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第1章「地球墜落編」
「墜落」
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「墜落」
ニコニーコ星を出発してからも4人の王女のガールズトークは止まらなかった。起きている間は、旅行に関する雑談が続いた。
「食べ物」、「飲み物」は繰り返し語り続けられて、ナチュコとピナは順位づけに追われた。
「ほんまにひと月では食べきられへんし、飲み切られへんわな。ピナちゃん、廻る順番と食べる順序をしっかりと予定組みしてな!」
「うん、ナッちゃんは、「お酒」より「スイーツ」と「ご飯」で優先順位決めていってな。」
「後は、何処の温泉に泊まるか?何泊するかも大事やな?私の希望は、お年寄りや家族連ればかりやなくて若い人も来る出会いの場がありそうなところがええな。なんせ年に一回しかないお父さんの目が届けへん「バカンス休暇」やからな!今回は警護の兵隊さんもSPも断ってチャプロー兄さんだけにしてもろたんやからはっちゃけるでー!」
「せやね。ホテルのカラオケはボックスやなくて他のお客さんも居る前で歌える「ラウンジ」か「スナック」があるところを選択してるし、ナッちゃんの「出会い」も応援するで!出会った男女で「温泉スリッパ卓球」なんかも地球では男女の距離を詰めるのにええらしいで。ケラケラケラ。」
ガールズトークが終われば日本語の睡眠学習で現地入りに備えた。元々、知能指数の高い「ノルディック」系宇宙人の5人には難しいことは無く、旅に出て3日目には「日本語のカラオケ」だけでなく、ホテルで出会った外国人観光客に向けて地球上のありとあらゆる言語で日本語以外の言語の歌も歌えるようになった。
事前に取り寄せた各国のヒット曲のミュージックビデオで振り付けやダンスを覚えナチュコ主導で皆で練習するのも楽しかった。
5人の乗った大型母船は順調に「大ワープ」を繰り返し航海目的地の地球に近づきつつあった。明日の日本で言うところの「元日」を到着を控え、艦長から
「いよいよ明日、地球に到着です。明日の羽咋の日没は16時46分です。上陸は目立たないように、光学迷彩モードで日没前に着水地点を探してもらって、日没後海岸線に着水して、完全日没後、ゴムボートで上陸しリトルシップはリモートで成層圏外に飛ばしていただきます。チャプロー君、リトルシップの操縦は頼んだよ。
航海も順調で何とか地球のニューイヤーデイ中に上陸できますよ。日本では「お正月」といってみんなで新年を祝う日ですね。
皆さんずっと「お歌」の練習されてましたね。今日は、もう地球の電波域に入りますから日本の年末最終日の風物詩の歌番組の衛星放送でも見て盛り上がってください。」
と言われ、明日の上陸の準備を済ませるとチャプローとピヨが大型テレビのあるリビングに鰹出汁のいい香りが漂う鍋と麺と具材の入った丼の載ったお盆を持って入ってきた。
ピヨが丼をテーブルに並べて箸を置くと、チャプローが出汁を丼に注いだ。
「日本では年の最後の日におそばを食べながら10件に3件が「紅白歌合戦」と言う「男女対抗戦」の歌番組を見るそうです。日本の流行ソングを知るにも有意義でしょうから、みんなで覚えた「日本語」で歌いながら楽しむとしましょう。」
5人はテレビの前で年越しそばをすすり全曲を歌いきり、母船での最後の夜を迎えた。
「あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。」
とマリーアが代表して日本風の元旦の挨拶をかわすと、チャプローが炙った角餅に三つ葉とかまぼこにゆずの皮を入れた質素な「金沢雑煮」を皆に振舞うと皆で両手を合わせて
「あけましておめでとうございます。今日からの1カ月が素晴らしい旅になりますように。いただきます!」
