6 / 38
「プロローグ 「まかせて屋」主任 羽藤蘭《はとう・らん》と50口径対物狙撃銃」
しおりを挟む
『最後に笑えりゃ勝ちなのよ2nd ~5つ星評価のよろずサービス「まかせて屋」の「元殺し屋」の女主任の物語~』
「プロローグ 「まかせて屋」主任 羽藤蘭と50口径対物狙撃銃」
暑かった夏が過ぎ、さわやかな風が流れるように頬を撫でる秋晴れの空の下で、この春に分譲が始まり、全室即完売となった新築大型マンション「ネオ・シティ門真」の平面駐車場に向かってスーツの襟に「秤」のバッジをつけた「原鉄雄」は急いでいた。
京阪電車の門真市駅、大阪モノレールの門真駅まで北へ徒歩5分。南に向かえば、元大手家電メーカーの門真工場があった場所に4年前にオープンした大型ショッピングモールやアウトレットで賑わう、門真市の一等地となった場所に「官民一体」で作られたマンションは、大きな公園や市立生涯学習複合施設等が併設されている。
「すんません。ちょっと遅れてしまいまして…。原法律事務所の原鉄雄と申します。どこまでお力になれるかわかりませんがよろしくお願いします。」
フロントガラス以外は濃いフルスモークで車内が全く見えない黒塗りの大型のベンツの周りに屯する十数人の人だかりの前で名刺を出し原は挨拶した。
下はスラックスに革靴、上は「(株)モリカドエステート」と胸に刺繍が入った青いブルゾン姿の男性2名は原の名刺を受け取ると、濃紺のスーツで黒い革の鞄を持ち、首からデジカメをぶら下げた原に状況説明する内容を、30代から70代の十人程の私服姿の男女が耳を傾け3人の会話に集中している。
「原先生、これがお電話でお話しさせてもらった「やくざ」のベンツですわ。もちろん、この駐車場スペースはこのマンションの住民向けの月極駐車場です。ベンツの止まっているこの場所は、ここのマンションの住人さんの契約駐車場ですから、このベンツは違法駐車っていうことですわ。
見てください。フロントダッシュボードの上に紙コップが置かれてるでしょ。レッカーで動かしたら、すぐこぼれてしまうトラップまでご丁寧に用意されてるんですよ。
まあ、この調子で好き勝手されて困ってるんです。「移動させてください」っていう注意書きをワイパーに挟んだり、ここで乗り込みに来るのを待って、我々、「管理会社」で話もしたんですけど、その時は「わかったわかった。」って言うだけで、帰ってきたらまた空いてるところに平気で止めよるんですよ。先生の方で何とかなりますか?」
モリカドエステートのブルゾンの男のひとりが、スーツ姿の男に話すと、「原先生」と呼ばれた男は大きなため息をついた。
「すんませんねぇ…。実際のところ、これといった「決定打」があれへんのが月極駐車場の「無断駐車問題」なんですよ…。」
「そんな、あんた「弁護士」やろ。訴訟でも何でもして、二度と不法駐車できへんようにしたってや。」
「せやせや、警察は「私有地の駐車場」やったら「建築物侵入罪」扱いで処分できるけど、マンションの駐車場は「民事不介入の原則」があるっていうて、あとは「法律屋と話せ」って言うだけで何もしてくれへんかった。」
「この間、来た行政書士なんかは「内容証明」送るだけで、逆にわしらに「絶対に「レッカー」移動や「タイヤロック」とかしたらあきまへんよ。訴えられますよ!」ってどっちの味方かわからへん次第や。」
「毎月、きちんと駐車場代払ってる私らが、なんで駅前の高い時間貸しの駐車場に行かなあかんのよ。何とかしてよ!」
と無断駐車に困らされた経験を持つ住民たちが口々に原に詰め寄った。
住人と管理会社の話によると、無断駐車はマンション完成と同時に始まり、半年以上にわたって続いているという事だった。
車の所有者は、「大阪市内在住の個人」となっているが、実質上の使用者は2015年8月に突如分裂した日本最大の「反社」で、現在も分裂抗争中の兵庫県に本拠を構える大手「指定暴力団」の企業舎弟の代表者で、門真周辺でパチンコ屋、夜の飲食店、貸金業等を営む実質的に門真に事務所をもつ中規模の「組」の幹部であることが確認されている。
直接、無断駐車禁止を申し立てた管理会社のスタッフの証言によると、日常的に無断駐車を繰り返し、シャツの襟もとから「彫り物」を見せる風貌から「素人」がおいそれと声をかけることが憚られる人物であるという。
原は、他所での同じような事案の排除例として「契約者」のみが開くことができる「リモコンゲート」の設置等を提案したが、被害に遭うのは「駅に近い」側の駐車場オーナーだけであり、被害に遭わない大多数のオーナーから管理組合費を使っての工事には反対を受けたことが伝えられた。
その後、話し合いは場所を駐車場からマンション管理会社・管理組合の会議室に移し、2時間にわたり話し合ったが結論が出ることは無かった。
あきらめ顔で住人たちが、一通の封筒を管理会社スタッフに渡し、会議室を出ると封筒の中身を読んだ管理会社スタッフから「泣き」が入った。
「原先生、被害者が団結して「管理会社」に駐車場代の値下げと、時間貸しでかかった費用の実費と「移動」の手間賃の要求を検討してるみたいです。
そんなことは会社としてできませんし、必要以上のコストをかけることもできません。原先生が最後の「頼みの綱」なんです。どうか、お力をお貸しください。」
二人で会議机に額を押しつけて頼み込む様子に原は困り果て、管理会社スタッフに断りを入れて、スマホを取り出し電話をかけた。
「すんません。原です。森先生のとこの近くの新しくできた大規模マンションの月極駐車場での「やくざ」の「無断駐車問題」なんですけど、ちょっと協力してもらえませんかねぇ…。」
約5分間、管理会社の二人は藁にもすがる気持ちで原の電話が終わるのを待った。
「じゃあ、今からそっちの事務所に行かせてもろていいですか?方角のわかる駐車場の図面と「対象物」の写真があったらええんですね。管理会社さんに条件確認出来て、準備できたらそっちに行きますわ。」
原はスマホを胸のポケットにしまうと、二人に小さな声で話しかけた。
「まあ、門真の「ウルトラマン」に頼んでみるしかないと思うんですけど、「排除」の方法にこだわらへんのやったら、「50万」で話をまとめてきますけどどないします?
