ツンデレヒロインの逆襲

朽木昴

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最終話 フラれた恨みはどこへいく

フラれた恨みはどこへいく 7ページ目

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「それより、早紀副会長。私が早紀副会長に言ったのは『舞星さんのスマホにある証拠を見せてもらう』だったと思うんですけどー?」

「はにゃ? そういえば、そうだったのだー」

「そ、そうよね、それくらい常識だもんねっ。べ、別に知らなかったわけじゃ、ないのよ。ただ、みんなを試しただけ、なんだから」

「ツンデレで誤魔化してもダメですよー、朱音先輩っ」

「うぅ、奈乃ちゃんのいじわるぅぅぅぅぅぅ」

「なんでわたくしは、こんな人に投票してしまったのかしら。まぁいいわ、拓馬さんとのイチャラブを探せばいいんですね」

「数日以内のイチャラブでお願いしますねー」

 イチャラブってどんな内容なんだろう。

 そもそも、私と拓馬はそんなやり取りしてましたっけ?

 うん、ラインは私の一方通行だったよね。

 電話は全部私からかけてたし、唯一拓馬から電話がきたのはフラれた日の朝だけ。

 これってもしかして……本当に付き合ってたのかな。

 でも、学校が終われば途中まで一緒に帰ってたし、デートだって二回もしてるんだから。

 ファミレスでご飯だけ食べるだけで──って、今考えると、それはデートとは言わないじゃないよね。

 しかも、私がお金を出した記憶しかないよっ。
 これってつまり──ただご飯奢っただけじゃない!

 こんなんで満足してた当時の私っていったい……。あぅ、自己嫌悪で心が闇堕ちしちゃいそうだよ。

「ところで舞星さん、拓馬とのイチャラブは見つかりましたか? ぜひ内容を見てみたいんですけどっ」

「このラインとかどうでしょう?」


『おはよう、マイハニー(ハートマーク)。きららの胸は俺だけのモノだから、誰にも渡すんじゃないぜ? それと、貰ったプレゼントだけど、カノジョたちの中で二番目に高価なモノだったな』


 色々とツッコミどころ満載のラインですね。朝から胸の話題とか、私に対する当てつけなのねっ。それに、まるで胸にしか興味がない感じとか最低よ。最初は貧乳ツンデレが好きとか言ってたクセにね。

 だいたい、プレゼントの価値とかわざわざ言う必要ないでしょ。気持ちが大切じゃないの気持ちが! ま、まぁ、いくら気持ちがこもってても、愛の歌(自作)とかはさすがに引きますけど。

「この人、自意識過剰だね。胸は大きければいいというわけじゃないよ。だって、ボ、ク、の、会長は胸がなくても十分魅力的なんだから」

「あ、あの、葵ちゃん? 私は胸がないわけじゃないからね? 誰がなんて言おうと、世間一般的なレベルのサイズだよ? だから──そんな目で見ないでよぉぉぉぉぉぉ」

「ボクはそんな会長をすべて受け入れるよ。だから、安心してこの胸に飛び込んでよ。そして、ボクと会長の新婚生活を始めようか」

「絶対に始めないからぁぁぁぁぁぁ」

 落として上げるなんて高度なテクニックを使うとは、葵ちゃん、学習したのね。

「他のやり取りとかはないのー? サキも騙されないようにするため、ゲス男のやり方を色々と知りたいのだー」

「あっ、それなら、このやり取りとかいいかと思いますわ」


『今日さ、すっげー美人見かけたんだよね。マジやばいってぐらいさ。べ、別に告白とかするつもりないんだけど、とりあえずキープしようと思ったんだ。だから、とりあえずラインゲットしたぜ。あっ、こんなこと言えるのは、お前だけだからな?』


 ツンデレになりきれてないからぁぁぁぁぁぁ。

 というよりも、堂々と浮気宣言してますし。

 あっ、拓馬はそういう人でしたね。

 ツンデレっぽく言えば、なんでも許されるとかありえないです。これは立派なツンハラですねっ。
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