とさっぱり味の雑煮に舌鼓をうった。
地球の地上4万キロで「じゃあ、チャプロー君、4人のプリンセスを任せたよ。成層圏に入るまで「スペースデブリ」との衝突には気をつけて!」と艦長に見送られ5人の乗ったリトルシップは地球に向けて降下していった。
「ぎょへー、またゴミの量が増えたような気がするなぁ!チャプちゃん気をつけて操縦してや!地球は青くてすごくきれいな星やけど、宇宙に関してはちょっと残念な感じやな。」
「はい、了解です。ここ数年で地球は宇宙開発が凄く進んだ分、宇宙開発新興国が打ち上げに使ったロケットの残骸が増えたんでしょうね。旧式の壊れた衛星の回収もしないんでゴミは増えるばかりですね。我が星でそんな衛星の打ち上げをしたら大統領に速攻撃ち落されちゃいますよね。カラカラカラ。」
青い地球が徐々に眼下に大きくなり、地球時間の昼12時を過ぎると午前中はかかっていた能登半島上空の雲も消え着陸予定地の輪島の地形も確認できた。15時、外周軌道から外れ能登半島の北端を目指し「光学迷彩モード」を発動しリトルシップは大気圏に突入した。
「今、日本から私らのリトルシップを見たらどない見えてんねやろか?「UFOが来たぞー!」って騒いでたりするんかな?なんやったら、こっそり上陸せんと「のと里山空港」に堂々と着陸して「4人のプリンセス来日!」ってレッドカーペットで迎えてくれたらええのにな。ケラケラケラ。」
「いやいや、みんな家で餅喰って、酒飲んでるやろうから空を眺めてる人なんか居れへんのとちゃう。とりあえず着いたら、道の駅「千枚田ポケットパーク」でジェラートの「初スイーツ」で乾杯やな。きゃー、もうめっちゃ楽しみやわー!」
ナチュコとピナが初の地球上陸を前にして騒いでいる。
「皆さん、眼下に「白米千枚田」が見えますよ。急な斜面に小さな1004枚の棚田があるそうです。山からの湧き水ですごくおいしいお米が穫れるそうですよ。あと40分程で日没ですから下船の準備に入ってください。」
とチャプローが皆に伝え、手動操縦モードに切り替えた。
現地時間、16時9分。「あと37分で着水です。リトルシップはいったん母船に戻しますので忘れ物が無いように気をつけてください。」チャプローが4人に声掛けをして(あっ、母船にも連絡を入れておかないとな…。)と無線のスイッチに指をかけた瞬間、磁場を示す操縦用計器モニターのカラーがブルーからレッドの点滅に変わり、船内にけたたましくブザーが鳴り響いた。ガクンと高度が一気に落ち、機内は弾道飛行降下時の無重力状態となり、体幹の弱いナチュコとピナが床に転がった。
「チャプちゃん、どないしたん?何か故障か?」
「操縦手伝おうか?手動で操縦桿が引かれへんねやったら私とピヨがついてるからな!」
細い腕で必死にチャプローが固定しようと暴れる操縦桿にピヨとマリーアが手を添えると機体は安定した。
(はぁ、助かったんかな?)とピヨが思った瞬間、外部モニターに映し出された能登半島先端の景色が揺れ、大きながけ崩れが起き、何か所も道路が寸断されているのが見えた。
「えっ?いったい何が起こってるの?この磁場の「異常数値」はなに?もしかして地上で大きな地震が起こってるん?」
マリーアが半重力動作装置に繋がる「物質K」と「量子コンピュータ」の「浮揚力不足」のアラート画面に気付いた。
その直後、機体は再び大きく揺れた。「きゃー、死ぬ―!」「痛―い!頭打った!」とナチュコとピナの叫び声が船内にこだました。
「機体のコントロールが効きません。機体が南に流されます。このままでいくと、半島を南北に貫く山脈に墜落してしまいます。ピヨさん、マリーアさん思い切り操縦桿を引いて下さい。」
と叫ぶチャプローの前の外部モニターを見ると、珠洲、七尾の東に大きな白波が立つのが見えた。