リモコンゲートをつけて工事費が300万、住人さんに渡すリモコンが500個で約150万の合わせて450万円はかかりますわな。
訴訟を起こすにしても被害者が十数人になる連盟扱いの訴訟になるんで100万以上かかりますし、結審までに半年から1年…、判決が出て排除はできても「損害賠償」は「正規駐車場代」以上は期待できません。
ここは「1年保証」で「排除」させてもらいますけど、「詳細」は「他言無用」!そこだけが条件です。」
二人は顔を突き合わせて、カバンからいくつかの見積書を取り出し、電卓を叩いた。3分程、二人で打ち合わせた後、年配のスタッフが原に言った。
「わかりました。成功報酬で良ければ、「50万円」で結構です。どのような手法を使われるかわかりませんが、「他言無用」の条件もオッケーです。可能な限り、速やかに「無断駐車」を無くしてください。」
3日後の夜11時、やや肌寒く感じる金曜日、現在では「旧車会」と名を変えた70年代、80年代の古いオートバイに「直管マフラー」や「絞りハンドル」、「三段シート」、「メロディーホーン」をつけた「令和の暴走族」グループがにぎやかに府道2号線の中央環状線や国道163号線で爆音を響かせて自由に走り回っている。
「フォン、フォン、フォン」と小刻みにアクセルを開閉しながら蛇行運転を繰り返す古い空冷エンジンのバイクはキャブレター設定などせず、無調整でつけたであろうサイレンサーの無い直管マフラーのけたたましい騒音に混ざって「パン」、「パン」と排気管内爆発のミスファイアー音が夜空にこだまする。
マンション駐車場から直線距離で2300メートル離れた、関西電力の高圧電線鉄塔の下に、一台の軽ワゴン車が止まっている。運転席には太ったハゲかけの男と助手席でゴルフバッグを抱えた若い女が何やら話し込んでいる。
「羽藤さん、結局、何の銃にしたん?やっぱり人気の50口径「バレットM82」か?でも、バレットの有効射程は1800メートルやろ。ここからで大丈夫?」
太った男が質問をすると、女はゴルフバッグから全長1448ミリの長銃身のライフルを取り出した。
「みんな長距離射撃っていうと「映画」や「小説」の影響で「バレット」が頭に思い浮かぶんでしょうけど、実際にはかなり扱いにくいんですよねぇ。私も2番目の父が「近接戦闘はケガをするかもしれないから、今後はこれを使う安全な仕事にしなさい。」って最初に買ってくれた50口径が「バレット」やったんですけど、女の私には重すぎるのと反動が大きすぎてね…。
今回は鉄塔上るのに、さすがにフル装備で15キロオーバーはきついですよね…。それに足場も悪いしね。
という事で今回は、マクミラン・ファイアームズ社の50口径ライフルの「TAC50」を選びました。まあ、約12キロってことでいくらか軽いですし、今回みたいに「動かない」ターゲットなら装弾数5発で十分でしょうしね。ちなみにこいつは長距離狙撃で3540メートルの世界記録(※当時)持ちですよ。
私も2500(メートル)でヘッドショットしたことあります。ケラケラケラ。」
笑いながら、取り出した「TAC50」に5発入りの弾倉を差し込むと、男のスマホが鳴った。
「副島さん、「蘭ちゃん」、あと10分程で「暴走族のグループがそっちを通ります。準備は大丈夫ですか?」
スピーカーホンから男の声が響くと蘭と呼ばれた女は
「大丈夫。ジャパニーズマフィアのベンツなんか楽勝ですよ。たとえ「防弾」仕様になってたとしても「装甲車」の30ミリの強化鋼板でもぶち抜く「.50BMG弾」ですから、エンジンも運転席もぶち抜いて「即廃車」ですよ。じゃあ、今から鉄塔に上がりますね。」
と答えると、対物ライフルを肩から背中に袈裟懸けにすると軽ワゴンを降り、鉄塔を器用に登り始めた。
徐々に暴走族のやかましいエグゾーストノートが近づいてくる。
7分で約30メートル上り、女は鉄骨の継ぎ目のやや広くなった作業用足場にあぐらをかくと、鉄骨の組み合わさった交差部に銃身を乗せ、深呼吸して息を整えるのに10秒を費やした。
「Nightforce NX8―32×56」光学照準器で目標物を確認した。マンションの駐車場は適度な照明が灯され、目標物の大型の黒いベンツのセダンの天井から横っ腹がスコープの中に横たわっている。
(えっと、ベンツのガソリンタンクは後方トランクから後部座席までの間やから、上から斜めにエンジンに3発、運転席に2発打ち込んだらお終いやね。あー、止まってるでかい車がターゲットってあくびが出そうやな。さて、照準はオッケー!後は「暴走くん」達が来るのを待つか…。)
バイクの下品な排気音が近づいて来た。排気音に混ざって「ミスファイア」の「パン」、「パン」と排気管内で不完全燃焼の排気ガスが爆発する発破音が響いて来た。
「ガチャッ」、「パン」、「ガチャッ」、「パン」、「ガチャッ」、「パン」、「ガチャッ」、「パン」、「ガチャッ」、「パン」と暴走族が前の国道を通り過ぎるまでの15秒ほどの間に手動回転式ボルトレバーを捻っては、右手の人差し指の「腹」で引き金を絞った。
(任務完了!)女は、再び「TAC50」を背中に背負うとロープを鉄骨に通し、5秒のラベリング降下で地上に降り立った。
暴走族がけたたましく駆け抜け、静けさを取り戻した軽ワゴン車に戻るとゴルフバッグにライフルをしまい、後部座席に横置きにした。
「副島のおっちゃん、おまたせ!さあ、原先生も事務所で待ってるやろうから急いで帰ろうか。」
