ち」したらしいわ。
まあ、日本の警察でもFBIの手法を参考に国際犯罪に限っては「裏々」で「証人保護プログラム」ができたって話やから、旨いことやりよったんとちゃうか?
先月の拘置所内での「容疑者死亡」の事件がええように「前例」になったんやろな。」
とパソコン作業をしながら、三朗だけでなく、稀世と直にも聞こえるように概要を説明した。
そこからの3日間は修羅場だった。太田は家に帰ることなく3日間「メディアクリエイト」の事務所に泊まり、1日3時間以下の仮眠で地上波向け、ネット向け、出版関連事業者向けの動画編集とレポートと資料作成に追われた。
稀世も番組制作班のサポートに追われ、土日返上で働いた。さすがに仮眠室で寝ることは無かったが、自宅マンションに戻るとシャワーを浴び、コンビニで買った弁当を食べると「寝落ち」する毎日だった。
そして迎えた11月18日、三朗はランチタイムを1時で完全に切り上げ、その後、店を「メディアクリエイト」の社員と、ニコニコ商店街関係者の貸し切りにしてくれた。
多くの関係者が集まる中、壁掛けテレビでかけられている昼のワイドショー番組のMCは昨晩からメディアクリエイトが各マスコミ社に売り込んだスクープを朝のテレビニュースから各局一並びで放送している。
実名は出されていないものの大物政治家の名前を臭わす情報に多くのコメンテーターが反応し、少ない情報の中「推測」、「憶測」を含めたコメントを並べている。
「まあ、テレビのコメンテーターなんかこんなもんやな。自分の足で取材してるわけやないから、太田はんの撒いた「エサ」に誘われて、思いっきり無意識のうちに誘導されとるもんな。カラカラカラ。」
と既にビールを飲み始めた直が小ばかにして笑うと、稀世が画面に映し出された大阪府警の記者会見会場に切り替わった画面を指さして皆に声をかけた。
「あっ、もう記者会見始まるみたいですよ!」
皆がテレビ画面に集中すると、フラッシュが多数瞬く記者会見場に入ってくる坂井の姿が確認できた。
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会見後30分の質疑応答時間を設けておりますので、ご質問のある方は所属及び氏名と併せて1社1名で1分以内の質問とさせていただきます。では、会見を開始させていただきます。」
広報担当者が着席しマイクをスタンドにはめ直すと、担当主任刑事の坂井がマイクを握った。
最初に、10月19日門真署内で起こった「ハッキングによるデジタルデータ流出事件」の容疑者が取り調べ後の拘留時に署内で死亡した事件について語られた。資産家情報のビッグデータをサーバー管理会社から抜き出したハッカーの死亡原因は自身による服毒死であったことが最初に語られた。
事件後、マスコミからは警察署内に紛れ込んだ何某らの関係者による毒殺が疑われたが、府警からの公式見解では本人が持ち込んでいた持病の内服薬と言っていたものの中に「毒物」の付着物が残っていたと発表された。
問題は死因ではなく、ハッキングの依頼元だった。容疑者にハッキングを依頼したものが大規模「反社」の関連会社と言うことが、容疑者の使用していたパソコンや通信機器の履歴で発覚した事が伝えられた。
容疑者は|いわゆる「闇スポーツ賭博」常習者で、「反社」の系列闇金融に多額の借金があり、その返済担保としてハッキング業務を強要されたことが自宅から発見された家族あての遺書的な手紙に綴られていたことが発表された。
その手紙の中に「依頼元について警察で証言をすれば家族に危害が及ぶ旨が記載されていたことが付け加えられ、事前に用意された毒物の入手先については捜査中とのことだった。
この事件に関する報告の最後に、この「反社」が「セオドア・ルメイ・エンタープライズ社」と深い関係があったことが説明され、話は切り変わった。
「セオドア・ルメイ・エンタープライズ社」の日本の「反社」への「投げかけ」としては、スポーツ賭博を合法とするアメリカの州内に海外サーバーとデータベースを置き、複数の「闇スポーツ賭博」のサイトを日本語、複数の中国語、韓国語他、希望の外国語でのサイト制作まで請け負い、「反社」の役目は見込み顧客を集めるだけという「反社」にとってホスピタリティーの高い、サービスであることが坂井の口から語られた。
