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「元女子レスラー新人記者「安稀世《やす・きよ》」」
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「元女子レスラー新人記者「安稀世」」
令和6年10月14日「スポーツの日」午前10時、ニコニコ商店街のほぼ中央にある「大阪ニコニコプロレス」の練習場と事務所が入る「西沢米穀」の横にある蔵を改造した「西沢米穀特設リング会場」と名付けられた2階建て建物に多くの子供と高齢者が集まってきている。
ニコニコ商店街で行っている「こども食堂」と「市民サロン&高齢者配食サービス」の利用者たちが「体力測定」と「秋祭り」を兼ねたイベントに笑顔で集まってきているのだった。
リング下では「垂直飛び」、「踏み台昇降」、「背筋力測定」、「握力測定」等の基礎体力測定に加えて、ストラックアウトやレスラーが腹筋を鍛える際に使う10キロの「砂入りのバスケットボール投げ」など子供から高齢者まで楽しめるイベントが開かれている。
リング上では一通りの測定を終えたものによるカラオケ大会が催され、会場内に出店された「リカーズ武藤」による「生ビール」と「レモンサワー」、「ソフトドリンク」サービスに加え、「お好み焼きがんちゃん」の「お好み焼き」と「焼きそば」の配食が行われている。
大きな業務用のテレビカメラを担いだ地元メディア制作会社の「太田敏夫」がその様子を次週の夕方のローカルニュースの「ネタ」として撮影している。そこに、100センチのGカップの胸を揺らせてジーンズにTシャツ姿の黒髪ショートカットで童顔の「安稀世」が走って入ってきた。
「ごめんなさい!太田さん、途中いろいろとあって…。マイクとイヤホンどこですか?」
太田は眉間にしわをよせて、インタビュー用のマイクと小型無線機とイヤホンを取り出し稀世に渡した。
「稀世ちゃん、1時間の遅刻やで。「いろいろとあって」ってなんや。まさか「寝坊」して「寝ぼけてパジャマで来てたんを着替えに帰ったっていう話」とちゃうやろな?」
稀世は腰に無線機をつけイヤホンを耳たぶの後ろからまわし、耳に入れるとマイクのスイッチを入れてマイクチェックがてら太田に事情を話した。
「門真市駅の前でバイクを使ったひったくり事件に出くわしちゃって…。おばあちゃんがね、私の前でハンドバックを二人乗りのバイクにひったくられて、そのライダーと後ろの席のひったくり犯にラリアットかまして止めたんですよ。
2人ともバイクの後ろにひっくり返ってバイクはガシャーン!それで「御用」だ!って終わればよかったんですけど、そいつらがナイフ出してきたもんだからつい…。」
「つい、なんや。また「やりすぎ」てしもたんか?」
太田の声が稀世のイヤホンから響いた。黙って稀世は頷いた。
「二人に思いっきり「成敗」かけたったんか?大きいケガさせてへんやろな?」
の太田の問いに稀世は首を振った。太田はやれやれと言う顔をして言った。
「なんや、二人に大きいケガさせてしもたんか!」
「いや、二人やなくて六人…。まあ、骨折と脱臼ぐらいには抑えたんですけど…。」
稀世の話をまとめると、倒したバイクの二人には四人の仲間が近くにいて、1対6の乱闘になったという事だった。
通行人がその様子を見てすぐに110番してくれたのだがパトカーが到着するまでの5分の間に、ナイフや特殊警棒を持った6人の男に、サマーソルトキック、踵落とし、延髄切り、ドロップキックの蹴りの大技から、ウエスタンラリアット、フライングクロスチョップの打撃技、飛び技の後、倒れた相手でナイフを離さなかった男にはアームロックや腕ひしぎ十字固め、エルボードロップ等で6人を1人で無力化したという事だった。
幸い、現場に到着したのはなじみの門真署の「|坂井三郎」刑事とそのバディーの「載田龍二」だった。坂井が道路に転がる「屍々累々」の状況を見て稀世に言った。
