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「激闘編」
「ニコニコ防衛隊八人VS五十人超の半愚連軍団」
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「ニコニコ防衛隊八人VS五十人超の半愚連軍団」
9月14日午後8時55分、春田美羽は美波と真央が囚われたウイークリーマンションの向かいにある喫茶店の窓際の席に座って、紅茶を燻らしていた。向かいの席には厳つい男が三人座ってコーヒーを飲んでいる。
美羽は「Mihco」こと本田美波から昨日奪ったスマホの「【公式】Mihco」のツイッターを立ち上げると、タイトルに「「#Mihcoとやりパ」まもなくスタート!」のタイトルと本人コメント欄に「みんなお待たせ~!「Mihco」は302号室にいるよ~!お友達も一人いるけど一緒に遊んであげてね~!カギは一階にある302号室の集合ポストに入ってま~す。都合上、マンション正面口は使えないので横の自転車置き場の裏口から入ってね!じゃあ、楽しみに待ってま~す!」にタグで「#やりパスタート」、「#生OK!」、「#撮影OK」、「#動画拡散希望」と打ち込み送信した。
「これで「Mihco」もお終いね…。私の邪魔をする奴はみんなボロボロになって死んでしまえばいい。ふふふ。」
と独り言を言いながら、ウイークリーマンション周辺に路上駐車したお世辞にも「品」があるとは言えない大型ワゴンの改造車の車列を見つめた。
「ピロリーン」陽菜のスマホが鳴った。「Mihco」のツイッターの新着メッセージが更新された。内容を目にした陽菜とその後ろから画面を覗き込む稀世と直が「なんじゃこれ!とことん美羽いう奴は性格が歪んどんな。」、「せやな、こいつもあとでお仕置きが必要やのう。」と憤慨した。陽菜は「みんな、もう来るよ!準備はできてるよね?」とブルートゥースのイヤホンマイクで声をかけると、「了解!」、「OK」、「大丈夫」とグループ会話の通信が入ってきた。
「じゃあ、私と舩君は二階に行くわ。三階は稀世姉さんと直さんに任せるね。まあ、お二人に関しては何も心配はしてへんけどね。じゃあ、三朗兄さんはモニターお願いしますね。羽藤さんは全体指示をお願いします。一階はなっちゃんがやりすぎんようにまりあさんお願いしますね!じゃあ、ミッションフェーズ1スタート!」
陽菜と舩阪は部屋を出て中央の階段で二階へ、稀世と直は三階非常階段にむかった。
「ピロリーン」再び「Mihco」のツイッターが更新された。「もう待ちきれない!」のタイトルの下に
「Mihcoは302号室のユニットバスにいます。恥ずかしいけどMihcoの「性癖」書き込んじゃうね!私「首絞め」られちゃうとすぐいっちゃうの。正直に言います。「Mihco」は「どM」です。「きゃ~!」何書いてるんやろ。「恥ずかしい~」!あと、たくさんの人に同時に攻められたいかな(笑)!ワクワク!」
とメッセージが届いた。喫茶店の向かいで男たちの歓声が上がっているのが窓越しでもわかる。(えっ、なにこれ?私、こんなメッセージ送ってないわよ。どうなってるの?「Mihco」の入力パスワードは私しか知らないはずなのに…。)と美羽は手に持った「Mihco」のスマホをチェックした。管理画面に今受信したメッセージが追加されていた。
午後9時ジャスト。三度、「Mihco」のツイッターが更新された。「やりパスタート!」のタイトルの下に
「じゃじゃーん!発表しちゃいま~す!実は私は「処女」で~す!「Mihco」の最初をもらってくれるのは誰かな?もう濡れ濡れで待ってるよ~!オールナイトでぱーりーナイト!」
と表示されると、表の男たちが一斉に二、三台放置された自転車が残るだけの自転車置き場の奥の裏口へ殺到した。
黒いだぶだぶのタンクトップに、シルバーのインディアンジュエリーをジャラジャラとつけた脂ぎった男がドアノブに手をかけた瞬間、その男の肩や背を押す四人の男が一瞬のうちに倒れた。