種目は、日本で人気スポーツである「野球」、「サッカー」、「大相撲」に始まり、資産家層に人気のある「海外ゴルフ」、日本国内の「女子ゴルフ」もメイン商品として取り上げられていた。
他にも「天候」、「気温」や「株価」や「円レート」等、万人に分かりやすいものも「賭け」の対象として準備されていたという。
その「賭け」のシステムは、単純な「勝ち負け」や「アップ・オア・ダウン」という「二者択一」や「三者択一」という単純なものは「誘い水」であり、「プッシュアップ式」と呼ばれる「短い時間での判断を要する」システムが多く用意されていた。
「高い還元率」を売りにする「択一」方式で顧客を囲い込み、資金力のあるものには「オンライン」や電話での「直接会話」による、「より」ギャンブル性の高いシステムに導くノウハウマニュアルやオプションで「好きなスポーツ」や「資産状況」、「家族構成」等のビッグデータを加工したものの提供もサービスに含まれていた。
基本的に表立っては「運営元」はアメリカの複数の州で公認されている「セオドア・ルメイ・エンタープライズ社」が「大元」となっているが、その実態は「イリノイ・アウトフィット」というアメリカの新興マフィアが背景にあることが、「ルメイ社」のCEOの「セオドア・ルメイ」から語られた旨も発表された。
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なお、3日目までの賭けに対する「勝ち馬券」に対する報酬は既に還元されているものの、4日目の「ベット金」のプール分についてはルメイ逮捕の1時間後には、海外にある口座の残高はゼロとなり凍結されたことが述べられた。
「ルメイ」は、取り調べに協力的であり、この先も日本の「反社」との関係等、引き続き調べを進めていく方針であることが追加された。
最後に具体名を上げることは無かったが、国内における「違法スポーツ賭博」、「闇デジタルカジノ」の運営システムの制作会社に国内の与野党の国会議員、関西の地方議員の関係者が関与している可能性を示し、
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広報係が立ち上がり、再びマイクを持つと質疑応答の受付を始めた。
「はい、ではただいまから質疑応答に入りたいと思います。質問のある方は挙手願います。はい、3列目の白いジャケットの女性の方どうぞ。」
的を得てるもの、的外れなもの「玉石混合」のマスコミの質疑応答が始まると、直がテレビのボリュームを下げた。それまで手帳に一生懸命メモを取っていた稀世が驚きの声を上げた。
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まあ、ここにいてはる皆さんも直さんが「4日目は賭けに参加すんなよ!」って言うてくれてなかったら、みんな「全滅」してたかも知れへんかったんや…。」
「おまけ」
これ書いてるのは、10月26日朝4時40分です。
さっきまで「最終話 「エピローグ ダメ!絶対!」の書き直しをしてました。
ここのところ、連載中にエンディングの書き直しが続いてますねー!
以前にも書きましたが「2パターン」提出してたんですけど、
「最終日の決勝戦までかけ続けたJKコンビは「破産」し、他のみんなは決勝の賭けは参加せず「ほくほく」という「ハイブリッド」なエンディング」になります。
(思いっきりネタバレ!また怒られちゃうかな?)
まあ、「旧ドク」の皆さんには「安定」の「なっちゃん落とし(※今回は陽菜ちゃんもね(笑)!)」です。
まあ、JKが博打しちゃだめですよね!
あと、公開下げちゃった、「NEW稀世ちゃん③」始まる前の「スポーツ賭博解説」と皆さんからの「情報」ですが再公開の希望がそこそこありましたので、「あとがきのようなもの」の後で、修正を加えてアップしますね。
さて、今日のイラストは「坂井刑事」のニーズは「なっち」さんくらいしかないと思うので、大会期間中に上手に生成できずにアップできなかった「粋華」ちゃんのリンコスイラストです!
なかなか「セパレート」の「リンコス」が出なくてかなり苦労しました!
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