といつもと変わらぬテンションで女は太った男に声をかけるとワゴン車は国道に出て走り出した。
ワゴン車は「よろず相談承ります!金城司法書士事務所」と小さな表札がかかる古い3階建ての事務所兼住宅の木造戸建に戻ってきた。
「あっ、副島さんに蘭ちゃんお帰りなさい。「成功の報」で原先生、先にビール飲み始めてますよ。蘭ちゃんは「カシスチューハイ」、副島さんは「熱燗」でいいですか?」
と少し前に帰宅したばかりのライダージャケット姿の金城事務所の司法書士の「森健」が二人を迎えた。
金城事務所の補助者でフリーのコンサルタントの「副島大」は、「焼き鳥」と「フライドチキン」と「ハーゲンダッツ」の入ったコンビニ袋を森に渡し、
「あっという間にお終いや。キュートで優しい「元殺し屋さん」には、チタンのスプーン出して、先にアイスを食べさせたってんか。」
とだけ言うと、キッチンに入りフライドチキンをトースターに放り込み、カップ酒を電子レンジに入れ600ワットで「1分10秒」と入力すると加熱し始めた。
森からハーゲンダッツと缶チューハイを受け取った女は応接に入ると、先に缶ビールを飲んでいる原にぴょこんと頭を下げ挨拶をした。
「初めまして。「まかせて屋」の主任やらせてもらってます「羽藤蘭」です。よろしくお願いします。一応、「的」のエンジンに3発、運転席に2発打ち込んでます。まず、廃車は確実ですので、明日、現場確認お願いしますね。
再度、不法駐車が行われるようでしたら、いつでも言ってください。何度でも何度でも「相手」が折れるまで「排除」しますので。」
原は目を丸めて呟いた。
「ぎょへー、いかつい男の人を想像してたんやけど、ウルトラマンってこんなに可愛い女の子やったんや…。そんでもって「元殺し屋」ってか?こりゃ「事実は小説より奇なり」ってやつやな…。」
翌朝、朝8時に原はモリカドエステートの管理事務所に行ったがスタッフは不在だった。そこで駐車場に向かうと門真署のパトカー数台で刑事と数人の鑑識が4本のコーンに養生テープで留められた「進入禁止」と書かれた黄色いフィルムテープに囲まれた黒塗りのベンツの周りで作業をしていた。
「あぁ、原先生、朝早くにすみません。例のベンツなんですけど、朝見たら凄い穴だらけになってたんですよ。見てやってくださいよ!」
と管理会社のスタッフが原に声をかけてきた。
刑事に原のことを車の使用者に立ち退きの示談を頼もうとしていた弁護士で使用者の連絡先を知っている旨を伝えると、刑事は原から使用者の連絡先を聞き、その場で電話を入れた。
10分後、ベンツ使用者の「やくざ」が来て叫んだ。
「なんじゃこれっ!わしのベンツがバカでかい穴だらけやないかい!どこの組の仕業じゃい!それにしてもこれ、防弾仕様やぞ!いったいどないなっとんねん!それに、このワイパーに挟んだ「何度でも穴だらけにしたんぞ!門真の地上げ案件から手を引け!」ってメモはなんやねん!」
ひと目で廃車扱いとわかるボンネットに空いた3つの10センチほどの穴と2か所の銃痕で無残に破壊された運転席を見て、その場にへたり込んだ。
刑事の元に鑑識がやってきて、透明の5枚のビニール袋に入った「金属の塊」を見せて言った。
「私、元陸上自衛隊だったんで確信をもってお話しさせてもらいますけど、この「弾丸」は軍用の12.7ミリ弾で間違いないですね。こりゃ、素人の仕事じゃない。分裂した敵対している「組」の仕業で間違いないでしょう。それにしても最近のやくざは「物騒なもの」使うんですね。」
警察はレッカー車を呼び、「証拠物件」としてベンツを門真署に移動させた。刑事はやくざに
「いろいろと聞きたいこともあるから、一緒に門真署まで来てもらえるか。なんや、お前さんもえらい人に迷惑かけまくってるみたいやないか。
他にも聞きたいこともあるからな。まさか、断ることはせえへんよな?なんやったら「被害者事情聴取」から「任意同行」にしたってもええねんで。」
と言うと、やくざは項垂れてパトカーの後部座席に乗った。
ベンツが警察によりレッカー移動された後の駐車場のアスファルト面に5つの穴が開いているのが確認できた。
「まあ、これで一件落着ですわな。仮に、またあのやくざが「別の車」を駐めに来るようやったら、声かけてくださいね。」
と原が管理会社スタッフに声をかけると、丁寧に頭を下げ礼を述べた。
「ウルトラマンさんに「ありがとうございました」とお礼を伝えてください。まあ、あの様子でしたら、再発の心配もなさそうですけどね…。お代の方は、今日中に指定口座に振り込ませていただきます。お世話になりました。」
原は金城事務所の副島に「これにて一件落着!門真シティーは日本晴れ!」とラインでメッセージを送った。
「おまけ」
※AI君に「50口径対物狙撃ライフル」といっても通じない(笑)。
「プロローグ 「まかせて屋」主任 羽藤蘭と50口径対物狙撃銃」
暑かった夏が過ぎ、さわやかな風が流れるように頬を撫でる秋晴れの空の下で、この春に分譲が始まり、全室即完売となった新築大型マンション「ネオ・シティ門真」の平面駐車場に向かってスーツの襟に「秤」のバッジをつけた「原鉄雄」は急いでいた。
京阪電車の門真市駅、大阪モノレールの門真駅まで北へ徒歩5分。南に向かえば、元大手家電メーカーの門真工場があった場所に4年前にオープンした大型ショッピングモールやアウトレットで賑わう、門真市の一等地となった場所に「官民一体」で作られたマンションは、大きな公園や市立生涯学習複合施設等が併設されている。