「津波です。東から津波が来ます。やはりこの磁場の乱れは地震、それも巨大地震によるプレート摩擦による磁場が発生したんです。東の海には着水できません。僕は推進力を西に向けます。最悪、30キロ西に飛ばせば海に降りられます。マリーアさんは方位と高度のモニターの読み上げをピヨさんは操縦桿をお願いします!」
リトルシップはふらふらとしながらなんとか高度を維持して能登半島を南西にむかって飛行し続けた。
「チャプちゃん、ピヨ!今、「のと里山空港」上空を越えた。このまま「のと里山海道」に沿って南下すれば志賀町から羽咋に降りられる。不時着するにしても山間部に落ちるのと、千里浜ドライブウェイの砂浜に落ちるんはちゃう!能登島が真左に見えるってことはこのまままっすぐ行けば羽咋や!チャプちゃん、そこまでもたせて!」
マリーアの叫びに二人は同時に頷くと、ピヨは地中深く根が生えた大木のように重くなった操縦桿をニコニーコ星一の怪力で引き続け、チャプローは量子コンピュータの操作を続けた。
約50キロ南西に飛びリトルシップの高度は100メートルまで下がっていた。途中の「のと里山海道」は何か所も崩れており、視覚的にも被害の甚大さが伝わった。
「あの半円形の建物は「コスモアイル羽咋」や!「マーキュリー・レッド・ストーンロケット」に引っ掛けんなよ!」
マリーアが叫んだ。「あかん、ぶつかる!」ナチュコとピナが同時に叫んだ。
「だんだらーっ!」ピヨが力任せに操縦桿を上に引き上げた。リトルシップの先端が急に上に向き機体がかすかに浮上した。「ガリガリガリ」と船底を何かが引っかかる音がしたが衝突は逃れた。
「助かった!ナイスピヨ!よくやった!」
と褒めたマリーアに申し訳なさそうに半泣きのピヨが謝った。右手に折れた棒状のものを持っている。
「ごめん、みんな…。操縦桿、折ってしもた…。みんなで美味しい物食べられへんようになってしもた。ほんまにごめん…。」
真っ青になるナチュコとピナはもう何も言えず二人で抱き合っている。
「砂浜が見えました!着水します!耐ショック体勢を取ってください!」
チャプローが言い切る前に「ザパーン!」とリトルシップは能登半島西部を縦に走る日本でも珍しい、乗用車やバイクでも走れる砂浜として有名な「千里浜なぎさドライブウェイ」の西200メートルに着水した。ピヨはナチュコとピナを庇って頭部を強く壁に打ちつけた。
機内のモニター類は全て赤く点灯し、複数のブザーが鳴り響いている。床から徐々に冷たい海水があがってきた。
ナチュコが非常脱出ハッチの解放ボタンを押すが反応しない。ロックが解除できないハッチをナチュコとピナが「うんうん」言いながら両手で押すがびくともしない。
「チャプちゃん、母船に緊急通報を送って!扉は私に任せて!」
ピヨは膝まで浸水した機内で短い助走をつけると、脱出ハッチに渾身のドロップキックをかました。
大気圏突入にも耐える厚さ80センチのハッチは一撃で外にはじけ飛んだ。
「ナチュコ、ピナ、この船はもうすぐ沈む!荷物やボートを出してる暇はあれへん!とにかく海に飛び込め!ピヨ、チャプちゃんも急ぐんや!」
マリーアは4人を無理やり船外に送り出すと、最後に「位置ビーコン」発信ボタンを押し、沈みゆくリトルシップから海に飛び込んだ。
パニックで犬かきしかできずバチャバチャと暴れるだけのナチュコとピナを背後から回り込んだピヨとチャプローで「ナッちゃん、ピナちゃん大きく息を吸って力を抜いて!」と声をかけると古式泳法の「のし」で海岸までの200メートルを泳ぎ切った。ナチュコを必死に海岸まで連れて来たピヨは「ナッちゃんもピナちゃんも大丈夫やったんやな…。良かった…。」と言葉を残しその場で意識を失った。頭部から激しく流血していた。西に日が傾いた砂浜で海に沈むリトルシップをピヨを除く4人は黙って見送った。
ナチュコとピナは海岸までたどり着いた瞬間、体験したことのない身体の震えを感じた。「死への恐怖」というより「死んでたかもしれなかった恐怖」の震えが数十秒続いた。チャプローとマリーアは手持ちのバンダナでピヨの止血をした。砂浜で動けない5人の前に、1台のピックアップトラックが南側から来て停まった。
