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第6話 復讐は密のように甘かった
復讐は蜂蜜のように甘かった 7ページ目
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「奈乃ちゃん、ひとつ気になることがあるんだけど、HPの更新って誰がやってるのかなっ?」
「それはパソコン部にお願いしてありますよー。もちろん、内容は私が考えたモノなので、安心してくださいー」
奈乃ちゃんはやっぱり頼りになるね。悪女を極めてるだけのことはあるよ。それにしても、何が書いてあるのかすごく気になるけど──。
うん、気にしたら負けだよね。
だって、もし禁断のページを開いちゃったら──きっと心が後悔色に染まって奈落に落ちゃうもん。
「ところで奈乃ちゃん、このあとは何をするのかなっ?」
「私たちは特に何もしないよー。果報は寝て待つだけかな。あとは、早紀副会長がうまくやってくれるはずだからねー」
「そうなんだ、それなら、午後の授業は寝てればいいんだねっ」
「よし、ボクは会長に添い寝するよ」
「いや、そういう意味じゃないんだけどー?」
放送室は大きな笑い声に包まれ、私たち三人は遅いお昼のため屋上へ向かい始める。外は雲ひとつない青空が広がっており、この復讐劇を祝っているように見えた。
放課後のリベンジャーズルームには、いつものメンバーが集まっていた。
ただひとりを除いて……。
「今日も元気にー、って、誰か足りないような──」
「他に誰かいましたっけー?」
「ボクは会長しか目に入ってないよ」
「みんなひどいのだー。リアコン王子を忘れてるよー」
「あっ……。そういえば、そうでしたね」
まっ、いてもいなくても同じですけど。というより、どうせ私の意見に反対するだけですし、いない方がせいせいするんだからっ。それに──きっとまだ怒ってるもんね。
べ、別に管君からどう思われようと、私には関係ないけどっ。でも、黙っていなくなるのは、少し寂しい、かな。はっ、ち、違うの、これはそういう意味じゃなくて──。
「朱音先輩、独り言ですかー? それに、なんだか顔が少し赤いような」
「ひゃっ!? な、なんでもない、よ。まったく、リベンジャーズ会議をサボるだなんて、リアコン王子は責任感がないよ。うん、本当に責任感がないね」
「そういえば、副会長は何をしてたのかな? 奈乃さんから密命を受けてたみたいですけど」
「はにゃ? ふっふっふっ、聞いて驚くのだー。サキはあの二人の黒い噂を流してたのだー」
「早紀先輩、どんな噂を流したんですか?」
「えっとねー、まず加地先生の噂はねー、JKを言葉攻めで辱めて、大泣きさせたって流したんだよー」
「さ、早紀先輩、それって、自分で考えたんですか?」
「もちろんー、えらいでしょ? 頭撫でもいいんだよー?」
ある意味そうですけど、言い方に悪意を感じるよ。
でも、本当に早紀先輩が考えたのかな。そのニュアンスは悪女っぽい気がするのよね。ちょっとだけ、加地先生が気の毒に感じますけど、身から出た錆だから仕方ないかな。
「う、うん。気持ちで撫でておきますね。それで、理事長の方は、どういう噂を流したんですか?」
「えへへ、理事長のは、なのちゃんの脚色なしだよー。言葉巧みに生徒を騙して、生徒からお金を巻き上げたって」
「そ、そうね、それは事実だもんね。って、やっぱり奈乃ちゃんが考えてたんじゃないーっ」
「あっ、これは言っちゃダメだったの、忘れてたー」
あんなこと、早紀先輩が考えられるはずないものね。
やはり、裏で手を引いていたのは悪女奈乃ちゃんだったよ。
あとは、この噂がどれだけ力を発揮できるかなんだけど。
「それはパソコン部にお願いしてありますよー。もちろん、内容は私が考えたモノなので、安心してくださいー」
奈乃ちゃんはやっぱり頼りになるね。悪女を極めてるだけのことはあるよ。それにしても、何が書いてあるのかすごく気になるけど──。
うん、気にしたら負けだよね。
だって、もし禁断のページを開いちゃったら──きっと心が後悔色に染まって奈落に落ちゃうもん。
「ところで奈乃ちゃん、このあとは何をするのかなっ?」
「私たちは特に何もしないよー。果報は寝て待つだけかな。あとは、早紀副会長がうまくやってくれるはずだからねー」
「そうなんだ、それなら、午後の授業は寝てればいいんだねっ」
「よし、ボクは会長に添い寝するよ」
「いや、そういう意味じゃないんだけどー?」
放送室は大きな笑い声に包まれ、私たち三人は遅いお昼のため屋上へ向かい始める。外は雲ひとつない青空が広がっており、この復讐劇を祝っているように見えた。
放課後のリベンジャーズルームには、いつものメンバーが集まっていた。
ただひとりを除いて……。
「今日も元気にー、って、誰か足りないような──」
「他に誰かいましたっけー?」
「ボクは会長しか目に入ってないよ」
「みんなひどいのだー。リアコン王子を忘れてるよー」
「あっ……。そういえば、そうでしたね」
まっ、いてもいなくても同じですけど。というより、どうせ私の意見に反対するだけですし、いない方がせいせいするんだからっ。それに──きっとまだ怒ってるもんね。
べ、別に管君からどう思われようと、私には関係ないけどっ。でも、黙っていなくなるのは、少し寂しい、かな。はっ、ち、違うの、これはそういう意味じゃなくて──。
「朱音先輩、独り言ですかー? それに、なんだか顔が少し赤いような」
「ひゃっ!? な、なんでもない、よ。まったく、リベンジャーズ会議をサボるだなんて、リアコン王子は責任感がないよ。うん、本当に責任感がないね」
「そういえば、副会長は何をしてたのかな? 奈乃さんから密命を受けてたみたいですけど」
「はにゃ? ふっふっふっ、聞いて驚くのだー。サキはあの二人の黒い噂を流してたのだー」
「早紀先輩、どんな噂を流したんですか?」
「えっとねー、まず加地先生の噂はねー、JKを言葉攻めで辱めて、大泣きさせたって流したんだよー」
「さ、早紀先輩、それって、自分で考えたんですか?」
「もちろんー、えらいでしょ? 頭撫でもいいんだよー?」
ある意味そうですけど、言い方に悪意を感じるよ。
でも、本当に早紀先輩が考えたのかな。そのニュアンスは悪女っぽい気がするのよね。ちょっとだけ、加地先生が気の毒に感じますけど、身から出た錆だから仕方ないかな。
「う、うん。気持ちで撫でておきますね。それで、理事長の方は、どういう噂を流したんですか?」
「えへへ、理事長のは、なのちゃんの脚色なしだよー。言葉巧みに生徒を騙して、生徒からお金を巻き上げたって」
「そ、そうね、それは事実だもんね。って、やっぱり奈乃ちゃんが考えてたんじゃないーっ」
「あっ、これは言っちゃダメだったの、忘れてたー」
あんなこと、早紀先輩が考えられるはずないものね。
やはり、裏で手を引いていたのは悪女奈乃ちゃんだったよ。
あとは、この噂がどれだけ力を発揮できるかなんだけど。
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