「すんません。ちょっと遅れてしまいまして…。原法律事務所の原鉄雄と申します。どこまでお力になれるかわかりませんがよろしくお願いします。」
フロントガラス以外は濃いフルスモークで車内が全く見えない黒塗りの大型のベンツの周りに屯する十数人の人だかりの前で名刺を出し原は挨拶した。
下はスラックスに革靴、上は「(株)モリカドエステート」と胸に刺繍が入った青いブルゾン姿の男性2名は原の名刺を受け取ると、濃紺のスーツで黒い革の鞄を持ち、首からデジカメをぶら下げた原に状況説明する内容を、30代から70代の十人程の私服姿の男女が耳を傾け3人の会話に集中している。
「原先生、これがお電話でお話しさせてもらった「やくざ」のベンツですわ。もちろん、この駐車場スペースはこのマンションの住民向けの月極駐車場です。ベンツの止まっているこの場所は、ここのマンションの住人さんの契約駐車場ですから、このベンツは違法駐車っていうことですわ。
見てください。フロントダッシュボードの上に紙コップが置かれてるでしょ。レッカーで動かしたら、すぐこぼれてしまうトラップまでご丁寧に用意されてるんですよ。
まあ、この調子で好き勝手されて困ってるんです。「移動させてください」っていう注意書きをワイパーに挟んだり、ここで乗り込みに来るのを待って、我々、「管理会社」で話もしたんですけど、その時は「わかったわかった。」って言うだけで、帰ってきたらまた空いてるところに平気で止めよるんですよ。先生の方で何とかなりますか?」
モリカドエステートのブルゾンの男のひとりが、スーツ姿の男に話すと、「原先生」と呼ばれた男は大きなため息をついた。
「すんませんねぇ…。実際のところ、これといった「決定打」があれへんのが月極駐車場の「無断駐車問題」なんですよ…。」
「そんな、あんた「弁護士」やろ。訴訟でも何でもして、二度と不法駐車できへんようにしたってや。」
「せやせや、警察は「私有地の駐車場」やったら「建築物侵入罪」扱いで処分できるけど、マンションの駐車場は「民事不介入の原則」があるっていうて、あとは「法律屋と話せ」って言うだけで何もしてくれへんかった。」
「この間、来た行政書士なんかは「内容証明」送るだけで、逆にわしらに「絶対に「レッカー」移動や「タイヤロック」とかしたらあきまへんよ。訴えられますよ!」ってどっちの味方かわからへん次第や。」
「毎月、きちんと駐車場代払ってる私らが、なんで駅前の高い時間貸しの駐車場に行かなあかんのよ。何とかしてよ!」
と無断駐車に困らされた経験を持つ住民たちが口々に原に詰め寄った。
住人と管理会社の話によると、無断駐車はマンション完成と同時に始まり、半年以上にわたって続いているという事だった。
車の所有者は、「大阪市内在住の個人」となっているが、実質上の使用者は2015年8月に突如分裂した日本最大の「反社」で、現在も分裂抗争中の兵庫県に本拠を構える大手「指定暴力団」の企業舎弟の代表者で、門真周辺でパチンコ屋、夜の飲食店、貸金業等を営む実質的に門真に事務所をもつ中規模の「組」の幹部であることが確認されている。
直接、無断駐車禁止を申し立てた管理会社のスタッフの証言によると、日常的に無断駐車を繰り返し、シャツの襟もとから「彫り物」を見せる風貌から「素人」がおいそれと声をかけることが憚られる人物であるという。
原は、他所での同じような事案の排除例として「契約者」のみが開くことができる「リモコンゲート」の設置等を提案したが、被害に遭うのは「駅に近い」側の駐車場オーナーだけであり、被害に遭わない大多数のオーナーから管理組合費を使っての工事には反対を受けたことが伝えられた。
その後、話し合いは場所を駐車場からマンション管理会社・管理組合の会議室に移し、2時間にわたり話し合ったが結論が出ることは無かった。
あきらめ顔で住人たちが、一通の封筒を管理会社スタッフに渡し、会議室を出ると封筒の中身を読んだ管理会社スタッフから「泣き」が入った。
「原先生、被害者が団結して「管理会社」に駐車場代の値下げと、時間貸しでかかった費用の実費と「移動」の手間賃の要求を検討してるみたいです。
そんなことは会社としてできませんし、必要以上のコストをかけることもできません。原先生が最後の「頼みの綱」なんです。どうか、お力をお貸しください。」
二人で会議机に額を押しつけて頼み込む様子に原は困り果て、管理会社スタッフに断りを入れて、スマホを取り出し電話をかけた。
「すんません。原です。森先生のとこの近くの新しくできた大規模マンションの月極駐車場での「やくざ」の「無断駐車問題」なんですけど、ちょっと協力してもらえませんかねぇ…。」
約5分間、管理会社の二人は藁にもすがる気持ちで原の電話が終わるのを待った。
「じゃあ、今からそっちの事務所に行かせてもろていいですか?方角のわかる駐車場の図面と「対象物」の写真があったらええんですね。管理会社さんに条件確認出来て、準備できたらそっちに行きますわ。」
原はスマホを胸のポケットにしまうと、二人に小さな声で話しかけた。
「まあ、門真の「ウルトラマン」に頼んでみるしかないと思うんですけど、「排除」の方法にこだわらへんのやったら、「50万」で話をまとめてきますけどどないします?
