ツンデレヒロインの逆襲

朽木昴

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第6話 復讐は密のように甘かった

復讐は蜂蜜のように甘かった 10ページ目

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 私……管君に酷いこと言っちゃったかな。

 謝らないとダメだよね、でないと管君に悪いもの。

 きっと私のために動いて──って、なんで管君はそこまでしてくれたんだろ? ま、まさか……いやいやいや、そんなことありえないよ。管君が私のことを、す、好き、だなんて。

 ま、待って、なんで照れるのよ私! 別に期待なんてしてないし、そもそも管君は私のタイプじゃ──ないはずよね。そうよ、だからあんまり気にしちゃダメなのよっ。

「そうだったのね、悪かったわよ、その……ごめんなさい……」

「わかってくれてよかったです。それに、これは僕が勝手にやったことですから、誤解されても仕方ありませんよ」

 今日はやけに素直じゃないの。

 あれ? 奈乃ちゃんがニヤニヤしてるってことは──やっぱり管君が何をしてたのか、全部知ってたのね。くっ、知ってた上であたかも想定外のようなことを言うなんて……。悪女に隙なんてまったくなかったよ。

 きっと私の反応を見て楽しんでるに違いないね。

「それでは朱音先輩、引導を渡しに行きましょうか」

「ふぇっ!? 引導ってどこに……」

「もちろん、理事長室に決まってますよー」

 想像の世界にいた私は一瞬ドキッとするも、投票の結果を伝えにリベンジャーズは魔女の住まう部屋──すなわち、理事長室へと向かっていった。


 ──コンコン。

「リベンジャーズです。理事長、結果が出ましたので、報告に来ました」

「開いてるから勝手に入るがよい」

『失礼します』

 理事長室って初めて入ったけど、こんなに怪しいモノばかりなのかな。というかこれって、ツンデレ道場に全部あったモノじゃないのっ。あれは全部、理事長の趣味だったのね。

 それに、加地先生も一緒にいるじゃない。怪しげな置き物たちに気を取られて、気づくのが遅くなったよ。だけど、もうすぐあの顔を見なくなるって思うと、嬉しさで心が弾けそうだね。

「理事長、それとついでに加地先生」

「俺はついでかよ……」

「投票の結果、お二人のクビが決まりましたので、伝えにきました」

 ん? なんだか様子がおかしいよ。

 余裕があるというか、まるで結果すら気にしてないような──。

「その必要はないぞ。お主らには悪いのだが、あの校則は無効にさせてもらうぞ」

「そんなこと許されるわけが──」

「この学園はワシのモノじゃ。だからのぉ、ワシの言うことは絶対なのじゃよ」

「だって、この学園は生徒会もとい、リベンジャーズに権限が与えられてるはずでしょう!」

 そうよ、この学園は生徒の自立が方針のひとつだもん。

 だからこそ、リベンジャーズに権限を与えてるし、メンバーも生徒たちが慎重に選んでいるのにっ。
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