「なんだ!船から放りだされでもしたのか?何してる、早く後ろに乗れ!津波が来るかもしれないぞ!」
金髪の若い男が叫んだ。ナチュコとピナは助手席に、マリーアはチャプローと意識を失ったままのピヨをトラックの荷台に担ぎ上げると2人でピヨの両サイドについた。
男は千里浜ドライブウェイの砂浜から東に入り車を走らせた。街の信号機はすべて消えていた。カーナビのテレビはワンセグ発信が停まったのか消えたままなので、男はAMラジオに切り替えた。カーラジオから、「緊急地震速報」が流される。「4時10分、および4時12分に石川県能登地方で巨大な地震発生。津波の可能性があります。高台に逃げてください。」のアナウンスがひたすら繰り返される。
4時18分、再び大きな余震が起こった。
「ちっ!2度目の余震か!1年の原子力空母生活を終えて、せっかく揺れない陸地での2か月間のニューイヤー休暇で蟹と能登ビーフと温泉とジャパニーズSAKEを楽しみに来たっていうのになんてこった。」と独り言を呟きながら、地震で完全に倒壊した木造家屋とひびが入りところどころ隆起したアスファルトを右に左によけながら、海岸線から離れていく。
4時20分、ラジオから初回の揺れは4時10分。七尾市、輪島市、穴水町で最大震度6強であったと発表された。続いて中能登町、能登町の震度6弱、珠洲市の震度5強と発表された。繰り返し、各地の震度発表と「海沿いにいる人は急いで高台に逃げてください。命に関わる状況です。」のアナウンスが続いていた。
4時39分、3度目の大きな揺れが起こった。目の前でブロック塀が倒れ、立派な鬼瓦が屋根のセンターに据えられた日本家屋が崩れ危うくピックアップトラックの上に落ちるところを見事な急ハンドルでかわした。フロントのベンチチートの中央席に座っていたナチュコが揺さぶられ、男の左腕にしがみついた。
「かわいこちゃん、ラブシーンは地震が落ち着いてからな。とりあえず、広い所に出ないとな!」
とウインクされてナチュコは赤くなった。(「かわいこちゃん!」ってこの人、この状況でこの余裕って何?でもよく見ると横顔も金髪も素敵!非常時に「恋」が芽生える「吊り橋効果」ってやつ?)と一人で赤くなった。
男は、車を停めると、運転席側のパワーウインドウを降ろし荷台の3人に声をかけた。
「急ハンドル切ってしまってすまん。後ろの3人は大丈夫だったか?ちなみに今回の地震は震度6強だとさ。2011年3月の東北地震と同じだな。津波が心配だから先を急ぐからな。もう少し我慢してくれ!」
マリーアが「大丈夫。震源はどこって言ってた?ここより西なの?」と尋ねた時「ニュースは震源地は能登地方珠洲市周辺深さ16キロ。地震のエネルギーを示すマグニチュードは7.6。なお羽咋郡志賀町香能で最大震度7を記録したって言ってたよ。」と伝えた。
「あぁ、珠洲が震源ってことはここよりは東だな。まあ、津波の心配は少し薄れたわけだ。ところであんたらをどこに送っていけばいいんだ?とりあえずこの寒さの中「濡れネズミ」じゃ風邪をひいてしまうよな。」
男は大声を張り上げると、車を降り荷台に積んだ大きな防水バッグの中からアルミ蒸着フィルムのエマージェンシーシートを取り出すとマリーアに渡し「とりあえずの風しのぎに3人はこれにでも包まっていてくれ。「貧乏」なもんで屋根のない車ですまないな。」と小さく笑った。
マリーアは「ありがとう。助かるわ。」と小さく会釈をするとシートを広げてピヨの身体の上に広げた。
「ちなみに「コスモアイル羽咋」に行きたいんだけどお願いできるかな?」とマリーアが尋ねるとサムアップして笑った。
「オッケー、オッケー!NASAのレッドストーン・ロケットのあるところね。ちょうど俺も「アポロの月面着陸船カプセル」を見たかったんで良かったよ。まあ、正月休みで休館かな?カラカラカラ。」
