ツンデレヒロインの逆襲

朽木昴

文字の大きさ
上 下
59 / 83
第5話 真剣な話には笑いがつきもの

真剣な話には笑いがつきもの 9ページ目

しおりを挟む
「リアコン王子が反対する理由は何かな?」

「僕たちは教わる立場なんですから、生徒が教師を処罰するなんて、おかしいに決まってるじゃないですか」

「なるほど、リアコン王子という名前は認めるのね」

「い、いえ、そういうことではなく──」

「この学園の方針に『より良い学び舎』というのがあるでしょ? つまりね、その方針に反する教師がいてはならないのよ。だって、教師のための生徒じゃなく、生徒のための教師であるべきだからね」

「そ、それはそうですけど、で、でもっ」

「ふぅー、それなら逆にリアコン王子に質問です。教師とは、生徒たちの人生に責任を持っているのですか? すべての教師がそうとは言えないけど、中には自分の私利私欲のため、教師という立場を悪用する人もいるんじゃないですかっ? パワハラは、生徒に対してもあってはならないのですよっ」

 決まった──華麗な名言が今ここに誕生しました。自分で言っときながらなんですけど、この言葉はカッコよすぎます。これは今年の流行語大賞を狙えますね。

 あぁ、ずっとこの余韻に浸っていたいよ。なんだかやり遂げた感満載で、思わず笑顔がこぼれちゃいそう。

「あの、西園寺会長、どうしてニヤニヤしてるんでしょうか?」

「何を言ってるのよ、このリアコン王子。私がニヤニヤしてるだなんて──」

「サキも、朱音会長がニヤニヤしてるように見えるのだー」

「なるほどー、ツンデレ会長は自己陶酔するタイプなんですね。これは大スクープだよ」

「どうせ、カッコイイこと言っちゃった、とか思ってるだけかとー」

 はうっ、奈乃ちゃんに心を読まれてるし。

 ということは、ニヤニヤしてるのも事実ってことなのねぇぇぇぇぇぇ。

 不覚──顔に出てしまうだなんて、一生の不覚なんだからっ。なんとかして、この場を誤魔化さないと……。

「こ、これはわざとよ、わざとニヤニヤしたんだからっ。別にカッコイイこと言ったとか、そんなことは微塵も思ってないもの。で、でも、ほんの少しだけ、自分に酔ってただけ、だよ」

 ふふふ、見てよ、この完璧な誤魔化し具合。

 これで私の面目は保たれたはず──なんだけど、みんなの顔が少し変だよ。

 口元に手を当てながら、私に向ける視線はどこか温かさを感じるし、そっか、そういうことね。これは、幼子が無邪気に遊ぶ姿を微笑ましく見守るような──。

「って、なんで、みんな笑っているんですかぁぁあぁぁぁ」

「朱音先輩があまりにも可愛すぎるからですー。これは写真に撮れば高値で売れそうですねー」

「こんな会長の一面もあっただなんて、ボクは尊死しちゃうよ」

「なのちゃん、写真撮ったら、こっそりサキに売って欲しいのだー」

「さ、西園寺会長の、ぷぷ、言いたいことは、ぷっ、わかりまし──」

「リアコン王子のくせに、笑いながら喋るなぁぁぁぁぁぁぁ」

「ぐはっ」

「きゃー、私の陽琥君がー」

 ──はぁ、はぁ。

 つい、特大のビンタをお見舞いしちゃったよ。
 でも私は悪くないもん。笑った管君がいけないんだもんっ。

 まったく、なんで笑うのよ、ばかっ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

何故か超絶美少女に嫌われる日常

やまたけ
青春
K市内一と言われる超絶美少女の高校三年生柊美久。そして同じ高校三年生の武智悠斗は、何故か彼女に絡まれ疎まれる。何をしたのか覚えがないが、とにかく何かと文句を言われる毎日。だが、それでも彼女に歯向かえない事情があるようで……。疋田美里という、主人公がバイト先で知り合った可愛い女子高生。彼女の存在がより一層、この物語を複雑化させていくようで。 しょっぱなヒロインから嫌われるという、ちょっとひねくれた恋愛小説。

善意一〇〇%の金髪ギャル~彼女を交通事故から救ったら感謝とか同情とか罪悪感を抱えられ俺にかまってくるようになりました~

みずがめ
青春
高校入学前、俺は車に撥ねられそうになっている女性を助けた。そこまではよかったけど、代わりに俺が交通事故に遭ってしまい入院するはめになった。 入学式当日。未だに入院中の俺は高校生活のスタートダッシュに失敗したと落ち込む。 そこへ現れたのは縁もゆかりもないと思っていた金髪ギャルであった。しかし彼女こそ俺が事故から助けた少女だったのだ。 「助けてくれた、お礼……したいし」 苦手な金髪ギャルだろうが、恥じらう乙女の前に健全な男子が逆らえるわけがなかった。 こうして始まった俺と金髪ギャルの関係は、なんやかんやあって(本編にて)ハッピーエンドへと向かっていくのであった。 表紙絵は、あっきコタロウさんのフリーイラストです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

【完結】カワイイ子猫のつくり方

龍野ゆうき
青春
子猫を助けようとして樹から落下。それだけでも災難なのに、あれ?気が付いたら私…猫になってる!?そんな自分(猫)に手を差し伸べてくれたのは天敵のアイツだった。 無愛想毒舌眼鏡男と獣化主人公の間に生まれる恋?ちょっぴりファンタジーなラブコメ。

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

深海の星空

柴野日向
青春
「あなたが、少しでも笑っていてくれるなら、ぼくはもう、何もいらないんです」  ひねくれた孤高の少女と、真面目すぎる新聞配達の少年は、深い海の底で出会った。誰にも言えない秘密を抱え、塞がらない傷を見せ合い、ただ求めるのは、歩む深海に差し込む光。  少しずつ縮まる距離の中、明らかになるのは、少女の最も嫌う人間と、望まれなかった少年との残酷な繋がり。 やがて立ち塞がる絶望に、一縷の希望を見出す二人は、再び手を繋ぐことができるのか。 世界の片隅で、小さな幸福へと手を伸ばす、少年少女の物語。

自称未来の妻なヤンデレ転校生に振り回された挙句、最終的に責任を取らされる話

水島紗鳥
青春
成績優秀でスポーツ万能な男子高校生の黒月拓馬は、学校では常に1人だった。 そんなハイスペックぼっちな拓馬の前に未来の妻を自称する日英ハーフの美少女転校生、十六夜アリスが現れた事で平穏だった日常生活が激変する。 凄まじくヤンデレなアリスは拓馬を自分だけの物にするためにありとあらゆる手段を取り、どんどん外堀を埋めていく。 「なあ、サインと判子欲しいって渡された紙が記入済婚姻届なのは気のせいか?」 「気にしない気にしない」 「いや、気にするに決まってるだろ」 ヤンデレなアリスから完全にロックオンされてしまった拓馬の運命はいかに……?(なお、もう一生逃げられない模様) 表紙はイラストレーターの谷川犬兎様に描いていただきました。 小説投稿サイトでの利用許可を頂いております。

処理中です...