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片思い
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俺、三浦緑音(みうら つかね)は、中学に入学すると同時に自分が幼馴染の東青涙(あずま はるい)に恋心を抱いていることを知った。
知ったきっかけは、本当に些細なことでふざけ合っているときに後ろから抱き着かれたからだった。普通ならなってことないことだけど、俺はそうじゃなかった。触れられただけで体が硬直し、チンコが立ってしまった。
相手に気づかれたのかは確認するのが怖くてできなかった。
そして決意した、まだばれてないとして今からでも距離を置こうと。
青涙は、顔がいいし彼女も途切れたことはない長続きしたこともないが、、
そんな彼のそばにいては自分が持たないと考えほかの友達を作ることにした。
そうしてできた友達、猫羽紅哉(ねこば こうや)と楽しく過ごして、三年間、青涙とは全く話すことなく過ごした。
気にかけてすらもらえないのかと少し悲しくなったが、それを友達が埋めてくれた。
エスカレーター式に、俺と紅哉は同じ高校へと進学した。それに青涙も。
▽
カツカツカツ…
黒板に文字を書いていく
ステンドグラス(2) 装飾(3) 演劇(2) 創造展(4) ちぎり絵(2) 喫茶店(4)
淡々とかかれとそれは、文化祭の出し物についてだ。
俺は、チョークを置きクラスのみんなのほうを見る。
他の教室よりも隙間の多いこのクラス、他はだいたい40人いるはずが、このクラスは17人である。
普通科、商業科、事務情報科の事務情報科にあたるこのクラスは、毎年人数が少ない。
入ってくる生徒はだいたい、勉強ができない者たちである、商業科もだが。
でも、人数が少なく自己主張がしやすいのは、人見知りの俺とはありがたい。
大変だが嫌いではない、イベントごとは、商業科と合同か今回のように学年ばらばらで協力する形となっている。
「じゃー、どれやりたいか、10分くらい時間とるから考えて~
早く決まったら名前書いてってね。」
そういって、元の席に戻り後ろにいる紅哉に話しかける。
「紅哉どうするん?湊(みなと)さんは、どこに行くかな~。」
湊さんとは、紅哉のお兄さん的存在で絶賛留年中である。
この町にある大きな神社でよく中学のころに紅哉と混ざって遊ばせてもらっていた。湊さんは、優しくて大人びていてとてもいいお兄さんで大好きだ。
「湊さんは~、ステンドグラスって言ってたぜ。俺は、湊さんと一緒がいいから、ステンドグラス行く!」
と勢いよく席を立ちステンドグラスの文字の下に自分の名前を書いた。
「じゃー、俺もそうしよ。」
ゆっくりと席を立ち紅哉の名前の下に自分の名前を書く。
さっとチョークを置き、振り返り紅哉の顔をじっと見る。
紅哉は、見られていることに気づき、ニコッと笑いかける、俺もにこっと笑顔になり、机に戻る。
このやり取りは大体一日に一回はやる。なぜか、幸せな気分になることができる。
俺らが、決めてから続々と空いているところに名前が埋まっていく、このクラスは、自己主張がない。
自分からは、動こうとしない周りをじっと見て探ることが多い。慎重でいいところかもだが俺はあまり好きではない。気持ちはわからないでもないけどな。
黒板を見ると、演劇の部分だけが残っていた。人数がオーバーしているのは、ステンドグラスかと創造展か…。
創造展は、男子に人気である。段ボールを切って、貼って、立体的な展示物を作ることができる。
一方、ステンドグラスは、女子に人気だ。なんせ、きれいだからな。こちらも切って貼ってだが、丁寧に素早くやることが重要だ。
紅哉にできるとは思えないが、、
「人数オーバーのところで集まって、じゃんけんだ。ステンドクラスこっち。創造展はあっちな。」
「「はーい」」
俺は、教室のロッカーあるほうを指さし指示する。
みんなめんどくさそうな顔をしながら、動いていく。
紅哉は、こぶしに息を吹きかけ気合を入れているようだ。
「それじゃ行くぞ」と声をかける。
「最初は、グーじゃんけん、、ポン!」、、、
俺は、バッと腕を上げた。
よっしゃーー!!