ニコニーコ星を出発してからも4人の王女のガールズトークは止まらなかった。起きている間は、旅行に関する雑談が続いた。
「食べ物」、「飲み物」は繰り返し語り続けられて、ナチュコとピナは順位づけに追われた。
「ほんまにひと月では食べきられへんし、飲み切られへんわな。ピナちゃん、廻る順番と食べる順序をしっかりと予定組みしてな!」
「うん、ナッちゃんは、「お酒」より「スイーツ」と「ご飯」で優先順位決めていってな。」
「後は、何処の温泉に泊まるか?何泊するかも大事やな?私の希望は、お年寄りや家族連ればかりやなくて若い人も来る出会いの場がありそうなところがええな。なんせ年に一回しかないお父さんの目が届けへん「バカンス休暇」やからな!今回は警護の兵隊さんもSPも断ってチャプロー兄さんだけにしてもろたんやからはっちゃけるでー!」
「せやね。ホテルのカラオケはボックスやなくて他のお客さんも居る前で歌える「ラウンジ」か「スナック」があるところを選択してるし、ナッちゃんの「出会い」も応援するで!出会った男女で「温泉スリッパ卓球」なんかも地球では男女の距離を詰めるのにええらしいで。ケラケラケラ。」
ガールズトークが終われば日本語の睡眠学習で現地入りに備えた。元々、知能指数の高い「ノルディック」系宇宙人の5人には難しいことは無く、旅に出て3日目には「日本語のカラオケ」だけでなく、ホテルで出会った外国人観光客に向けて地球上のありとあらゆる言語で日本語以外の言語の歌も歌えるようになった。
事前に取り寄せた各国のヒット曲のミュージックビデオで振り付けやダンスを覚えナチュコ主導で皆で練習するのも楽しかった。
5人の乗った大型母船は順調に「大ワープ」を繰り返し航海目的地の地球に近づきつつあった。明日の日本で言うところの「元日」を到着を控え、艦長から
「いよいよ明日、地球に到着です。明日の羽咋の日没は16時46分です。上陸は目立たないように、光学迷彩モードで日没前に着水地点を探してもらって、日没後海岸線に着水して、完全日没後、ゴムボートで上陸しリトルシップはリモートで成層圏外に飛ばしていただきます。チャプロー君、リトルシップの操縦は頼んだよ。
航海も順調で何とか地球のニューイヤーデイ中に上陸できますよ。日本では「お正月」といってみんなで新年を祝う日ですね。
皆さんずっと「お歌」の練習されてましたね。今日は、もう地球の電波域に入りますから日本の年末最終日の風物詩の歌番組の衛星放送でも見て盛り上がってください。」
と言われ、明日の上陸の準備を済ませるとチャプローとピヨが大型テレビのあるリビングに鰹出汁のいい香りが漂う鍋と麺と具材の入った丼の載ったお盆を持って入ってきた。
ピヨが丼をテーブルに並べて箸を置くと、チャプローが出汁を丼に注いだ。
「日本では年の最後の日におそばを食べながら10件に3件が「紅白歌合戦」と言う「男女対抗戦」の歌番組を見るそうです。日本の流行ソングを知るにも有意義でしょうから、みんなで覚えた「日本語」で歌いながら楽しむとしましょう。」
5人はテレビの前で年越しそばをすすり全曲を歌いきり、母船での最後の夜を迎えた。
「あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。」
とマリーアが代表して日本風の元旦の挨拶をかわすと、チャプローが炙った角餅に三つ葉とかまぼこにゆずの皮を入れた質素な「金沢雑煮」を皆に振舞うと皆で両手を合わせて
「あけましておめでとうございます。今日からの1カ月が素晴らしい旅になりますように。いただきます!」
とさっぱり味の雑煮に舌鼓をうった。
地球の地上4万キロで「じゃあ、チャプロー君、4人のプリンセスを任せたよ。成層圏に入るまで「スペースデブリ」との衝突には気をつけて!」と艦長に見送られ5人の乗ったリトルシップは地球に向けて降下していった。