「あー、また安さんですか?あなた1人でこの6人を?あらあら、こいつは肩、こいつは肘が抜けてますね。こいつとこいつは腕が「よからぬ」方向向いちゃってますから完全に「ポキン」ですね。この2人は脳震盪ってとこですかね。やれやれ。」
「まあ、通報者からナイフや特殊警棒持った6人と女性1人が戦ってるって聞いた時点で「菅野さん」か「安さん」じゃないかって坂井さんと話してたんですよ。
通報者や最初のひったくりの被害者のおばあさんから状況を確認しますのでちょっと待っててくださいね。「やり過ぎ感」はありますが、門真の平和の為に今日もご活躍ありがとうございました。」
と載田はやさしくフォローしてくれた。
ひったくり被害者の初老の女性と通報者がありのままに話してくれたので、署に呼ばれることは無かったが事情聴取で小一時間かかってしまったと稀世は太田に言い訳をした。
「よお、稀世ちゃん!今日も朝からナイフ持った「クソガキ」6人組を「成敗」してきたんやて?あー、わしもその場に居ったら一緒に暴れたったのになぁ!ちなみにひったくりに遭ったんはわしの友達やってん。ありがとうな。」
生ビールの入ったプラカップを持って直が稀世の背後から大声で話しかけて来た。
「直さん、声が大きいですよ。堪忍してください。」
と小さな声で稀世が返事をするとニコニコプロレス代表のまりあが近づいて来た。
「稀世、またやらかしたんか?街で大立ち回りするくらい体力余ってるんやったら、うちのメンバーに稽古つけたってくれや。唯も稀世にスパーリングの相手してもらいたいって言うてたしな。但しケガさせたらあかんで。ケラケラケラ。」
二人に茶化されながら、「すみません、先に仕事させてください。」と断りを入れ、マイクを持ち直すと、太田と共に参加者が体力測定する様子を取材し、子供や高齢者にインタビューして回った。
一息ついたところで太田はカメラを降ろし、稀世に生ビールを手渡しパイプ椅子に腰かけた。
「稀世ちゃん、お疲れ「生」です。まあ、ここ半年の間に大スクープ2発の事件を「引き込む運」を持った稀世ちゃんに言うのは酷な話やけど、俺らは取材する側の人間であって、取材される側の人間やないってことは覚えといてくれな。
入社1年とは言え、稀世ちゃんは|「メディアクリエイトの大事な戦力やねんからな。「大スクープ」に身体を張るならともかく、「小事」でケガはせんように身体大事を一番に頼むで!」
「うーん、「引き込む運」って言われましても…。過去のスクープも偶然中の偶然でしたし…。ただ…。」
語尾を濁す稀世に太田は何かを感じた。(ん、この様子はなんかあるんかな?ここは上司として部下の悩みは聞いておいたるべきやな。)と思い、太田は稀世に尋ねた。
「ただ…ってなんや。何か気になることでもあるんか?この際やからなんでも話してくれたらええで。」
稀世は少し考えこんで、太田に呟いた。
「あの…、この間、京橋に行った時に、よく当たるって噂の「三代目京橋の母」って占い師に突然「あんた、近々、えらいことに巻き込まれるよ。大きな「益」は為すけど、身体には気をつけな。」って言われたんですよ。
どう転がっても普通じゃないですよね。「身体には気をつけろ」って…。」
塞ぎがちに話す稀世に対して、太田は満面の笑みを浮かべビールを一気飲みして言った。
「なんか、またえらいスクープに繋がる匂いがしてきたなぁ!」
(ゲロゲロ、太田さんに話すんやなかったかな。変に期待を持たれても困るし、ここは仕事も終わったし中座するか…。)と稀世は、太田にビールの礼を伝えると立ち上がり会場の中をまわり出すと、一つの事に気がついた。
いつもはこういうボランティアイベントには必ず参加している向日葵寿司三代目の「長井三朗」の姿が見えなかった。
「直さん、今日はサブちゃんは欠席なん?いつもやったら「海苔巻き」か「いなり寿司」出してるのに今日は出店してへんの?」
と直に尋ねた。直はビールを飲みながら三朗の近況について語った。