「おいおい、後が詰まってんねんぞ!なにしとんねん!寝てるやつらは放り投げてどかせ!」、「せやせや、もう俺の股間がはち切れそうやねん、寝てるやつは「片しとけ」や!」
三人のグループらしき見るからに「半愚連」の男が前で倒れている五人の男を乱暴に足を使ってドアの前から横に蹴りだした。男たちが倒れたあとがぐっしょり濡れている。「なんじゃ、こいつらしょんべん漏らしてんのか?汚いのう…」と三人が先を争ってドアノブに手をかけると同時に男たちの頭髪が逆立ち、ビリビリと痙攣する光景が背後に列を作る順番待ちの男たちの目に入った。
まもなく三人の男たちも最初の五人の上に折り重なるように倒れた。後ろの列の一人が
「漏電して、ドアノブに電気が流れとるみたいやな。こりゃ、ブレーカー切らんと入られへんぞ。俺、電気工事の経験があるからブレーカー切りに行ってくるわ。その代わり俺が「Mihco」の「最初」はいただくで、ええな!」
と皆に声をかけると、特殊警棒を取り出し、ドアの横にある明り取りのガラス窓を三発の打撃で割り砕いた。サッシ下段のガラスを警棒できれいに除去すると、高さ2メートルの位置にある窓枠に手をかけ男は中に上半身を突っ込んだ。
男は窓枠に吸い込まれるように一瞬のうちに消えた。外で見ている皆が「おーっ!」と叫ぶと同時に窓越しに「がおっ!」と声が響いた。数秒の沈黙が続いた。
「…なんや、落ちよったんとちゃうか?どんくさい奴やな。もう待ってられへんから俺が行ってくるわ。」
と二番目の男が窓枠に手をかけ頭を突っ込み中の様子を覗き込むと「何やこれ!」と叫んだ瞬間、先ほどの男同様に一瞬でその姿は中に引きずり込まれ「ぐわっ、でげべべべ!」と悲鳴が響いた。
「おい、これってなんかやばいんとちゃうんか?警察の待ち伏せか?」、「あほっ、警察がそんな周りくどいことするかい?」とあたりがざわめくとマンションの中から「ほら夏子はよ塩を撒け」、「もう水タンク倒すぞ」と小さく声が漏れ伝わったのち
「もう電源は落としたから入れるでー!」
と大きな声がかかった。明らかに女の声だったがそれに気づかず男たちは歓声を上げて裏口に殺到した。照明の落とされた暗い廊下に十数人の男がなだれ込んできた。べしゃべしゃと足元に水しぶきをあげながら「集合ポストはどこや!」、「ポストは正面口にあったはずや!」とスマホのライトやLEDスポットライトを手にした男たちが廊下に倒れた先に侵入した二人を踏みつけて正面入口へと向かって行く。
一人の男がポストを見つけ「おっ!ほんまにカギがあったぞー!」と叫んだ。「おーっ!」と脂ぎった十数人の男の歓喜の声が廊下からピロティ―全体に響いた。
「まりあさん、照明つけるよ!」
と夏子の声が響くと、蛍光灯が灯った。男たちは階段の三段目に腰掛けている夏子とまりあの姿に目が向いた。「ここにも女が居るやん…」何が起こっているのか状況がわからず一瞬固まった。
「1、2、3、4…あー、ようさん居って数え切られへん!「どスケベ」な男たちを十人以上確認!まりあさん、スイッチ入れて!」
「あいよ!」
まりあが手元のスイッチを入れるとピロティ―や廊下に屯する男の足元に青白い光が立ち上り、全員が痙攣した。
「どや!飽和塩分濃度26%水溶液の交流100ボルトトランス増幅電流流しは!しっかり電気通して肩こりもすっきりやろ!おっと、左手は床につくなよ!心臓に近いところに通電したら死んでしまうからな!私らを人殺しにせんとってくれよ!」
と夏子が叫ぶと、「助けてください」、「死にたくない」と泣き叫ぶ男たちの声に混ざって、裏口方向から「あかん、この入り口は使われへん仕掛けがある。」、「そういえば非常階段があったぞ。そこから一気に三階に上ってカギなんかぶち壊してまえーっ!」と男達の声が聞こえた。
「稀世姉さん、陽菜ちゃん!あほどもは非常階段にむかったで!ここは十人ちょっとしか止められへんかったわ。」
との夏子の声に続いて、三朗の声で「一階裏口の前で八人倒れてます。確保願います」とブルートゥースのイヤホンから報告がなされた。