「ぎょへー、またゴミの量が増えたような気がするなぁ!チャプちゃん気をつけて操縦してや!地球は青くてすごくきれいな星やけど、宇宙に関してはちょっと残念な感じやな。」
「はい、了解です。ここ数年で地球は宇宙開発が凄く進んだ分、宇宙開発新興国が打ち上げに使ったロケットの残骸が増えたんでしょうね。旧式の壊れた衛星の回収もしないんでゴミは増えるばかりですね。我が星でそんな衛星の打ち上げをしたら大統領に速攻撃ち落されちゃいますよね。カラカラカラ。」
青い地球が徐々に眼下に大きくなり、地球時間の昼12時を過ぎると午前中はかかっていた能登半島上空の雲も消え着陸予定地の輪島の地形も確認できた。15時、外周軌道から外れ能登半島の北端を目指し「光学迷彩モード」を発動しリトルシップは大気圏に突入した。
「今、日本から私らのリトルシップを見たらどない見えてんねやろか?「UFOが来たぞー!」って騒いでたりするんかな?なんやったら、こっそり上陸せんと「のと里山空港」に堂々と着陸して「4人のプリンセス来日!」ってレッドカーペットで迎えてくれたらええのにな。ケラケラケラ。」
「いやいや、みんな家で餅喰って、酒飲んでるやろうから空を眺めてる人なんか居れへんのとちゃう。とりあえず着いたら、道の駅「千枚田ポケットパーク」でジェラートの「初スイーツ」で乾杯やな。きゃー、もうめっちゃ楽しみやわー!」
ナチュコとピナが初の地球上陸を前にして騒いでいる。
「皆さん、眼下に「白米千枚田」が見えますよ。急な斜面に小さな1004枚の棚田があるそうです。山からの湧き水ですごくおいしいお米が穫れるそうですよ。あと40分程で日没ですから下船の準備に入ってください。」
とチャプローが皆に伝え、手動操縦モードに切り替えた。
現地時間、16時9分。「あと37分で着水です。リトルシップはいったん母船に戻しますので忘れ物が無いように気をつけてください。」チャプローが4人に声掛けをして(あっ、母船にも連絡を入れておかないとな…。)と無線のスイッチに指をかけた瞬間、磁場を示す操縦用計器モニターのカラーがブルーからレッドの点滅に変わり、船内にけたたましくブザーが鳴り響いた。ガクンと高度が一気に落ち、機内は弾道飛行降下時の無重力状態となり、体幹の弱いナチュコとピナが床に転がった。
「チャプちゃん、どないしたん?何か故障か?」
「操縦手伝おうか?手動で操縦桿が引かれへんねやったら私とピヨがついてるからな!」
細い腕で必死にチャプローが固定しようと暴れる操縦桿にピヨとマリーアが手を添えると機体は安定した。
(はぁ、助かったんかな?)とピヨが思った瞬間、外部モニターに映し出された能登半島先端の景色が揺れ、大きながけ崩れが起き、何か所も道路が寸断されているのが見えた。
「えっ?いったい何が起こってるの?この磁場の「異常数値」はなに?もしかして地上で大きな地震が起こってるん?」
マリーアが半重力動作装置に繋がる「物質K」と「量子コンピュータ」の「浮揚力不足」のアラート画面に気付いた。
その直後、機体は再び大きく揺れた。「きゃー、死ぬ―!」「痛―い!頭打った!」とナチュコとピナの叫び声が船内にこだました。
「機体のコントロールが効きません。機体が南に流されます。このままでいくと、半島を南北に貫く山脈に墜落してしまいます。ピヨさん、マリーアさん思い切り操縦桿を引いて下さい。」
と叫ぶチャプローの前の外部モニターを見ると、珠洲、七尾の東に大きな白波が立つのが見えた。
「津波です。東から津波が来ます。やはりこの磁場の乱れは地震、それも巨大地震によるプレート摩擦による磁場が発生したんです。東の海には着水できません。僕は推進力を西に向けます。最悪、30キロ西に飛ばせば海に降りられます。マリーアさんは方位と高度のモニターの読み上げをピヨさんは操縦桿をお願いします!」