「あいつの店、今、経営的にしんどいねん。この夏からアホみたいにコメの値段が上がったやろ。せやのに「市民サロンの利用者さんや子供たちが待ってるんで…。」って言って無理して持ち出しして「こども食堂」と「高齢者配食」で寿司を出し続けとったんや。「男やもめ」の悲しさで自分の財布よりみんなの笑顔を優先したんやな。
でも、さすがにこの3ヶ月でそれもできへんようになって、今日は安い米を求めて、福井の方まで農家に直接買い付けに行ってるみたいやねん。」
「ふーん、ボランティア配食も大変ですよね。でも、そこがサブちゃんらしくて「いい」ですよね。」
何気なしに呟いた稀世に直が笑いながら言った。
「稀世ちゃん、えらい三朗のこと推すやないか?わしの知らんところであほボンと付き合ってたりするんとちゃうやろな。あいつ、草食系の「童貞」やから稀世ちゃんが推し倒さんと進展せえへんぞ。カラカラカラ。」
稀世は直の不意の発言に真っ赤になった。
そこに唯の高校の先輩の夏子と陽菜がやってきた。
「おっ、稀世姉さん、真っ赤やないですか?結構飲んではりますね?」
「ご無沙汰してまーす!今日は唯ちゃんに誘われてお手伝いに来ましたー!」
と言いつつも、「お好み焼きがんちゃん」のお好み焼きと焼きそばを両手に持っていて、手伝いをしている様子はない。
「おい、お前ら「ただ飯」食いに来てるだけやろ。少しはまりあちゃんと唯ちゃんの手伝いをしてから言えや。ほれ、体力測定の記録員の手伝いしてこい。このお好みと焼きそばはわしと稀世ちゃんが先に食べといたろ!」
直に両手のお好み焼きと焼きそばを奪われると、夏子と陽菜は渋々体力測定のブースに歩いていった。直は稀世にむかって誘いをかけた。
「稀世ちゃん、もう仕事終わりやったら太田はんも誘って夕方に三朗の店に行くか。ちょっとは売り上げに貢献したらなあかんし、稀世ちゃんが三朗の事「いい」って言うてたって聞かせたったら喜びよるやろうしな!」
「おまけ」
今日は稀世ちゃんのお仕事モードと私服のイラストです。
なかなか「普通のカメラ」が出ない(笑)。
(´-∀-`;)
令和6年10月14日「スポーツの日」午前10時、ニコニコ商店街のほぼ中央にある「大阪ニコニコプロレス」の練習場と事務所が入る「西沢米穀」の横にある蔵を改造した「西沢米穀特設リング会場」と名付けられた2階建て建物に多くの子供と高齢者が集まってきている。
ニコニコ商店街で行っている「こども食堂」と「市民サロン&高齢者配食サービス」の利用者たちが「体力測定」と「秋祭り」を兼ねたイベントに笑顔で集まってきているのだった。
リング下では「垂直飛び」、「踏み台昇降」、「背筋力測定」、「握力測定」等の基礎体力測定に加えて、ストラックアウトやレスラーが腹筋を鍛える際に使う10キロの「砂入りのバスケットボール投げ」など子供から高齢者まで楽しめるイベントが開かれている。
リング上では一通りの測定を終えたものによるカラオケ大会が催され、会場内に出店された「リカーズ武藤」による「生ビール」と「レモンサワー」、「ソフトドリンク」サービスに加え、「お好み焼きがんちゃん」の「お好み焼き」と「焼きそば」の配食が行われている。
大きな業務用のテレビカメラを担いだ地元メディア制作会社の「太田敏夫」がその様子を次週の夕方のローカルニュースの「ネタ」として撮影している。そこに、100センチのGカップの胸を揺らせてジーンズにTシャツ姿の黒髪ショートカットで童顔の「安稀世」が走って入ってきた。
「ごめんなさい!太田さん、途中いろいろとあって…。マイクとイヤホンどこですか?」
太田は眉間にしわをよせて、インタビュー用のマイクと小型無線機とイヤホンを取り出し稀世に渡した。
「稀世ちゃん、1時間の遅刻やで。「いろいろとあって」ってなんや。まさか「寝坊」して「寝ぼけてパジャマで来てたんを着替えに帰ったっていう話」とちゃうやろな?」
