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第5話 真剣な話には笑いがつきもの
真剣な話には笑いがつきもの 10ページ目
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「なのちゃん、ありがとうなのだー。サキ、この写真を大切にするー」
「なんでしたらー、引き伸ばしてポスターにもできますよー」
「にゃんと!? それならポスターも──」
「って、人が見てないと思って、二人は何をしてるんですかっ」
「だってー、可愛いものは、みんなで共有しないとねー。ほら、SNSにはアップしないから、これくらい許しては──」
「ダメに決まってますっ」
「それなら、ツンデレ会長の暴力という見出しで、記事にするしかないようね」
「そ、それはもっとダメですぅぅぅぅぅぅ」
もう、油断も隙もあったもんじゃないよ。
それにしても、葵ちゃんが静かなのが気になるかな。
いつもなら、真っ先に飛びつくはずなのに……。
「葵ちゃん、まさかとは思うけど、さっきの写真なんて撮ってないよねっ?」
「安心して、ボクは写真なんて撮ってないよ」
「そっか、変なこと聞いてごめんね」
「ううん、気にしないでいいよ。そのかわり、ボクと結婚してくれれば──」
「それはできないからっ」
少し心配しすぎかな。
もう少し人を信じる気持ちを持たないとねっ。
「それで、朱音先輩、不適切な学園の処罰って、具体的どうするんですかー?」
「そんなこと決まってるよっ。もちろん、クビですっ」
「大胆な改革ですねー。でも、私はその考えを支持しますよー」
「ボクだって、会長のためなら、教師を敵に回す覚悟はあるよ」
「サキもー、この学園をより良くするために必要だと思うのだー」
「ふむ、ツンデレ嫌いな私でも、こればかりはツンデレ会長を認めざるを得ませんね。そんな発想ができるとは思ってもみませんでした。だからといって、嫌いなことに変わりはありませんけど」
これで全員──ではないですね、管君をまた忘れてました。まぁ、過半数を超えてるから、今さら反対しても意味などありませんけどね。
「わかりましたよ、西園寺会長。僕も賛成しますよ。確かに西園寺会長が言うように、教師という立場の悪用は防ぎたいですからね」
「べ、別に、ひとり反対したところで、これを校則に入れるのは決まったのよっ。だから、ゴネてないでさっさと議事録に書きなさいよっ、このリアコン王子」
「僕は賛成するって言ったじゃないですかぁぁぁぁぁぁぁ」
「あっ……。いつものクセでつい、ね? ごめんなさいっ」
これで復讐の舞台は整いました。
あとは明日の就任演説でファンファーレを鳴らすだけ。
ふふふふ、今から楽しみで仕方ありませんね。
こうして、復讐の準備が万全となり、私は心の中で微笑みを浮かべた。だって、溜め込んだ怒りを解放できる喜びと、あの三人を地獄に落とせる嬉しさ、このふたつが私の心を支配していたのだから。
「なんでしたらー、引き伸ばしてポスターにもできますよー」
「にゃんと!? それならポスターも──」
「って、人が見てないと思って、二人は何をしてるんですかっ」
「だってー、可愛いものは、みんなで共有しないとねー。ほら、SNSにはアップしないから、これくらい許しては──」
「ダメに決まってますっ」
「それなら、ツンデレ会長の暴力という見出しで、記事にするしかないようね」
「そ、それはもっとダメですぅぅぅぅぅぅ」
もう、油断も隙もあったもんじゃないよ。
それにしても、葵ちゃんが静かなのが気になるかな。
いつもなら、真っ先に飛びつくはずなのに……。
「葵ちゃん、まさかとは思うけど、さっきの写真なんて撮ってないよねっ?」
「安心して、ボクは写真なんて撮ってないよ」
「そっか、変なこと聞いてごめんね」
「ううん、気にしないでいいよ。そのかわり、ボクと結婚してくれれば──」
「それはできないからっ」
少し心配しすぎかな。
もう少し人を信じる気持ちを持たないとねっ。
「それで、朱音先輩、不適切な学園の処罰って、具体的どうするんですかー?」
「そんなこと決まってるよっ。もちろん、クビですっ」
「大胆な改革ですねー。でも、私はその考えを支持しますよー」
「ボクだって、会長のためなら、教師を敵に回す覚悟はあるよ」
「サキもー、この学園をより良くするために必要だと思うのだー」
「ふむ、ツンデレ嫌いな私でも、こればかりはツンデレ会長を認めざるを得ませんね。そんな発想ができるとは思ってもみませんでした。だからといって、嫌いなことに変わりはありませんけど」
これで全員──ではないですね、管君をまた忘れてました。まぁ、過半数を超えてるから、今さら反対しても意味などありませんけどね。
「わかりましたよ、西園寺会長。僕も賛成しますよ。確かに西園寺会長が言うように、教師という立場の悪用は防ぎたいですからね」
「べ、別に、ひとり反対したところで、これを校則に入れるのは決まったのよっ。だから、ゴネてないでさっさと議事録に書きなさいよっ、このリアコン王子」
「僕は賛成するって言ったじゃないですかぁぁぁぁぁぁぁ」
「あっ……。いつものクセでつい、ね? ごめんなさいっ」
これで復讐の舞台は整いました。
あとは明日の就任演説でファンファーレを鳴らすだけ。
ふふふふ、今から楽しみで仕方ありませんね。
こうして、復讐の準備が万全となり、私は心の中で微笑みを浮かべた。だって、溜め込んだ怒りを解放できる喜びと、あの三人を地獄に落とせる嬉しさ、このふたつが私の心を支配していたのだから。
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