リトルシップはふらふらとしながらなんとか高度を維持して能登半島を南西にむかって飛行し続けた。
「チャプちゃん、ピヨ!今、「のと里山空港」上空を越えた。このまま「のと里山海道」に沿って南下すれば志賀町から羽咋に降りられる。不時着するにしても山間部に落ちるのと、千里浜ドライブウェイの砂浜に落ちるんはちゃう!能登島が真左に見えるってことはこのまままっすぐ行けば羽咋や!チャプちゃん、そこまでもたせて!」
マリーアの叫びに二人は同時に頷くと、ピヨは地中深く根が生えた大木のように重くなった操縦桿をニコニーコ星一の怪力で引き続け、チャプローは量子コンピュータの操作を続けた。
約50キロ南西に飛びリトルシップの高度は100メートルまで下がっていた。途中の「のと里山海道」は何か所も崩れており、視覚的にも被害の甚大さが伝わった。
「あの半円形の建物は「コスモアイル羽咋」や!「マーキュリー・レッド・ストーンロケット」に引っ掛けんなよ!」
マリーアが叫んだ。「あかん、ぶつかる!」ナチュコとピナが同時に叫んだ。
「だんだらーっ!」ピヨが力任せに操縦桿を上に引き上げた。リトルシップの先端が急に上に向き機体がかすかに浮上した。「ガリガリガリ」と船底を何かが引っかかる音がしたが衝突は逃れた。
「助かった!ナイスピヨ!よくやった!」
と褒めたマリーアに申し訳なさそうに半泣きのピヨが謝った。右手に折れた棒状のものを持っている。
「ごめん、みんな…。操縦桿、折ってしもた…。みんなで美味しい物食べられへんようになってしもた。ほんまにごめん…。」
真っ青になるナチュコとピナはもう何も言えず二人で抱き合っている。
「砂浜が見えました!着水します!耐ショック体勢を取ってください!」
チャプローが言い切る前に「ザパーン!」とリトルシップは能登半島西部を縦に走る日本でも珍しい、乗用車やバイクでも走れる砂浜として有名な「千里浜なぎさドライブウェイ」の西200メートルに着水した。ピヨはナチュコとピナを庇って頭部を強く壁に打ちつけた。
機内のモニター類は全て赤く点灯し、複数のブザーが鳴り響いている。床から徐々に冷たい海水があがってきた。
ナチュコが非常脱出ハッチの解放ボタンを押すが反応しない。ロックが解除できないハッチをナチュコとピナが「うんうん」言いながら両手で押すがびくともしない。
「チャプちゃん、母船に緊急通報を送って!扉は私に任せて!」
ピヨは膝まで浸水した機内で短い助走をつけると、脱出ハッチに渾身のドロップキックをかました。
大気圏突入にも耐える厚さ80センチのハッチは一撃で外にはじけ飛んだ。
「ナチュコ、ピナ、この船はもうすぐ沈む!荷物やボートを出してる暇はあれへん!とにかく海に飛び込め!ピヨ、チャプちゃんも急ぐんや!」
マリーアは4人を無理やり船外に送り出すと、最後に「位置ビーコン」発信ボタンを押し、沈みゆくリトルシップから海に飛び込んだ。
パニックで犬かきしかできずバチャバチャと暴れるだけのナチュコとピナを背後から回り込んだピヨとチャプローで「ナッちゃん、ピナちゃん大きく息を吸って力を抜いて!」と声をかけると古式泳法の「のし」で海岸までの200メートルを泳ぎ切った。ナチュコを必死に海岸まで連れて来たピヨは「ナッちゃんもピナちゃんも大丈夫やったんやな…。良かった…。」と言葉を残しその場で意識を失った。頭部から激しく流血していた。西に日が傾いた砂浜で海に沈むリトルシップをピヨを除く4人は黙って見送った。
ナチュコとピナは海岸までたどり着いた瞬間、体験したことのない身体の震えを感じた。「死への恐怖」というより「死んでたかもしれなかった恐怖」の震えが数十秒続いた。チャプローとマリーアは手持ちのバンダナでピヨの止血をした。砂浜で動けない5人の前に、1台のピックアップトラックが南側から来て停まった。
「なんだ!船から放りだされでもしたのか?何してる、早く後ろに乗れ!津波が来るかもしれないぞ!」