一階攻防戦は、裏口ドアノブと予め床に食塩水が撒かれた廊下に設置された獣害防止装置で入り口前で八人を撃退した。窓枠をぶち割って入ってきた二人は夏子がリサイクルショップニコニコから持ち出した、市販品最強の直流150万ボルトのスタンガンで瞬殺した。その後裏口からピロティ―までの約20平方メートルに捲かれた20キロの塩化ナトリウムに18リットルのポリタンク三缶の塩の飽和水溶液に流された交流100ボルト電源三か所合計30アンペアの攻撃により、屋内で十三人と合計二十三人の無力化に成功した。
さらに、通電カット後の復帰に備えて、長靴に分厚いゴム手袋をしてゴムのカッパを着た夏子とまりあで通電してろくに動けない男たちにアメリカのFBIでも簡易の手錠をして使用しているインシュロックやタイラップとも呼ばれるステンレス製の結束バンドで手足を縛りズボンのベルトやベルト通しで複数人を連結し、配管や手すりの支柱に括りつけ、電源を落とした。
手際よく約三分で作業を終了させ「私は二階で陽菜ちゃんに合流、まりあさんは三階の稀世姉さんと直さんに合流します。オーバー!」と夏子が皆に通信を送ると、再び裏口はロックして電流を流すと上階にむかった。
次に戦場となったのは、非常階段三階の踊り場だった。幅1メートルの狭い階段に押しかけた男たちはろくに身動きが取れない状況の中、器用に技を繰り出す稀世と直に次々と階下に蹴り落とされ、投げられた。階段で倒れた男たちは後から後から登ってくる男たちに踏み倒され勝手に無力化していった。十人が倒された後、いつもグループを組んでいるのであろう六人組がラグビーのスクラムのように肩を組み後ろから二組が押すことで直の合気術による投げ技を封じ押し込む作戦に出た。
「直さん、稀世、下がって!」
と一階から駆けつけたまりあの声が響いた。左手にボトル、右手にライターを持っている。「女がボトルを武器にしたくらいで止められると思うなよ!」と男が叫ぶが、まりあは全く動じず、ボトルを口に含み、ジッポ―ライターに火をつけ口の前30センチに寄せると「ぷーっ!」と口の中の酒を噴出した。
前方3メートルまで噴き出す青い炎に男たちはたじろぎそれまで取っていた前傾姿勢を解きのけぞった。ウォッカの炎を避け、後退したところに十三段上からの高低差を活かした稀世のロケットキックが最前面の男二人の胸に決まった。プロレスリングのコーナーポストは高さ1.4メートル。その倍の高さからのキックは六人の男を後方に蹴り落とすのに十分な威力があった。続いてまりあが倒れた男たちの上階の階段下面に手に持っていたウオッカのボトルをソフトボールの投手のように投げ上げると、男たちの頭上で割れ、ウオッカと割れたガラスが降り撒かれた。
まりあは笑顔でジッポライターに火をつけると「十秒あげる。ここで「ローストチキン」になるならそのままそこにいな!嫌なら今すぐ帰るんだね!」と「どす」の効いた
声で脅すと六人の男は大慌てで踵を返し階下に走り出したが、下から上がってきた男たちと正面衝突し、十数人の男が昭和の名作映画「蒲田行進曲」山場の「階段落ち」シーンのように団体で転がり落ち、無力化された。
「稀世ちゃん、さすがは60キロ爆弾のミサイルキックは破壊力抜群やのう!高低差を加えたら旧日本海軍の250キロ爆弾の威力やな!ビッグ日本プロレス最重量の海亮太選手もびっくりやのう!カラカラカラ。」
と直が笑うと
「60キロ爆弾とちゃいます!私59.8キロやし!失礼なこと言わんとって!」
と言いながら腹いせで足元に倒れていた男の顎を蹴り上げた。
羽藤が応援で加わり、まりあと羽藤と稀世で十四人の男に結束バンドで動きを封じた。手際よく手足を縛りあげる羽藤とまりあに対して、階段を転げ落ちた痛みでうごめく男たちの手が胸やお尻に触れるたびに「きゃー、何おっぱい触ってんねん!」、「いやーっ、私のお尻はサブちゃんだけしか触ったらあかんー!」と「二度しばき」をかけていくので遅々として作業は進まず、羽藤の組んだプログラムに遅延が生じているにもかかわらず、触った相手が動かなくなるまでストンピングをかけサッカーボールキックで頭を蹴飛ばし意識を刈り取っていった。
