ツンデレヒロインの逆襲

朽木昴

文字の大きさ
上 下
68 / 83
第6話 復讐は密のように甘かった

復讐は蜂蜜のように甘かった 8ページ目

しおりを挟む
「そうだー、えっとね、噂を広めてるときにねー、リアコン王子が新聞部の部長さんとラブラブトークしてたのだー」

「えっ、それって、どういうことなの。校内恋愛は禁止のはずでしょ」

「うーん、なんかねー、人目を気にしながら、必死に口説いてるように見えたよー」

 何よそれ、校内恋愛禁止だっていうのに、なんで女子を口説いてるのよ。しかも、相手があのエセお嬢様だなんて……。

 もう知らない、管君のことなんて知らないんだからっ。

 こうなったら、拓馬と一緒に地獄へ送ってあげるもん。私あれだけの写真を見たがってたくせに、管君のばかっ。

「へ、へぇー、そうなんだ。私にはリアコン王子が何してようと関係ないですけどね。べ、別に気になんかしてないから、ただ、リベンジャーズの仕事をサボってるのが許せないだけ、よ」

「どうしたんですか、会長? まさか、リアコン王子を──」

「ち、違うからっ、私はあんな人、なんとも思ってないんだからねっ」

「い、いえ、クビにするのかなって、思っただけなんだけど」

 はうっ、何よこの敗北感は……。

 これじゃまるで、自爆したみたいじゃないの。そうよ、こんなときこそ、落ち着かないとダメよ。心を冷静にして、気持ちを切り替えないとっ。

「だ、大丈夫よ、クビになんてしないからねっ」

「それを聞いて安心したよ。なんだかんだで、リアコン王子がいないと、いじる相手がいなくて寂しいからね」

「そ、そうね。あんなのでも、いた方がリベンジャーズのため、だもんね」

「早紀副会長、リアコン王子が話してた内容とかわかりますかー?」

「うんとねー、デートがどうとか言ってたと思うよー」

「で、デートですって!? それはどういう意味なんですかっ!」

「あ、朱音会長、落ち着いてなのだー。そんなに激しく揺らすと、サキが酔っちゃうよー」

「ご、ごめんなさい。つい、興奮しちゃいました」

 不覚よ、早紀先輩の肩を揺らして問い詰めるだなんて、これじゃまるで、私が管君を気にしてるみたいじゃない。

 これは絶対に違う、だって私が管君に──だなんて、ありえないもん。これは、私がリベンジャーズのリーダーだから、メンバーを管理しないといけないだけ、だもん。他の意味なんて、ぜーったいに、ないんだからっ。

「気にしなくていいのだー、動揺するのは仕方がないことなのだー」

「べ、別に気にしてないし動揺もしてませんっ」

 結局、管君はあのエセお嬢様が好みのタイプだってことよね。だから会議中なのにあんなにイチャイチャして……。その上デートの約束とか、リベンジャーズのメンバーが校則を破ってどうするんですか。

 というより、デートって校内恋愛に含まれるのかな。そうよ、そうだよね、別に恋愛してるわけじゃないし、デートだけなら問い詰めるのは無理があるよね。

 だ、け、ど、管君たけは絶対にボランティア地獄に落としてやるんだからっ。

「朱音先輩、大丈夫ですよー。多分、朱音先輩が思ってるようなことは、絶対にないと思います」

「わ、私はリアコン王子のことなんて、考えてないんだからねっ」

「誰もリアコン王子のこととは、言ってませんけどねー」

 もう、またなのね、なんて狡猾な罠なの……。

 うぅ、恥ずかしすぎて顔が真っ赤だよぉ。

 これも、ぜーんぶっ、管君が悪いんだからっ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

Color4

dupi94
青春
高校一年生の岡本行雄は、自分のすべてから目を背けるほどの事故から始まった悲惨な中学時代を経て、新たなスタートを心待ちにしていた。すべてが順調に始まったと思ったそのとき、彼は教室に懐かしい顔ぶれを見つけました。全員が異なる挨拶をしており、何が起こったのかについての記憶がまだ残っています。ユキオは、前に進みたいなら、まず自分の過去と向き合わなければならないことを知っていました。新しい友達の助けを借りて、彼は幼なじみとの間の壊れた絆を修復するプロセスを開始しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

家路

tsu
青春
主人公が青春時代に偶然出会った三人の女の子との思い出話。

僕とやっちゃん

山中聡士
青春
高校2年生の浅野タケシは、クラスで浮いた存在。彼がひそかに思いを寄せるのは、クラスの誰もが憧れるキョウちゃんこと、坂本京香だ。 ある日、タケシは同じくクラスで浮いた存在の内田靖子、通称やっちゃんに「キョウちゃんのこと、好きなんでしょ?」と声をかけられる。 読書好きのタケシとやっちゃんは、たちまち意気投合。 やっちゃんとの出会いをきっかけに、タケシの日常は変わり始める。 これは、ちょっと変わった高校生たちの、ちょっと変わった青春物語。

将棋部の眼鏡美少女を抱いた

junk
青春
将棋部の青春恋愛ストーリーです

三姉妹の姉達は、弟の俺に甘すぎる!

佐々木雄太
青春
四月—— 新たに高校生になった有村敦也。 二つ隣町の高校に通う事になったのだが、 そこでは、予想外の出来事が起こった。 本来、いるはずのない同じ歳の三人の姉が、同じ教室にいた。 長女・唯【ゆい】 次女・里菜【りな】 三女・咲弥【さや】 この三人の姉に甘やかされる敦也にとって、 高校デビューするはずだった、初日。 敦也の高校三年間は、地獄の運命へと導かれるのであった。 カクヨム・小説家になろうでも好評連載中!

美術部ってさ!

久世 かやの
青春
美術部の話って、あまりない気がしたので書いてみました(^^) 各章、独立した話ですので、章ごとに短編的にお楽しみ頂けます。 ※Berry's Cafe・小説家になろうにて同時掲載しています。

坊主の誓い

S.H.L
青春
新任教師・高橋真由子は、生徒たちと共に挑む野球部設立の道で、かけがえのない絆と覚悟を手に入れていく。試合に勝てば坊主になるという約束を交わした真由子は、生徒たちの成長を見守りながら、自らも変わり始める。試合で勝利を掴んだその先に待つのは、髪を失うことで得る新たな自分。坊主という覚悟が、教師と生徒の絆をさらに深め、彼らの未来への新たな一歩を導く。青春の汗と涙、そして覚悟を描く感動の物語。

処理中です...