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最終話 フラれた恨みはどこへいく
フラれた恨みはどこへいく 3ページ目
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「ただいま戻りましたっ。みんな、心配かけてごめんね、少し外の空気を吸いたかっただけだったのよ」
「朱音会長、サキは心配したんだよー。お詫びに頭を撫でて欲しいのだー」
「仕方ないなぁ、早紀先輩は甘えん坊なんだから」
「えへへ、これでサキは許してあげるのだー」
「それじゃボクも──」
「葵ちゃんもなの? しょうがないなっ、ほら遠慮なんていらないんだからねっ」
「熱い口づけを希望するよ」
「それはダメに決まってますからぁぁぁぁぁぁ」
まったく、葵ちゃんは行動パターンに捻りがなさすぎよ。
あっても困っちゃうけどね。
でも、このテンプレ的対応が今は嬉しいかな。
「すが……リアコン王子も心配かけてごめんねっ。って、そっちの人は、ひょっとしなくても魔性さんですか?」
「僕の名前を言い直さないでくださいよぉぉぉぉぉぉ」
「ちよっと、管くん邪魔よっ、しかもうるさいし。お久しぶりね、ひょっとしなくても、その魔性──じゃなくて舞星ですっ」
「あはははは、似たようなモノだから気にしないでねっ」
「気にするに決まってますわ。せっかく、協力しようと思ってましたのに」
協力って、いったいなんのことだろう。
ま、まさか、私と管君をくっつけようとしてるのねっ。
そんな、それは嬉しい──じゃなくて、ボランティア地獄へ落ちるじゃないのっ。
はっ、わかったよ、これは罠ね、絶対にそうよ。私から生徒会長の座を奪おうとしてるに違いない。きっと、魔性の力で管君を虜にして、私のスキャンダルを狙う作戦ね。ふふふふ、なかなかいい作戦だけど、悪女奈乃ちゃんほどじゃないかな。
魔性の女、ここに敗れたりだよ。
「甘いわね、舞星さん。その手には乗らないからっ。私とリアコン王子を付き合わせて、生徒会長の座から引きずり降ろそうとしてるんでしょっ。だいたいね、そんなことしなくたって、私は──」
「何寝ぼけたこと言ってるのかしら。わたくしは拓馬さんへの復讐に協力するって、言いたいだけよ」
「えっ、そ、そうなんだ。はっ、私はいったい何を言いかけたんだろう」
「朱音先輩の代わりに、私が続きを話しましょうかー?」
「ノォォォォォォ。だ、大丈夫だよ、朱音ちゃん。間に合ってるからねっ」
「はにゃ? 朱音会長は何が言いたかったのー?」
「それはですねー、朱音先輩は──」
あ、危なかった、まさに人生危機一髪だったよ。
奈乃ちゃんの口を塞ぐのが少しでも遅れたら──私は闇堕ちしてたね。
というよりも、なんで奈乃ちゃんがそれを知ってるんですかっ。い、いや、また私の早とちりかもしれないよ。こうやって自爆を誘うのが、悪女の狙いに違いないもの。
でも、本当にそうなのか、こっそり聞いてみよう、かな。
「朱音会長、サキは心配したんだよー。お詫びに頭を撫でて欲しいのだー」
「仕方ないなぁ、早紀先輩は甘えん坊なんだから」
「えへへ、これでサキは許してあげるのだー」
「それじゃボクも──」
「葵ちゃんもなの? しょうがないなっ、ほら遠慮なんていらないんだからねっ」
「熱い口づけを希望するよ」
「それはダメに決まってますからぁぁぁぁぁぁ」
まったく、葵ちゃんは行動パターンに捻りがなさすぎよ。
あっても困っちゃうけどね。
でも、このテンプレ的対応が今は嬉しいかな。
「すが……リアコン王子も心配かけてごめんねっ。って、そっちの人は、ひょっとしなくても魔性さんですか?」
「僕の名前を言い直さないでくださいよぉぉぉぉぉぉ」
「ちよっと、管くん邪魔よっ、しかもうるさいし。お久しぶりね、ひょっとしなくても、その魔性──じゃなくて舞星ですっ」
「あはははは、似たようなモノだから気にしないでねっ」
「気にするに決まってますわ。せっかく、協力しようと思ってましたのに」
協力って、いったいなんのことだろう。
ま、まさか、私と管君をくっつけようとしてるのねっ。
そんな、それは嬉しい──じゃなくて、ボランティア地獄へ落ちるじゃないのっ。
はっ、わかったよ、これは罠ね、絶対にそうよ。私から生徒会長の座を奪おうとしてるに違いない。きっと、魔性の力で管君を虜にして、私のスキャンダルを狙う作戦ね。ふふふふ、なかなかいい作戦だけど、悪女奈乃ちゃんほどじゃないかな。
魔性の女、ここに敗れたりだよ。
「甘いわね、舞星さん。その手には乗らないからっ。私とリアコン王子を付き合わせて、生徒会長の座から引きずり降ろそうとしてるんでしょっ。だいたいね、そんなことしなくたって、私は──」
「何寝ぼけたこと言ってるのかしら。わたくしは拓馬さんへの復讐に協力するって、言いたいだけよ」
「えっ、そ、そうなんだ。はっ、私はいったい何を言いかけたんだろう」
「朱音先輩の代わりに、私が続きを話しましょうかー?」
「ノォォォォォォ。だ、大丈夫だよ、朱音ちゃん。間に合ってるからねっ」
「はにゃ? 朱音会長は何が言いたかったのー?」
「それはですねー、朱音先輩は──」
あ、危なかった、まさに人生危機一髪だったよ。
奈乃ちゃんの口を塞ぐのが少しでも遅れたら──私は闇堕ちしてたね。
というよりも、なんで奈乃ちゃんがそれを知ってるんですかっ。い、いや、また私の早とちりかもしれないよ。こうやって自爆を誘うのが、悪女の狙いに違いないもの。
でも、本当にそうなのか、こっそり聞いてみよう、かな。
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