そんな稀世を見て笑っていた直は、ふと腕時計のストップウォッチを確認し、三階の廊下から二階の中央階段の陽菜と夏子と舩阪の応援にむかおうとするとグループ電話に陽菜からの声が入った。
「稀世姉さん、まりあさん、直さん!二階の非常階段のドアが破られてしもた。電気流してるんですけど、安物のゴム靴履いてるやつがいたみたいで舩君となっちゃんが格闘戦に入ってます。応援願います!」
続いて三朗の声も入ってきた。
「ドローンのカメラで確認したところ、二階に侵入したのは十人です。新たに十人程の人員が一階から非常階段を上がっていきます!稀世さんとまりあさんは非常階段を降りて防御してください!羽藤さんも確保が終わり次第応援にむかってください!」
9月14日午後8時55分、春田美羽は美波と真央が囚われたウイークリーマンションの向かいにある喫茶店の窓際の席に座って、紅茶を燻らしていた。向かいの席には厳つい男が三人座ってコーヒーを飲んでいる。
美羽は「Mihco」こと本田美波から昨日奪ったスマホの「【公式】Mihco」のツイッターを立ち上げると、タイトルに「「#Mihcoとやりパ」まもなくスタート!」のタイトルと本人コメント欄に「みんなお待たせ~!「Mihco」は302号室にいるよ~!お友達も一人いるけど一緒に遊んであげてね~!カギは一階にある302号室の集合ポストに入ってま~す。都合上、マンション正面口は使えないので横の自転車置き場の裏口から入ってね!じゃあ、楽しみに待ってま~す!」にタグで「#やりパスタート」、「#生OK!」、「#撮影OK」、「#動画拡散希望」と打ち込み送信した。
「これで「Mihco」もお終いね…。私の邪魔をする奴はみんなボロボロになって死んでしまえばいい。ふふふ。」
と独り言を言いながら、ウイークリーマンション周辺に路上駐車したお世辞にも「品」があるとは言えない大型ワゴンの改造車の車列を見つめた。
「ピロリーン」陽菜のスマホが鳴った。「Mihco」のツイッターの新着メッセージが更新された。内容を目にした陽菜とその後ろから画面を覗き込む稀世と直が「なんじゃこれ!とことん美羽いう奴は性格が歪んどんな。」、「せやな、こいつもあとでお仕置きが必要やのう。」と憤慨した。陽菜は「みんな、もう来るよ!準備はできてるよね?」とブルートゥースのイヤホンマイクで声をかけると、「了解!」、「OK」、「大丈夫」とグループ会話の通信が入ってきた。
「じゃあ、私と舩君は二階に行くわ。三階は稀世姉さんと直さんに任せるね。まあ、お二人に関しては何も心配はしてへんけどね。じゃあ、三朗兄さんはモニターお願いしますね。羽藤さんは全体指示をお願いします。一階はなっちゃんがやりすぎんようにまりあさんお願いしますね!じゃあ、ミッションフェーズ1スタート!」
陽菜と舩阪は部屋を出て中央の階段で二階へ、稀世と直は三階非常階段にむかった。
「ピロリーン」再び「Mihco」のツイッターが更新された。「もう待ちきれない!」のタイトルの下に
「Mihcoは302号室のユニットバスにいます。恥ずかしいけどMihcoの「性癖」書き込んじゃうね!私「首絞め」られちゃうとすぐいっちゃうの。正直に言います。「Mihco」は「どM」です。「きゃ~!」何書いてるんやろ。「恥ずかしい~」!あと、たくさんの人に同時に攻められたいかな(笑)!ワクワク!」
とメッセージが届いた。喫茶店の向かいで男たちの歓声が上がっているのが窓越しでもわかる。(えっ、なにこれ?私、こんなメッセージ送ってないわよ。どうなってるの?「Mihco」の入力パスワードは私しか知らないはずなのに…。)と美羽は手に持った「Mihco」のスマホをチェックした。管理画面に今受信したメッセージが追加されていた。
午後9時ジャスト。三度、「Mihco」のツイッターが更新された。「やりパスタート!」のタイトルの下に
「じゃじゃーん!発表しちゃいま~す!実は私は「処女」で~す!「Mihco」の最初をもらってくれるのは誰かな?もう濡れ濡れで待ってるよ~!オールナイトでぱーりーナイト!」