稀世は腰に無線機をつけイヤホンを耳たぶの後ろからまわし、耳に入れるとマイクのスイッチを入れてマイクチェックがてら太田に事情を話した。
「門真市駅の前でバイクを使ったひったくり事件に出くわしちゃって…。おばあちゃんがね、私の前でハンドバックを二人乗りのバイクにひったくられて、そのライダーと後ろの席のひったくり犯にラリアットかまして止めたんですよ。
2人ともバイクの後ろにひっくり返ってバイクはガシャーン!それで「御用」だ!って終わればよかったんですけど、そいつらがナイフ出してきたもんだからつい…。」
「つい、なんや。また「やりすぎ」てしもたんか?」
太田の声が稀世のイヤホンから響いた。黙って稀世は頷いた。
「二人に思いっきり「成敗」かけたったんか?大きいケガさせてへんやろな?」
の太田の問いに稀世は首を振った。太田はやれやれと言う顔をして言った。
「なんや、二人に大きいケガさせてしもたんか!」
「いや、二人やなくて六人…。まあ、骨折と脱臼ぐらいには抑えたんですけど…。」
稀世の話をまとめると、倒したバイクの二人には四人の仲間が近くにいて、1対6の乱闘になったという事だった。
通行人がその様子を見てすぐに110番してくれたのだがパトカーが到着するまでの5分の間に、ナイフや特殊警棒を持った6人の男に、サマーソルトキック、踵落とし、延髄切り、ドロップキックの蹴りの大技から、ウエスタンラリアット、フライングクロスチョップの打撃技、飛び技の後、倒れた相手でナイフを離さなかった男にはアームロックや腕ひしぎ十字固め、エルボードロップ等で6人を1人で無力化したという事だった。
幸い、現場に到着したのはなじみの門真署の「|坂井三郎」刑事とそのバディーの「載田龍二」だった。坂井が道路に転がる「屍々累々」の状況を見て稀世に言った。
「あー、また安さんですか?あなた1人でこの6人を?あらあら、こいつは肩、こいつは肘が抜けてますね。こいつとこいつは腕が「よからぬ」方向向いちゃってますから完全に「ポキン」ですね。この2人は脳震盪ってとこですかね。やれやれ。」
「まあ、通報者からナイフや特殊警棒持った6人と女性1人が戦ってるって聞いた時点で「菅野さん」か「安さん」じゃないかって坂井さんと話してたんですよ。
通報者や最初のひったくりの被害者のおばあさんから状況を確認しますのでちょっと待っててくださいね。「やり過ぎ感」はありますが、門真の平和の為に今日もご活躍ありがとうございました。」
と載田はやさしくフォローしてくれた。
ひったくり被害者の初老の女性と通報者がありのままに話してくれたので、署に呼ばれることは無かったが事情聴取で小一時間かかってしまったと稀世は太田に言い訳をした。
「よお、稀世ちゃん!今日も朝からナイフ持った「クソガキ」6人組を「成敗」してきたんやて?あー、わしもその場に居ったら一緒に暴れたったのになぁ!ちなみにひったくりに遭ったんはわしの友達やってん。ありがとうな。」
生ビールの入ったプラカップを持って直が稀世の背後から大声で話しかけて来た。
「直さん、声が大きいですよ。堪忍してください。」
と小さな声で稀世が返事をするとニコニコプロレス代表のまりあが近づいて来た。
「稀世、またやらかしたんか?街で大立ち回りするくらい体力余ってるんやったら、うちのメンバーに稽古つけたってくれや。唯も稀世にスパーリングの相手してもらいたいって言うてたしな。但しケガさせたらあかんで。ケラケラケラ。」
二人に茶化されながら、「すみません、先に仕事させてください。」と断りを入れ、マイクを持ち直すと、太田と共に参加者が体力測定する様子を取材し、子供や高齢者にインタビューして回った。
一息ついたところで太田はカメラを降ろし、稀世に生ビールを手渡しパイプ椅子に腰かけた。
「稀世ちゃん、お疲れ「生」です。まあ、ここ半年の間に大スクープ2発の事件を「引き込む運」を持った稀世ちゃんに言うのは酷な話やけど、俺らは取材する側の人間であって、取材される側の人間やないってことは覚えといてくれな。
