ツンデレヒロインの逆襲

朽木昴

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第6話 復讐は密のように甘かった

復讐は蜂蜜のように甘かった 1ページ目

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 今日が終わりの始まり。

 復讐の始まりであり、あの三人の平穏な日々が終わりを告げる。

 許さない、絶対に許すものですか。私の大切な一年間を奪い嘲笑った者たち、今こそ正義の審判を受けるときよ。

 嵐の前の静けさ、これが今の舞台袖。だからね、私は復讐が始まるまで目を瞑り、静寂の中に身を投じたの。

「次は、先日生徒会長に就任した、西園寺朱音さんからのご挨拶です」

 ついに、このときが来ましたね。

 この瞬間をどれほど待ち望んたことだか。

 さぁ、復讐劇の始まりよ。

 高鳴る胸とともに、いざ積年の恨みを晴らそうじゃないっ。

「みなさま、このたび生徒会長に就任した西園寺朱音です。さっそくですが、この数日で決めたことをみなさまにお話いたしますね」

 もちろん最初に伝えるのは、生徒会という名前の変更ね。

 さて、みんながどんな反応するのか、ほんの少し楽しみです。

「私たちはまず初めに、生徒会という堅苦しい名前をリベンジャーズという名称に変更しましたの。これは、利便性をよくするから取っており、他に意味なんてありません」

 思った通りざわめいていますね。

 これは予想通りの反応です。

 で、も、本当のお楽しみはこれからなんだからっ。

「次に校則の変更になりますが、私たちは停学・退学の廃止、校内恋愛の禁止、そして不適切な学園関係者を追放できるようにいたしました」

「ま、待ちたまえ。三つ目を校則として認めるわけには──」

「先生、お静かにお願いしますね。認めるも何も、先生方に拒否権などありませんよ。生徒会、いいえ、リベンジャーズはより良い学園を作り上げるため、このような権限が与えられてるはずです。それともまさか、生徒たちからの信頼がないと言うんですか?」

「そんなことは断じてないが……。だがな、これはまったく別問題だ」

「さっきも言いましたけど、教師にこの校則を拒否する権利などありませんよ? それともあれですか、先生たちに都合の悪いことだけは拒否する。これがこの学園のやり方なんでしょうか?」

「い、いや、そういうわけでは……。り、理事長からも何か言ってください」

 うわぁ……最低の大人ね。

 自分で勝てないからって、最高権力者に縋り付くだなんて。

 こんな教師に教わることはないよね。あるとしたら──うん、ゴマすりの方法かな。

 あの先生はきっと、ゴマすりのしすぎで指紋がなくなってそうよ。

「理事長はまさか、嘘つきとかではありませんよね? 学園をより良くする。それなら、すべての生徒が満足する教育現場となっているはずです。別にこの校則を入れたからといって、マジメに生徒たちと向き合っているのなら、なんの問題がないと思いますけどっ?」

「う、うむ。生徒会長の言う通り、じゃな」

「そんな理事長……」

 教師たちが慌ててますね。

 ふふふふふ、今さら慌てたところで後の祭りだというのに。

 まさか自分たちに関係する校則ができるなんて、思ってもみなかったでしょうね。
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