と表示されると、表の男たちが一斉に二、三台放置された自転車が残るだけの自転車置き場の奥の裏口へ殺到した。
黒いだぶだぶのタンクトップに、シルバーのインディアンジュエリーをジャラジャラとつけた脂ぎった男がドアノブに手をかけた瞬間、その男の肩や背を押す四人の男が一瞬のうちに倒れた。
「おいおい、後が詰まってんねんぞ!なにしとんねん!寝てるやつらは放り投げてどかせ!」、「せやせや、もう俺の股間がはち切れそうやねん、寝てるやつは「片しとけ」や!」
三人のグループらしき見るからに「半愚連」の男が前で倒れている五人の男を乱暴に足を使ってドアの前から横に蹴りだした。男たちが倒れたあとがぐっしょり濡れている。「なんじゃ、こいつらしょんべん漏らしてんのか?汚いのう…」と三人が先を争ってドアノブに手をかけると同時に男たちの頭髪が逆立ち、ビリビリと痙攣する光景が背後に列を作る順番待ちの男たちの目に入った。
まもなく三人の男たちも最初の五人の上に折り重なるように倒れた。後ろの列の一人が
「漏電して、ドアノブに電気が流れとるみたいやな。こりゃ、ブレーカー切らんと入られへんぞ。俺、電気工事の経験があるからブレーカー切りに行ってくるわ。その代わり俺が「Mihco」の「最初」はいただくで、ええな!」
と皆に声をかけると、特殊警棒を取り出し、ドアの横にある明り取りのガラス窓を三発の打撃で割り砕いた。サッシ下段のガラスを警棒できれいに除去すると、高さ2メートルの位置にある窓枠に手をかけ男は中に上半身を突っ込んだ。
男は窓枠に吸い込まれるように一瞬のうちに消えた。外で見ている皆が「おーっ!」と叫ぶと同時に窓越しに「がおっ!」と声が響いた。数秒の沈黙が続いた。
「…なんや、落ちよったんとちゃうか?どんくさい奴やな。もう待ってられへんから俺が行ってくるわ。」
と二番目の男が窓枠に手をかけ頭を突っ込み中の様子を覗き込むと「何やこれ!」と叫んだ瞬間、先ほどの男同様に一瞬でその姿は中に引きずり込まれ「ぐわっ、でげべべべ!」と悲鳴が響いた。
「おい、これってなんかやばいんとちゃうんか?警察の待ち伏せか?」、「あほっ、警察がそんな周りくどいことするかい?」とあたりがざわめくとマンションの中から「ほら夏子はよ塩を撒け」、「もう水タンク倒すぞ」と小さく声が漏れ伝わったのち
「もう電源は落としたから入れるでー!」
と大きな声がかかった。明らかに女の声だったがそれに気づかず男たちは歓声を上げて裏口に殺到した。照明の落とされた暗い廊下に十数人の男がなだれ込んできた。べしゃべしゃと足元に水しぶきをあげながら「集合ポストはどこや!」、「ポストは正面口にあったはずや!」とスマホのライトやLEDスポットライトを手にした男たちが廊下に倒れた先に侵入した二人を踏みつけて正面入口へと向かって行く。
一人の男がポストを見つけ「おっ!ほんまにカギがあったぞー!」と叫んだ。「おーっ!」と脂ぎった十数人の男の歓喜の声が廊下からピロティ―全体に響いた。
「まりあさん、照明つけるよ!」
と夏子の声が響くと、蛍光灯が灯った。男たちは階段の三段目に腰掛けている夏子とまりあの姿に目が向いた。「ここにも女が居るやん…」何が起こっているのか状況がわからず一瞬固まった。
「1、2、3、4…あー、ようさん居って数え切られへん!「どスケベ」な男たちを十人以上確認!まりあさん、スイッチ入れて!」
「あいよ!」
まりあが手元のスイッチを入れるとピロティ―や廊下に屯する男の足元に青白い光が立ち上り、全員が痙攣した。
「どや!飽和塩分濃度26%水溶液の交流100ボルトトランス増幅電流流しは!しっかり電気通して肩こりもすっきりやろ!おっと、左手は床につくなよ!心臓に近いところに通電したら死んでしまうからな!私らを人殺しにせんとってくれよ!」
と夏子が叫ぶと、「助けてください」、「死にたくない」と泣き叫ぶ男たちの声に混ざって、裏口方向から「あかん、この入り口は使われへん仕掛けがある。」、「そういえば非常階段があったぞ。そこから一気に三階に上ってカギなんかぶち壊してまえーっ!」と男達の声が聞こえた。