リモコンゲートをつけて工事費が300万、住人さんに渡すリモコンが500個で約150万の合わせて450万円はかかりますわな。
訴訟を起こすにしても被害者が十数人になる連盟扱いの訴訟になるんで100万以上かかりますし、結審までに半年から1年…、判決が出て排除はできても「損害賠償」は「正規駐車場代」以上は期待できません。
ここは「1年保証」で「排除」させてもらいますけど、「詳細」は「他言無用」!そこだけが条件です。」
二人は顔を突き合わせて、カバンからいくつかの見積書を取り出し、電卓を叩いた。3分程、二人で打ち合わせた後、年配のスタッフが原に言った。
「わかりました。成功報酬で良ければ、「50万円」で結構です。どのような手法を使われるかわかりませんが、「他言無用」の条件もオッケーです。可能な限り、速やかに「無断駐車」を無くしてください。」
3日後の夜11時、やや肌寒く感じる金曜日、現在では「旧車会」と名を変えた70年代、80年代の古いオートバイに「直管マフラー」や「絞りハンドル」、「三段シート」、「メロディーホーン」をつけた「令和の暴走族」グループがにぎやかに府道2号線の中央環状線や国道163号線で爆音を響かせて自由に走り回っている。
「フォン、フォン、フォン」と小刻みにアクセルを開閉しながら蛇行運転を繰り返す古い空冷エンジンのバイクはキャブレター設定などせず、無調整でつけたであろうサイレンサーの無い直管マフラーのけたたましい騒音に混ざって「パン」、「パン」と排気管内爆発のミスファイアー音が夜空にこだまする。
マンション駐車場から直線距離で2300メートル離れた、関西電力の高圧電線鉄塔の下に、一台の軽ワゴン車が止まっている。運転席には太ったハゲかけの男と助手席でゴルフバッグを抱えた若い女が何やら話し込んでいる。
「羽藤さん、結局、何の銃にしたん?やっぱり人気の50口径「バレットM82」か?でも、バレットの有効射程は1800メートルやろ。ここからで大丈夫?」
太った男が質問をすると、女はゴルフバッグから全長1448ミリの長銃身のライフルを取り出した。
「みんな長距離射撃っていうと「映画」や「小説」の影響で「バレット」が頭に思い浮かぶんでしょうけど、実際にはかなり扱いにくいんですよねぇ。私も2番目の父が「近接戦闘はケガをするかもしれないから、今後はこれを使う安全な仕事にしなさい。」って最初に買ってくれた50口径が「バレット」やったんですけど、女の私には重すぎるのと反動が大きすぎてね…。
今回は鉄塔上るのに、さすがにフル装備で15キロオーバーはきついですよね…。それに足場も悪いしね。
という事で今回は、マクミラン・ファイアームズ社の50口径ライフルの「TAC50」を選びました。まあ、約12キロってことでいくらか軽いですし、今回みたいに「動かない」ターゲットなら装弾数5発で十分でしょうしね。ちなみにこいつは長距離狙撃で3540メートルの世界記録(※当時)持ちですよ。
私も2500(メートル)でヘッドショットしたことあります。ケラケラケラ。」
笑いながら、取り出した「TAC50」に5発入りの弾倉を差し込むと、男のスマホが鳴った。
「副島さん、「蘭ちゃん」、あと10分程で「暴走族のグループがそっちを通ります。準備は大丈夫ですか?」
スピーカーホンから男の声が響くと蘭と呼ばれた女は
「大丈夫。ジャパニーズマフィアのベンツなんか楽勝ですよ。たとえ「防弾」仕様になってたとしても「装甲車」の30ミリの強化鋼板でもぶち抜く「.50BMG弾」ですから、エンジンも運転席もぶち抜いて「即廃車」ですよ。じゃあ、今から鉄塔に上がりますね。」
と答えると、対物ライフルを肩から背中に袈裟懸けにすると軽ワゴンを降り、鉄塔を器用に登り始めた。
徐々に暴走族のやかましいエグゾーストノートが近づいてくる。
7分で約30メートル上り、女は鉄骨の継ぎ目のやや広くなった作業用足場にあぐらをかくと、鉄骨の組み合わさった交差部に銃身を乗せ、深呼吸して息を整えるのに10秒を費やした。
「Nightforce NX8―32×56」光学照準器で目標物を確認した。マンションの駐車場は適度な照明が灯され、目標物の大型の黒いベンツのセダンの天井から横っ腹がスコープの中に横たわっている。
(えっと、ベンツのガソリンタンクは後方トランクから後部座席までの間やから、上から斜めにエンジンに3発、運転席に2発打ち込んだらお終いやね。あー、止まってるでかい車がターゲットってあくびが出そうやな。さて、照準はオッケー!後は「暴走くん」達が来るのを待つか…。)
バイクの下品な排気音が近づいて来た。排気音に混ざって「ミスファイア」の「パン」、「パン」と排気管内で不完全燃焼の排気ガスが爆発する発破音が響いて来た。
「ガチャッ」、「パン」、「ガチャッ」、「パン」、「ガチャッ」、「パン」、「ガチャッ」、「パン」、「ガチャッ」、「パン」と暴走族が前の国道を通り過ぎるまでの15秒ほどの間に手動回転式ボルトレバーを捻っては、右手の人差し指の「腹」で引き金を絞った。
(任務完了!)女は、再び「TAC50」を背中に背負うとロープを鉄骨に通し、5秒のラベリング降下で地上に降り立った。
暴走族がけたたましく駆け抜け、静けさを取り戻した軽ワゴン車に戻るとゴルフバッグにライフルをしまい、後部座席に横置きにした。
「副島のおっちゃん、おまたせ!さあ、原先生も事務所で待ってるやろうから急いで帰ろうか。」
といつもと変わらぬテンションで女は太った男に声をかけるとワゴン車は国道に出て走り出した。
