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第6話 復讐は密のように甘かった
復讐は蜂蜜のように甘かった 5ページ目
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「もう、大丈夫、大丈夫だよ、奈乃ちゃん。本当にありがとうね。後輩なのに、いつも助けられてばかりだよ」
「よかった、元の朱音先輩が一番ですからねー」
「奈乃さんだけずるい……。ボクも会長を抱きしめたいのに」
「そ、それはまた今度ね、葵ちゃん」
「会長がそう言うならそうするよ」
「ありがとう、葵ちゃん。それでね、え、えっと、みんなには本当のことを話すよ。驚かないで聞いてね、実は──」
私が以前奈乃ちゃんに話したこと。
理事長に騙されたお金を巻き上げられたこと。
生徒会長になったのは復讐のため。
時おり悔しさを滲ませながら、私はゆっくりとした口調で、みんなに包み隠さずすべてを伝えたの。
「そう、だったんだね。許さない、ボクの会長をイジめるなんて、ふふふふふ、今すぐ地獄に堕としてくるよ。だから、会長は安心してここで待って──」
「葵ちゃん、実力行使はダメなんだからねっ」
「あぅ……。実力行使で止められたのはボクの方だよ。頭を叩くだなんて、会長の趣味はそっち系なのかな」
「ちっがーーーーーーう。私にそんな趣味はないからぁぁぁぁぁぁ」
「朱音先輩、善は急げですよー。明日にでも、そのクズ教師たちを裁判にかけましょうかー。確実に追放できるよう、私が全面協力しますのでー」
奈乃ちゃんが悪魔の笑みを浮かべてるよ。
でも、いつもの笑みというより、本気で怒ってるように見えるね。
だって、背後からドス黒いオーラが漂ってるもん。
「あのね、サキに出来ることは、何かないですかー?」
「早紀副会長は、確か人望がかなりありましたよねー?」
「そだよー、サキはこう見えて人気者なのだー」
「では、お願いしたいことがあるんですー。あのですね──」
「了解なのだっ、なのちゃん。サキに任せてなのー」
よく聞き取れなかったけど、二人で何を話してたんだろ。悪女奈乃ちゃんが考えたことだから、きっと聞くだけで後悔しそうな内容だよね。
ふふふふ、なんだか仲間っていいよね。あの三人のせいで私は心に深い傷を負ったけど、この人たちと巡り合わせてくれたことだけは感謝しないとねっ。
「あれっ、ところでリアコン王子はどこにいったんだろ」
「なんか、難しい顔して出ていったよー」
「そっか……」
べ、別に期待してたわけじゃないのよ。元々私の考えに反対ばっかりだったし? きっと今回もそうに違いないもん。どうせ、呆れて出ていっただけでしょ。
……やっぱり怒っちゃったのかな。
そうよね、普通に考えれば、リベンジャーズの権利を利用した私的な復讐だもんね。
怒るのは当然、だよね……。
「会長、元気がないみたいですけど、大丈夫?」
「大丈夫よ、葵ちゃん。ほら、この通り元気だからっ」
「朱音先輩、このあとの計画なんですけどー、何事も奇襲というのが大事なんですよー。そこで、明日のお昼は放送室に集合ということでいいですかー?」
「えっ、う、うん、わかったよ。でも、放送室でいったい何を……」
「私が書いた原稿を読むだけですよー。なので、何も心配しないでください」
「ボクも一緒に行くよ。何が出来るってわけじゃないけど、愛する会長のそばで応援したいんだ。ダメ、かな?」
「ありがとう、葵ちゃん。そばにいてくれると、心強いよ」
「ついに、ボクと会長が結婚する日が来たかな。式場は予約しておくね」
「ちっがーーーーーーうっ。だいたい、結婚は十八からだよぉぉぉぉぉぉ」
いつもの葵ちゃん流ジョーク──だと思うけど、それのおかけで、私の中で燻っていた不安な気持ちは、綺麗さっぱり吹き飛んだ。
「よかった、元の朱音先輩が一番ですからねー」
「奈乃さんだけずるい……。ボクも会長を抱きしめたいのに」
「そ、それはまた今度ね、葵ちゃん」
「会長がそう言うならそうするよ」
「ありがとう、葵ちゃん。それでね、え、えっと、みんなには本当のことを話すよ。驚かないで聞いてね、実は──」
私が以前奈乃ちゃんに話したこと。
理事長に騙されたお金を巻き上げられたこと。
生徒会長になったのは復讐のため。
時おり悔しさを滲ませながら、私はゆっくりとした口調で、みんなに包み隠さずすべてを伝えたの。
「そう、だったんだね。許さない、ボクの会長をイジめるなんて、ふふふふふ、今すぐ地獄に堕としてくるよ。だから、会長は安心してここで待って──」
「葵ちゃん、実力行使はダメなんだからねっ」
「あぅ……。実力行使で止められたのはボクの方だよ。頭を叩くだなんて、会長の趣味はそっち系なのかな」
「ちっがーーーーーーう。私にそんな趣味はないからぁぁぁぁぁぁ」
「朱音先輩、善は急げですよー。明日にでも、そのクズ教師たちを裁判にかけましょうかー。確実に追放できるよう、私が全面協力しますのでー」
奈乃ちゃんが悪魔の笑みを浮かべてるよ。
でも、いつもの笑みというより、本気で怒ってるように見えるね。
だって、背後からドス黒いオーラが漂ってるもん。
「あのね、サキに出来ることは、何かないですかー?」
「早紀副会長は、確か人望がかなりありましたよねー?」
「そだよー、サキはこう見えて人気者なのだー」
「では、お願いしたいことがあるんですー。あのですね──」
「了解なのだっ、なのちゃん。サキに任せてなのー」
よく聞き取れなかったけど、二人で何を話してたんだろ。悪女奈乃ちゃんが考えたことだから、きっと聞くだけで後悔しそうな内容だよね。
ふふふふ、なんだか仲間っていいよね。あの三人のせいで私は心に深い傷を負ったけど、この人たちと巡り合わせてくれたことだけは感謝しないとねっ。
「あれっ、ところでリアコン王子はどこにいったんだろ」
「なんか、難しい顔して出ていったよー」
「そっか……」
べ、別に期待してたわけじゃないのよ。元々私の考えに反対ばっかりだったし? きっと今回もそうに違いないもん。どうせ、呆れて出ていっただけでしょ。
……やっぱり怒っちゃったのかな。
そうよね、普通に考えれば、リベンジャーズの権利を利用した私的な復讐だもんね。
怒るのは当然、だよね……。
「会長、元気がないみたいですけど、大丈夫?」
「大丈夫よ、葵ちゃん。ほら、この通り元気だからっ」
「朱音先輩、このあとの計画なんですけどー、何事も奇襲というのが大事なんですよー。そこで、明日のお昼は放送室に集合ということでいいですかー?」
「えっ、う、うん、わかったよ。でも、放送室でいったい何を……」
「私が書いた原稿を読むだけですよー。なので、何も心配しないでください」
「ボクも一緒に行くよ。何が出来るってわけじゃないけど、愛する会長のそばで応援したいんだ。ダメ、かな?」
「ありがとう、葵ちゃん。そばにいてくれると、心強いよ」
「ついに、ボクと会長が結婚する日が来たかな。式場は予約しておくね」
「ちっがーーーーーーうっ。だいたい、結婚は十八からだよぉぉぉぉぉぉ」
いつもの葵ちゃん流ジョーク──だと思うけど、それのおかけで、私の中で燻っていた不安な気持ちは、綺麗さっぱり吹き飛んだ。
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