「稀世姉さん、陽菜ちゃん!あほどもは非常階段にむかったで!ここは十人ちょっとしか止められへんかったわ。」
との夏子の声に続いて、三朗の声で「一階裏口の前で八人倒れてます。確保願います」とブルートゥースのイヤホンから報告がなされた。
一階攻防戦は、裏口ドアノブと予め床に食塩水が撒かれた廊下に設置された獣害防止装置で入り口前で八人を撃退した。窓枠をぶち割って入ってきた二人は夏子がリサイクルショップニコニコから持ち出した、市販品最強の直流150万ボルトのスタンガンで瞬殺した。その後裏口からピロティ―までの約20平方メートルに捲かれた20キロの塩化ナトリウムに18リットルのポリタンク三缶の塩の飽和水溶液に流された交流100ボルト電源三か所合計30アンペアの攻撃により、屋内で十三人と合計二十三人の無力化に成功した。
さらに、通電カット後の復帰に備えて、長靴に分厚いゴム手袋をしてゴムのカッパを着た夏子とまりあで通電してろくに動けない男たちにアメリカのFBIでも簡易の手錠をして使用しているインシュロックやタイラップとも呼ばれるステンレス製の結束バンドで手足を縛りズボンのベルトやベルト通しで複数人を連結し、配管や手すりの支柱に括りつけ、電源を落とした。
手際よく約三分で作業を終了させ「私は二階で陽菜ちゃんに合流、まりあさんは三階の稀世姉さんと直さんに合流します。オーバー!」と夏子が皆に通信を送ると、再び裏口はロックして電流を流すと上階にむかった。
次に戦場となったのは、非常階段三階の踊り場だった。幅1メートルの狭い階段に押しかけた男たちはろくに身動きが取れない状況の中、器用に技を繰り出す稀世と直に次々と階下に蹴り落とされ、投げられた。階段で倒れた男たちは後から後から登ってくる男たちに踏み倒され勝手に無力化していった。十人が倒された後、いつもグループを組んでいるのであろう六人組がラグビーのスクラムのように肩を組み後ろから二組が押すことで直の合気術による投げ技を封じ押し込む作戦に出た。
「直さん、稀世、下がって!」
と一階から駆けつけたまりあの声が響いた。左手にボトル、右手にライターを持っている。「女がボトルを武器にしたくらいで止められると思うなよ!」と男が叫ぶが、まりあは全く動じず、ボトルを口に含み、ジッポ―ライターに火をつけ口の前30センチに寄せると「ぷーっ!」と口の中の酒を噴出した。
前方3メートルまで噴き出す青い炎に男たちはたじろぎそれまで取っていた前傾姿勢を解きのけぞった。ウォッカの炎を避け、後退したところに十三段上からの高低差を活かした稀世のロケットキックが最前面の男二人の胸に決まった。プロレスリングのコーナーポストは高さ1.4メートル。その倍の高さからのキックは六人の男を後方に蹴り落とすのに十分な威力があった。続いてまりあが倒れた男たちの上階の階段下面に手に持っていたウオッカのボトルをソフトボールの投手のように投げ上げると、男たちの頭上で割れ、ウオッカと割れたガラスが降り撒かれた。
まりあは笑顔でジッポライターに火をつけると「十秒あげる。ここで「ローストチキン」になるならそのままそこにいな!嫌なら今すぐ帰るんだね!」と「どす」の効いた
声で脅すと六人の男は大慌てで踵を返し階下に走り出したが、下から上がってきた男たちと正面衝突し、十数人の男が昭和の名作映画「蒲田行進曲」山場の「階段落ち」シーンのように団体で転がり落ち、無力化された。
「稀世ちゃん、さすがは60キロ爆弾のミサイルキックは破壊力抜群やのう!高低差を加えたら旧日本海軍の250キロ爆弾の威力やな!ビッグ日本プロレス最重量の海亮太選手もびっくりやのう!カラカラカラ。」
と直が笑うと
「60キロ爆弾とちゃいます!私59.8キロやし!失礼なこと言わんとって!」
と言いながら腹いせで足元に倒れていた男の顎を蹴り上げた。