ワゴン車は「よろず相談承ります!金城司法書士事務所」と小さな表札がかかる古い3階建ての事務所兼住宅の木造戸建に戻ってきた。
「あっ、副島さんに蘭ちゃんお帰りなさい。「成功の報」で原先生、先にビール飲み始めてますよ。蘭ちゃんは「カシスチューハイ」、副島さんは「熱燗」でいいですか?」
と少し前に帰宅したばかりのライダージャケット姿の金城事務所の司法書士の「森健」が二人を迎えた。
金城事務所の補助者でフリーのコンサルタントの「副島大」は、「焼き鳥」と「フライドチキン」と「ハーゲンダッツ」の入ったコンビニ袋を森に渡し、
「あっという間にお終いや。キュートで優しい「元殺し屋さん」には、チタンのスプーン出して、先にアイスを食べさせたってんか。」
とだけ言うと、キッチンに入りフライドチキンをトースターに放り込み、カップ酒を電子レンジに入れ600ワットで「1分10秒」と入力すると加熱し始めた。
森からハーゲンダッツと缶チューハイを受け取った女は応接に入ると、先に缶ビールを飲んでいる原にぴょこんと頭を下げ挨拶をした。
「初めまして。「まかせて屋」の主任やらせてもらってます「羽藤蘭」です。よろしくお願いします。一応、「的」のエンジンに3発、運転席に2発打ち込んでます。まず、廃車は確実ですので、明日、現場確認お願いしますね。
再度、不法駐車が行われるようでしたら、いつでも言ってください。何度でも何度でも「相手」が折れるまで「排除」しますので。」
原は目を丸めて呟いた。
「ぎょへー、いかつい男の人を想像してたんやけど、ウルトラマンってこんなに可愛い女の子やったんや…。そんでもって「元殺し屋」ってか?こりゃ「事実は小説より奇なり」ってやつやな…。」
翌朝、朝8時に原はモリカドエステートの管理事務所に行ったがスタッフは不在だった。そこで駐車場に向かうと門真署のパトカー数台で刑事と数人の鑑識が4本のコーンに養生テープで留められた「進入禁止」と書かれた黄色いフィルムテープに囲まれた黒塗りのベンツの周りで作業をしていた。
「あぁ、原先生、朝早くにすみません。例のベンツなんですけど、朝見たら凄い穴だらけになってたんですよ。見てやってくださいよ!」
と管理会社のスタッフが原に声をかけてきた。
刑事に原のことを車の使用者に立ち退きの示談を頼もうとしていた弁護士で使用者の連絡先を知っている旨を伝えると、刑事は原から使用者の連絡先を聞き、その場で電話を入れた。
10分後、ベンツ使用者の「やくざ」が来て叫んだ。
「なんじゃこれっ!わしのベンツがバカでかい穴だらけやないかい!どこの組の仕業じゃい!それにしてもこれ、防弾仕様やぞ!いったいどないなっとんねん!それに、このワイパーに挟んだ「何度でも穴だらけにしたんぞ!門真の地上げ案件から手を引け!」ってメモはなんやねん!」
ひと目で廃車扱いとわかるボンネットに空いた3つの10センチほどの穴と2か所の銃痕で無残に破壊された運転席を見て、その場にへたり込んだ。
刑事の元に鑑識がやってきて、透明の5枚のビニール袋に入った「金属の塊」を見せて言った。
「私、元陸上自衛隊だったんで確信をもってお話しさせてもらいますけど、この「弾丸」は軍用の12.7ミリ弾で間違いないですね。こりゃ、素人の仕事じゃない。分裂した敵対している「組」の仕業で間違いないでしょう。それにしても最近のやくざは「物騒なもの」使うんですね。」
警察はレッカー車を呼び、「証拠物件」としてベンツを門真署に移動させた。刑事はやくざに
「いろいろと聞きたいこともあるから、一緒に門真署まで来てもらえるか。なんや、お前さんもえらい人に迷惑かけまくってるみたいやないか。
他にも聞きたいこともあるからな。まさか、断ることはせえへんよな?なんやったら「被害者事情聴取」から「任意同行」にしたってもええねんで。」
と言うと、やくざは項垂れてパトカーの後部座席に乗った。
ベンツが警察によりレッカー移動された後の駐車場のアスファルト面に5つの穴が開いているのが確認できた。
「まあ、これで一件落着ですわな。仮に、またあのやくざが「別の車」を駐めに来るようやったら、声かけてくださいね。」
と原が管理会社スタッフに声をかけると、丁寧に頭を下げ礼を述べた。
「ウルトラマンさんに「ありがとうございました」とお礼を伝えてください。まあ、あの様子でしたら、再発の心配もなさそうですけどね…。お代の方は、今日中に指定口座に振り込ませていただきます。お世話になりました。」
原は金城事務所の副島に「これにて一件落着!門真シティーは日本晴れ!」とラインでメッセージを送った。
「おまけ」
※AI君に「50口径対物狙撃ライフル」といっても通じない(笑)。
20
お気に入りに追加
48
あなたにおすすめの小説
【完結】『ながらスマホで56歳のおっさん霊を憑依させざるを得なくなった23歳の女劇団員「音玄万沙《ねくろ・まんさ》」の物語』
M‐赤井翼
現代文学
赤井です。
突然ですが、いきなり書き下ろしの新連載です。
7月13日に「赤井先生、「JK心亜ちゃん」の興行が好評だったんで、既に発注してる「OL心亜ちゃん」の前にもう一本「霊もの」書いてほしいねんけど!別の脚本家の「本」がボツ喰らっちゃったみたいで監督さんから急に8月興行ネタを頼まれてしもたんよ。今回も製本配布するんで公開スタートは19日、稿了は8月9日で200ページね!連載はお盆前後で完結でよろひこー!」ってな感じで、突如、制作スタート!
