ツンデレヒロインの逆襲

朽木昴

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第6話 復讐は密のように甘かった

復讐は蜂蜜のように甘かった 8ページ目

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「そうだー、えっとね、噂を広めてるときにねー、リアコン王子が新聞部の部長さんとラブラブトークしてたのだー」

「えっ、それって、どういうことなの。校内恋愛は禁止のはずでしょ」

「うーん、なんかねー、人目を気にしながら、必死に口説いてるように見えたよー」

 何よそれ、校内恋愛禁止だっていうのに、なんで女子を口説いてるのよ。しかも、相手があのエセお嬢様だなんて……。

 もう知らない、管君のことなんて知らないんだからっ。

 こうなったら、拓馬と一緒に地獄へ送ってあげるもん。私あれだけの写真を見たがってたくせに、管君のばかっ。

「へ、へぇー、そうなんだ。私にはリアコン王子が何してようと関係ないですけどね。べ、別に気になんかしてないから、ただ、リベンジャーズの仕事をサボってるのが許せないだけ、よ」

「どうしたんですか、会長? まさか、リアコン王子を──」

「ち、違うからっ、私はあんな人、なんとも思ってないんだからねっ」

「い、いえ、クビにするのかなって、思っただけなんだけど」

 はうっ、何よこの敗北感は……。

 これじゃまるで、自爆したみたいじゃないの。そうよ、こんなときこそ、落ち着かないとダメよ。心を冷静にして、気持ちを切り替えないとっ。

「だ、大丈夫よ、クビになんてしないからねっ」

「それを聞いて安心したよ。なんだかんだで、リアコン王子がいないと、いじる相手がいなくて寂しいからね」

「そ、そうね。あんなのでも、いた方がリベンジャーズのため、だもんね」

「早紀副会長、リアコン王子が話してた内容とかわかりますかー?」

「うんとねー、デートがどうとか言ってたと思うよー」

「で、デートですって!? それはどういう意味なんですかっ!」

「あ、朱音会長、落ち着いてなのだー。そんなに激しく揺らすと、サキが酔っちゃうよー」

「ご、ごめんなさい。つい、興奮しちゃいました」

 不覚よ、早紀先輩の肩を揺らして問い詰めるだなんて、これじゃまるで、私が管君を気にしてるみたいじゃない。

 これは絶対に違う、だって私が管君に──だなんて、ありえないもん。これは、私がリベンジャーズのリーダーだから、メンバーを管理しないといけないだけ、だもん。他の意味なんて、ぜーったいに、ないんだからっ。

「気にしなくていいのだー、動揺するのは仕方がないことなのだー」

「べ、別に気にしてないし動揺もしてませんっ」

 結局、管君はあのエセお嬢様が好みのタイプだってことよね。だから会議中なのにあんなにイチャイチャして……。その上デートの約束とか、リベンジャーズのメンバーが校則を破ってどうするんですか。

 というより、デートって校内恋愛に含まれるのかな。そうよ、そうだよね、別に恋愛してるわけじゃないし、デートだけなら問い詰めるのは無理があるよね。

 だ、け、ど、管君たけは絶対にボランティア地獄に落としてやるんだからっ。

「朱音先輩、大丈夫ですよー。多分、朱音先輩が思ってるようなことは、絶対にないと思います」

「わ、私はリアコン王子のことなんて、考えてないんだからねっ」

「誰もリアコン王子のこととは、言ってませんけどねー」

 もう、またなのね、なんて狡猾な罠なの……。

 うぅ、恥ずかしすぎて顔が真っ赤だよぉ。

 これも、ぜーんぶっ、管君が悪いんだからっ。
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