羽藤が応援で加わり、まりあと羽藤と稀世で十四人の男に結束バンドで動きを封じた。手際よく手足を縛りあげる羽藤とまりあに対して、階段を転げ落ちた痛みでうごめく男たちの手が胸やお尻に触れるたびに「きゃー、何おっぱい触ってんねん!」、「いやーっ、私のお尻はサブちゃんだけしか触ったらあかんー!」と「二度しばき」をかけていくので遅々として作業は進まず、羽藤の組んだプログラムに遅延が生じているにもかかわらず、触った相手が動かなくなるまでストンピングをかけサッカーボールキックで頭を蹴飛ばし意識を刈り取っていった。
そんな稀世を見て笑っていた直は、ふと腕時計のストップウォッチを確認し、三階の廊下から二階の中央階段の陽菜と夏子と舩阪の応援にむかおうとするとグループ電話に陽菜からの声が入った。
「稀世姉さん、まりあさん、直さん!二階の非常階段のドアが破られてしもた。電気流してるんですけど、安物のゴム靴履いてるやつがいたみたいで舩君となっちゃんが格闘戦に入ってます。応援願います!」
続いて三朗の声も入ってきた。
「ドローンのカメラで確認したところ、二階に侵入したのは十人です。新たに十人程の人員が一階から非常階段を上がっていきます!稀世さんとまりあさんは非常階段を降りて防御してください!羽藤さんも確保が終わり次第応援にむかってください!」
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M‐赤井翼
現代文学
1年ぶりに復活の「余命半年を宣告された嫁が…」シリーズの第1弾!ニコニコ商店街・ニコニコポロレスのメンバーが再集結。稀世・三郎夫婦に3歳になったひまわりに直とまりあ。もちろん夏子&陽菜のコンビも健在。復帰第1弾の今作の主人公は「夏子」?淡路島イザナギ神社で知り合ったイケメン大使館員の「MK」も加わり10人の旅が始まる。ホテルの庭で偶然拾った二つの「古代ユダヤ支族の紋章の入った指輪」をきっかけに、古来ユダヤの巫女と化した夏子は「部屋荒らし」、「ひったくり」そして「追跡」と謎の外人に追われる!古代ユダヤの支族が日本に持ち込んだとされる「ソロモンの秘宝」と「アーク(聖櫃)」に入れられた「三種の神器」の隠し場所を夏子のお告げと客観的歴史事実を基にアークの追跡が始まる。もちろん最後は「ドンパチ」の格闘戦!7月1日までの集中連載で毎日更新の一騎掲載!アークと夏子とMKの恋の行方をお時間のある人はゆるーく一緒に見守ってあげてください!では、感想やイラストをメール募集しながら連載スタートでーす!(⋈◍>◡<◍)。✧♡
【完結】『ながらスマホで56歳のおっさん霊を憑依させざるを得なくなった23歳の女劇団員「音玄万沙《ねくろ・まんさ》」の物語』
M‐赤井翼
現代文学
赤井です。
突然ですが、いきなり書き下ろしの新連載です。
7月13日に「赤井先生、「JK心亜ちゃん」の興行が好評だったんで、既に発注してる「OL心亜ちゃん」の前にもう一本「霊もの」書いてほしいねんけど!別の脚本家の「本」がボツ喰らっちゃったみたいで監督さんから急に8月興行ネタを頼まれてしもたんよ。今回も製本配布するんで公開スタートは19日、稿了は8月9日で200ページね!連載はお盆前後で完結でよろひこー!」ってな感じで、突如、制作スタート!
毎度のことながらゴーストライターに「拒否権」はナッシング(笑)。
今作は、納品先の新エースの「OL心亜ちゃん」役の女の子に合わせての設定で23歳の新人脚本家の「音玄万沙《ねくろ・まんさ》」ちゃん!
変な名前でしょ?「ネクロマンサー」っていうのは「死者や霊をを用いた術(ネクロマンシー)を使う人」で「屍術師」なんて言われ方もしますね。
赤井の大好きな名作アニメ「ゾンビランドサガ」1stシーズンの主題歌「徒花ネクロマンシー」の「ネクロマンシー」ですね。
まあ、万沙ちゃんはゾンビを蘇らせて「佐賀を救う」わけでもないし、降霊術を使って「世直し」するようなキャラじゃない(笑)。
そんな仰々しい物じゃなく、普通の23歳の女の子です。
自らのながらスマホの自転車事故で死ぬ予定だったんだけど、ひょんなことで巻き込まれた無関係の56歳のおっちゃんが代わりに死んじゃいます。その場で万沙ちゃんは「死神」から「現世」での「懲役務」として、死んだおっちゃんと1年半の「肉体一時使用貸借契約」することになっちゃうんですねー!