金髪の若い男が叫んだ。ナチュコとピナは助手席に、マリーアはチャプローと意識を失ったままのピヨをトラックの荷台に担ぎ上げると2人でピヨの両サイドについた。
男は千里浜ドライブウェイの砂浜から東に入り車を走らせた。街の信号機はすべて消えていた。カーナビのテレビはワンセグ発信が停まったのか消えたままなので、男はAMラジオに切り替えた。カーラジオから、「緊急地震速報」が流される。「4時10分、および4時12分に石川県能登地方で巨大な地震発生。津波の可能性があります。高台に逃げてください。」のアナウンスがひたすら繰り返される。
4時18分、再び大きな余震が起こった。
「ちっ!2度目の余震か!1年の原子力空母生活を終えて、せっかく揺れない陸地での2か月間のニューイヤー休暇で蟹と能登ビーフと温泉とジャパニーズSAKEを楽しみに来たっていうのになんてこった。」と独り言を呟きながら、地震で完全に倒壊した木造家屋とひびが入りところどころ隆起したアスファルトを右に左によけながら、海岸線から離れていく。
4時20分、ラジオから初回の揺れは4時10分。七尾市、輪島市、穴水町で最大震度6強であったと発表された。続いて中能登町、能登町の震度6弱、珠洲市の震度5強と発表された。繰り返し、各地の震度発表と「海沿いにいる人は急いで高台に逃げてください。命に関わる状況です。」のアナウンスが続いていた。
4時39分、3度目の大きな揺れが起こった。目の前でブロック塀が倒れ、立派な鬼瓦が屋根のセンターに据えられた日本家屋が崩れ危うくピックアップトラックの上に落ちるところを見事な急ハンドルでかわした。フロントのベンチチートの中央席に座っていたナチュコが揺さぶられ、男の左腕にしがみついた。
「かわいこちゃん、ラブシーンは地震が落ち着いてからな。とりあえず、広い所に出ないとな!」
とウインクされてナチュコは赤くなった。(「かわいこちゃん!」ってこの人、この状況でこの余裕って何?でもよく見ると横顔も金髪も素敵!非常時に「恋」が芽生える「吊り橋効果」ってやつ?)と一人で赤くなった。
男は、車を停めると、運転席側のパワーウインドウを降ろし荷台の3人に声をかけた。
「急ハンドル切ってしまってすまん。後ろの3人は大丈夫だったか?ちなみに今回の地震は震度6強だとさ。2011年3月の東北地震と同じだな。津波が心配だから先を急ぐからな。もう少し我慢してくれ!」
マリーアが「大丈夫。震源はどこって言ってた?ここより西なの?」と尋ねた時「ニュースは震源地は能登地方珠洲市周辺深さ16キロ。地震のエネルギーを示すマグニチュードは7.6。なお羽咋郡志賀町香能で最大震度7を記録したって言ってたよ。」と伝えた。
「あぁ、珠洲が震源ってことはここよりは東だな。まあ、津波の心配は少し薄れたわけだ。ところであんたらをどこに送っていけばいいんだ?とりあえずこの寒さの中「濡れネズミ」じゃ風邪をひいてしまうよな。」
男は大声を張り上げると、車を降り荷台に積んだ大きな防水バッグの中からアルミ蒸着フィルムのエマージェンシーシートを取り出すとマリーアに渡し「とりあえずの風しのぎに3人はこれにでも包まっていてくれ。「貧乏」なもんで屋根のない車ですまないな。」と小さく笑った。
マリーアは「ありがとう。助かるわ。」と小さく会釈をするとシートを広げてピヨの身体の上に広げた。
「ちなみに「コスモアイル羽咋」に行きたいんだけどお願いできるかな?」とマリーアが尋ねるとサムアップして笑った。
「オッケー、オッケー!NASAのレッドストーン・ロケットのあるところね。ちょうど俺も「アポロの月面着陸船カプセル」を見たかったんで良かったよ。まあ、正月休みで休館かな?カラカラカラ。」
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