毎度のことながらゴーストライターに「拒否権」はナッシング(笑)。
今作は、納品先の新エースの「OL心亜ちゃん」役の女の子に合わせての設定で23歳の新人脚本家の「音玄万沙《ねくろ・まんさ》」ちゃん!
変な名前でしょ?「ネクロマンサー」っていうのは「死者や霊をを用いた術(ネクロマンシー)を使う人」で「屍術師」なんて言われ方もしますね。
赤井の大好きな名作アニメ「ゾンビランドサガ」1stシーズンの主題歌「徒花ネクロマンシー」の「ネクロマンシー」ですね。
まあ、万沙ちゃんはゾンビを蘇らせて「佐賀を救う」わけでもないし、降霊術を使って「世直し」するようなキャラじゃない(笑)。
そんな仰々しい物じゃなく、普通の23歳の女の子です。
自らのながらスマホの自転車事故で死ぬ予定だったんだけど、ひょんなことで巻き込まれた無関係の56歳のおっちゃんが代わりに死んじゃいます。その場で万沙ちゃんは「死神」から「現世」での「懲役務」として、死んだおっちゃんと1年半の「肉体一時使用貸借契約」することになっちゃうんですねー!
元「よろずコンサルタント」の「副島大《そえじま・ひろし》」の霊を憑依させての生活が始まります。
まあ、クライアントさんの納品先が「社会派」の監督さんなんで、「ながらスマホ」、「ホストにはまる女子高生」、「ブラック企業の新卒」、「連帯保証人債務」、「賃貸住宅物件の原状回復」、「いろんな金融業者」等々、社会問題について書けるとこまで書いてみたいと思いますので「ゆるーく」お付き合いください。
今回も書き上げ前の連載になりますので「目次」無しでスタートです(笑)。
では、7月19日からよろひこー!(⋈◍>◡<◍)。✧💓
『偽りのチャンピオン~元女子プロレスラー新人記者「安稀世」のスクープ日誌VOL.3』
M‐赤井翼
現代文学
元女子プロレスラー新人記者「安稀世」のスクープ日誌の3作目になります。
今回のお題は「闇スポーツ賭博」!
この春、メジャーリーグのスーパースターの通訳が起こした「闇スポーツ賭博」事件を覚えていますか?
日本にも海外「ブックメーカー」が多数参入してきています。
その中で「反社」や「海外マフィア」の「闇スポーツ賭博」がネットを中心にはびこっています。
今作は「闇スポーツ賭博」、「デジタルカジノ」を稀世ちゃん達が暴きます。
毎回書いていますが、基本的に「ハッピーエンド」の「明るい小説」にしようと思ってますので、安心して「ゆるーく」お読みください。
今作も、読者さんから希望が多かった、「直さん」、「なつ&陽菜コンビ」も再登場します。
もちろん主役は「稀世ちゃん」です。
このネタは3月から寝かしてきましたがアメリカでの元通訳の裁判は司法取引もあり「はっきりしない」も判決で終わりましたので、小説の中でくらいすっきりしてもらおうと思います!
もちろん、話の流れ上、「稀世ちゃん」が「レスラー復帰」しリングの上で暴れます!
リング外では「稀世ちゃん」たち「ニコニコ商店街メンバー」も大暴れしますよー!
皆さんからのご意見、感想のメールも募集しまーす!
では、10月9日本編スタートです!
よーろーひーこー!
(⋈◍>◡<◍)。✧♡
【完結】『突撃!東大阪産業大学ヒーロー部!』
M‐赤井翼
ライト文芸
今回の新作は「ヒーローもの」!
いつもの「赤井作品」なので、「非科学的」な「超能力」や「武器」を持ったヒーローは出てきません。
先に謝っておきます。
「特撮ヒーローもの」や「アメリカンヒーロー」を求められていた皆さん!
「ごめんなさい」!
「霊能力「を持たない「除霊師」に続いて、「普通の大学生」が主人公です。
でも、「心」は「ヒーロー」そのものです。
「東大阪産業大学ヒーロー部」は門真のローカルヒーローとしてトップを走る2大グループ「ニコニコ商店街の門真の女神」、「やろうぜ会」の陰に隠れた「地味地元ヒーロー」でリーダーの「赤井比呂」は
「いつか大事件を解決して「地元一番のヒーロー」になりたいと夢を持っている。
「ミニスカートでのアクションで「招き猫のブルマ」丸見えでも気にしない「デカレッド」と「白鳥雛子」に憧れる主人公「赤井比呂」」を筆頭に、女兄妹唯一の男でいやいや「タキシード仮面役」に甘んじてきた「兜光司」好きで「メカマニア」の「青田一番」、元いじめられっ子の引きこもりで「東映版スパイダーマン」が好きな「情報系」技術者の「木居呂太」、「電人ザボーガー」と「大門豊」を理想とするバイクマニアの「緑崎大樹」、科学者の父を持ち、素材加工の匠でリアル「キューティーハニー」のも「桃池美津恵」、理想のヒーローは「セーラームーン」という青田一番の妹の「青田月子」の6人が9月の海合宿で音連れた「舞鶴」の「通称 ロシア病院」を舞台に「マフィア」相手に大暴れ!