元「よろずコンサルタント」の「副島大《そえじま・ひろし》」の霊を憑依させての生活が始まります。
まあ、クライアントさんの納品先が「社会派」の監督さんなんで、「ながらスマホ」、「ホストにはまる女子高生」、「ブラック企業の新卒」、「連帯保証人債務」、「賃貸住宅物件の原状回復」、「いろんな金融業者」等々、社会問題について書けるとこまで書いてみたいと思いますので「ゆるーく」お付き合いください。
今回も書き上げ前の連載になりますので「目次」無しでスタートです(笑)。
では、7月19日からよろひこー!(⋈◍>◡<◍)。✧💓
後悔と快感の中で
なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私
快感に溺れてしまってる私
なつきの体験談かも知れないです
もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう
もっと後悔して
もっと溺れてしまうかも
※感想を聞かせてもらえたらうれしいです
【完結】『夏子と陽菜の犯科帳4 THE FINAL~カルト新興宗教「魂の解放」から洗脳娘を救い出せ!~』
M‐赤井翼
現代文学
第3話から1年開いての「なつ陽菜犯科帳」の最終話です。
過去のお約束通り、最後はなっちゃんも陽菜ちゃんの「花嫁姿」で終わります!
今度の「敵」は、門真に転居してきた「武装カルト宗教組織」です。
偶然出会った、教団に妹を奪われたイケメン日南田大樹(ひなた・ひろき)の為になっちゃん&陽菜ちゃんと「やろうぜ会」メンバーが頑張ります。
武装化された宗教団体になっちゃん、ひなちゃん、そして「やろうぜ会」がどう戦いを挑むのか!
良太郎の新作メカも出てきます!
最終回という事で、ゲストとして「余命半年~」シリーズの稀世ちゃんと直さんも緊急参戦!
もう、何でもござれの最終回!
12月29日までの短期連載です!
応援お願いしまーす!
(⋈◍>◡<◍)。✧♡
【完結】「やさしい狂犬~元女子プロレスラー新人記者「安稀世」のスクープ日誌VOL.1~」
M‐赤井翼
現代文学
稀世ちゃんファン、お待たせしました。「なつ&陽菜4 THE FINAL」終わって、少し時間をいただきましたが、ようやく「稀世ちゃん」の新作連載開始です。
脇役でなく「主役」の「稀世ちゃん」が帰ってきました。
ただ、「諸事情」ありまして、「アラサー」で「お母さん」になってた稀世ちゃんが、「22歳」に戻っての復活です(笑)。
大人の事情は「予告のようなもの」を読んでやってください(笑)。
クライアントさんの意向で今作は「ミステリー」です。
皆様のお口に合うかわかりませんが一生懸命書きましたので、ちょっとページをめくっていただけると嬉しいです。
「最後で笑えば勝ちなのよ」や「私の神様は〇〇〇〇さん」のような、「普通の小説(笑)」です。
ケガで女子レスラーを引退して「記者」になった「稀世ちゃん」を応援してあげてください。
今作も「メール」は受け付けていますので
「よーろーひーこー」(⋈◍>◡<◍)。✧♡
【完結】『俺のマンガの原作者はかわいい浮遊霊小説家《ゴーストライター》』
M‐赤井翼
現代文学
赤井です。今回は、シリーズ物で無く書き下ろしの完全新作です。脚本家のクライアントさんから「今回ははっちゃけていいですよ~!」って言われたので「はっちゃけ」させていただきました。
今回のヒロインは「浮遊霊」です!「おばけ」ですよー!(*´▽`*)
「浮遊霊」の女の子が主人公なんで「ホラー・ミステリー大賞」にエントリーしようかとも思いましたが、ここは「現代文学カテゴリーで(笑)!
30歳までにデビューできなければ実家に戻らないといけない「崖っぷち漫画家志望のアシスタント」の「崖淵羅須斗《がけふち・らすと》」君とその部屋で不慮の死を遂げた浮遊霊の「浦方礼《うらかた・れい》」ちゃんの漫画出版までの「ゆるーい話」です。(ちょっとラブコメ(笑)!)
礼ちゃんは、私と同じ「ゴーストライター」です(笑)。「幽霊のゴーストライター」って書いてみたかったんですよね(笑)。
作中で「余命半年~」来た後でノベル化の依頼が無かった「稀世ちゃんスピンオフ」にちょっと触れます。昔からの読者さんに忖度です(笑)。
今回は、「難しい話」も「複雑なギミック」もありませんので「ほのぼの」読んでいただけましたら幸いです。ただ、フラグはいっぱい立ててるので「フラグ探し」を楽しんでください。
それでは3月31日完結予定ですので、月末まで「俺のマンガの原作者はかわいい浮遊霊小説家《ゴーストライター》」を「よーろーひーこー」!(⋈◍>◡<◍)。✧
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