入社1年とは言え、稀世ちゃんは|「メディアクリエイトの大事な戦力やねんからな。「大スクープ」に身体を張るならともかく、「小事」でケガはせんように身体大事を一番に頼むで!」
「うーん、「引き込む運」って言われましても…。過去のスクープも偶然中の偶然でしたし…。ただ…。」
語尾を濁す稀世に太田は何かを感じた。(ん、この様子はなんかあるんかな?ここは上司として部下の悩みは聞いておいたるべきやな。)と思い、太田は稀世に尋ねた。
「ただ…ってなんや。何か気になることでもあるんか?この際やからなんでも話してくれたらええで。」
稀世は少し考えこんで、太田に呟いた。
「あの…、この間、京橋に行った時に、よく当たるって噂の「三代目京橋の母」って占い師に突然「あんた、近々、えらいことに巻き込まれるよ。大きな「益」は為すけど、身体には気をつけな。」って言われたんですよ。
どう転がっても普通じゃないですよね。「身体には気をつけろ」って…。」
塞ぎがちに話す稀世に対して、太田は満面の笑みを浮かべビールを一気飲みして言った。
「なんか、またえらいスクープに繋がる匂いがしてきたなぁ!」
(ゲロゲロ、太田さんに話すんやなかったかな。変に期待を持たれても困るし、ここは仕事も終わったし中座するか…。)と稀世は、太田にビールの礼を伝えると立ち上がり会場の中をまわり出すと、一つの事に気がついた。
いつもはこういうボランティアイベントには必ず参加している向日葵寿司三代目の「長井三朗」の姿が見えなかった。
「直さん、今日はサブちゃんは欠席なん?いつもやったら「海苔巻き」か「いなり寿司」出してるのに今日は出店してへんの?」
と直に尋ねた。直はビールを飲みながら三朗の近況について語った。
「あいつの店、今、経営的にしんどいねん。この夏からアホみたいにコメの値段が上がったやろ。せやのに「市民サロンの利用者さんや子供たちが待ってるんで…。」って言って無理して持ち出しして「こども食堂」と「高齢者配食」で寿司を出し続けとったんや。「男やもめ」の悲しさで自分の財布よりみんなの笑顔を優先したんやな。
でも、さすがにこの3ヶ月でそれもできへんようになって、今日は安い米を求めて、福井の方まで農家に直接買い付けに行ってるみたいやねん。」
「ふーん、ボランティア配食も大変ですよね。でも、そこがサブちゃんらしくて「いい」ですよね。」
何気なしに呟いた稀世に直が笑いながら言った。
「稀世ちゃん、えらい三朗のこと推すやないか?わしの知らんところであほボンと付き合ってたりするんとちゃうやろな。あいつ、草食系の「童貞」やから稀世ちゃんが推し倒さんと進展せえへんぞ。カラカラカラ。」
稀世は直の不意の発言に真っ赤になった。
そこに唯の高校の先輩の夏子と陽菜がやってきた。
「おっ、稀世姉さん、真っ赤やないですか?結構飲んではりますね?」
「ご無沙汰してまーす!今日は唯ちゃんに誘われてお手伝いに来ましたー!」
と言いつつも、「お好み焼きがんちゃん」のお好み焼きと焼きそばを両手に持っていて、手伝いをしている様子はない。
「おい、お前ら「ただ飯」食いに来てるだけやろ。少しはまりあちゃんと唯ちゃんの手伝いをしてから言えや。ほれ、体力測定の記録員の手伝いしてこい。このお好みと焼きそばはわしと稀世ちゃんが先に食べといたろ!」
直に両手のお好み焼きと焼きそばを奪われると、夏子と陽菜は渋々体力測定のブースに歩いていった。直は稀世にむかって誘いをかけた。
「稀世ちゃん、もう仕事終わりやったら太田はんも誘って夕方に三朗の店に行くか。ちょっとは売り上げに貢献したらなあかんし、稀世ちゃんが三朗の事「いい」って言うてたって聞かせたったら喜びよるやろうしな!」
「おまけ」
今日は稀世ちゃんのお仕事モードと私服のイラストです。
なかなか「普通のカメラ」が出ない(笑)。
(´-∀-`;)
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