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第6話 復讐は密のように甘かった
復讐は蜂蜜のように甘かった 2ページ目
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「少し話がそれましたが、これにて生徒会長の就任演説を終了したいと思います。詳しい内容は、後日掲示しますので、楽しみに待っていてください」
生徒たちから拍手喝采ですね。
やっぱり、みんな心ではそう思ってたんだね。
復讐のためとはいえ、この校則を作ってよかったよ。
それにしても──先生たちの顔は青ざめてますね。
でも、私の標的は二人だけだから安心すればいいのに。とはいっても、この声はあの人たちに届かないでしょうけど。
こうして私の就任演説は、異様な盛り上がりの中で終わりを告げる。体育館に私へのコールが響き渡り、先生たちは動揺が隠せない様子だった。
「就任演説お疲れ様でした、朱音先輩。心に響く演説だったよー」
「会長、カッコよすぎで、ボクは惚れ直しちゃったよ」
「二人ともありがとう」
いつものリベンジャーズルーム。
今日だけは会議などせず、就任演説お疲れ会モードだったのよ。というわけで、購買部でお菓子とか買い漁ってから、ささやかなパーティーの始まりだよっ。
「はやくパーティーを始めようよー。サキはもうガマンできないのだー」
「そうね、それじゃ始めましょうか。誰か忘れてる気がするけど、みんな、これからも学園を盛り上げていこー」
先生たちの青ざめた顔、今思い出しても笑っちゃうね。
私の心が少しは晴れた気がするよ。ほんの少しだけどねっ。
最初に復讐するのは、もちろん前菜の理事長と加地先生からね。新しい校則を掲示してから、あの二人を処罰の対象にするの。そして、初の教育者追放という新しい歴史をこの学園に刻んでみせるからっ。
「も、戻りました。友だちに捕まっちゃいまして」
「あっ、そっか、誰か忘れてると思ったら、リアコン王子だったよ」
「ひどいですよー。僕ってそんなに影が薄いですかー?」
「それは違うかな、リアコン王子。影が薄いんじゃなく、ボクの記憶から存在を消してるだけだよ」
「僕に対する来栖先輩の扱いって……」
「はいはい、そんなに沈まないでよねっ。ほら、ポッキー食べさせてあげるから、機嫌直そうよ。はいっ、あーんっ──」
ん? あれ、私は今何をしたのかな。
手に持ってたはずのポッキーがなくなってるよ。
確か自分で食べようとして、そしたら管君が沈んでたのが見えて、それで──。
はわわわわ、私ったらなんでこんなことしたのよっ。
はぅ……恥ずかしすぎて顔が火照ってきちゃうし、この場から今すぐにでも立ち去りたい気分だよ。
「さ、西園寺会長、今のはいったい……」
「か、勘違いしないでよねっ。別にリアコン王子がどうとかじゃないんだからっ。この楽しい雰囲気を壊したくなかっただけよ。本当にそれだけ、なんだから……」
よ、よし、これでなんとか誤魔化せたかな。
うん、きっと大丈夫、ツンデレパワーを使ったんだから、何事もなく──って、なんでみんなの視線が私に向いてるのよっ。
な、何よ、その顔を赤く染めての反応とか。これじゃまるで私が……。
ち、違うからっ、みんなが思ってることなんてないんだからっ。
だいたい、校内恋愛禁止を校則に入れたじゃないの。それをすぐに破るだなんて、生徒会長としてありえないよ。こ、これは、そう、同じリベンジャーズの仲間だからよ。本当にそれだけの関係なんだから……。
生徒たちから拍手喝采ですね。
やっぱり、みんな心ではそう思ってたんだね。
復讐のためとはいえ、この校則を作ってよかったよ。
それにしても──先生たちの顔は青ざめてますね。
でも、私の標的は二人だけだから安心すればいいのに。とはいっても、この声はあの人たちに届かないでしょうけど。
こうして私の就任演説は、異様な盛り上がりの中で終わりを告げる。体育館に私へのコールが響き渡り、先生たちは動揺が隠せない様子だった。
「就任演説お疲れ様でした、朱音先輩。心に響く演説だったよー」
「会長、カッコよすぎで、ボクは惚れ直しちゃったよ」
「二人ともありがとう」
いつものリベンジャーズルーム。
今日だけは会議などせず、就任演説お疲れ会モードだったのよ。というわけで、購買部でお菓子とか買い漁ってから、ささやかなパーティーの始まりだよっ。
「はやくパーティーを始めようよー。サキはもうガマンできないのだー」
「そうね、それじゃ始めましょうか。誰か忘れてる気がするけど、みんな、これからも学園を盛り上げていこー」
先生たちの青ざめた顔、今思い出しても笑っちゃうね。
私の心が少しは晴れた気がするよ。ほんの少しだけどねっ。
最初に復讐するのは、もちろん前菜の理事長と加地先生からね。新しい校則を掲示してから、あの二人を処罰の対象にするの。そして、初の教育者追放という新しい歴史をこの学園に刻んでみせるからっ。
「も、戻りました。友だちに捕まっちゃいまして」
「あっ、そっか、誰か忘れてると思ったら、リアコン王子だったよ」
「ひどいですよー。僕ってそんなに影が薄いですかー?」
「それは違うかな、リアコン王子。影が薄いんじゃなく、ボクの記憶から存在を消してるだけだよ」
「僕に対する来栖先輩の扱いって……」
「はいはい、そんなに沈まないでよねっ。ほら、ポッキー食べさせてあげるから、機嫌直そうよ。はいっ、あーんっ──」
ん? あれ、私は今何をしたのかな。
手に持ってたはずのポッキーがなくなってるよ。
確か自分で食べようとして、そしたら管君が沈んでたのが見えて、それで──。
はわわわわ、私ったらなんでこんなことしたのよっ。
はぅ……恥ずかしすぎて顔が火照ってきちゃうし、この場から今すぐにでも立ち去りたい気分だよ。
「さ、西園寺会長、今のはいったい……」
「か、勘違いしないでよねっ。別にリアコン王子がどうとかじゃないんだからっ。この楽しい雰囲気を壊したくなかっただけよ。本当にそれだけ、なんだから……」
よ、よし、これでなんとか誤魔化せたかな。
うん、きっと大丈夫、ツンデレパワーを使ったんだから、何事もなく──って、なんでみんなの視線が私に向いてるのよっ。
な、何よ、その顔を赤く染めての反応とか。これじゃまるで私が……。
ち、違うからっ、みんなが思ってることなんてないんだからっ。
だいたい、校内恋愛禁止を校則に入れたじゃないの。それをすぐに破るだなんて、生徒会長としてありえないよ。こ、これは、そう、同じリベンジャーズの仲間だからよ。本当にそれだけの関係なんだから……。
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