心の中でそう思いながら、紅哉を見る。紅哉もうれしそうにこちらを見ている。
なんと、二人がちだったのだ。運が良すぎて怖いほどだ。
紅哉がこちらに歩いてくる。
「やったな!まさか二人で勝てるなんてな!!」
そういって、紅哉は手を差し出し
バシッと俺の手とがっちり手を握った。
「そうだな!!」
いい気分のまま、文化祭の役割決めは終わった。
▽
学校が終われば、紅哉ともさよならをし一人家へと帰る。
家にいるのは、ばあちゃんである。
「ただいま~」
二重になっている玄関の二つ目を開け、大きな声でばあちゃんに帰ってきたことを伝える。
「おかえりー。」
茶の間のドアを開けると
ソファーに座りながら靴下を編んでいるばあちゃんがいた。
老眼鏡をしているもののばあちゃんはすごく元気である。
山菜を取りに行ったり、民宿で働いたりしている。
そそくさと自分の定位置であるストーブの前にいき、制服から私服に着替える。
今日の晩御飯を聞こうとした時。
「今日、おじさん帰ってくるから。」
「へー、そうなんだ。」
俺は、あーもう1週間たったのかと思った。
この、おじさんは父さんの弟で一週間に一度帰ってくる。
この町より少しはずれにあるため、買いだめをするために休みの日は実家であるうちに帰ってくる。
おじさんとは、非常に仲がいいと周りからは思われている。
実際、そうなのだが俺の中では何とも言えない位置である。
仲良くしなければならない。
身内だらけだからそうするしかなかったのだろう。
会えば楽しいのに、、と少し憂鬱気味になりながらハンガーに制服をかけていく。
この気持ちは、青涙なら少しはわかってくれるだろうと勝手に思っている。
行くところがあそこしかなかったから。でも、
青涙はもう、あの約束を覚えていないだろうなとまた一人で傷ついた。
知ったきっかけは、本当に些細なことでふざけ合っているときに後ろから抱き着かれたからだった。普通ならなってことないことだけど、俺はそうじゃなかった。触れられただけで体が硬直し、チンコが立ってしまった。
相手に気づかれたのかは確認するのが怖くてできなかった。
そして決意した、まだばれてないとして今からでも距離を置こうと。
青涙は、顔がいいし彼女も途切れたことはない長続きしたこともないが、、
そんな彼のそばにいては自分が持たないと考えほかの友達を作ることにした。
そうしてできた友達、猫羽紅哉(ねこば こうや)と楽しく過ごして、三年間、青涙とは全く話すことなく過ごした。
気にかけてすらもらえないのかと少し悲しくなったが、それを友達が埋めてくれた。
エスカレーター式に、俺と紅哉は同じ高校へと進学した。それに青涙も。
▽
カツカツカツ…
黒板に文字を書いていく
ステンドグラス(2) 装飾(3) 演劇(2) 創造展(4) ちぎり絵(2) 喫茶店(4)
淡々とかかれとそれは、文化祭の出し物についてだ。
俺は、チョークを置きクラスのみんなのほうを見る。
他の教室よりも隙間の多いこのクラス、他はだいたい40人いるはずが、このクラスは17人である。
普通科、商業科、事務情報科の事務情報科にあたるこのクラスは、毎年人数が少ない。
入ってくる生徒はだいたい、勉強ができない者たちである、商業科もだが。
でも、人数が少なく自己主張がしやすいのは、人見知りの俺とはありがたい。
大変だが嫌いではない、イベントごとは、商業科と合同か今回のように学年ばらばらで協力する形となっている。
「じゃー、どれやりたいか、10分くらい時間とるから考えて~
早く決まったら名前書いてってね。」
そういって、元の席に戻り後ろにいる紅哉に話しかける。
「紅哉どうするん?湊(みなと)さんは、どこに行くかな~。」
湊さんとは、紅哉のお兄さん的存在で絶賛留年中である。
この町にある大きな神社でよく中学のころに紅哉と混ざって遊ばせてもらっていた。湊さんは、優しくて大人びていてとてもいいお兄さんで大好きだ。
「湊さんは~、ステンドグラスって言ってたぜ。俺は、湊さんと一緒がいいから、ステンドグラス行く!」
と勢いよく席を立ちステンドグラスの文字の下に自分の名前を書いた。
「じゃー、俺もそうしよ。」
ゆっくりと席を立ち紅哉の名前の下に自分の名前を書く。
さっとチョークを置き、振り返り紅哉の顔をじっと見る。
紅哉は、見られていることに気づき、ニコッと笑いかける、俺もにこっと笑顔になり、机に戻る。
このやり取りは大体一日に一回はやる。なぜか、幸せな気分になることができる。
俺らが、決めてから続々と空いているところに名前が埋まっていく、このクラスは、自己主張がない。
自分からは、動こうとしない周りをじっと見て探ることが多い。慎重でいいところかもだが俺はあまり好きではない。気持ちはわからないでもないけどな。
黒板を見ると、演劇の部分だけが残っていた。人数がオーバーしているのは、ステンドグラスかと創造展か…。
創造展は、男子に人気である。段ボールを切って、貼って、立体的な展示物を作ることができる。
一方、ステンドグラスは、女子に人気だ。なんせ、きれいだからな。こちらも切って貼ってだが、丁寧に素早くやることが重要だ。
紅哉にできるとは思えないが、、
「人数オーバーのところで集まって、じゃんけんだ。ステンドクラスこっち。創造展はあっちな。」
「「はーい」」
俺は、教室のロッカーあるほうを指さし指示する。
みんなめんどくさそうな顔をしながら、動いていく。
紅哉は、こぶしに息を吹きかけ気合を入れているようだ。
「それじゃ行くぞ」と声をかける。
「最初は、グーじゃんけん、、ポン!」、、、
俺は、バッと腕を上げた。
よっしゃーー!!
心の中でそう思いながら、紅哉を見る。紅哉もうれしそうにこちらを見ている。
なんと、二人がちだったのだ。運が良すぎて怖いほどだ。
紅哉がこちらに歩いてくる。
「やったな!まさか二人で勝てるなんてな!!」
そういって、紅哉は手を差し出し
バシッと俺の手とがっちり手を握った。
「そうだな!!」
いい気分のまま、文化祭の役割決めは終わった。
▽
学校が終われば、紅哉ともさよならをし一人家へと帰る。
家にいるのは、ばあちゃんである。
「ただいま~」
二重になっている玄関の二つ目を開け、大きな声でばあちゃんに帰ってきたことを伝える。
「おかえりー。」
茶の間のドアを開けると
ソファーに座りながら靴下を編んでいるばあちゃんがいた。
老眼鏡をしているもののばあちゃんはすごく元気である。
山菜を取りに行ったり、民宿で働いたりしている。
そそくさと自分の定位置であるストーブの前にいき、制服から私服に着替える。
今日の晩御飯を聞こうとした時。
「今日、おじさん帰ってくるから。」
「へー、そうなんだ。」
俺は、あーもう1週間たったのかと思った。
この、おじさんは父さんの弟で一週間に一度帰ってくる。
この町より少しはずれにあるため、買いだめをするために休みの日は実家であるうちに帰ってくる。
おじさんとは、非常に仲がいいと周りからは思われている。
実際、そうなのだが俺の中では何とも言えない位置である。
仲良くしなければならない。
身内だらけだからそうするしかなかったのだろう。
会えば楽しいのに、、と少し憂鬱気味になりながらハンガーに制服をかけていく。
この気持ちは、青涙なら少しはわかってくれるだろうと勝手に思っている。
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