もちろん「通称 ロシア病院」舞台なんで「アレ」も登場しますよー!
ミリオタの皆さんもお楽しみに!
心は「ヒーロー」!
身体は「常人」の6人組が頑張りますので、応援してやってくださーい!
では、ゆるーく「ローカルヒーロー」の頑張りをお楽しみください!
よーろーひーこー!
(⋈◍>◡<◍)。✧♡
【完結】『夏子と陽菜の犯科帳4 THE FINAL~カルト新興宗教「魂の解放」から洗脳娘を救い出せ!~』
M‐赤井翼
現代文学
第3話から1年開いての「なつ陽菜犯科帳」の最終話です。
過去のお約束通り、最後はなっちゃんも陽菜ちゃんの「花嫁姿」で終わります!
今度の「敵」は、門真に転居してきた「武装カルト宗教組織」です。
偶然出会った、教団に妹を奪われたイケメン日南田大樹(ひなた・ひろき)の為になっちゃん&陽菜ちゃんと「やろうぜ会」メンバーが頑張ります。
武装化された宗教団体になっちゃん、ひなちゃん、そして「やろうぜ会」がどう戦いを挑むのか!
良太郎の新作メカも出てきます!
最終回という事で、ゲストとして「余命半年~」シリーズの稀世ちゃんと直さんも緊急参戦!
もう、何でもござれの最終回!
12月29日までの短期連載です!
応援お願いしまーす!
(⋈◍>◡<◍)。✧♡
【完結】『俺のマンガの原作者はかわいい浮遊霊小説家《ゴーストライター》』
M‐赤井翼
現代文学
赤井です。今回は、シリーズ物で無く書き下ろしの完全新作です。脚本家のクライアントさんから「今回ははっちゃけていいですよ~!」って言われたので「はっちゃけ」させていただきました。
今回のヒロインは「浮遊霊」です!「おばけ」ですよー!(*´▽`*)
「浮遊霊」の女の子が主人公なんで「ホラー・ミステリー大賞」にエントリーしようかとも思いましたが、ここは「現代文学カテゴリーで(笑)!
30歳までにデビューできなければ実家に戻らないといけない「崖っぷち漫画家志望のアシスタント」の「崖淵羅須斗《がけふち・らすと》」君とその部屋で不慮の死を遂げた浮遊霊の「浦方礼《うらかた・れい》」ちゃんの漫画出版までの「ゆるーい話」です。(ちょっとラブコメ(笑)!)
礼ちゃんは、私と同じ「ゴーストライター」です(笑)。「幽霊のゴーストライター」って書いてみたかったんですよね(笑)。
作中で「余命半年~」来た後でノベル化の依頼が無かった「稀世ちゃんスピンオフ」にちょっと触れます。昔からの読者さんに忖度です(笑)。
今回は、「難しい話」も「複雑なギミック」もありませんので「ほのぼの」読んでいただけましたら幸いです。ただ、フラグはいっぱい立ててるので「フラグ探し」を楽しんでください。
それでは3月31日完結予定ですので、月末まで「俺のマンガの原作者はかわいい浮遊霊小説家《ゴーストライター》」を「よーろーひーこー」!(⋈◍>◡<◍)。✧
【残り3話!】『脆弱能力巫女の古代女王「卑弥呼たん」門真市ニコニコ商店街に転生す!』
M‐赤井翼
現代文学
赤井です。
今回は、いつもの「ニコニコ商店街」と「こども食堂」を舞台に「邪馬台国」から「女王 卑弥呼たん」がなつ&陽菜の「こっくりさん」で召喚!
令和の世では「卑弥呼たんの特殊の能力」の「予言」も「天気予知」も「雨乞い能力」もスマホや水道の前には「過去の遺物」(´・ω・`)ショボーン。
こども食堂で「自信」を持って提供した「卑弥呼たん」にとっての最高のご馳走「塩むすび」も子供達からは「不評」…( ノД`)シクシク…。
でも、「女王 卑弥呼たん」はくじけない!
「元女王」としてのプライドをもって現代っ子に果敢にチャレンジ!
いつぞや、みんなの人気者に!
そんな「卑弥呼たん」になじんだ、こども食堂の人気者「陽葵ちゃん」に迫る魔の手…。
「陽葵ちゃん」が危機に陥った時、「古代女王 卑弥呼たん」に「怒りの電流」が流れる!
歴史マニア「赤井翼」の思う、「邪馬台国」と「卑弥呼」を思う存分に書かせてもらった「魏志倭人伝」、「古事記」、「日本書記」に「ごめんなさい!」の一作!
「歴史歪曲」と言わずに、「諸説あり」の「ひとつ」と思って「ゆるーく」読んでやってください!
もちろん最後は「ハッピーエンド」はお約束!
では、全11チャプターの「短期集中連載」ですのでよーろーひーこー!
(⋈◍>◡<◍)。✧♡
妹に傷物と言いふらされ、父に勘当された伯爵令嬢は男子寮の寮母となる~そしたら上位貴族のイケメンに囲まれた!?~
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢ヴィオレットは魔女の剣によって下腹部に傷を受けた。すると妹ルージュが“姉は子供を産めない体になった”と嘘を言いふらす。その所為でヴィオレットは婚約者から婚約破棄され、父からは娼館行きを言い渡される。あまりの仕打ちに父と妹の秘密を暴露すると、彼女は勘当されてしまう。そしてヴィオレットは母から託された古い屋敷へ行くのだが、そこで出会った美貌の双子からここを男子寮とするように頼まれる。寮母となったヴィオレットが上位貴族の令息達と暮らしていると、ルージュが現れてこう言った。「私のために家柄の良い美青年を集めて下さいましたのね、お姉様?」しかし令息達が性悪妹を歓迎するはずがなかった――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる