65 / 83
第6話 復讐は密のように甘かった
復讐は蜂蜜のように甘かった 5ページ目
しおりを挟む
「もう、大丈夫、大丈夫だよ、奈乃ちゃん。本当にありがとうね。後輩なのに、いつも助けられてばかりだよ」
「よかった、元の朱音先輩が一番ですからねー」
「奈乃さんだけずるい……。ボクも会長を抱きしめたいのに」
「そ、それはまた今度ね、葵ちゃん」
「会長がそう言うならそうするよ」
「ありがとう、葵ちゃん。それでね、え、えっと、みんなには本当のことを話すよ。驚かないで聞いてね、実は──」
私が以前奈乃ちゃんに話したこと。
理事長に騙されたお金を巻き上げられたこと。
生徒会長になったのは復讐のため。
時おり悔しさを滲ませながら、私はゆっくりとした口調で、みんなに包み隠さずすべてを伝えたの。
「そう、だったんだね。許さない、ボクの会長をイジめるなんて、ふふふふふ、今すぐ地獄に堕としてくるよ。だから、会長は安心してここで待って──」
「葵ちゃん、実力行使はダメなんだからねっ」
「あぅ……。実力行使で止められたのはボクの方だよ。頭を叩くだなんて、会長の趣味はそっち系なのかな」
「ちっがーーーーーーう。私にそんな趣味はないからぁぁぁぁぁぁ」
「朱音先輩、善は急げですよー。明日にでも、そのクズ教師たちを裁判にかけましょうかー。確実に追放できるよう、私が全面協力しますのでー」
奈乃ちゃんが悪魔の笑みを浮かべてるよ。
でも、いつもの笑みというより、本気で怒ってるように見えるね。
だって、背後からドス黒いオーラが漂ってるもん。
「あのね、サキに出来ることは、何かないですかー?」
「早紀副会長は、確か人望がかなりありましたよねー?」
「そだよー、サキはこう見えて人気者なのだー」
「では、お願いしたいことがあるんですー。あのですね──」
「了解なのだっ、なのちゃん。サキに任せてなのー」
よく聞き取れなかったけど、二人で何を話してたんだろ。悪女奈乃ちゃんが考えたことだから、きっと聞くだけで後悔しそうな内容だよね。
ふふふふ、なんだか仲間っていいよね。あの三人のせいで私は心に深い傷を負ったけど、この人たちと巡り合わせてくれたことだけは感謝しないとねっ。
「あれっ、ところでリアコン王子はどこにいったんだろ」
「なんか、難しい顔して出ていったよー」
「そっか……」
べ、別に期待してたわけじゃないのよ。元々私の考えに反対ばっかりだったし? きっと今回もそうに違いないもん。どうせ、呆れて出ていっただけでしょ。
……やっぱり怒っちゃったのかな。
そうよね、普通に考えれば、リベンジャーズの権利を利用した私的な復讐だもんね。
怒るのは当然、だよね……。
「会長、元気がないみたいですけど、大丈夫?」
「大丈夫よ、葵ちゃん。ほら、この通り元気だからっ」
「朱音先輩、このあとの計画なんですけどー、何事も奇襲というのが大事なんですよー。そこで、明日のお昼は放送室に集合ということでいいですかー?」
「えっ、う、うん、わかったよ。でも、放送室でいったい何を……」
「私が書いた原稿を読むだけですよー。なので、何も心配しないでください」
「ボクも一緒に行くよ。何が出来るってわけじゃないけど、愛する会長のそばで応援したいんだ。ダメ、かな?」
「ありがとう、葵ちゃん。そばにいてくれると、心強いよ」
「ついに、ボクと会長が結婚する日が来たかな。式場は予約しておくね」
「ちっがーーーーーーうっ。だいたい、結婚は十八からだよぉぉぉぉぉぉ」
いつもの葵ちゃん流ジョーク──だと思うけど、それのおかけで、私の中で燻っていた不安な気持ちは、綺麗さっぱり吹き飛んだ。
「よかった、元の朱音先輩が一番ですからねー」
「奈乃さんだけずるい……。ボクも会長を抱きしめたいのに」
「そ、それはまた今度ね、葵ちゃん」
「会長がそう言うならそうするよ」
「ありがとう、葵ちゃん。それでね、え、えっと、みんなには本当のことを話すよ。驚かないで聞いてね、実は──」
私が以前奈乃ちゃんに話したこと。
理事長に騙されたお金を巻き上げられたこと。
生徒会長になったのは復讐のため。
時おり悔しさを滲ませながら、私はゆっくりとした口調で、みんなに包み隠さずすべてを伝えたの。
「そう、だったんだね。許さない、ボクの会長をイジめるなんて、ふふふふふ、今すぐ地獄に堕としてくるよ。だから、会長は安心してここで待って──」
「葵ちゃん、実力行使はダメなんだからねっ」
「あぅ……。実力行使で止められたのはボクの方だよ。頭を叩くだなんて、会長の趣味はそっち系なのかな」
「ちっがーーーーーーう。私にそんな趣味はないからぁぁぁぁぁぁ」
「朱音先輩、善は急げですよー。明日にでも、そのクズ教師たちを裁判にかけましょうかー。確実に追放できるよう、私が全面協力しますのでー」
奈乃ちゃんが悪魔の笑みを浮かべてるよ。
でも、いつもの笑みというより、本気で怒ってるように見えるね。
だって、背後からドス黒いオーラが漂ってるもん。
「あのね、サキに出来ることは、何かないですかー?」
「早紀副会長は、確か人望がかなりありましたよねー?」
「そだよー、サキはこう見えて人気者なのだー」
「では、お願いしたいことがあるんですー。あのですね──」
「了解なのだっ、なのちゃん。サキに任せてなのー」
よく聞き取れなかったけど、二人で何を話してたんだろ。悪女奈乃ちゃんが考えたことだから、きっと聞くだけで後悔しそうな内容だよね。
ふふふふ、なんだか仲間っていいよね。あの三人のせいで私は心に深い傷を負ったけど、この人たちと巡り合わせてくれたことだけは感謝しないとねっ。
「あれっ、ところでリアコン王子はどこにいったんだろ」
「なんか、難しい顔して出ていったよー」
「そっか……」
べ、別に期待してたわけじゃないのよ。元々私の考えに反対ばっかりだったし? きっと今回もそうに違いないもん。どうせ、呆れて出ていっただけでしょ。
……やっぱり怒っちゃったのかな。
そうよね、普通に考えれば、リベンジャーズの権利を利用した私的な復讐だもんね。
怒るのは当然、だよね……。
「会長、元気がないみたいですけど、大丈夫?」
「大丈夫よ、葵ちゃん。ほら、この通り元気だからっ」
「朱音先輩、このあとの計画なんですけどー、何事も奇襲というのが大事なんですよー。そこで、明日のお昼は放送室に集合ということでいいですかー?」
「えっ、う、うん、わかったよ。でも、放送室でいったい何を……」
「私が書いた原稿を読むだけですよー。なので、何も心配しないでください」
「ボクも一緒に行くよ。何が出来るってわけじゃないけど、愛する会長のそばで応援したいんだ。ダメ、かな?」
「ありがとう、葵ちゃん。そばにいてくれると、心強いよ」
「ついに、ボクと会長が結婚する日が来たかな。式場は予約しておくね」
「ちっがーーーーーーうっ。だいたい、結婚は十八からだよぉぉぉぉぉぉ」
いつもの葵ちゃん流ジョーク──だと思うけど、それのおかけで、私の中で燻っていた不安な気持ちは、綺麗さっぱり吹き飛んだ。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説

Color4
dupi94
青春
高校一年生の岡本行雄は、自分のすべてから目を背けるほどの事故から始まった悲惨な中学時代を経て、新たなスタートを心待ちにしていた。すべてが順調に始まったと思ったそのとき、彼は教室に懐かしい顔ぶれを見つけました。全員が異なる挨拶をしており、何が起こったのかについての記憶がまだ残っています。ユキオは、前に進みたいなら、まず自分の過去と向き合わなければならないことを知っていました。新しい友達の助けを借りて、彼は幼なじみとの間の壊れた絆を修復するプロセスを開始しました。

僕とやっちゃん
山中聡士
青春
高校2年生の浅野タケシは、クラスで浮いた存在。彼がひそかに思いを寄せるのは、クラスの誰もが憧れるキョウちゃんこと、坂本京香だ。
ある日、タケシは同じくクラスで浮いた存在の内田靖子、通称やっちゃんに「キョウちゃんのこと、好きなんでしょ?」と声をかけられる。
読書好きのタケシとやっちゃんは、たちまち意気投合。
やっちゃんとの出会いをきっかけに、タケシの日常は変わり始める。
これは、ちょっと変わった高校生たちの、ちょっと変わった青春物語。


三姉妹の姉達は、弟の俺に甘すぎる!
佐々木雄太
青春
四月——
新たに高校生になった有村敦也。
二つ隣町の高校に通う事になったのだが、
そこでは、予想外の出来事が起こった。
本来、いるはずのない同じ歳の三人の姉が、同じ教室にいた。
長女・唯【ゆい】
次女・里菜【りな】
三女・咲弥【さや】
この三人の姉に甘やかされる敦也にとって、
高校デビューするはずだった、初日。
敦也の高校三年間は、地獄の運命へと導かれるのであった。
カクヨム・小説家になろうでも好評連載中!

切り札の男
古野ジョン
青春
野球への未練から、毎日のようにバッティングセンターに通う高校一年生の久保雄大。
ある日、野球部のマネージャーだという滝川まなに野球部に入るよう頼まれる。
理由を聞くと、「三年の兄をプロ野球選手にするため、少しでも大会で勝ち上がりたい」のだという。
そんな簡単にプロ野球に入れるわけがない。そう思った久保は、つい彼女と口論してしまう。
その結果、「兄の球を打ってみろ」とけしかけられてしまった。
彼はその挑発に乗ってしまうが……
小説家になろう・カクヨム・ハーメルンにも掲載しています。
ヤマネ姫の幸福論
ふくろう
青春
秋の長野行き中央本線、特急あずさの座席に座る一組の男女。
一見、恋人同士に見えるが、これが最初で最後の二人の旅行になるかもしれない。
彼らは霧ヶ峰高原に、「森の妖精」と呼ばれる小動物の棲み家を訪ね、夢のように楽しい二日間を過ごす。
しかし、運命の時は、刻一刻と迫っていた。
主人公達の恋の行方、霧ヶ峰の生き物のお話に添えて、世界中で愛されてきた好編「幸福論」を交え、お読みいただける方に、少しでも清々しく、優しい気持ちになっていただけますよう、精一杯、書いてます!
どうぞ、よろしくお願いいたします!

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる